脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

インフルエンザから高血圧まで

2018年12月13日 | エイジングライフ研究所から

12月1日から、インフルエンザを発症してしまいました。
なんと初めての経験。たまたま2-3日前に夫がインフルエンザ発症。鼻に棒を突っ込んでインフルエンザA型という確定診断を受けていたので、「これは夫のインフルエンザが移ってしまった」と即自己判断。日曜日だったので慌てて当番医受診しました。今日の写真は尖石縄文資料館特別展「長野県の縄文土器展」から

私も鼻に棒を突っ込んでの確定診断。案の定インフルエンザA型でした。
39度4分の発熱も納得、腰の痛みも納得。2~3日は少し熱が残りました。それより不思議だったのは食事の時間になっても食欲がないことでした。ところが何か作って食べ始めるとちゃんと味もするし、特別おいしくないわけでもない…こういう経験も、今までにしたことがありませんでした。といっても大人になって風邪をひいたのは10回はないと思います。元気な体に恵まれてほんとに両親には感謝です。
「やっぱり普通の風邪と違うんだ、インフルエンザは」と、私の中ではインフルエンザは別格でした。

かといって重病ではありませんから、ベッドにiPadminiを持ち込んでいろいろ検索して時間つぶしをしました。
その中で、糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」の風邪の特集がとても良い情報を伝えてくれました。「頭がすっきりする風邪の話」ぜひ読んでみてください!

「風邪は上気道に限局された、ウイルスの感染症。基本安静にして自己免疫力で回復させるべきもの。もちろん抗生物質は不要。おなかの風邪はない。抗生物質による影響の可能性が高い(確かに!抗生物質は細菌に対して効くんですものね!)」
「インフルエンザはウイルスが確定されて、ワクチンまであるし、特効薬も見つかってるだけ。それだけに診断されやすい(なんだ!そういうこと!)」
「予防注射は20%くらいしか効かないけど、感染母体が大きいので疫学的には効果はある(来年は受けましょう!)」などなど。「頭がすっきりする風邪の話」ぜひ読んでみてくださいね。

日曜当番病院のドクターが、聴診してくださって「血圧は?」と尋ねてくださいました。
実は数年前から高血圧を指摘されて、毎朝起き抜けの血圧測定をず~と続けています。それでいろいろなことがわかりましたが、ドクターに相談するチャンスもなくちょっと気にしていました。
夏を中心に4月から9月までの半年は血圧低め。130くらいで問題はありません。
10月になって冬が近づくと血圧は高めに推移し140ちょっと。
この話をしたら「降圧剤を嫌がったらいけませんよ。130が脳卒中を防ぐというエビデンスがありますから」といわれました。
「高齢者の基準値も同じなのでしょうか?」と一応聞きましたが、特別お答えはなく「心臓にもちょっと高血圧の影響があるような音がしてますよ」

上のグラフは2016年11月から今月まで2年間の推移ですが、はっきりと夏は低く冬は高いを表しています。
これならば、冬だけ降圧剤という考えもあると思いますが、実は話はそんなに簡単ではありません。上下動が激しいのです。
今月のグラフでもわかるように、一日で50くらい上下することすらあります。108-158-122とか一番低いと94一番高いと176.まったくもうどうなっているのか!

夏にも上下動はあるのです。全体低めですがポンと188ですってよ。

友人の心からのおすすめもあり、やはり循環器の専門医の意見を聞かなくっちゃあと思い立って、インフルエンザがすっかり治ったので熱海の総合病院に行ってきました。
「心臓のレントゲン、心電図、聴診。すべてに肥大や不整脈という問題は見つかりません。ただ体調が悪い時に、雑音が入るのかもしれないので、念のためにこの次に心エコーだけとりましょう」
血圧グラフも持参しましたが、「自律神経の問題でしょう。数値が上がったり下がったりしてる時に降圧剤は、かえって不安定を誘引したりするので、もう少し様子を見るということで。気温だけでなく気圧に連動する人もいますよ。全体的に右肩上がりになっていく場合は降圧剤が必要ですけど」

面白いもので、ドクターから「経過観察で問題ない」といわれると、まったくその気になって従来通り血圧測定だけ続けようという気になりました。
この血圧測定も、気弱な人だと高血圧の数値に振り回されるでしょうが、私の場合はデータがそろうと客観的に見てみたくなりますね。
月ごと平均値、最高値と最低値、一年の傾向とか、上と下の数値の関連とか。最初のころは心理的な要因はないかと思ったのですが、私の場合はそれは違うらしい。ちゃんと確かめたのです。夫と意見が合わず口争いになったとき、即、測ってみたのですが全然高くない(笑)それに今は起きてすぐに測ってますから心理的要因は考えにくいのです。
なんてことを推理したり整理したりすること、それはちょっと楽しい。(という前頭葉のタイプです)

もうひとつ。私の場合は脳外科で働きましたから
「ちょうど薬を切らしてたんですけど、どうしても仕事が忙しくて受診できなかった・・・」といった患者さんもいるにはいましたが、「血圧は問題ないといわれてたんですけど…」という卒中患者さんもけっこうたくさんいたという印象があります。
それに脳外科のドクターが「手術の最中は血圧は200ははるかに超えてるね」とよくいわれていました。
超百歳のかくしゃく老人の調査の時に「好きな食べ物は肉」と答えた人たちが多かったことも、血圧コントロールも大切ですが、血管壁も大切だろうという、考えに結びついていたのではないかと思います。私の栄養状態はいいはずです。

