goo blog サービス終了のお知らせ 

西尾治子 のブログ Blog Haruko Nishio:ジョルジュ・サンド George Sand

日本G・サンド研究会・仏文学/女性文学/ジェンダー研究
本ブログ記事の無断転載および無断引用をお断りします。
 

ディドロ生誕三百周年記念講演会のお知らせ(東京・名古屋・京都)

2013年09月08日 | 文学一般 国内

ディドロ生誕三百周年記念講演会のお知らせ(東京・名古屋・京都)

今年、2013年はドニ・ディドロの生誕三百周年にあたります。この記念の年を機に、来る9月17日より30日まで、イタリアからジャンルイジ・ゴッジ(ピサ大学教授)を招き、日本各地のディドロ研究者・十八世紀ヨーロッパ研究者のご協力を得て、東京・名古屋・京都で一連の講演会を開催するはこびとなりました。

 ゴッジ氏はディドロ晩年の『両インド史』への寄稿やロシアの「文明化」をめぐる考察を中心に、ディドロの政治思想研究を進めてきた学者で、最近になって一部が『De l'Encyclopédie à l'éloquence républicaine』(Paris, Champion, 2013)にまとめられたその研究は、詳細な文献学的探索を通じて、マキァヴェッリ以来のヨーロッパの政治思想の遺産(ベーコン・ホッブズ・ハリントン・ロック・スピノザ等)と、フランス・ブリテン・アメリカを股に懸ける「晩期啓蒙」の政治的議論が、ディドロ晩年の政治的テクストにいかに刻印されているかを明らかにしています。また、ゴッジ氏の仕事は、長く等閑視されて来た感のあるフランス18世紀思想史における啓蒙から革命への関係についても、ディドロにおける古典的共和主義とロック的自然権論の合流の観点から、新しい視点を付け加えてくれます。世代的には68年世代に属しつつ、現在『両インド史』(Fernay-Voltaire, Centre international d'étude sur le 18e siècle)、 『ディドロ全集』(Paris, Hermann)、ヴォルテール『習俗試論』(Oxford, Voltaire Foundation)の批評校訂版の編纂にも携わっているゴッジ氏は、ディドロ研究・18世紀研究の文脈では、フランコ・ヴェントゥーリに続く世代のイタリアの十八世紀思想・文化史研究の代表的な研究者の一人と言えます。個人的にも敬愛するこの碩学の講演会にぜひ多くの方々にご参集いただきたく、お知らせをさしあげる次第です。なお、講演はいずれもフランス語で日本語の翻訳を付します。以下、各地の開催要領です。


 2013年9月22日(日)13:00~ 「ディドロの政治的言語におけるいくつかのイメージについて」
於・慶応大学(三田)研究棟1階A会議室
(「百科全書研究会」での講演;逸見龍生氏の研究発表もあり)

 2013年9月24日(火)16:00~ 「ディドロとロシアの文明化」
於・名古屋大学経済学研究科第一会議室

 2013年9月27日(金)15:00~ 「ディドロと政治的雄弁」
於・京都大学人文科学研究所本館1Fセミナー室2

王寺賢太
京都大学人文科学研究所
606-8501 京都市左京区吉田本町
kentao@zinbun.kyoto-u.ac.jp
075-753-6920

ディドロ生誕三百周...pdf


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第2回「関西学生フランス文学研究会」

2013年08月17日 | 文学一般 国内

第2回「関西学生フランス文学研究会」を近く開催します。学生・研究者そしてひろく一般のみなさまのご来場をお待ちしております。当日のお問い合わせなど、詳しくは添付ファイルをご参照ください。

日時:平成25年8月31日(土) 14 :00~18 : 15
会場:京都大学 文学部第七講義室

〈プログラム〉 
発表題目および発表者(発表30分、質疑応答10分)
14:00 ~第1部開始
14:10 ~14:50 岩永大気「ベケット『事の次第』におけるアレゴリー」
14:50 ~15:30 松川みゆう「ルソーにおける立法者像ーモーセ、リュクルゴス、ヌマについて」
15 :30 ~15 :50 休憩

15:50 第2部開始
16 :00 ~16 :40 久保田麻里 「モリエール喜劇における女性の肖像」
16 :40 ~17:20 岡田佳子 「ユルスナール『黒の過程』における自我の問題」
17:20 ~17:30 小休憩
17:30 ~18:10 柴田秀樹 「後期フーコーとハイデッガー」

18:15分ごろ 閉会
合同研究会案内.jpg
(PDFファイルでは金曜日となっていますが、正しくは8月31日(土)です)


ショパン/ノクターン第1番,第2番: アルトゥール・ルービンシュタイン / Year 1936
http://www.youtube.com/watch?v=U2m44JgO3no

クラシック名曲 ノクターンメドレー (ショパン)
http://www.youtube.com/watch?v=AeptFzDP6xg
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本仏語仏文学学会/秋季大会

2013年08月07日 | 文学一般 国内






今年の秋季フランス語フランス文学会は、下記の通り、別府大学において開催されます。
サンド研究会は、10月26日(土)の午前10時からです。

2013年秋季大会(Congrès d'automne 2013)

会場:別府大学(別府キャンパス)Université de Beppu
Université des Arts et de la Culture d'Oita

開催日:2013年10月26日(土)、27日(日)Les 26, 27 octobre 2013

別府大学・大分県立芸術文化短期大学の共催

大会実行委員長 井上 富江

連絡先 学会事務局
Secrétariat de la SJLLF

来年の春季大会は、お茶の水女子大学で開催される予定です。

http://www.sjllf.org/muwsq1io1-12/#_12
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Pour Murakami, écrire un roman....

2013年05月05日 | 文学一般 国内



Pour Murakami, écrire un roman, c'est "aller au fond d'un deuxième sous-sol"

http://www.lemonde.fr/livres/article/2013/05/06/pour-murakami-ecrire-un-roman-c-est-comme-aller-au-fond-d-un-deuxieme-sous-sol_3171811_3260.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter#xtor=RSS-3208


〈文學界六月号〉特集「村上春樹をめぐる冒険2013」
最強の執筆陣が『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を徹底解剖。
沼野充義氏はその比喩とリストの曲を手がかりに、内田樹氏は雨月物語と江藤淳を補助線に、鴻巣友季子氏はオースターとチェスタトンで読み解きます。

鈴村和成氏「東奔西走」。
谷崎潤一郎と村上春樹氏にとって、東日本と西日本は何を意味しているのか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

二人の作家、選考委員会で意見が真っ二つ

2013年04月26日 | 文学一般 国内

">



新潮社は毎年「女による女のためのR-18文学賞」を主催していますが、今年の第12回受賞作をめぐり、選考委員では意見が対立したようです。

女性限定の文学賞『第12回 女による女のためのR-18文学賞』の授賞式は、4月22日、東京・新宿の京王プラザホテルで行われました。選考委員を務めた作家の三浦しをんさんと辻村深月さんによると、最終選考では大賞はこの2作のどちらかだという点については一致していたものの、どちらを大賞とするかに関しては意見が割れ、協議が重ねられたそうです。

三浦しおんさんは『朝凪』を高く評価し「どちらが大賞でも遜色のない出来だった。『朝凪』は読んでいてストレスが溜まる。ただ、主人公がいい意味で読者を苛立たせ、笑いの要素もありつつ、先を読ませるという構成のうまさを感じた」との意見。

これに対し、「主人公が男性ということもあり、賞の意義を考えるとどうなのかと思ったが、この作品はもう一人の主人公格の女の子が、主人公に復讐しているような形で読める。そう読むとカタルシスがあり“女のための”小説といってもいいだろうと思った」というのが辻村さんの所感。

