青春18切符を愛用するようになってほぼ一年になる。この切符で鹿児島に帰省するのは、一昨年暮れに始まって、昨年の夏、そしてこの正月と3回目である。今回は東海道本線で大阪へ、そこからフェリーで宮崎へというコースにした。その日は新潟など日本海側では雪の予報であったが、こちらは関ヶ原から米原の区間だけよこなぐりの粉雪が舞っていて不思議な感じであった。
昨年の夏は大阪からフェリーで別府に向かった。それでとんでもない思い込みをしてしまった。宮崎行も別府行きと同じ埠頭から出るという、考えられない思い込みだった。なんと大阪南港からは8つものフェリー航路があり乗り場は5つもあり、それぞれはかなり離れている。大阪駅で知人と待ち合わせて会話を交わしたことで思い違いに気付いた。知人と会わなければ大混乱におちいるところだった。
夜7時などの出発が多いフェリーだが乗り場にたどり着くまでは殺風景で物悲しい雰囲気が漂っている。宮崎行きの乗り場からそう遠くないところに、沖縄の那覇に向かう乗り場がある。そこで英国人女性死体遺棄事件の市橋達也容疑者が11月に逮捕されたのは記憶に新しい。その船会社は奄美・沖縄エリアを受け持つマルエーフェリーである。この会社では容疑者を通報した社員がいてその懸賞金の話題で大いに盛り上がった。しかし数日後に自社のフェリー「ありあけ」が熊野灘で座礁して社内はてんてこ舞いの対応に追われたそうだ。
宮崎では4時間の待ち時間があった。宮崎駅から徒歩で30分の宮崎神宮、総合文化公園を見学する。日豊線での鹿児島入りはほとんど記憶にない。国分の町に列車が駆け下る頃に桜島が見え始める。鹿児島銀行が作成している一枚カレンダーはいつも中央に桜島という絵柄だ。今年初めて自らの手で家へ持ち帰ることになった。大学卒業以来の会うことのなかった友人と二人だけで会うことができた。帰りは鹿児島空港からJALに乗る。飛行時間80分である。65歳以上は航空運賃国内どこでも一万円という恩恵を今回初めて受けた。(写真は鹿児島空港にて撮影)