というわけで、インフルエンザから高血圧まで健康談議でした。
認知症で受診しても相変わらず「年齢相応でしょう」といわれてしまう話をよく耳にします。
私はドクターの説明に納得できましたが、それは「血圧が乱高下する」という私の訴えに対する説明をきちんとしてくださったからです。
小ボケの症状を訴えた時に、認知症専門医はどう思われるでしょうか?重度認知症を見ていらっしゃると
「いくつかのことを同時進行的にさばけない」
「意欲も発想もわかず、ボーとしている」
「居眠りが目立つ」
「手際が悪く、根気も続かない」
「おしゃれでなくなった」
「今までのお母さんじゃないみたい」
「献立が単調。同じものを何度も買う」
「同じことを繰り返し言う」
「動作がもたもたしてきた」
「会話に加わることができない」
「やたら鍋を焦がす」このような症状が認知症の始まりだと思われるでしょうか?
これらはすべて前頭葉機能ですから、前頭葉に目を向けないと何もわかりません・・・



コメント

「チコちゃんに叱られる」にエイジングライフ研究所のグラフ登場

2018年11月08日 | エイジングライフ研究所から

「チコちゃんに叱られる」というNHKの番組をご存知ですか?
先週放送の「チコちゃんに叱られる」に私たちが大切にしている基礎的な資料が登場しました。

このグラフは前頭葉機能が、20代にピークを迎え後は直線的に低下していくということを意味しています。
肺活量、免疫力、骨塩量などの身体機能、種々の運動能力が、ピークがどこにあるにしろ若いころにピークを迎え、その後は加齢とともに緩やかに低下していくことは、まさに皆さんの実感だと思います。見た目、肌や髪の毛など容姿も同様ですね。
脳機能だけが、いつまでも成長を続けていくということはないのです。
前頭葉機能の説明は、その働きが複雑なだけに説明しにくいのですが、人間だけにしかない特有の働きなのです。「脳の司令塔」とか「その人らしさの源」とか「脳の最高次機能」というような表現ではどうでしょうか?
主な前頭葉の働きを具体的にあげてみましょう。

この前頭葉機能に着目することが、エイジングライフ研究所の主張する認知症の早期発見には不可欠なことです。
脳機能から見ると、人が生きるということは、三頭立ての馬車に例えるとわかりやすいかもしれません。デジタル情報担当の左脳、アナログ情報を担当する右脳、そして体を動かすことに特化している運動領域。これらは大脳表面2ミリしかない大脳皮質が担当しています。
脳機能から言えば脳の深部中心にある脳幹(呼吸や消化や体温調節など、生きていく時のもっとも基本的な働きを担っています)やそれを取り囲む形の辺縁系(本能に相当する機能です)に比べるとはるかに高次な機能です。
この左脳や右脳の働きを認知機能といいますが、ここですらほとんど人間だけにあるといってもいいほどの高次機能なのです。脳の場所から(脳の)後半領域とも言います。
が、下図を見てもわかるように、どんなに立派な馬を用意しても(どんなに立派な後半領域を持っていても)、御者がいなくては、馬車は目的地に到達することはできません。その御者の働きをするのが前頭葉です。

最初のグラフは、前頭葉機能のうちの「意欲、注意集中力、分配力」にターゲットを当てた検査成績の結果ですが、これらの機能は前頭葉機能の中でもベースとなる働きです。状況を判断して自分の行動を決めていくときには必ず発揮される機能なのです。
縄文のビーナス(長野県諏訪市尖石縄文考古館)

さて、「チコちゃんに叱られる」に話は戻ります。
テーマは「なぜ中高年男性はおやじギャグを言う?」
そしてその答えは「脳のブレーキがきかなくなっているから」
その解説に、上記のグラフが使われました(当然、事前に使用許可のお願いがありました)

番組でどのように解説されたのか、紹介をしておきましょう。
「側頭連合野に年齢とともにより多くの語彙がたまっていく(それでも50代がピーク)。
若い時にはおやじギャグの語彙を思いついても、前頭葉の抑制がかかるために口にすることはない。
中高年になると、語彙の数がさらに増加している場合でも、低下が始まっている場合でも、前頭葉機能(抑制力)が低下してきているのですぐに口に出てしまう。」
ドラマ仕立てのシーンあり、脳のイラストや、神経伝達の様子の動画、そしてグラフなどを駆使して解説されていたために、説得力のある番組に仕上がっていました。おもしろく拝見しました。

50代をピークとする「おやじギャグを生み出す側頭連合野の発達」(番組表現)のグラフはハーバード大学からの出典。
20代をピークに低下を続ける「感情をコントロールする前頭葉の働き」(番組表現)のグラフはエイジングライフ研究所からの出典。
このように「前頭葉機能」が注目されることは、ちょっとうれしい出来事でした。
実はこのグラフ、以前NHKBSプレミアム「偉人たちの健康診断」でも使われ、「チコちゃんに叱られる」でも近々また使われるのですよ。



コメント

実務研修会(9月2~3日に浜松で開催)の準備

2017年07月15日 | エイジングライフ研究所から

9月2~3日、浜松でエイジングライフ研究所主催の研修会を実施します。
この研修会は、私たちの二段階方式をすでに導入している組織(ほとんどは市町村)の方々に実務のスキルをお教えするものです。
(今日の写真は6月の西伊豆土肥旅行から。網戸越しの夕日)

