誰がそれを言ったかは、勿論非常に重要なのだが、何が言われたかはそれに劣らずそれ以上に重要と思われる。十六歳を無知と決めつけるあなたは十六の時巡るホルモンに身を持て余し碌な知識はなかったかもしれないが、皆がそうとは限らない。六十歳の世俗に塗れた金持ちよりも、科学知識が多く理解の深い十六歳は数多いだろう。
世界のためと自分のための区別は意外に難しく、自分が自分に騙されて世のためと猛進する我利亡者は歴史を学べば枚挙にいとまがない。十六歳が無知と決めつけるのは無恥な六十歳だろう。そういえば馬齢などという怖い言葉もある。