モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

思い出と共に

2013-11-25 19:30:10 | 大人 油絵・アクリル
20131125
梅田 油絵 「習作」

どうも幸介です!本日は大人クラスより梅田さんの作品をご紹介いたします。こちらは私が描いたデッサンを元に制作されました。まずはご本人のコメントからどうぞ↓


『或る日、ミオスに生徒のお母さん(美人)と思われる人が尋ねて来た。教室に入るなり、田中先生の樽のデッサンにうっとりと見とれていたんです。あのデッサンは教室の風景の一部になっていて、いつも来ている私たちはその素晴らしさを見過ごしてしまっているのではないでしょうか。ちょうど油絵で形を取る練習をしたかったので、人を感動させる素描が目の前にあるならと田中先生のデッサンをモチーフにして描くことを決めました。

ところが細かい観察を続けていくと、このデッサンにとんでもない仕掛けがあることに気づいたんです。全体を見ると人を感動させる素描なのに、ディテールには矛盾がある。正確に描ききることよりも、全体の絶妙なバランスを表現したデッサンだったのです。しかもこれは田中先生が高校生の頃に仕上げたデッサンですからね、十代の学生にしてやられた感がありました。

それからというもの、ディテールのない傑作を目前に試行錯誤を重ね、私なりの模写を仕上げました。この拙作は迷いや苦労の後が見えてしまっている作品なのです。習作に過ぎませんが、私には見る目を鍛えられた大きな課題でした。』


僕自身もこの絵を描いたのが10年ほど前ですし、そんときの「誰よりも良い絵をかくぞ!!」って意気込みすらもうっすらとしか覚えていないのですが、梅田さんのコメントを聞いて少しだけ記憶がフラッシュバック。たしか手前のトマトと樽の木目を目立たせるために後ろモチーフの存在を殺し、そして浪人生の先輩たちのデッサンが僕にとって魅力的でなかったので「これがデッサンだぞ!」って描いた絵なんです。予備校の先生とも犬猿・かつ一触即発の仲で、そういう環境で描きました。梅田さんのコメントに「迷いや苦労が見えてしまっている」とありますが、この絵自体に僕の迷いや苦しみも書き記してありますので、当たり前のことなのかもしれません。血を吐いて描いてましたからね。

それにしても良くこの絵を油絵で描く気になりましたね!!と疑問に思っておりましたが、梅田さんの「生徒のお母さんが見ていて~」のくだりを聞いて納得。この絵では無く、年月を経て発生したストーリー(あと美人のお母さん)に惹かれたのですね。これは納得せざるをえません。

個人的にはもうちょっと描きこんどくれよ!という気持ちもありますが、少しでも梅田さんの何か技術の向上などに繋がるのであれば幸せです。ちなみに血を吐いて描いていたと先述しましたが、それは美人の予備校の先生に「毎日座って絵を描いてるだけなのに、昼ごはん食べすぎじゃない?そんなカロリー使う??」と問われ、「確かに!!」と思った僕が一日の食事をボルビック一本、おにぎり一個に削った結果、栄養失調と胃潰瘍になり血を吐いたということでした。

そんなこんなでこちらは習作とのことなので、今回の作品を生かした梅田さんの次回作、きっと予想を上回るに違いありません。皆さんと共に、期待して待ってます!!

田中幸介

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