癪なので、急患の呼び出しで見られなかった「ドラゴンタツゥ-の女」の後半三分の一を観てきた。全編を見ることによって、ハリウッド版の評価が多少上がった。それは主に映像の美しさとスケールの大きさによる。
リスペットの実像はノオミ・ラパスに近いと思うのだが、男というのはどうしようもなく、ルー二・マーラの美貌によろめいてしまうのだ。存在感も演技もノオミの方が優れているのだが、ルー二の方が美しいというか可愛いのだ。ルー二は無表情を取り繕ってはいるが情感豊かで、しかもその心の動きが常人と同じなのが感じ取れてしまう。
ハリウッドのハッピーエンドの伝統が微かであってもメロドラマの色付けに表れてしまっている。スウェーデンロケによって、スウェーデンの街並みと風景の美しさは堪能できるが、影というか荒涼感はもう一つ描き切れていない。
そうは言っても、続編を楽しみに見ることになるだろう。