最終的には今年の大賞を手にしたのは朝香式(あさか・しき)さんの『マンガ肉と僕』。
森美樹(もり・みき)さんの『朝凪』(あさなぎ)は読者賞に選ばれたのでした。

いずこの賞も、最終決定に至るまでには様々な毀誉褒貶があるようです。

ーーー
選考委員;

三浦しをん(みうら・しをん)
1976年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。2000年、書下ろし長編小説『格闘する者に○』でデビュー。2006年『まほろ駅前多田便利軒』で第135回直木賞受賞。小説に『私が語りはじめた彼は』『風が強く吹いている』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』『天国旅行』『木暮荘物語』などがあるほか、『しをんのしおり』『悶絶スパイラル』『あやつられ文楽鑑賞』などのエッセイも人気がある。

辻村深月(つじむら・みづき)
1980年生まれ。千葉大学教育学部卒業。2004年に『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞を受賞。他の著書に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『光待つ場所へ』『ふちなしのかがみ』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』と、精力的に作品を発表し続けている。
※辻村深月さんの「辻」の字は、正しくは二点しんにょうです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

La revue Croisements 締め切り11月30日

2013年03月28日 | 文学一般 国内



日本フランス語フランス文学会からのお知らせ
Appel à contributions Croisements 4

La revue Croisements s’emploie prioritairement à fédérer les chercheurs francophones de Chine, de Corée du Sud, de Hong Kong, du Japon et de Taïwan autour de problématiques de sciences humaines. A travers la complémentarité des points de vue et des champs disciplinaires, il s’agit de créer un débat entre des universitaires et intellectuels disposant du français comme outil, afin d’approfondir une réflexion qui témoigne de la complexité du monde contemporain.

Le quatrième numéro de Croisements portera sur le thème « Voyages, voisinages » en Asie de l’Est. Les pays, les territoires, les espaces se trouvent aujourd’hui au cœur de jeux d’influences multiples qui brouillent l’idée de limite ou de frontière. Les sphères culturelles, politiques, stratégiques, économiques entretiennent entre elles des relations étroites à travers lesquelles il est souvent difficile de définir des identités stables.

Le voyage, inscrit dans une longue tradition, met en rapport les espaces à travers les déplacements réels ou imaginaires des hommes, des idées et des biens.
Les utopies, les fuites, les exils, la circulation des richesses ou des altérités, marquent la découverte, volontaire ou subie, d’une nouvelle façon d’appréhender la réalité. Le voyageur est l’acteur d’un décentrement, d’une remise en question de la norme, et d’une façon individuelle d’approcher le monde.

Le voisinage est une contrepartie nécessaire : les hommes et les idées, sont tout à la fois nomades et sédentaires, et cherchent à s’inscrire dans un territoire, à marquer les cartes d’une empreinte, d’une présence, d’une certitude. Ainsi se dessine un vivre ensemble qui est comme une concession à la liberté de l’errance. Le voyage sert à dépasser les frontières que le cartographe voyageur a lui-même inscrites sur le papier.

L’économie, les sciences politiques, le droit, l’histoire et la géographie, l’anthropologie, la sociologie, mais aussi la littérature ou le cinéma ont beaucoup à nous apporter pour travailler cette complexité, et nous permettre de mieux comprendre les règles, les codes, à travers lesquels les hommes se projettent au monde et se répartissent des espaces vitaux devenus rivaux.

