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西尾治子 のブログ Blog Haruko Nishio:ジョルジュ・サンド George Sand

日本G・サンド研究会・仏文学/女性文学/ジェンダー研究
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『青鞜』創刊百年シンポより(覚え書き)

2011年09月03日 | 女性文学・女性
2011年9月3日『青鞜』創刊百年シンポより(覚え書き)

覚え書きというより走り書きですが・・・

*瀬戸内寂聴
悲惨な人生を送っている女性たちがいる。シングルマザー 不幸と孤独
震災:これ以上のどん底はない。必ず這い上がることができる。

*舘かおる(お茶の水大)
・『青鞜』は女性文学者を作るために創刊された。これまで文学研究の側面から捉えられてきた
・青鞜は日本におけるシスターフッドの元祖:シスターフッドとは、青鞜百年後、第二波フェミ(ウーマンリブの女性たち)が作った言葉
・新しい女の表象:表紙の絵 冠:女王 波・渦巻き:水のモチーフ 想像力の源泉 自由と超越的な力を象徴している。 壺:女性の身体  左右非対称の腕:上昇する力  
・『青鞜』は三回の発禁処分を受けた
・発起人:平塚らいてう(=平塚明子)の他、お茶の水高等女学校、日本女子大時代の友人5人。
社員:野上弥生子 田村俊子 神近市子 伊藤野枝
賛助会員:長谷川時雨 与謝野晶子 岡田八千代 加藤壽(かず)子 小金井喜美子 森しげ 
  
・第五条「本社の目的に賛同したる女流文学者、将来女流文学者たらんとする者及び文学愛好の女子は人種を問はず社員とす。本社の目的に賛同せられたる女流文壇の大家を賛助員とす。本社の目的に賛同したる男子にして社員の尊敬するに足ると認めたる人に限り客員とす。」

*伊藤ひろみ 詩人 1970年 第18回紫式部賞受賞
らいてうの『檄文』を読み、女の意識に仰天 おどろおどろした女の怨念 
らいてうは、声が小さく引っ込み思案だった 
<与謝野晶子>
子供12人を産む。一人は死。11人を育てる。複数の男の子ならまだしも一人の男の子供を12人も産む信じがたさ。私は三人で辟易。その後、晶子は与謝野鉄幹と不倫。
青鞜第2回 与謝野晶子のの12連からなる詩「そぞろごと」から始まる
 「山の動く日来る」「一人称にてのみもの書かばや」 一人称で書きたい
 
「山の動く日来(きた)る。/かく云へども人われを信ぜじ。/山は姑(しばら)く眠りしのみ。/その昔に於て/山は皆火に燃えて動きしものを。/されど、そは信ぜずともよし。/人よ、ああ、唯これを信ぜよ。/すべて眠りし女(おなご)今ぞ目覚めて動くなる。一人称にてのみ物書かばや。/われは女ぞ。/一人称にてのみ物書かばや。/われは。われは。」

*田中美津 (ウーマンリブ運動の伝説的な指導者)
なでしこジャパンに刷毛(化粧用ブラシ)の贈呈。
試合がすんだら、女に戻れ、男たちの手の上に乗りなさいというメッセージ。「ざけんじゃないよ」「ごきぶりのように脈々と日本に生息している」このメッセージ。

福島の女性たちにブラシをプレゼントするのは素晴らしいこと。
彼が彼女に刷毛をプレゼントするのも素敵なこと。
なでしこブラシとは異なるプレゼント。

化粧をして綺麗になりたい、若くみせたい小さな私。金子光晴の好きな天下国家のことを考える大きな私。ふたつの私を生きる。自分以上のものにならない私。
らいてうは化粧する女に批判的だったーこれは青鞜運動のとりこぼしだったのではないか。化粧する女も取り入れる運動の展開を。何はともあれ、青鞜の精神を今、生きる必要。

*中山千夏
自分のままで、一人称でいましょう。我が強くなくては駄目。
女性の名前から文学が始まる。教育は力。若きツバメ。

*ショートメッセージ
1米田冴子 「らいてうの会」会長  らいてうは、はにかみやだった。
らいてうは50年前、75歳。『青鞜』 菅原はく 同性愛 
大逆事件の後、生まれた『青鞜」。迫害。つばを吐きかけられ、家に石をなげられ・・・つまづき絶望のどん底。私は私自身を生きる。誰にも支配されることなく。私は私。=合い言葉

2雨宮処凛 作家・社会運動家
かつて「ミニスカ右翼」と形容された、パンク・ファッションの元右翼活動家だったが、現在は「ゴスロリ作家」を自称する左派系論者

女性の貧困の問題、未解決。震災理由による派遣切りの横行。生活保護受給者は百万人以上。脱原発を主張するのは圧倒的に女性たち。見回すと国を治め、政治を実践しているのは男ばかり。福島県の町議会の女性議員はゼロ。他の市町村も同じようなもの。いてもちらほら。新宿の原発反対2万人デモのビデオ紹介。