二段階方式では、脳の機能テストが必須。
それなのにテストを受ける人以前に、テストをする人がテストをすることそのものに抵抗感があることがあります。
「テスト」そのものが、されるのも嫌いだけど、するのも嫌い(笑)
「お年寄りにテストするなんて!失礼でしょう」というような心理もあります。
特に、「できることの確認ならいいけど、できないことをあからさまにするのは、とても無理」となるのです。
ホテル露天風呂には食塩泉の説明が

テストをする理由はとてもシンプル。
目の前にいる、このお年寄りは「格別何の問題もない」とはっきりと言い切っています。「ときどきは忘れたりするけど、まあ、歳だからねえ」というような言い方をする人もいます。がどのように生活をなりたてていってるのか、どこかに問題や困難はないのか。本人の言葉だけでは安心できないということはわかりますよね?
土肥温泉発祥の湯 まぶ湯(1610年出湯)

嫁に行った娘が、親のことを説明し始めたら、「どのくらいの頻度で実家に顔を出していますか」と尋ねます。
例え「毎日」であったとしても、夕方慌ただしく寄って夕食を届けたり、ちょっとおしゃべりするだけでは、正しく実態を把握しているとは思えません。私たちが嫁に行った娘の観察を受け入れるときは「月に一度は泊りがけで様子を見に行ってます」という答えを聞けたときだけですから。
土肥名産のビワ

つまり、四六時中一緒にいることができればそのお年寄りの生活をよくわかってあげられる、ということなのです。そして同時に、相談を受ける側にとっては、それは無理なことでもあります。
だから、二段階方式では脳の検査が欠かせません。
私たちが生活をしていくときにはそのベースは脳の機能にあります。脳の働き具合を知ることは、その人の生活の実態を知ることでもあります。
安楽寺樹齢1000年のクスノキ 静岡県指定天然記念物

脳の検査をすることは、その人の生活実態を間違えずに理解するためであることは、納得していただけたでしょうか?
その先には、テスト結果で「できること」を知るよりも「できないこと」をキャッチできる方が、はるかに役に立つという考え方につながります。
土肥神社の樹齢千年のクスノキ

土肥神社の一体化したマキノキとクスノキ「木くぐり」

二段階方式で実施する脳機能検査は、合否を見るものではないし、優劣を競うものでもありません。
あくまでもその人の脳機能の状態を知るためだけにあります。それは生活ぶりを知るためのいちばん的確な手段だから。
二段階方式は、脳機能検査と生活実態と直近の生活歴の聞き取りという3本柱から出来上がっています。そのもっとも基礎的なところが脳機能検査なのです。そして単なる入り口。
テストの実施方法だけでなく、そこからをしっかり身に付けていただくための研修会です。使いこなせると、脳機能の状態がわかるわけですから早期発見や機能回復のための生活指導などが的確にできるようになります。事業評価もできますよ。
清雲寺 90枚の日蓮上人一代記

一代記なので、伊東法難のシーンがあるはずだと、探しました。

アルツハイマー型認知症は長い時間をかけて重症化していきます。症状がはっきりしてきたら、それは回復も難しくなったことを意味します。
最近は「(アルツハイマー型)認知症の早期発見」とよく目にしますが、とても難しい点があります。
一般的には「アルツハイマー型認知症は記憶力低下が一番初めの症状」と思われていますから。実はこれは間違い!ほんとうの早期発見は、記憶力の障害に先だって起きてくる前頭葉の機能障害に着目して初めて可能になるのです。
前頭葉の機能低下は「年のせい」といわれることと共通する所がたくさんあります。単なる年齢のせいか、異常が起きているかは脳機能検査だけが判別することができます。
閑話休題。「情けは人の為ならず」実務研修会案内を用意し始めました。
ホテル情報の確認をしてみたら、なくなっているホテル新しいホテルなどでてきて、「会場のまわりにあるホテル名」を知らせてあげる方が親切だと思いつきました。そこから先はネット検索してくださるだろうし。
それで新しくなったホテル案内です。と、書きましたが、地図上に書き込んだ番号などがどうしても一緒に保存されません…

グーグルマップで該当地区を出して、ワード文書に張り付けるには挿入タブからスクリーンショットで一発。前はなかなかこんなに簡単にはいかなかったと思いますけどね。各ホテルにナンバーを書き込んで地図の下に番号ごとにホテル名を列挙しました。
この作業は結構面白かったです。ちょっと脳が活性化したかも。

 

コメント

友人が書いた本式のLiving Will

2017年05月25日 | エイジングライフ研究所から

前のブログ「宣誓記述書ーターミナルの迎え方」を読んでくれた友人のM子さんから、「私のも読んで」と届いたLiving Will。
 
一読して、「これなら完璧!言いたいことも細かくいえてるし、周りの人たちへの配慮も十分だし。すごいな」と思いました。参考になさりたい人もいるかもしれませんので、友人の許可をもらって掲載します。
参考になりますよ。前文と、最後に署名がありましたが省略しています。

「私が高齢となったり、病状が悪化して自分の意思で伝えられなくなった状態になった時、自分の身の回りのことができなくなったときには以下のようにしてくださることをお願いします。

私が自分の力で水も飲めず食べ物も食べられなくなったら無理に飲ませたり、食べさせたり、点滴や栄養補給をしないでください。ましてや鼻管を入れたり、胃瘻は絶対にしないでください。

自分の力で呼吸ができなくなっても人工呼吸器をつけないでください。万一人工呼吸器がつけられれている場合でも、一旦、電源を切っていただき、私の自発呼吸が戻らなかったら、人工呼吸器を取り外してください。
少々の意識があっても、場所や日時をはっきり言うことができなければ、同じように扱って下さい。
そのような状態になれば一切の治療行為をやめてください。

