脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

長谷川先生の講演

2009年04月25日 | 正常から認知症への移り変わり

下田市で長谷川和夫先生(あの長谷川式スケールの考案者です)の講演がありましたので、お話を聞いてきました。
長谷川先生とはもう20年近く前、学会で毎年意見をたたかわせた時代があったのです。
血管性痴呆の概念が根本的に違うのですが、そこをなかなか理解していただけませんでした。

私たちの主張
「脳血管障害が起きたら、障害された場所によって後遺症が起きることは当然。ただしそれがそのまま痴呆を意味するのではない。なぜなら、痴呆というのは、脳全般的な機能低下が定義だから。(脳卒中はほとんどが片側に起きるため、後遺症も片側に由来したものとなる)
脳卒中後の生活のいかんによって、痴呆にもなるし、後遺症を抱えながらでも元気にその人らしく生活を続ける場合もある。つまりは生き方の問題のほうが、痴呆発症には大きな要因となる」

それはさておき、今日の講演です。

 
「神経細胞のネットワークが壊れることで認知症は発生する」
壊れる原因としては
1.脳血管障害
2.ベータアミロイド蛋白がネットワークを邪魔する
予防法としては
1は普通の脳卒中予防。
2は予防はできないが治療はできるし、進行を止める薬アリセプトもできた。
さらに
認知症患者の心理を知って対応することが大切。

「認知症は、物忘れから始まる」
これほど世の中に流布されている間違いはないのですが!
二段階方式の手技を使っている人はわかりますよね。MMS30点(想起が満点)でも、前頭葉機能が不合格の人がいますよね。認知症の発症は、前頭葉機能低下から始まります。

「長谷川式スケールの解説」
「三単語の記銘ができないのは、かなり進んでいる」とおっしゃられ、「もちろんその通り。私たちの分類でいえば大ボケがかなり進んだ状態です。でも失語症の人も答えられないけど」と思いました。

 「原因疾患の比率。アルツハイマー病50-60%、脳血管性30%、レビー小体病10%、その他10%」
脳血管性の場合は、マヒや舌のもつれなど運動障害や言語障害がともにあり、後遺症として認知症が出てくる。リハビリをやるとマヒが軽くなるように認知症も改善する。
ここに関しては、上に書いたようにエイジングライフ研究所は考え方がまったく違います。実は脳卒中そのものの後遺症が認知症の症状(見当識障害と記銘力障害)であるケースは、全卒中の中でほんの数パーセントしかありませんでした。
それともうひとつ。アルツハイマー病とひとくくりにすることにも納得がいきません。ごくごく少数の遺伝子異常による若年発症のアルツハイマー病と、高齢になって徐々に起きてくるアルツハイマー型認知症は、その臨床像や経過が全然違います。死亡後の剖検でその形状が同じだということで、まとめてしまうことは無理があります。

その後は 、慢性硬膜下血腫のCT像・正常者とアルツハイマー病の方の MRI画像や神経細胞写真をみせてくださいました。

「認知症の経過
正常
 ↓
MCI(軽度認知障害):物忘れ
 ↓
軽度:ものわすれ・言葉のやり取り・手順の障害
 ↓
中等度:場所不明・道具が使えない
 ↓
重度:家族の見分けがつかない・失禁
平均8年、場合によっては10数年の経過をたどる。経過は直線的でなく、山あり谷あり。『本人が安心だ』という状態を用意すると平坦状態が続く。早期ならそれをアリセプトが助ける」

平坦状態とは問題行動が収まる意味でしょうが、脳機能が改善するということは違います。

「予防」
個体の認知力は加齢とともに直線的に低下するが、(イメージグラフを提示されました)
危険因子は高血圧・高脂血症・肥満・糖尿病。過脂肪食。高カロリー食。運動不足。喫煙。ひきこもり。うつ。
緩和因子は運動。食事は魚・果物・野菜。対人交流。文章を読む。文章を書く。ゲーム

危険因子としてあげられた、高血圧~喫煙までは脳卒中を引き起こす原因の列挙ですね。エイジングライフ研究所は、認知症の予防法として、脳血管障害の予防を一番にはあげません。生活の在り方、左脳や右脳や運動脳をどのように使うのか、その時に前頭葉はどのようにいきいきと関与するのか。
そこを個々人がどのように自覚し、どのように使い続けるか。
あくまでも生活習慣病としての認知症の予防を主張しています。
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長谷川先生の統計で、血管性認知症の2倍ものアルツハイマー病(アルツハイマー型認知症ですね)があるのなら、上記ひきこもり・対人交流・ゲームなどの点(つまり血管性認知症の発症要因と無関係)を、もっと積極的におっしゃっていただきたかったと思いました。

そうすると私たちの主張と重なりますよね。

講演の後半はケアに関するお話でした。



号外(続)

2009年04月23日 | 各地の認知症予防活動

牧之原市の若杉さんと電話でお話ししました。その報告を。
今日の写真は、脳リハビリゲームを開発された岩月先生がこの春訪れた信州花の旅から
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若杉さんの話です。
「目的はいろいろありますが、ちょっとサポーターはまだまだ生まれたてでほんとに今からなんです。
単にお惣菜のおすそわけではなくて、もちろん地域社会の活性化そのものも考えてます。このことがなくては、ボケ予防はありませんから」

「やっぱりボケ予防を考慮してくれていたのね」
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「はい。ボケてしまった人をどう支えるかの一歩前がやりたいのです
それは、正常な高齢者を正常のままであり続けるように支えることと、かくしゃく高齢者を増やすことだと思います。
このちょっとサポーター活動の中から、かくしゃく老人が生まれるかもわかりません。
この活動の中から、小ボケの方を見つけ援助することもできるかもわかりません。」

「さすが。牧之原市は活動が長いし、頑張った先輩たちがたくさんいらっしゃるしね」
「そうなんです。先輩保健師の方々の活動があったからこそ、こういうことができるんです」Dscn9259

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日経新聞に掲載されたことを、若杉さんは「まだまだ活動は生まれたばかりですから」と謙遜していました。
私は日経新聞が取り上げたこと自体が、これからの社会が必要としていることを示唆する活動であるという思いを持ちました。
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このように「地域社会を活性化して、自分たちの力で自分たちにとってよりよい社会を作る」そんな風に住民を指導していける力を持っているのも保健師さんたちですよね!

今朝の私はとても幸せな気分でいっぱいでした。


号外!牧之原市若杉保健師さん

2009年04月22日 | 各地の認知症予防活動

画像の取り込みがうまくいかなくて更新が遅れています。
でもそんな言い訳も言っていられなくなりました。号外です。

ここは田舎なので夕刊(日本経済新聞)が一日遅れで届きます。
「昨日の」夕刊を文字通りゆっくり読んでいたら、「現代おすそ分け事情」という記事が目に止まり、読み進めていくと牧之原市(富士山静岡空港ができる町。エイジングライフ研究所との契約を結んでいる市です)の文字!私の前頭葉がそれっ出番とばかりにちょっと集中が上がります。
つぎに若杉早苗保健師さんの名前が。ちょっと華奢な若杉さんの笑顔が目に浮かび、「頑張っているんだ」とうれしく読ませていただきました。

続けて、ボケ予防の声すら上がっていない10数年前に、ボケ予防のノウハウを求めてごく初期の研修会に出席された
M田さんS木さんたちのお顔が、そして牧之原市は続けて研修に来られていますから多くのみなさんの顔が次々に見えましたよ。
ほんとについ最近、解釈を求めてこられたS田さんは新人グループでしょうか。よく頑張って生活歴を聴き取っていました。

M田さんS木さんたちの活動から、この「ちょっとサポーター」事業が生まれ、二段階方式のテストが浸透することになったのだと改めて思いました。

よく「認知症の人を地域で支える」というスローガンを聞きますが、中ボケの真ん中を切った時点で一人暮らしは無理です。

あいさつや一般的な応答など話す能力は一見普通のようですが、それでも本当に知りたい情報などは全く知り得ない状態ですし、それ以上に判断力や生活遂行能力はあたかも幼稚園の子供レベルになっているからです。
どうやって支えるというのでしょうか?
一日中誰かが付き添っていればできますが。

でも、この若杉さんのような取り組みの中なら、正常レベルの高齢者にも、より軽いレベルの認知症の高齢者にも、脳の老化が加速しないように援助の手を差し伸べることは十分に可能です。
それこそが、「地域で支える」ということではないでしょうか?