3倉田真弓
漫画家。だめ男と付き合ってしまう女の漫画ばかり10年書いている。
世の中の優位性のヒエラルキーは、男ー女ー男。一番下にいるのも男。女は真ん中にいる。NHKの委員を任じられているが、役員12人全員が男。マスコミ界も重要な役職は男ばかりが占拠。偶にいる女性たちは男勝りの女性ではなく、おじいちゃん重鎮たちに可愛がられるタイプの女性たち。彼女たちだけが昇進しており。不思議な現象。内閣の大臣はじめ、あらゆる世界で同様の現象に出会い、驚く。

4朝倉睦子 早稲田大教授
山川菊江について
らいてうと同世代。虐殺を逃れた。山上ちえこの120周年記念の映画
関東大震災1923年が、労働総同盟、の運動,大杉栄、伊藤野枝などの運動を止めた。国民の恐怖心、愛国心、偏狭な排外的島国根性、朝鮮人6000人の虐殺。日本の社会組織の脆弱性を示した=①大正デモクラシー②排外主義(右傾化の勝利)=より大きな人災を引き起こし、軍国主義へと向かっていった。

5赤松良子 りょうこ(日本の労働官僚、外交官、政治家。勲等は旭日大綬章。財団法人日本ユニセフ協会会長。筆名は青杉 優子。在ウルグアイ大使、文部大臣を歴任。父赤松麟作の弟子=佐伯祐三。国際女性の地位協会10周年を記念し「赤松良子賞」設立2009年に逮捕された村木厚子・厚生労働省雇用均等・児童家庭局長について、「無実の村木厚子さんの解放を求めます」との声明を発表)

子供の時から『青鞜』のファン。叔母が講読していた。
『らいてう伝」の伝記がすでに出ていた。
らいてうには二度会った。声の小さな気品のある人。
市川房枝 新婦人協会ー婦人参政権を推進  大正時代の終わり
『青鞜』の志を引き継いでいく

6岩田喜美恵 厚生労働省雇用均等・児童家庭局長を経て、女性初資生堂代表取締役副社長 内閣府男女共同参画会議議員、経済同友会幹事
資生堂8年目 赤松良子の後輩

こんなに女性が活躍できていない国は世界にない。
社会で女性がバトンの引き継ぎを。
シスターフッド:横のつながり 世代間のつながり 世代から世代へのつながりも重要。 
男女雇用均等法から25年。確かに世の中は変わった。
しかし変わり方が著しく遅い。
ワークライフバランス  新たな問題もある。福島の市町村
<最重要:女性が子育てしながら仕事の出来る社会の構築>

7福島瑞穂:本シンポジウムの呼びかけ人
宮崎県に18歳までいた。らいてうを図書館で読んだ。
結婚届を出さないで長女を出産、当時は革新的なことだった。
<「世間には世間の論理がある。私には私の論理がある」>
大杉栄 野枝の受けた迫害 母性 同性愛の問題 
ジェンダーバッシングは現在進行形 一人称で語る。小さな自分、おおきな自分。共有していくことが大事。幸徳秋水:「100年後の人々は理解してくれるだろう」脱原発を。

8吉武輝子
創刊のとき、与謝野晶子は、素晴らしい詩をくれた。
下北沢にらいてうの娘 私は彼女の小間物屋に入り浸った。 
「母がもんぺをはいて白い割烹着で旗を振っていた」その像が目に焼き付いて離れないとらいてうの娘。
晶子の「君死にたもうなかれ」は前年
トルストイの反戦論を朝日新聞は16回に渡って連載
市川房枝「普選から婦選へ」しかし治安維持法、『見事に死になさい」→戦争へ。大政翼賛会が理事にー戦争中、女性は月どころか真っ暗闇のなかに生きていた。「平等なくして平和なし!」

*樋口恵子 閉会のメッセージ
全体的には良い方向に向かっている。65年間の平和。私は楽観論者。
しかし現代の喫緊の問題:
1)男女別姓問題はそのまま。荒井静香と亀井静香が結婚したら、それぞれの名前の下に(  )をつけて男、女とでも?
2)年金問題
第一号、第三号の問題。第一号自営業の妻は、将来の僅かな年金を受給するために毎月1万某かの年金を支払っている。他方、第三号の「専業主婦に偽装させられた女性たち」1千万人以上は、この60年以上、一銭も支払わずに年金を受給。計算してみると、そのために政府が支払ってきた総額は、驚くなかれ、40兆円。
3)親や伴侶の介護のための離職 働き盛りの男女の重大な問題
4)BB現象:「BB=貧乏婆さん」が増加している

らいてうの葬式に参加:らいてうの非嫡子の息子さんの弔辞。
「私たち子供たちにとって母は迷惑極まりない母親だった。しかし、らいてう以外の母をもちたいと思ったことは一度もなかった」

未来へのつけ:財政赤字 放射能の未来
「うつくしい国」なんていう言葉でごまかされない。
打たれ強く「激しく欲求することを実現させる」
前進しましょう!

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