駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

洒落た通り

2011年08月17日 | 

 一新した旧居留地のショウウインドウは美しく、通りは清潔だ。多分、これほど垢抜けた街角は他には無いような気がする。最近は銀座よりも丸の内が健闘しているが、ちょっと道幅が広く、歩く街としては大振りだ。

 尤もこの界隈、大丸周辺を除いて人通りが少なく、経営的に上手く行っているかどうか少し心配な感じはする。

 勿論、これは神戸の一面で、一方には災害の尾を引く狭く雑然とした通りが其処此処に残っている。寂れた商店街では憮然とした親父が店先に置物の様に立って通りを眺めていたりする。外国に開かれたというのは韓、中、東南亜細亜にもということで、ちょっと言いにくいけれど澱んだ貧しい感じの所も結構多い。ただそれでも、どこか異国風というか垢抜けた感じがするのは私の贔屓目か。

 イデミスギノも東京に出ないで、この垢抜けた神戸の街で頑張ればよかったのではと、個人的には思う。

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どこが違うのだろう

2011年03月24日 | 

 久しぶりに郊外にできたイタリアンに行ってきた。カメラを忘れ写真はないので残念だが、裏山をうまく借景に使った庭が素晴らしく開放感に溢れている。十五、六名で一杯の狭い店なのだが、どの席からも広い窓から庭が見渡せる。庭には五目の雑木というか、落葉樹に常緑樹が混じり、花の咲く木が何本か植えられている。今日は木蓮と椿と思われる花が紅白と対照的に彩りを添えていた。

 料理は10点満点で7点くらい(スパゲッティよりもピザが旨い)。まあ値段を加味すれば7.5点をあげてもいいといったところなのだが、七台の駐車場が満員で5,6分待たされた。開業一年くらいなのだが盛業のようで、夫婦二人だったのがフロアーに若い女の子が一人増えていた。開業したての頃はさほど混んでおらず、帰りにはシェフが挨拶に出てきたのだが、今日は手が離せない様子でマダムの笑顔だけであった。車でないと来られない不便な場所なのだが、たかだか二十分のドライブが遠出感を与え、素晴らしい庭が高級感を演出して人気が出ているのだろう。

 職種は違っても、お客さん相手の仕事をしているので、盛業の店はどこが違うのかなと、ちょっと気になる。この店は庭の効果が大きいというのが家内のご託宣である。確かにそうかもしれん。しかし、はて医院で庭がどれくらい集患者効果があるものだろうか?

 

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城下町

2010年09月23日 | 
 伊賀上野城の天守閣は昭和初期に地元の衆議院議員川崎克が私財を投じて復興したもので、戦国時代のものではないけれども、川崎克の提唱した文化産業の城として面目を施しているようで、周辺には城下町の風情が漂っている。
 伊賀上野と言えば伊賀流忍者からの連想で山の中のような印象を持っていたが、実際に歩いてみると、山の中というわけではなく、盆地の小じんまりした落ち着いた街だった。盆地と言っても周りの山々にさほどの標高はなく、小京都と呼ばれる町のひとつであるのも宣なるかなと思えた。四百年前にどんな町だったかわからないが、松尾芭蕉のような天才というか異能の人が生まれたにしては変哲のない土地にも感じた。
 日本にいくつくらい城壁を残す城下町があるか知らないが、城下町を歩くと歴史というものが五十年や百年で消えるようなものではなく、数百年も千年も綿々とどこかに流れているのを感じる。歴史は町の佇まいだけでなく住んでいる人達の言葉使いや物腰中に生きているようだ。区画整理がされていても、新興住宅地とは違う空気が微かに流れている。一般に年をとると知覚は鈍るものだが、歴史感覚は鋭敏になるらしい。
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夏休み

2010年08月15日 | 
 お盆休みは夏休み。遙か、妻の先祖伝来の地へ墓参りに行ってきた。昔聞く洞庭の水、今歩む武家屋敷跡と、義理の祖母から聞いた明治以来の話、否殿様の話も混じっていた、の断片が脳裏に浮かんだ。
 元々は私とは何の縁も縁もなかった土地なのだが、なぜか懐かしく何とも不思議な気がした。妻は九州育ちではないのだが、中津、杵築、臼杵、津久見の誰それと聞かされて育ったので、大分は故郷に感じると言う。
 城下町の伝統はいまだ失せず、温暖の気候もあってか街ゆく人は穏やかで親切で見も知らぬ私におはようございますと挨拶をされるのであった。
 
 
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コンクリートの街

2010年02月08日 | 
 内科学生涯教育講演会でコンクリートの街、大阪へ行ってきた。同じ大都会でも東京は結構緑が多いのだが、大阪は少ない。大阪人になんやと睨まれそうだが、いつ来てもコンクリの街の印象が抜けない。
 曾根崎通りから中之島界隈まで、タクシーは路が空いていると見るやぐんぐんスピードを上げ、ビル群の中を回り込んで進む。ビルを近くで見ると斬新で洒落た造りが多く、それぞれに意匠を感じる。
 ちょっと外れた福島界隈を散歩すると、飲食店に派手な看板の文字がハヤシライス700円、カツライス1100円、刺身盛り380円、鯨の寿司・・と踊り、臆面なく饒舌に誘う。
 ごみごみした活力の中にどこか殺伐としたものを感じてしまうのだが、いざ言葉を交わせば柔らかく温かい気配りがある。あざとそうな橋下知事も身近ではまた違う印象なのだろうか。
 圧倒される多彩なデパ地下の食堂街に食い倒れを感じながら、又来るでと大阪を後にしたことだ。 
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