太田 『アジサイ』 透明水彩
今年最初の作品紹介は、季節外れなモチーフではありますが、アトリエ1頭で悩み抜いてから手を動し制作する太田さんに致しましょう!まずは作者の言葉から。
「今、この時だからこそ」
希望や夢は今だからこそ思い描くもの。
“今、この不自由な私”だからこそ描くもの。
今の不自由な状態から解き放たれてしまえば、
その希望や夢はなくなってしまうかもしれない。
そういうアンカー(いかり(碇・錨))は創作活動には
欠かせないのかもしれない。
夢や希望は、種類によっては近づくもの、
実現するものでもあるが、創作においては、
今この時の不自由があるから、
思い描くもの、思い描けるものだと思う。
私は青い色と戯れることをいつかはやってみたいと思っていて、
それを植物で、ということでは、アジサイは格好の題材だった。
のろまな私は結局5ヶ月もかかってやっと完成し、
季節外れもいいところ、でもそれでも自分は構わない。
(ご覧になられる皆様には興醒めでしょうね)
青い色と戯れることは私のささやかな夢であった
(今でも変わりない)。それは現実の不自由さ
(自分が立たされている現実)を青い色は救ってくれるから。
今だからこそ思い描いてる世界、この現実があるから
思い描く世界があるのだ、ということを、
そのいかりの存在を忘れないでいようと思う。
そしてそこから湧き出る思い、それを創作へと導き、
現実との折り合いの中でバランスをとりながら、
形にしていく。
今だから思い描く夢、を形にできればと思っている。
アウトプットが遅く、不安や戸惑いは考え抜かないとダメとおっしゃる太田さん。「とりあえず描きましょう!」というアドバイスは一切聞き入れてもらえません。感じるままに手を動かすという事が訓練でしかなく、苦痛にすら感じられているようなので、じっくり考え言葉に置き換えてから手先に伝わらせていきました。当然授業の半分の時間は会話(自分自身と我々講師)となります。そんな制作姿勢が周りはハラハラ心配で、同じクラスの生徒さんは講師と太田さんの会話が始まると、固唾を呑んで聞き耳を立てるという有様でした。この作品の完成を誰より待ち望み感動したのは、クラスメートの方々だと思います。
そんな太田さんが完成後「指摘された箇所をやってうまく表現できた、でもなぜそうなったのか説明できない、偶然の結果というしかない。自分が発見していく、偶然でもいいから経験する。絵を描くことは、手が動いた結果を楽しむということなんですね。」とおっしゃってくれました。今年も悩んで考えてグルグル回りながら、それでも前に進んでいきましょう!私もどこまでもお供致しますから。 オバラ
今年最初の作品紹介は、季節外れなモチーフではありますが、アトリエ1頭で悩み抜いてから手を動し制作する太田さんに致しましょう!まずは作者の言葉から。
「今、この時だからこそ」
希望や夢は今だからこそ思い描くもの。
“今、この不自由な私”だからこそ描くもの。
今の不自由な状態から解き放たれてしまえば、
その希望や夢はなくなってしまうかもしれない。
そういうアンカー(いかり(碇・錨))は創作活動には
欠かせないのかもしれない。
夢や希望は、種類によっては近づくもの、
実現するものでもあるが、創作においては、
今この時の不自由があるから、
思い描くもの、思い描けるものだと思う。
私は青い色と戯れることをいつかはやってみたいと思っていて、
それを植物で、ということでは、アジサイは格好の題材だった。
のろまな私は結局5ヶ月もかかってやっと完成し、
季節外れもいいところ、でもそれでも自分は構わない。
(ご覧になられる皆様には興醒めでしょうね)
青い色と戯れることは私のささやかな夢であった
(今でも変わりない)。それは現実の不自由さ
(自分が立たされている現実)を青い色は救ってくれるから。
今だからこそ思い描いてる世界、この現実があるから
思い描く世界があるのだ、ということを、
そのいかりの存在を忘れないでいようと思う。
そしてそこから湧き出る思い、それを創作へと導き、
現実との折り合いの中でバランスをとりながら、
形にしていく。
今だから思い描く夢、を形にできればと思っている。
アウトプットが遅く、不安や戸惑いは考え抜かないとダメとおっしゃる太田さん。「とりあえず描きましょう!」というアドバイスは一切聞き入れてもらえません。感じるままに手を動かすという事が訓練でしかなく、苦痛にすら感じられているようなので、じっくり考え言葉に置き換えてから手先に伝わらせていきました。当然授業の半分の時間は会話(自分自身と我々講師)となります。そんな制作姿勢が周りはハラハラ心配で、同じクラスの生徒さんは講師と太田さんの会話が始まると、固唾を呑んで聞き耳を立てるという有様でした。この作品の完成を誰より待ち望み感動したのは、クラスメートの方々だと思います。
そんな太田さんが完成後「指摘された箇所をやってうまく表現できた、でもなぜそうなったのか説明できない、偶然の結果というしかない。自分が発見していく、偶然でもいいから経験する。絵を描くことは、手が動いた結果を楽しむということなんですね。」とおっしゃってくれました。今年も悩んで考えてグルグル回りながら、それでも前に進んでいきましょう!私もどこまでもお供致しますから。 オバラ