玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*ぐるり富士山

2010年01月18日 | 捨て猫の独り言

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 青春18切符を2回分残し、使用期限まであと4日となった。もったいないの思いが旅に出ることを後押しする。17日の日曜の早朝に出発し、勤務のない月曜を利用して1泊2日の旅という日程が決まる。ひねり出した一人旅の内容は、富士山を包囲するようにJR線に乗り、いろいろな角度から富士山の姿を見ること、それに沼津漁港の見学だった。そこで宿泊地は沼津駅前にすることにした。

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 東海道本線とは別路線で国府津と沼津を結ぶ御殿場線というのがある。東海道本線の富士と中央本線の甲府を結ぶのが身延線である。これら2つの路線によってかなり富士を包囲できる。これらの各駅と沼津漁港は私にとって初めての土地である。箱根の山と富士のすそ野の間を縫って走る御殿場線の車窓からの富士は美しい。手前に遮るどんな山もなく独立峰富士だけがそこにある。この周辺に富士とつくJRの駅名は複数あるが、その名のつく駅はそこから美しい富士が望めることが保障されているのだ。

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 ぐるり遠回りして11時前には沼津に到着した。沼津市では日曜祝日は駅から港まで30分おきに直行無料シャトルバスを運行している。ガイドマップには駅から港まで2200mで歩いて30分とある。駅から南へ一直線にのびる幅広の「さんさん通り」を歩くことにした。駿河湾の奥深く波静かと思われる沼津港に巨大な水門が造られている。百円の入場料で巨大な建造物の上までエレベーターで上がると360度の眺望を楽しめる。あいにく富士は雲に隠れていた。一級河川の狩野川沿いには人と自転車のための道路が整備されていた。沼津の街は駅前も港も比較的最近整備されたようである。地域住民の生活にゆとりと落ち着きのようなものを私は感じた。

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 翌日は沼津を出て17分で富士駅に着き、気持のいい新しい駅舎で軽い朝食をとり、7時43分の身延線に飛び乗った。始発の富士駅から富士宮駅までは邪魔する山の何もない、まるごと富士の姿をしばし堪能する。満員の通学の高校生たちは富士など見向きもしないで他のことに忙しい。学生が一斉に下車して富士が姿を消すと今度は左手に富士川が目を楽しませてくれる。そのうち甲府盆地に入ると富士は再びその姿を見せるが、白く南アルプス連峰が目立ち、富士は逆光の中にかすんで見える。そして手前の山並みにまぎれて頭だけ出して目立たない。甲府駅で中央本線に乗り換えてもそこから塩山駅あたりまでは頭だけの富士を眺めることができた

コメント (3)
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