麻場 油彩
土曜日は岩田がお届け致します。
今回は、土曜日午前クラスの麻場さん。油彩を描き続けている方です。暗がりの中のオープンカフェと言いましょうか、灯りが灯る下でテーブルを囲んでいる風景ですが、情景がとても自然に表現されています。
卓上に灯された蝋燭、それを中心に人々の顔や周りがほの明るくなっています。そこに充てられた色の微妙な差異が上手く響き合い、その場の雰囲気を魅力的に描き出しています。手前から奥にかけて、人のシルエットにさえぬくもりのようなものを感じますね。
普段、幾枚かの画像などを組み合わせたりしながら一枚の絵を創作していくことも多い麻場さんですが、今回の油彩は、元の実画像に対して、比較的忠実に描かれている点では、ご本人の中で、対象を素直に描いてみるという意図があったのかもしれません。
とは言えその色合わせなどは、麻場さんの審美性を感じることもできます。
そういう意味でいうと、此度の行為はどちらかというと、「吸収」と捉えることができます。その反対に、自分の創造する世界を画面に投影させることは「拡散」です。吸収という行為がしっかりできる人は、又拡散という行為もしっかりできる。お互いは振り子の両極みたいなものだからです。
だからといって、全てを2言論的に語るつもりはありませんが、偏ったフィルターをかけずに素直に吸収できる人は、その吸収したものを上手にはき出すことができるのでしょう。