私の痛みなどの苦しく見える状態を緩和していただける治療をしてくださるなら、喜んでお受けします。
ただし延命のための昇圧薬や脳圧低下薬などの治療はやめてくださるようお願いします。

私の命を長らえるために努力をしてくださっているお医者様。看護師様、医療・介護スタッフの方達には心から感謝しています。努力をしてくださっている方達には大変申し訳ありません。どうか私の意思を尊重してくださいませ。

私はこの終末期の医療・ケアについて、私の意思表明書を意識も声明で、書いている内容を十分理解している状態で書いています。どうか私の意思を尊重していただけることをお願い致します」

誇れる友人を持ったものだと思います。

暖かくなったころ「二人で女子会しましょ」とウッドデッキでのランチ会に呼んでくれました。家の隅々にまでM子さんの感性が行き届き、いつお邪魔しても居心地がいいのです。
この時も「パラソル見てね」といわれました。確かに赤と緑のパラソルは気持ちがパッと明るくなりました!
パラソルをほめながら、あの時もこんなことを話しました。私たちにとってこのテーマはけっこう日常茶飯事です。
「如何に死ぬか」ではなく「如何に生きるか」
「満足して生きていった先に、別れがある」
「楽しく生きなくっちゃあね」



ごちそうさまでした!

M子さん丹精の今年のバラたちを付録に。

コメント

宣誓記述書ーターミナルの迎え方

2017年05月22日 | エイジングライフ研究所から

大学時代の友人K子さんが、アートフェスティバルを楽しみに来てくれました。もう半世紀ものつきあいの大切な友人。友人というより姉妹のような間柄です。朝食後のテーブルであれこれと話に花が咲いていました。
終末期医療の話になりました。
「私たちって、ごく普通にこのテーマについて話すけど、世の中はまだタブーみたいね。『できるだけのことをしてあげたい。なるべく長く生きさせてあげたい』という公式発言は聞くことができるけど…』と私が言いました。K子さんが
「そうね。だからこそ、ちゃんと書いておかなくっちゃあ」

彼女は、ご両親それからミスターも見送っていますから、言葉に重みがあります。
「最期が近くなってきたときに、家族が『積極的な治療はもういりません。疼痛コントロールだけはお願いします』ということは大変なことなのよ。『何でもしてください』とドクターにすがる方がどれほど楽なことか。家族にそう言ってもらうには、本人の希望をきちんと伝えておかなくては無理だと思う。母がちゃんと尊厳死協会に入っていてくれたのは感謝だったわ。ところでもうやってるでしょ?」

「メールしてた時に思いついて、希望を書いたのね。『委細承知。話し合って善処します』の返信をもらった」というと
「直筆でないとだめなのよ。今書いたら?」といわれました。わたしはK子さんのいうことは、基本的に聞きます。
「そうね。じゃあ書くわ」そうしたら、夫も「その後で書くから」。
この際さっさと済ませなくっちゃあと書いたのがこの下のメモ書きです。文字通りメモ用紙に下書きもせず書きました(笑)

「じゃあ、忠男さんも」というK子さんの促しに私の夫も書きました。

右脳優位の私、漢字が少なくかんたん。左脳優位の夫、漢字がたくさんで難しそう。「読む人を困らせないように、何をしてもらいたいかをはっきりさせるとこうなる」そうです。
「ふーん。こんなふうに書くといいのか」と、私はまた一つ勉強しました。今読み直して「回復が見込めない時」とか「終末期」とか書いてないなあと思いましたが、ひとまず子どもたちを悩ませることはないだろうと一安心しました。
「自筆、日付があれば有効よ」とK子さんも言ってくれました。
今日の写真は母の日プレゼントで届いた虹色カーネーション(まだオランダでしか栽培できない種類ですって)ですが、私からもスペシャルプレゼントを子供たちに用意してやることができました。

ターミナル期(回復見込みがなくなって臨終までの期間)にいわゆるスパゲッティ症候群といわれるような濃密医療を受けると、1週間程度で600万円から800万円かかるといわれます。入室制限があり手も握れないような治療を受けて。
「もし自費なら」と考えてみてください。それでも生きたいと本人が願い、家族も同意し、経費の用意も十分にできているなら、それは個人の自由です。私なら不要。
現実には保険が支払います。
ある町の保健師さんが「先日母が亡くなったのですが、レセプトを見ると800万円でした。役場の誰も何も言いませんが、私は町のために申し訳ないことをしたと思いました。1週間臨終が延びましたが、言葉を交わすでもなく、手足をさすってあげるでもなく、ただ死ななかっただけなのに、800万円」この哀切な言葉は忘れられません。

「『一か月後に死亡していたら、保険請求ができない』というシステムができれば、日本中からターミナル期の濃密医療はあっという間に消えていく」という言葉は、手広く病院や施設を経営していらっしゃる方から、20年くらい前にじかに聞きました。



コメント

世界アルツハイマー大会

2017年05月17日 | エイジングライフ研究所から

ベネチアの仮面舞踏会に行ったことはありませんが、それぞれが仮面や衣装でいろいろな姿になって町中を練り歩くと聞いています。
仮面の下はみんな人間ということは、明白な真実とみんなが承知しています。
この下の写真は講演で使います。注目してください。仮面をとったら「アライグマ」ではなく「ネコ」が混じってますよ!

