古谷 油彩
近頃は氷枕が恋人です、ナツメです。今回は古谷さんの作品をご紹介します！
海外の飲食店を描かれました。立ち姿の男性のポーズもなんだかサマになっていて、私にはロックカフェというよりジャズが聴こえてきそうな雰囲気にも感じられ、憧れてしまいます。休日をこんな場所でのんびりと過ごしたくなってきてしまいます！
まず魅力的なのは色使いです。実際の店の壁面よりもピンクっぽく塗るなど、全体的に色味を足した上で更にその中を色彩豊かに描かれました。古谷さんの色使いのセンスにより、多種類な色を置きつつもお互いがケンカしないでいられます。また、彩度が高い鮮やかなオレンジや水色・赤などの色を、手前にいる女性の腕や男性のズボンのようなポイントに置くことで、中央から外への視線誘導までされています。
しかし色数を多くすると明度の関係が崩れがちです。
自然な明暗を保つため、画面の右と左で大きく暗い場所と明るい場所を描き分け、右側からの一方向からの光を感じさせるようにしました。画面左の建物の影となる部分では明度の差がかなり抑えられており、手前（中央）はコントラストを強く、画面右奥に行くほどぼんやりとなるように弱くしているため、遠近の表現が見事ですね。素晴らしいです！
今回の絵は全体的には少し暗めで空もほとんど描かれていませんが、晴れているのがわかりますよね。先程の明度の関係に合わせて、建物右の窓に映り込んでいる空に明るい色を置き、木とのコントラストをつけることで画面の外に広がる景色の様子を仄めかしています。
かなり急なパースがついていて形を取るのも難しい構図でしたが、丹念に絵の具を重ねて完成されました。
