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駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

医療の進歩と変化

2022年10月15日 | 医療

             

 

 まだ大きな音ではないが夜虫の音が聞こえるようになった。聞きながらほんの少し勉強している。何だか見慣れない略語が多く戸惑う。POCT,SDH,VBP・・ちんぷんかんぷんで何の頭文字かを探さねばならない。病名ではなく検査の使い方や社会的な要素を考慮した総合的判断の仕方といった考え方を表現した言葉らしい。おそらく数年前から徐々に出てきた言葉と思うが、使っている人は誰もが知っているように使うので高齢医は躓いてしまう。意味が分かればそうしたことは昔から考えながら診療しているよと言いたくなる。勿論、時代の変化に伴う新しい視点があるので参考にする。

 しかし地域差というか、施設間差というものがありそうに感じる。実態よりも考えの方が少し先を行っているようだ。大学病院と大病院が多い首都東京のようにはゆかない。それにこの二年半、勉強会講演会が減ったので新しい医療情報が入りにくくなったのを実感する。

 それでも我が医院も我らが医師会も頑張っている方だと思う。何とかついてゆきたい。高齢医にもそれなりの価値と役割があると思っている。

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私が大変

2022年10月06日 | 医療

             

 

 今朝は冷たい雨が降っている。夏の気配は消え失せ、本格的な秋なのだ。裾が濡れてちょっと辛い。風邪を引かないように注意しなければ。

 時々痩せ細り一人では歩けなくなった夫を診察に連れてきて、私が大変なので入院させてくれと言う妻が居る。昔と違い、今はそう簡単に入院させてくれない。勿論、病院によって違いがあり中には十日程度なら入院させてくれるところもある。それでも脱水などが補正され急性の病態が否定されると老人病院や施設に転院あるいは入所させられることになる。それで経済的な負担はあっても妻の精神肉体的負担は軽減されるのでまずまずということのようだ。夫の意向は尊重されないというか忖度されないことも多い。きっと嫌だなあからああいいよまで、色々あるだろう。

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あまり表に出ないが

2022年08月20日 | 医療

             

 

 コロナの陰に隠れ問題として浮かび上がらないが、高齢者の一人暮らしが増えている。勿論、元気なら一人暮らしに何の問題もないが、人は老いるので問題が出てくる。脳が衰えても身体が衰えても自立した一人暮らしは困難になる。日本は親子関係が濃いように思われているかもしれないが、実態はそうでもない。四半世紀前から家庭での老人介護負担を軽減しようと整備されてきた介護システムへの負担が大きくなってきている。

 親が子を思うほどには子は親を思わないというのは厳しい現実で、お子さんが親の面倒を見ない症例が出てきている。極端な場合は自立した子供が居るのに高齢者が生活保護で一人暮らしをしている。数は少ないが子供ではなく甥や姪が、自立困難になった高齢者をどうすれば良いかと相談に来る症例がある。医院では話は聞いてもそうした症例に薬や注射はないので、ケアマネージャーや地域包括に依頼することになるのだが、いつもスムースに事が運ぶ訳ではない。今はコロナ下でそうした高齢者が転倒したり食事摂取が減っても簡単に入院できなくなっている。本当に困ってしまう。

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MR医療情報提供者の役割

2022年08月17日 | 医療

            

 

 MR(Medical Representative、医療情報提供者)という仕事がある。これは私が医者になった半世紀前と今では仕事内容が大きく変わっている。昔はMRの仕事は接待が主で、処方権を持つ医者にいかに食い込んで自社製品を使って貰うかが彼らの腕の見せ所だったのだが、医師と患者の関係、情報開示、ネットの普及、女性進出、接待費の激減・・に依ってまともな医療情報提供が仕事になってきた。そして医薬の知識が必須となりMR試験というものも導入された。元々接待して貰うのがさほど好きでなかったせいもあるが、今の形態の方が格段に優れていると思う。

 二年半前院長を辞してからMRとは会わなくなった。製薬会社協賛の勉強会にも出席しなくなった(コロナで激減)。新院長は院内の勉強会も止めてしまった。そうすると新しい薬の情報が不足する。勿論、新薬の情報は医学雑誌から入ってくるのだが、知識だけで使ってみようとはならない。自社製品売り込みのバイアスはあってもMRという人間に対面で情報を得ると使ってみようかなと気持ちになるのだ。人間の心理の不思議である種の信用や誘導がないと新しいものに食指が動かない。リモートワークには画面を通した対話会談はあるようだが、信頼信用の感覚ではどうなんだろう。

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今年はインフルエンザが流行る

2022年07月15日 | 医療

            

 

 新型コロナの第七波が来ている。BA.5は感染力が強いのであっという間に広がりそうだ。新型コロナに対する予防対策がインフルエンザにも有効だったようで去年一昨年と殆ど流行しなかった。しかし今年は入国、移動、外食等の制限が緩和されたのでインフルエンザが再び例年通り流行ると予想されている。そうなると今年の冬は医療機関対応力がまた逼迫し大変なことになる。まだ尾身さんが会長のようだが、言葉だけで実行不十分、実効の乏しい安倍菅岸田方式で良い対策が打てるだろうか、国民の自衛意識頼りには限界がある。第八波を見据えた対応が今すぐ必要だ。

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