閑話休題
4月末に、京都で国際アルツハイマー大会が開催されたというニュースをききました。ちょっと気が重くなっています。
何度かこのブログでも書きましたが、もちろん認知症にはいくつかの種類があります。
まだ痴呆という言葉だった時代のことです。日本は国際的に見てたった一国、脳血管性痴呆が突出していると言われていました。その頃脳血管性痴呆の占める割合はなんと70パーセントだったのです。
だんだん、その割合が減ってきて、今では30パーセントくらいと言われることが多いでしょう。
エビネ

なぜ日本が突出していたか、お話します。
ボケ症状が出ている人で、脳卒中を起こしたことがある人の場合は疑問もなく「脳血管性痴呆」とカウントしていました。
実はこれは間違いなのです。真の血管性認知症は、脳卒中の後遺症そのものが認知症の症状でなくてはいけません。後遺症そのものが認知症といえる激しい記銘力障害と見当識障害を起こすタイプの脳卒中は非常に稀です。
脳卒中を起こして、起こした方の片側にダメージを受けたとします。それは半身不随のような重いダメージであったとしても、後遺症であって、脳全体の機能低下が条件の認知症の定義から外れます。
ただし、左脳や右脳に、繰り返し卒中を起こせば後遺症が脳全般に及ぶことになって、それは認知症と言わざるを得ませんね。それでも数%どまりでしょう。

血管性認知症といわれるものの大部分は、脳卒中後にその後遺症に負けて「趣味も生きがいも交遊もなく、運動もしない」ナイナイ尽くしの生活を続けるうちに、脳卒中を起こしていない方の脳機能まで機能低下が起きて、その結果脳機能全般の機能低下をきたしてしまったものなのです。これはアルツハイマー型認知症そのものです。
専門医の方が「血管性認知症は、卒中から半年くらいたってから症状が起きてくることが多いのです」といわれていることを聞いたこともあります。
日本は民度が高いというか、文化レベルが高いというか脳卒中の既往を見逃すはずがありません。そのために脳血管性痴呆のの割合が突出してしまったということなのです。
一碧湖の丁子草群性

テレビなどでセンセーショナルに取り上げられる「手術で治る認知症」とは、頭を打った後にじわじわと血液がたまって脳機能が落ちている状態の「慢性硬膜下血腫」と脳の中の脳脊髄液が循環不全をおこし、その脳脊髄液が脳を抑えて機能低下を起こした「正常圧水頭症」です。この二つは確かに劇的に改善します。
ただし、このタイプは脳血管認知症よりもさらに少ないし、何よりあまりにも急(たかだか数ヶ月)に起きてくるという特徴があります。
丁子草

それよりももっと珍しいタイプが、遺伝子異常によるアルツハイマー病。これは遺伝子異常を持って生まれてくるので、若い年齢で発病し進行もとても早く、また治療もありません。1-2パーセントしかないと思われます。
以上はひとくくりにして「認知症」ということにしても、何の問題もありません。
白花タツナミソウ

しかし、「世界アルツハイマー大会」で「認知症」とされている中ではっきりと区別すべきタイプがあります。このタイプは「認知症」ではないからです。記銘力障害があって、とても似ているけれども別物「側頭葉性健忘症」です。
あたかも仮面をとったら「アライグマ」ではなく「ネコ」みたいに!

私が問題にしたい発表者の方々の紹介ページです。生き生きと社会に向けて改善情報を発信し続けてる「認知症」の方々。
http://www.adi2017.org/ja/plenary-speakers/%E5%85%A5%E9%96%80%E8%80%85
2004年の大会で、54歳の認知症者の方が「認知症者本人の思いを語った」ことが、国内だけでなく世界を変えたことになっています。
オーストラリアの政府高官だったクリステーン・ブライデンさんは46歳の時に「認知症」と診断され、その後「私は誰になっていくのーアルツハイマー病者から見た世界」を上梓し、この流れも「認知症者自らの発言」が可能であるという大きな誤解を世界に蔓延させてしまいました。

詳しくは以前ブログに書きました。認知症の人が心情を告白する?-映画「アリスのままで」やテレビ特集番組への疑問
認知症
の介護をした人たちは「考えられない。全然違う」と声を揃えます。
「若年性アルツハイマー病』と診断され、その実「側頭葉性健忘症」の方の講演会に行ったときに会場に流れた「このどこが認知症なの?」という怪訝な雰囲気が忘れられません。「若年性アルツハイマー病?」
キツネノボタン

ぜこんなことが起きるのか、本当に不思議でした。ちょっと考えてみて分かったのは
1.専門家は重度の認知症の方を見ることがほとんど。
そのときに訴えられる症状は、ひどい見当識障害(今何時か、ここはどこか、目の前の人場合によっては本人までも理解できていない)。ご飯を食べてないと訴えたり、物とられ妄想など記銘力障害もひどいものです。もちろん表情もないし(重度の認知症者の家族からは「よく目が死んでる」といわれます)動作も機敏ではありません。
2.認知症の診断基準では記銘力障害は必須症状。
3.眼前の患者さんは、記銘力障害ははっきりある。
例えば、初対面の挨拶を済ませて直後に退室、すぐに戻ってきたらまた初対面の挨拶をする。何度も同じことを確認する。自分の作品を(作ったことを忘れて)絶賛する。本当に理解した反応をするのに、すっかりそのことを忘れてしまう。
記銘力障害はあるのに、表情といい態度といい全く正常。気配りはできるし、恥じらいはあるし、困惑している様子が強く伝わる。動作は機敏、発想は豊か。おしゃれも自らする。生活の中での種々の工夫もみられる。
名前不明。トリトニアだそうです。