Nous accueillerons les articles jusqu’au 31 novembre 2013 à l’adresse suivante : croisements@france.or.kr
Les articles seront étudiés par un comité de lecture avant synthèse et arbitrage par le coordinateur scientifique du numéro.
Nous sollicitons des articles (et non des résumés) de 7000 mots maximum. Les articles seront accompagnés d’un résumé en français de 170 mots, traduit en anglais, ainsi que d’une courte biographie de l’auteur.
Renseignements complémentaires : http://croisements-revue.org/recommandations/

AppelacontributionsrevueCroisements4.pdf


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鎮魂と希望の物語 林 京子『再びルイへ。』

2013年03月11日 | 文学一般 国内


今日は「3.11」震災の日, あの日から2年が過ぎました。
現地の方々の捨て去りようのない、深い悲しみ、激しい怒りや不安、不条理の感覚は、時が経過したからといって決して薄れることはなく、もどかしい現実の中でかえって強度を増しているようにも思われます。

世界のメデアもこの日を忘れずに報道してくれたのでしょうか、海外のサンド研究者の方からも励ましのお言葉を頂きました。当事者ではないのですが、とてもうれしく感謝の思いを強くいたしました。

『群像』最新号が「長崎で被爆した著者が語る、福島の原発事故」を取り上げていました。

鎮魂と希望の物語
林 京子『再びルイへ。』
ある日、テレビに映る役人の口から飛び出した、「内部被爆」という言葉。それはわたしが被爆したとき、決して公人が認めなかった単語だ――。かつて長崎で被爆した著者が語る、福島の原発事故。迷いと戸惑いを抱えつつ、著者は代々木公園へ向かう。思いの丈を吐き出すために。新しい出発のために。林京子「再びルイへ。」、必読です。

http://gunzo.kodansha.co.jp/18928/20226.html

群像2013年4月号(3月7日発売)
定価(税込):950円


世界、日本全国、福島の放射能を測定しているマップを見つけました。福島の一部の限定地域では、まだまだ放射能の値が高いようです。

世界の放射能測定マップ:
http://fukushima-radioactivity.jp/world-mapsearch.php

全国の放射能測定マップ:
http://fukushima-radioactivity.jp/country-mapsearch.php

福島の放射能測定マップ:
http://fukushima-radioactivity.jp/

原子力発電所(げんしりょくはつでんしょ、英: Nuclear power plant)とは、ウランやプルトニウムが核分裂反応をする際に発生する大量の熱で水を沸騰させて蒸気をつくり その蒸気を、発電機につながった巨大な羽根車(タービン)に吹き付けて発電機を廻す発電所である。 言ってみれば、<間接蒸気力発電>。タービンを回して電気を起こす発電所である。核燃料を使用して電気を起こすことから、核発電所(かくはつでんしょ)ともいう。略称として、日本語では原発(げんぱつ)と略される。 (Wikipedia)

印南部で反原発海上デモ 震災、福島事故から2年で http://sankei.jp.msn.com/life/news/130311/trd13031123580010-n1.htm
ガザで絆のたこ揚げ 子どもたち千人が参加 http://sankei.jp.msn.com/world/news/130311/mds13031122510004-n1.htm
スマトラ被災地でも追悼 インドネシア・アチェ http://sankei.jp.msn.com/world/news/130311/asi13031116510002-n1.htm
ニューヨークでも追悼式典 同時テロの遺族らも参加 http://sankei.jp.msn.com/world/news/130311/amr13031110060001-n1.htm
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第148回芥川賞・第148回直木賞

2013年01月17日 | 文学一般 国内
芥川賞に決まった黒田夏子さん(右端)と、直木賞に決まった朝井リョウさん(中央)、安部龍太郎さん=東京都千代田区の東京会館で2013年1月16日午後8時33分、手塚耕一郎撮影

第148回芥川賞は黒田夏子さんに決定!
(平成24年度下半期)

黒田夏子さん
第148回芥川龍之介賞の選考委員会が平成25年1月16日(水)午後5時より築地・新喜楽で開催され、下記候補作品の中から黒田夏子さんの「abさんご」が授賞作に決まりました。
公益財団法人 日本文学振興会

