昨年11月の新聞切り抜きを読んでいる。見出しは『若者ほど「内閣支持」』で、毎日新聞が行なった世論調査を世代別に分析した記事だ。内閣支持率は若い世代ほど高く、日本学術会議の会員候補の任命拒否は「問題とは思わない」との回答が若年層ほど高かった。米大統領選では、若者ほどトランプ大統領が当選した方が日本にとって好ましいと答えた。
関東学院大学教授(72)=社会学=は「意識調査をすれば、若い世代は日本社会の将来について明るい見通しをもっていない人が多数派だ。それでも若者が現状維持志向なのは「これ以上ひどくならないようにとの思いからだ」と語る。若い世代は「ルール」や「秩序」を重視する傾向があるという。今の生活がより悪くならないよう、守ってくれるのが「ルール」や「秩序」だという発想だ。(武蔵美卒・山本大貴作品集より)
インスタグラムを通して「NO YOUTH NO JAPAN」という団体が若者に社会や政治への参加を呼び掛けていることを記事は紹介している。代表は能條桃子さん(22歳)で、団体名は「若い世代なくして未来の日本はない」を意味する。能條さんは同世代が「不支持」を選ぶことは、「支持」を選ぶことよりもハードルが高いと考える。政治に限らず「ノー」というにはきちんとした理由が必要。
内閣についても基本は「イエス」に始まり、どうしても許せない時に初めて「ノー」という選択肢が出てくると説明する。「これまでの人生で、世の中が上向きだったことがない。20年後はもっと悪いだろうなというイメージがある。政治に対する期待感は他の世代と比べて低い」という。能條さんの分析はとてもよくわかる。根本の問題は、子どもだから危ないから政治には近づくなとする日本の学校教育に問題があるように思う。