琉球王国は1429~1879まで450年間存在していた。1609年薩摩藩による琉球侵攻をへて、1872年には琉球藩が設置される。1879年に琉球処分官の松田道之が無抵抗の首里城に進軍した。琉球処分とは明治政府が琉球王国を清朝の冊封体制から切り離して沖縄県として自国に編入した過程をいう。(琉球王国の国旗)
それから日清戦争による台湾併合の下関条約の1895年まで、沖縄では琉球士族層によって琉球救国運動(ストライキ・サボタージュ)なるものが展開される。図書館で涼みながら世界8月号の特集「安倍政治の決算」を拾い読みした。ロイター通信の豊田裕基子が安倍政権と沖縄について述べた論の題名は「美しい国の琉球処分」となっていた。
〈安倍政権は日本全体を守るための基地というコストを沖縄に背負わせるという構造的な差別を「国策」と明示した政権であった。日米同盟の存在が沖縄の人々の暮らしや生命を凌駕することも「正しさ」の文脈で語られるようになった。結果として日本政府と沖縄の関係は鋭い対立構造の中に置かれることになった〉なるほど、かつての琉球処分に匹敵する強権政治そのものだ。
〈米国との約束が日本国憲法で保障された地方自治や人権を押しつぶしても先行するのは沖縄だけのようである。安倍政権が国政選挙に連勝して、多くの日本の人々はこうした状況を支持あるいは黙認してきた。自らの権力を使ってルールを変更し人々を統治することをルール・バイ・ロウ(法による支配)と呼ぶ。安倍政権が見せつけてきたのは沖縄は法による支配の対象であるとの認識であった〉しかり対外的には「法の支配」を叫びながら、これは安倍政治につきもののダブルスタンダードだ。