駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

マスクと素顔

2012年02月12日 | 小験

     

 インフルエンザが流行しているので、初診の患者さんがマスクをしていることが多くなった。さて、いざ診察でマスクを取って貰うと七割が予想と違う。二割がまあ想像の範囲だ。最後の一割はぎょっとする。勿論、おくびにも出さないが、ごくりと唾を呑みそうになる。

 こんな事を言うと、お叱りを受けるだろうが、マスクをしていれば銀行強盗をしても、顔が割れることはまずないだろう。大体そういう犯罪を犯す人は予想からずれた顔立ちだからだ。

 男性の場合はマスクで隠された部分はありふれたよくある顔を予想してしまう。女性の場合は本物より美しく予想してしまうことが多い。別に顔に限らないのだが、造形は何より全体の印象が優先する。目鼻口など・・・に特徴のある方は多いけれども、個性はやはり全体像から生じる。目額髪型などから予想していたものから外れると、予想していた顔貌は吹っ飛んで、瞬時にそれなりにああそうかと落ちついて行く。現実にあるものの説得力は凄い。

 希に予想より美しい方だと、儲けものと秘かに思うのは企業秘密なのだが、許して戴きたい。

コメント (2)
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