駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

電車の運転、微妙な違い

2022年04月12日 | 趣味
            

 帰路は電車が混んでいないので、空いていれば運転席の後ろに立ち運転手気分で前方を注視している。この頃は十回に一回くらい女性の運転手だ。女性の運転手は皆若い。声はさほど大きくないがきちんと手を動かして呼称で確認しながらブレーキを解除しおもむろに操縦桿を手前に引いている。
 電車はブレーキとアクセルしかなく、しかもブレーキとアクセルを同時に作動させることはできない。操縦桿を手前に引くと力行で電車が動き出し、向こう側に倒すとブレーキが掛かる。
 運転見習いから独立して運転するまで、先輩の指導とマニュアルで運転を憶えて行くはずなのだが、微妙に操縦桿の動かし方が違うのは面白い。始動させるのに一気に最大動力の位置まで引く運転手とまず半分ほどのレベルで少し動かしてから最大位置まで引く運転手の二つに分かれる。実際には一気に最大動力まで引いても急発進するわけではなく、加速の違いは微妙なもので乗客にはほとんど分からない。ブレーキのかけ方にも癖があり黄色の信号を視認してから操縦桿を向こうに推すタイミングやブレーキのかけ方のレベルに違いがある。おそらくマニュアルからは少し外れるのではないかと思うが乗客に減速をほとんど感じさせないでスピードを落とす運転手と減速を感じて足に力が入るブレーキのかけ方をする運転手がいる。ほんの僅かな違いなのだが、個性があるので面白い。電車は重いので慣性も大きく、実は駅から駅の行程の三分の一くらいはニュートラルで走っている。一キロほど走っても平地なら減速は7,8キロ位のものだ。区間、駆動50%慣性35%制動15%くらいの割合ではないかと思う。今のご時世、運転に省エネの視点が入れられているだろうか。
コメント (4)
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