専門家はこう考えたのでしょう。
「いつも診ている重度の認知症の人たちとは全く違うけれど、認知症の必須条件である記憶障害ははっきりある。これこそが認知症の初期に違いない。アルツハイマー型認知症(の初期)」
年若い人の場合は「若年性認知症」と診断名が出ます。
繰り返しますが、これは間違いです。
「アルツハイマー型認知症」の初期は、記銘力障害に先だって、意欲がない、テキパキできない、発想が湧かない、言われなくては何もしない、いつもボーとし居眠りをしたりする、などの症状が必ず見られます。
言い換えれば先にあげた「表情といい態度といい全く正常。気配りはできるし、恥じらいはあるし、困惑している様子が強く伝わる。動作は機敏、発想は豊か。おしゃれも自らする。生活の中での種々の工夫もみられる」というようなことは全くできなくなっています。
そのとき、家族は「徘徊や暴力などのレベルの認知症ではないけれど、ボケ始めたのではないか?」とちらっと心配しながら「おじいさんじゃないみたい」「おばあさんはこんな風ではなかった」などと訴えることになります。
姫ウツギ

これは正しく認知症の始まりです。エイジングライフ研究所が言う「小ボケ」。3年たつと「中ボケ」になり、6年たつころに「大ボケ」つまり世の中で言われるような認知症のレベルに到達するのです。
「アルツハイマー型認知症」の初期と「側頭葉性健忘症」を見分ける方法はあります。しかも簡単な方法です。
「脳機能から理解する」特に前頭葉機能から理解することです。
「アルツハイマー型認知症」は初期から、前頭葉機能がうまく働いていません。それに続いて記銘力障害が起きてくるのです。
「側頭葉性健忘症」は前頭葉機能はきちんと働いています。記銘力障害はありますが。
こんなに簡単なことですが…
そして介護の経験がある人には自明のことなのですが…
世界中の誤解をどう解けばいいのでしょうか!


コメント

ボケと認知症

2017年02月12日 | エイジングライフ研究所から

この記事は、フェイスブックでの質問に対する回答なのです。

下のグラフは10年以上前に作りましたから、古い表現ですが、これを作った時は「我が国は世界で一国だけ脳血管性痴呆が圧倒的に多く、原因不明のアルツハイマー型痴呆は幸い少ない」といわれていました。その後その割合は劇的に変化していき、今ではアルツハイマー型認知症の方が多くなっています。でも、まだ私たちのように90%を超えると主張している研究者はいません。

横道にそれますが、テレビその他のマスコミで「手術で治る認知症」とセンセーショナルに取り上げられるタイプは、上のグラフの「二次性認知症」です。慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症など、確かに劇的に治りますが、その割合の低いことに注意が必要です。詳しくは私のブログカテゴリーより「これって認知症?特殊なタイプ」をお読みください。
また、認知症者が自らの内面を語るというようなことも言われますが、それは記憶障害はありますが前頭葉機能は正常な「側頭葉性健忘」と言って認知症とは峻別すべきタイプです。最近よく取り上げられています。詳しくは私のブログカテゴリーより「側頭葉性健忘」を。

さて、本題に戻ります。アルツハイマー型認知症の原因を探ることは、研究者たちの大きなテーマでした。アセチルコリン説・アミロイドβ説は世界的には否定されました。
去年11月24日に、世界の製薬業界で十指に入るといわれる、米イーライリリー社が「アルツハイマー型認知症治療薬の開発断念」のプレスリリースを行いました。
それなのに、わが国では、まだアミロイドβに固執している専門家もいます。後は脳の萎縮説、タウ蛋白説が残っています。

これらは、原因ではなく、むしろ結果と考えたほうがいいと思います。
臨床的な事実ですが、認知症の本体は、もともと老化が定められている脳機能が、何らかの生活上の変化をきっかけにして、その人らしく生活することができなくなったとき(生きがい・趣味・交友・運動、何もない生活になったとき)、使われない脳機能は老化を加速し、その結果認知症としての症状が発現してくるのです。
 
正常な老化が進んでいくときの脳機能の衰え方と、老化が加速されているときの脳機能の衰え方には、はっきりとした差があります。
こんな単純なことになぜ 目が行かないのかというと、認知症の問題を考えるときに「脳機能」ではなく「症状」をまず見るからです。

早期発見には、症状では手遅れになるのですから目安となる数値が不可欠です。糖尿病における血糖値のように、肝臓や腎臓も重症化する前に指標がありますね。認知症では脳機能を測ることなのです。
困った症状が出ない間は「歳のせいかな?」などと見逃して、(この時脳機能検査をすればはっきり異常域なのですが)いわゆる認知症といわれる状態、セルフケアも満足にできなくなったり、徘徊、粗暴行為、妄想等の問題行動を起こすようになって「ボケちゃった」と騒ぐのです。これは回復させるには手遅れの段階と言わざるを得ません。
老化が早まっていくとき、「小ボケ」→「中ボケ」→「大ボケ」の段階を経ていきます。
「小ボケ(前頭葉機能のみ異常域)」回復容易、
「中ボケ(前頭葉機能に加え、脳の後半領域の認知機能にも障害あり)」回復可能 、
「大ボケ(脳機能全般的な大幅な機能低下)」回復困難
脳が老化を加速し始めて回復困難な大ボケになるまでは 、平均すれば6年以上はかかります。
世の中で認知症といわれる「大ボケ」になった段階では治すことはできないのです。6年間というゴールデンタイムを見逃しているのが現状です。
さて、「ボケと認知症はどう違うのか」ですが、私は違いはないと思っています。
厚労省が「老人性痴呆」を言い換えて「老人性認知症」としたのは平成16年12月です。「『痴呆』に変わる用語に関する検討会報告書」
これは、あくまでも侮蔑的な「痴呆」を「認知症」に言い換える事であり、公文書上では「痴呆」はすべて「認知症」に言い換えることになったのです。
ただ、学会で専門用語として「老人性痴呆」と使う場合はこの限りではないとされていました。
もちろん、日常的に口語として使う「ボケ」には何の規制もなかったのですが、日本という国のすばらしさでもあるのですが、あっという間に「認知症」が席巻してしまいました。
2009年に、この件について書いたブログも貼っておきますから、よかったらお読みください。
 「癡狂→癡呆→痴呆→認知症→?」

私は、「ボケ」という表現は正しく症状を伝えていると思っています。ほんとに「ボ(ケ)~」としていますから。
いつも思い出すエピソードがあります。「何だかぼんやりしてて、意欲がわかない」と言っていた小ボケの方が回復したら「ここの景色はこんなによかったんですね!」とか「人の言ってることがくっきりわかるようになりました!」といわれるのです。小ボケの時、ご本人にとって周りは「ボケ~」と認識されているのです。その結果、ご本人も「ボケ~」とするしかない・・・
「こぼけ」という響きにやさしさを感じるのですが、いかがでしょうか?「こぼけ・ちゅうぼけ・おおぼけ」は中国地方で実際に使われている言葉だったのです。早期発見に少しでも抵抗がないことばが必要です。
「小ボケ」という和語でいいのではないかと思っていたのですが 、日本の現状ではちょっと無理ですね。


 





コメント

トランスジェンダーと認知症

2016年06月26日 | エイジングライフ研究所から

25日に北海道から帰宅。26日は7時過ぎに家を出て静岡市へ。
臨床心理士の総会と講演会「学校臨床における性の多様性」参加のためで、例年のように今年も会場はアザレアでした。いつも思いますが、臨床心理士の会は言葉が優しい。

今回は、RGBTというまだまだ先端的なテーマでしたから余計に言葉に注意が払われたのかもわかりませんが、優しい言葉を聞くことは、聞いている私の心までやさしくします。
「RGBT」は最近時々目にするようになりました。
  R:レズビアン
  G:ゲイ
  B:バイセクシャル
  T:トランスジェンダー
上記「性的マイノリティー」と言われる人たちのうち、私はR、G、Bの方には気づいたことがありません。トランスジェンダーという言葉もいろいろの使われ方があるようですが、ごく簡単に言ってしまえば、生まれつきの性と自分が感じる性に違いがある人たちということでしょう。性同一障害という表現もありますが、これは戸籍変更をする場合に要求される「病名」です。

私にとっての性的マイノリティーはテレビで見かけるトランスジェンダーか、トランスジェンダーと思われるタレントの人たちです。カルーセル麻紀、はるな愛(体も女性になっていると思います)。ミッツマングローブ、マツコデラックス、IKKO(女装はしているけれど、体は男性のままでしょう)、最近見かけるキレイな男性たちでした。

講演会ではトランスジェンダー(体は女性、心は男性)の大学生が登壇し、生の声で話してくれました。またフロアーからも同じくトランスジェンダー(体は男性、心は女性)の臨床心理士の方の発言もありました。
外見的な主張はわかりやすいですが、当事者の方が体と心のギャップを話されると、その戸惑いや苦悩が直接伝わってきて、「こういう人たちがいる」ということへの何よりの説得力だと思われました。
定時制高校の現職教諭の方も、体操着が同一とか呼び方とか現場での様々な工夫を話してくださって、自分の学生時代とは隔世の感がありました。この微妙なテーマにしたらなかなか突っ込めていたと思います。

6月27日のJガーデンの花。リュウゼツラン

でも。

ここでも認知症と同じように、現れた現象をどう理解するかということに終始してしまっている印象は否めませんでした。なぜ、このようなことが現れるのかというもっと本質的なところへのアプローチがない。まるで認知症の理解や対処と同じではないですか。

認知症の場合をお話ししてみましょう。
まず、最も軽いレベルの認知症(小ボケ)。なんだかちょっと変。年齢のせいなのか、何かが起きているのか?家庭生活ではほとんどトラブルは出ませんが、社会生活ではもう無理で、世話役が務まらなくなったり、趣味をやめたり。ボーとしていることが多くなります。
「この意欲のなさはどうしたことか?!」と本人がまず気づきます。家族も「今までのおじいちゃん(おばあちゃん)とちょっと違う…」。ところが、ここで受診する人はまずいないでしょう。
アンスリューム

そうこうするうちに、中度のレベルまで低下してきます(中ボケ)。話すことは普通なのですが、やることが幼児のようなことになってきます。
(自分で洋服は着ますが、順番や季節や目的などに合いません。料理の味付けが辛すぎる、草取りすると花や作物を抜くなど家事にも支障が出てきます)
この辺で受診する場合もありますが、結果は二通り。ひとつはCTやMRIの画像診断の結果萎縮や梗塞巣の指摘を受ける。もうひとつは症状だけではわからないので「もう少し様子を見てみましょう」と診断される。
アラマンダ

