モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

構成し描くこと。

2017-01-21 17:06:32 | 大人 油絵・アクリル

奥 油彩 左『春 うらら うらら』 右『うさぎいるよ』

岩田です。今回ご紹介するのは奥さんの油彩2点です。どちらもモチーフは一緒で瓶や果物などの静物です。奥さんの場合、その静物をただ写し取ろうというのではなく、対象から得たインスピレーションや他の作品から影響を受けた事象などを元に何かしらのニュアンスを加味するなどして、対象を再構成し作品に落とし込むというのが特徴です。足しげく様々な展覧会に行っては、ご自身が面白いと思う作品を写メで撮影し、日々研究しています。

今回の作品、どちらも逆光ぎみの光線を設定し画面を構成していますが右手の作品は光と影を軸に画面を作り上げた感じ。それに対して左手の方はグリッド線を多用し、かなり複雑な構成になりました。奥さん、画面に対峙する度に構成をそれまでの計画とは全く違った方向へ舵取りすることもあり、時としてどうにも収拾がつかない画面になってしまうこともあるのですが今回の作品は沢山の色を使ったにも拘わらず、おおよそまとまった作品になっているように感じます。

正直これだけの要素を使いながらも一枚の作品に帰結させるのは相当な集中力と経験、粘りが必要なはず。それと同時に崩してはバランスを取りといった行為をご自身が楽しんでいるというのが何よりも作品づくりに大切な事なのでしょう。「うさぎ」の存在もどのような意図があるかは定かでないですが何か凄く面白いです。

私としては、様々な構成を楽しむことも奥さんにとって良いことだと思いますが目の前にセットされた静物を良く観察し、描くことも大切な事だと感じています。そのもののかたちや質感、その場の空気感などを感じながら筆を動かしてみる、そうした行為も又新鮮なものでしょう。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする