モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

ポートレートシリーズ

2011-07-20 08:05:00 | 大人 パステル・色鉛筆・他
Photo中村 アクリルガッシュ

夏はカルピスと酢の水割りをたくさん作る方赤尾です。
暗い背景の中に薔薇をしょい、耽美に浮かびあがる人形。それとは対照的な花を持ちモデルのように微笑む爽やかな女の子。
絵のタイプは全く違いますが、こういった人物をアップで画面に収めている絵をポートレートと言います。(日本語だと肖像画、肖像写真ですが芸術作品に対してはポートレートと言うことが多いです)
ある人物の一瞬の風景を切りとったようなポートレートは、江戸時代の浮世絵から近年のセルフ・ポートレート写真(自画像)まで様々なものがあります。
この絵が描かれる一瞬を切り取るまでにどんな経緯があったのか、絵に描かれている瞬間以外はどんな日常を送っているのか・・・
仕草や見た人の想像力をかきたてるような絵はポートレートとしても良い作品だと言えるのではないでしょうか。
この絵は雑誌の写真を観ながら描いたものですが、絵を制作する過程で描き手の感性が色濃く投影されます。
元にしたモデルは描き手が自己投影するためのメディウムであり、同じモデルを別の人が撮影すれば、もちろんそのモデルの印象は全く違うものになります。
モデルが自己表現しているのではなく、「描き手がモデルの何を見ているか、どう見ているか」が写真の上に現れる。そういう意味では、あらゆるポートレート写真や絵はセルフポートレート(自画像)なのかもしれないですね。
中村さんは若くてお洒落な女性の方で、絵からもそんな彼女の雰囲気や感性が伝わってきます。きっと同じ写真を観て私が描いても他の生徒さんが描いてもまた違った作品に仕上がるはず。
これはどの作品でも言えることですが、人物を描くと技術だけではなくその表情や画面づくりまで、制作者の気持ちが伝わりやすくなります。
表情に引き込まれ、モデルと制作者が何を思いなが描いたのか・・・と制作者とモデルの距離感まで伝わってしまうポートレートの世界、奥深いですね。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする