駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

二つの基準の摩擦

2022年04月29日 | 小考
           

 夜口笛を吹くな ご飯を一回でよそうな 新しい履き物は午前に下ろせ 弱い者いじめをするな・・何処まで普遍的か知らないが、子供の時に言われたことを破ることはできない。何故と言われても身に染みついてしまっていて変えられない。親だけでなく小学校の先生の影響も大きいような気がしている。善悪の判断基準は考えて導き出すのは難しいが、子供の時に叩き込まれたものは理屈でなく身に付くようだ。
 一方、世の中には損得を基準にする人も結構居る。それも子供の時にそうした教育を受けたせいだろうか。心理学や子供の発達には詳しくないが、損得の感覚はより動物的で生得的な感じがする。世の中を動かす大きな力である経済は基本的には損得を基準としている。
 人間界は善悪と損得という二つ基準で動いていると診断しているが、異論は少ないだろう。困ったことにこの二つの基準は必ずしも一致せずしばしば摩擦が起きる。しかも損得には差は殆どないのに善悪には国や民族で結構違いがあるから余計に複雑になる。この二つの摩擦による病態に良い治療法はあるだろうか?。私の手に余るが、広い視野、深い知識に寛容の精神がいくらか有効な気がしている。
コメント
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