駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

地球の肺に孔をあける悪党

2014年06月12日 | 自然

                   

 ブラジルと言えばアマゾンだ。ワールドカップは開催は2014年だけのこと。アマゾンはブラジルよりも有名かもしれない。広大な密林と多様な生物の宝庫として強烈なイメージを持っている。

 地球の肺とも言われるその広大な密林は二酸化炭素を吸収し酸素を供給してきた。ところが、その広大で無尽蔵とも思える密林を人類は文明の利器によって破壊し始めている。既に十数%の密林が盗伐で枯れ野となり、数%が山火事で焼け野原になっている。無尽蔵と思える大自然も悪辣な人間の手に掛かれば、枯渇してしまう恐れがあるのだ。

 広大なアマゾンの密林では見つかりようもないだろう、見つかったとしても数ヶ月数年後のことと金に目が眩んだ悪党どもが手下を使って木を盗み、跡地で放牧をしている。恐らく銀行強盗ほどの罪の意識もなく、こそ泥のつもりでいるのだろうが、悪影響は地球規模で被害が20%を越えると、生態系の異変が生じアマゾンの密林そのものの存続が危うくなると考えられている。

 密林を一部根絶やしにしても、数年すれば元に戻るだろうというのは素人の甘い考えで、一端崩れた生態系の均衡はおいそれと戻るものではないのだ。

 意外と言っては失礼かも知れない、どうも治安の悪いブラジルではきちんとした取り締まりが行われておらず、地球の危機になるのかと心配していたら、人工衛星で密林を監視しヘリコプターで悪党どもを追い詰める作戦が展開され、盗伐は減ってきているようだ。地球の裏側の出来事とはいえ、地球環境への影響は大きく、ブラジル政府の健闘を祈る。ワールドカップの開催を機に、ブラジルの抱える多様な問題にも目を向けたい。さもないと50年後のワールドカップ開催が怪しくなる。

コメント (2)
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