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駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

動く視点

2019年07月26日 | 人生

         


 仕事量をうんと減らしたつもりでも時々は勉強会講演会に出かけるし、内科幹事会は唯一の公務として続けているので、まだ週に一二回は帰宅が午後九時を過ぎる。情けないことにこれが身体に堪えるようになった。要するに診察で一杯一杯で診療を終えて帰宅する時には動くエネルギーが残っていないのだ。五歳ほど年上のH氏は自分は悠々自適なのに、仕事を減らそうとする私にまだ若いのにと有難迷惑なはっぱを掛けてくれる。人はいくつになっても自分より若い者は若いと感じるようだ。「でも草臥れたんですよ」と言い訳?させてもらっている。日本人全体の寿命が延び、若く見える人が増えたのは確かだが、三十代の頃はアラカンの女性など失礼ながら女性に入らずお婆さんと感じたものだが、今では「先生、還暦なのよどうしましょ」にまだまだお若い時にお美しいと感じるようになった。これは自分が視点になっているからで、人間の習性のようである。

 見た目は実年齢よりも数歳若いのでそのつもりでいたのだが、どうも歳は争えない。自分は欲が不足しているかなと思ったりする。まあ、五十を過ぎると個体差が徐々に出てくる、七十だとかなり、九十だとものすごく違ってくる。九十と言えばそこまで生きられない人も多い。人さまざまだが自分は知識欲は旺盛だが権力欲や物欲が弱いようで、それが年取った感につながっているかもしれない。しかし**会長などは退くと急に老け込んで、あんなに元気だったのにが辞めて数年平均寿命で亡くなったりしている。権力欲や物欲は反動があるらしい。

 まあ先のことはわからない、それでもある程度の手を打ってゆくのが高齢者の知恵というか務めと思う。まだまだやりたいことはたくさんある。動けるうちに時間を作る算段は周りを見て学んだことで、もっと働けと言われてもマイウエイでギアチェンジをしたい。

コメント
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