「認知症の人を地域で支える」のではなく「認知症にならないように、地域で支える」なら可能です!
この牧之原市の活動が「ボケ予防」も見据えたものであると、ほんとにうれしいし、日本のモデルにもなりうることだと思います。

人は一人では生きられませんが、まして高齢になったらなおさらです。
良い意味での隣組精神が必要ですね。

ところで、保健予防活動に関しては、成果が見えるのは早くても数年、場合によってはもっとズーと先になって「あの取り組みがあったから今日を迎えることができた」と関係者の間でひそかに喜びをかみしめる、そういうイメージがありますね。

私は「もっと保健師さんたちの保健予防活動が評価されたらいいのに」といつも歯がゆい思いをしています。ですから今日は久しぶりにうれしいひと時でした。なんと言っても日経新聞にこれだけ大きく取り上げられたのですから。

ついでに一言。
二段階方式を導入して、ボケ予防活動を実施すると、予防活動で最も評価しにくい「効果」を客観的に評価することができる利点があることも言っておきましょう。

 


癡狂→癡呆→痴呆→認知症→?

2009年04月09日 | これって認知症?特殊なタイプ

何と読むのかしらと思ったでしょ?癡狂(ちきょう)です。

明治になって、第三期梅毒などで知能が障害され、脳の高次機能が荒廃した状態を表す言葉Demenz(ドイツ語)を「癡狂」と訳した。大正に入って「癡狂」という言葉はあまりにもひどい言葉であるという反省が生まれ「癡呆」に改められた。癡が新字体の痴にかわって最近までずっと使われて来た。

痴呆という言葉もひどい言葉である、差別用語であるとの反省が生まれ、2004年に厚生労働省が、行政用語としての「痴呆」は「認知症」に改める事を決定、学術用語としての「痴呆」は各学会の判断にゆだねることとした。

以上は「アルツハイマーワクチン」田平武著からの引用(一部略)です。また再読中なのです。

田平先生は、国立長寿医療センター研究所所長をなさっていらっしゃいますが、前職国立精神神経センター時代にしばらくの間親しくさせていただいた事があります。
私が浜松医療センター「高齢者脳精密検査外来」に勤務していた頃、当時は年間2000人を超す外来患者さんが受診なさっていた、名実ともに日本で突出した「ボケ外来」でしたが、丁度その頃のお付き合いでした。

遺伝子に原因があると思われる「若年性アルツハイマー病」の患者さんの遺伝子検索を、田平先生にお願いしたのです。
田平先生は、珍しい患者さん達の連絡を差し上げると、またとない患者さん達に会えるので喜んでいらっしゃったものです。
お話の端々からご自分の研究の成果が上がるということは、社会のためになるという基礎医学者らしい熱い思いを感じたものでした。
そのなかから、「従来日本人には発見されていなかった遺伝子異常が確認され、アルツハイマー病を引き起こす遺伝子には人種の差はない」という報告もなされたと聞きました。

でも、今日は感想文ではなくて、「認知症」という用語のことをちょっと書いておこうと思います。

厚生労働省が用語を改めたのは、上述の理由は勿論あると思いますが、ボケの早期発見、早期治療。出来ればボケさせたくはない。などの理由があると思います。膨大な老人医療費、介護費を考えると当然でしょう。

さて「認知症」ですが、田平先生の御本からの引用を続けます。

認知症という言葉遣いは日本語として正しくない事は多くの人が指摘している通りである。すなわち臓器に「症」をつけてその臓器の病気をあらわす使い方がある。脳症、筋症、関節症などである。また、貧血や高血圧といった状態につけて病気を表す場合もある。しかし、認知や判断、思考などの機能に「症」をつける例はない。

まさにその通り!日本語として変です。
それにも増して、二段階方式を理解している人たちならば、どうしても気が付かなくてはいけないことがあります。
脳の老化が加速されていく事がボケの本態であり、その時最初に障害される脳機能は、前頭葉機能ですね。
「認知機能」は、脳機能から言えば、いわゆる後半部の機能なのです。これは中ボケになってはっきりと低下が明らかになるのです。
つまり「認知」にこだわっていたら、ボケの早期発見は出来ないということになります。
せっかく言い換えたのに...