小野正嗣
(おの まさつぐ) 「獅子渡(ししわた)り鼻(ばな)」(群像11月号)
北野道夫
(きたの みちお) 「関東平野(かんとうへいや)」(文學界9月号)
黒田夏子 <受賞>
(くろだ なつこ) 「abさんご」(早稲田文学5号)
高尾長良
(たかお ながら) 「肉骨茶(にくこつちゃ)」(新潮11月号)
舞城王太郎
(まいじょう おうたろう) 「美味(おい)しいシャワーヘッド」(新潮8月号)
(作者名50音順)


第148回直木賞は朝井リョウさんと安部龍太郎さんに決定!
(平成24年度下半期)
第148回直木三十五賞の選考委員会が平成25年1月16日(水)午後5時より築地・新喜楽で開催され、下記候補作品の中から朝井リョウさんの「何者」と安部龍太郎さんの「等伯」が授賞作に決まりました。
公益財団法人 日本文学振興会
朝井リョウ <受賞>
(あさい) 「何者(なにもの)」(新潮社)
安部龍太郎 <受賞>
(あべ りゅうたろう) 「等伯(とうはく)」(日本経済新聞出版社)
有川 浩
(ありかわ ひろ) 「空飛(そらと)ぶ広報室(こうほうしつ)」(幻冬舎)
伊東 潤
(いとう じゅん) 「国(くに)を蹴(け)った男(おとこ)」(講談社)
志川節子
(しがわ せつこ) 「春(はる)はそこまで 風待(かぜま)ち小路(こみち)の人々(ひとびと)」(文藝春秋)
西 加奈子
(にし かなこ) 「ふくわらい」(朝日新聞出版)
(作者名50音順)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「語る術(すべ)をもたない者こそ、物語を抱えている」

2012年12月31日 | 文学一般 国内



皆さま、今年もいよいよ終わりが近づいてきました。
ご訪問に深く感謝申し上げます。
どうぞよい年をお迎えくださいますよう。


毎日新聞 2012年12月17日 東京夕刊より

<重里徹也選 今年の5作>

 ■赤坂真理『東京プリズン』(河出書房新社)

 ■三木卓『K』(講談社)

 ■宮本輝『水のかたち』上・下(集英社)

 ■小川洋子『ことり』(朝日新聞出版)

 ■松家仁之『火山のふもとで』(新潮社)

<棚部秀行選 今年の5作>

 ■赤坂真理『東京プリズン』(河出書房新社)

 ■水村美苗『母の遺産』(中央公論新社)

 ■高村薫『冷血』上・下(毎日新聞社)

 ■平野啓一郎『空白を満たしなさい』(講談社)

 ■柳美里『自殺の国』(河出書房新社)

http://mainichi.jp/feature/news/20121217dde018040118000c.html
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

芥川龍之介の恋人への手紙

2012年12月26日 | 文学一般 国内


芥川龍之介の手紙

 文ちゃん
 先達は田端の方へお手紙をありがとう。(中略)会って、話をする事もないけど、唯まあ会って、一緒にいたいのです。へんですかね。どうもへんだけれど、そんな気がするのです。笑っちゃいけません。

 それからまだ妙なのは、文ちゃんの顔を想像する時、いつも想像に浮ぶ顔が一つ決まっている事です。どんな顔と云って云いようがありませんが、まあ微笑している顔ですね。(略)
 僕は時々その顔を想像にうかべます。そうして文ちゃんの事を苦しい程強く思ひ出します。そんな時は、苦しくつても幸福です。
ボクはすべて幸福な時に、一番不幸な事を考へます。
そうして万一不幸になった時の心の訓練をやって見ます。その一つは文ちゃんがボクの所へ来なくなる事ですよ。(中略)
 もう遅いから(午前一時)、やめます。文ちゃんはもう寝ているでしょう。寝ているのが見えるような気がします。もしそこにボクがいたら、いい夢を見るおまじないに、そうっとまぶたの上を撫でてあげます。
以上

十月八日夜 芥川龍之介
塚本文子様
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする