日本でのはじめの一週間、飛行機を降りた4才と2才の孫娘は朝5時に起きだして走り回っていた。そこで早朝散歩に連れ出したものだ。この早起きが続いたらこちらが参ってしまうとうろたえたが、その後は7時過ぎの起床となって散歩には出なくなった。やれやれである。時差の影響は幼い子供ほど大きいようだ。年の近い2人は時にぶんなぐりの激しいけんかをしたり競って親に甘えて泣きわめくこともあるが2人に罪はない。
NHK教育テレビではEテレキッズと題する番組を平日の朝7時と夕4時にそれぞれ2時間放送している。幼い子が言葉を覚えることにも配慮されている番組だ。多くの子育て中の家庭で利用されているものと思われる。朝7時になるとこの番組を音量を上げて流し目覚まし代わりにする。テレビの音に気付くと寝床から駆けだしてきて長椅子の指定席にちょこんとおさまる。
4才の子は主に英語を話すのでジジはうろたえる。言うことは自分は何何しているとか何何したい等しかないと割り切って聞くと徐々に訴えが解るようになってきた。おそらく4才の子は私の話すことの聞き取りは出来ているのだろう。しかしあまり日本語は口から出ない。日本語でイヌのおまわりさん等の童謡を一緒に歌う時がお互いに安心できているという状況だ。それにくらべて2才の子は自由闊達に日本語を吸収しているようだ。今この環境で生きていくしかないという風情で多くの日本語が口から出てきている。
手づかみのあわただしい2人の夕食がすむと、大人の食事時間を確保するためにテレビに子守を頼む。日本のアニメを録画したり、TUTAYAから定期的にDVDやCDを取り寄せたりしている。最近購入したDVDレコーダーが十二分に活躍中である。偉大なるかなアニメである。それらを見せておけば画期的に静かになるのである。ところでアメリカに残る若い父親からは連日スカイプ(無料のテレビ電話)がくる。私の当初の心配は今のところ無駄のようにみえる。