見守るうちに症状が進み、再受診の結果「これはやはり認知症ですね」
はっきりと困った症状が出て来れば重度認知症。
その時には「対応を工夫しましょう」となりますが、重度認知症の方の介護は国家経済的にも、個々人の心理的にも負担は増大していくばかりです。
問題行動を心理的に理解するのではなく、脳機能から理解する大切さをエイジングライフ研究所は主張しています。
そして症状を見るだけでは早期発見はとても無理。脳の機能がどのくらい生き生きしているかというアプローチを持たなければ先に進めません。この時、更に注意が必要なのは注目すべきは「器質(形)」ではなく「機能(働き)」だということです。
イランイラン

トランスジェンダーに関してももう少し根源的な、生物学的に何が起きているのかを知ることが理解への最も近道だと思います。ただ不思議、理解できない、受け入れられないから一歩を踏み出す必要条件ではないでしょうか。
トランスジェンダーに関して、以前読んだ本で膝を打つような思いをしました。福岡伸一著「できそこないの男たち」。
新書版の小さなこの本を読んだときに、トランスジェンダーについて「目から鱗」の思いに駆られました。「あーそういうことなのか!」
今手元にありませんからうろ覚えです。申し訳ないのですが、間違いがあるかもしれないことをお断りしたうえで少しまとめてみます。
ゲットウ

男女の性を決定するのは、性染色体。XXならば女性。XYならば男性。ここまでは昔学校で習いました。つまり、Y染色体があれば男性になると思っていました。ところが性を決定するのはそれだけでは済まなかった!
Y染色体上に、SRYといわれる性決定遺伝子が「ふつう」は存在するのです。この性決定遺伝子の働きは、「受精後6週間経った時点で、その受精卵を『男性化』させ始める」というものなのです。「いったん始まった男性化への流れはとどまることがない、あたかもカスケード(連なった滝)のように」と書かれていました。
(「できそこないの男たち」の前半は、このSRYを発見する、手に汗を握るような研究者たちの競争物語で、それも面白かったです)

体の性を決定する染色体はY染色体を持っているのに、性決定遺伝子を持ち合わせない人たちは男性化できない。「女性」として生まれてきてしまうけれども、違和感にさいなまれる。
その逆に、染色体はXXなのに、どういうことかそのX染色体上にSRYという性決定遺伝子が布置されている人たちは、否応なく「男性化」してしまう。「男性」として生まれてくるけれども「女性」でないと落ち着かない。
この遺伝子発見競争はいわゆるトランスジェンダーの人たちを探し出して確定していったそうですが、このような視点があるのとないのとでは、トランスジェンダーの人たちへの理解は全く違うのではないでしょうか。
異装だけで落ち着く人もいれば、手術までして納得のいく性を獲得する人もいます。最近は性的グラデーションという言葉もあるそうですが、そのような細かい差異がなぜ起きてくるのかまでは性決定遺伝子だけでは説明できません。少なくともホモフォビア(性的マイノリティへの嫌悪感や攻撃性を持つ)にはならずに済みそうです。

認知症を理解するのに「症状からではなく脳機能からのアプローチを」という私たちの主張はコペルニクス的転回だと思いますが、性的マイノリティの人たちの理解にも染色体や遺伝子の働きを考慮してあげられたらと思いました。

 

コメント

おめでとうございます。今年もよろしく!

2015年01月04日 | エイジングライフ研究所から


(大室山から駿河湾を臨む)
寒いお正月でした。
伊豆高原は標高差が大きいために、海の近くと高いところでは、雪の様子は全く違います。
こちらに移って14年目の去年、初めて雪がうっすらと積もったのです。寒さよりも美しさに心奪われたことを思い出します。
元旦の夕方から雪が降り始め、翌朝には晴れていましたがしっかりと積雪が。
何だかこの雪は瑞兆のような気持ちにさせられました。

(ハワイ島マウナケア山頂)
認知症予防は、声高にその必要性が言われている割には、ちょっと的が外れています。
最終的には「生活習慣病としての予防の取り組み」がなされなくてはいけないのですが、一見科学的な印象の強いアミロイドベータやタウ蛋白などに原因を求めているのが現状です。
認知症にならないためには、自分らしく生きている実感を持ちながらイキイキと楽しく生きることですよ。これを脳の働きから言うと、前頭葉を駆使しながら左脳も右脳も運動の脳もよく使うということに他なりません。

(中伊豆ワイナリーからの富士)

「雪は降らない」と言われ続けた当地でも、去年に引き続き今年も、しかも元旦から積もるようなことが起こるのです。
認知症予防も、大きく舵を切ってくれたらいいなあとこれは初夢?
正夢になりますように…


(カウアイ島のグランドキャニオン、ワイメア渓谷)

今年もよろしくお願いします。

 

 

コメント

にほんブログ村

2014年10月20日 | エイジングライフ研究所から

gooブログに引っ越したことをきっかけに、いろいろ整理しています。

「にほんブログ村「認知症ブログランキング」へのエントリーというのもその一つです。

読んだあとに、このバナーをクリックしてくださると、多くの方の目に留まる可能性が増えるということらしいです。

私は、エイジングライフ研究所が主張している「認知症の正体」をぜひ皆さんに知っていただきたいと思っているのです。
「認知症は生活習慣病」というとらえ方は、脳機能(特に前頭葉機能)という物差しをあてることで初めて納得できるものですが、残念ながらなかなかその視点がありません。

ぜひ多くの方に知っていただきたいと思いますので、バナーのクリックをお願いします。

 

コメント

ブログ村

http://health.blogmura.com/bokeboshi/ranking_out.html