モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

ふっと抜けるように

2013-12-06 19:19:51 | 大人 水彩
Suzuki_01鈴木 水彩

トナカイリースたちがずらりと並び、ブログ上でもクリスマス感が高まってきていますね!ハレの雰囲気、たまらずワクワクしてしまいます。

さて本日は水曜午前大人クラスより、鈴木さんの水彩画をご紹介します。
基本のデッサンが終わって一枚目の水彩ですが、素晴らしい作品に仕上がりました。
元々ご自宅で水彩画を描かれていた鈴木さん。その作品も背景の建物の細かい意匠まで丁寧で細かい描き込み、見応えのあるものでした。しかし、主題から背景まで全てに力が入りすぎていて、少し息苦しく感じてしまう部分もありました。
今回の目標はそこの克服!

バックの丘に連なる家々も、窓まで細かく描き過ぎてしまったので、思い切って屋根は一ストロークで描く、丘もひと固まりと意識しながら描くことに注意し、背景にかなり時間をかけました。力を抜く、描き込み過ぎない。けれどそれは手を抜くという事ではありません。暖かな陽射しが眩しい丘の色彩は、画面全体の光を静かに表現しています。

また、近くの建物も写真のままだと少し大きいのでうるさくならないようにサイズダウン。主題の漁船が引き立つように、色もとても淡くのせています。そのため漁船はぐっとせり出し、船体の青も鮮やかに目に飛び込んできます。
そして水面への映り込みも美しいですよね。水の表現はとても難しく、苦労されている方も多いと思います。しかし鈴木さんの描く水面は素晴らしいです。今回、力を抜くという技力が加わったことで、そこの魅力がより伝わってくるのも嬉しいところです。

真面目に誠実に絵と向き合っている鈴木さんです。今回この省略がうまくいったのも、背景まで丁寧に追いかけて描き練習していたからこそだと思います。積み重ねた作品から、このように抜けた感のある柔らかい作品が生まれたことをとても嬉しく思います。次作も早く見たくって、ウズウズしてます~! 庄司でした。

コメント
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