以上が私の講演会の演題に相変わらず「認知症(ボケ)は防げる治せる」と表現してもらう理由です。

田平先生は面白い事を言われています。
「ぼけ」というのは物事の状態や輪郭、境界がはっきりしないこと、曖昧(あいまい)であることを言う。「曖(あい)」も「昧(まい)」も暗い、はっきりしないという意味であるから、これに精神や神経の機能をあらわす「神」をつけると「曖神(あいしん)」または「昧神(まいしん)」という言葉ができる。...略...「昧神」ということばを使うことを提唱する。

 

 

 


読後感想文「痴呆を生きるということ」

2009年04月06日 | 正常から認知症への移り変わり

「痴呆を生きるということ」小澤勲著を久しぶりに読み返しました。
著者は、精神科のお医者様です。長く認知症の高齢者のケアに関わられた方です。

再読して、この本に流れる素晴らしい暖かさを、人を大切に慈しむ心をまた受け取りました。人(認知症と言わず、自分以外の人全て)に寄り添うと言う事はこんな事だと思いを深くしたのです。

ただ、一読した後にどこか割り切れなさが残りました。

不思議なほどに重度化した方だけが小澤先生の寄り添う対象になっています。
いや、不思議でもなんでもないのです。
先生が、認知症の専門家になられればなられるほど、先生の周りには大ボケの方が集まる事になるからです。

この「人」に対する理解を、ボケが重度になって顕在化する前にこそ発揮していただきたかった...

エイジングライフ研究所では、「認知症を症状から見るのではありません」と言う事を強調します。
症状というか私たちの行動は、全て脳の働きの結果なのです。
症状を見る前に、その人の脳の働き方を理解しましょう。
「認知症の早期発見には脳機能検査が不可欠です」

小澤先生の御本で全く説明されなかった小ボケの方々には、特徴的な症状があるのですが、それはただ何となく見ているだけでは加齢現象との差がはっきりしません。(マニュアルB第2章参照してください)
でも、脳機能を計ってみると、老化現象では説明できない前頭葉機能の顕著な低下が確認されるのです。

その客観的な指標を持って、私たちは生活改善指導をするのですね。

その指導をする時にこそ、この先生の持っていらっしゃる、やさしさをベースにした理解方法とか寄り添い方とかを発揮する事が出来たら、ボケの人もより幸せを実感できるはずなのにと、悔しい思いを感じながら読ませていただきました。脳機能というアプローチが見事にありませんでした。
でも、私たちが使いこなせたら、素晴らしい成果を生み出せそうな手技のヒントがたくさんありました。

高齢者がナイナイ尽くしの生活に入ったら、先ず前頭葉から老化が加速されていきます(小ボケ)。その時に起きてくる症状は、前頭葉の機能障害に相当するものです。
その後、脳の後半領域の機能が、左脳が一足早くその後右脳も能力低下が加速していきます(中ボケ)。この後半のレベルから小澤先生は説かれています。
さらに、後半の認知機能がどんどん衰退していった状態を私たちは大ボケと呼びますが、先生は更に植物状態近くまでを想定されてそれが痴呆末期とされています。

最近の保健師さんの質問を見ると、ほとんどが小ボケです。
そして、中ボケの方々に対して、「残念ながら、私の対象ではありません」といえる保健師さんが増えている事も事実です。

この保健師さんたちは冷たいのでしょうか?

私たちは、忘れないようにしましょうね。
目の前にいるこのボケてしまっている高齢者の方の、5年前は?10年前は?

必ずその人らしく生き生きと社会生活をこなしていらっしゃった時があるのですよ。出来るだけ早く、脳の老化が正常範囲であるかどうかチェックしてあげようと思ってください。
その人らしく人生が完走できるように、脳の健康に注意をした生活が出来るように指導をしてあげてください。

小ボケの人が対象であっても、指導時の気持ちの持ちようについて、小澤先生のご指摘は心に響き、頭が下がりました。

この本は2003年に発行されたのですが、終章で肺がんの告知を受けられた事を淡々と語られています。そして去年亡くなられました。
ご冥福をお祈りします。


中能都町への石川県国保連のサポート

2009年04月01日 | 各地の認知症予防活動

P10000711_2石川県国民健康保険団体連合会のA木さんです。

国民健康保険団体連合会(よく国保連と言われます)は各県にあります。いくつかの県の国保連とご一緒に仕事をしてきました。

エイジングライフ研究所が活動を始めたごく初期に、宮崎県や大分県の国保連が市町村のボケ予防のけん引役になって、各市町村に二段階方式の導入を実現させたことを思い出します。

宮崎県のパワフルなS池さん。大分県の美人実力者Yさん。お二人共に定年を迎えられ、さすがにいきいきと生活していらっしゃる様子ですが、過ぎゆく時を思い知らされますねえ・・・

こういうさきがけの活動が、3年間にわたった国保中央会からの委託事業「ボケ予防指導者養成講座」につながったのです。
そのまま活動が続いているところもあれば、せっかく保健師さんの思いが実現し始めたにもかかわらず、例の合併騒ぎでなんとなく下火になったところも中止のやむなきに至ったところもあります。
中能登町講演会場のY田さん心づかいのお花3態P1000077 P1000072

P1000073 それでも日本のいろいろなところで活動を継続してくださっていて、思いがけない時に「スタートは中央会の養成講座からです」と聞かされて、うれしいやら驚くやら。こちらが感激してしまいます。

今、石川県国保連は毎年1市町に対してボケ予防活動のサポートをしています。加賀・能登とモデル地区を設定しながら、研修会や講演会を企画する形でのサポートです。
A木さんもエイジングライフ研究所の研修を受けられ、地域に出て教室での生活指導の手伝いも辞さないという姿勢ですから、この活動が有効であることは
「よくわかってます」
「生活指導のために脳機能検査がある事がよくわかります」
もう一点言われました。
「二段階方式を導入すると、予防活動には珍しく客観的なデータが出せることも魅力です」
「介護保険料や国保の支出を抑える効果があると思ってます」
中能登町杉本町長・小林保健環境課長・坂井福祉課長P1000074

講演前のお三方との一時。
「大ボケの方がお一人でた。そうすると中能登町としては、実質的にいくら費用負担が増えるのですか?」

坂井福祉課長さんの説明によると
「介護費用の50%のうち、20%は介護保険料、30%は支払基金で賄われます。
残り半分の構成は国が25%(調整交付金を含む)、県が12.5%、中能登町が12.5%です。つまり非常におおざっぱに言って、一人年間500万円かかるとしたら、そのうちの160万円は町負担ということになります」

中能登町のK幡保健師さんから、本年度の予防教室の成績推移を事前に見せてもらっていました。
その内容はA教室は改善率100%でしたし、もう一つの教室は78%でしたので、すかさずその説明をして
「保健師さんたちは、1銭も稼いではいませんが、大ボケになることを先延ばしにしたという意味では、一人でも年間160万円の支出のセーブをしたことになりますので、教室の参加人数をお調べください。すごいですね!」

杉本町長さんは「よくわかってます。中能登町は保健師さんの数は多いんですよ。春にまたもう一人増えます」とニコニコ顔で答えてくださいました。
小林課長さんは「いつも保健師さんをほめてますよ~」と、これまた笑顔での応答です。

二段階方式は個別生活指導にこそ、その本領を発揮するものですが、その検査結果があると、客観指標が同時にできるという特徴があります。
保健師さんたちはそこの理解をしてくださいね。
認知症予防学習会(七尾・津端・川北・中能登の保健師さんたちP1000071

七尾市のM保健師さん。
「旧能登島町で始まったボケ予防教室が続いているのです。もう7~8年になるところもあって、参加する人たちってお元気なんですよ。
年をとってきて、活動範囲が小さくなっても楽しくやってくれてます。
早く始めたところのほうがやる気がたくさんあるようです」とうれしい報告でした。

もっと嬉しい情報!もうすぐ産休ですってね。どうぞお大事に

中能登町のM井保健師さんやN川社会福祉士さんT畠保健師さん(写真がなくてごめんなさい)たちは、実際にテストを実施したうえで、疑問点を持って参加してくださったので、勉強会がお役に立てたようでした。P1000075_2P1000070_2

今回も会場いっぱい、席が足りずに椅子を追加し、隣室にビデオで送るという盛況ぶりでした。(写真を写すことを忘れてしまってもう帰りがけの様子です)
杉本町長さんが感心していらっしゃいましたが、講演会にたくさん聴衆が集まれば、それだけボケ予防に関しての住民の皆さんの関心が高いということになりますから、保健師さんの活動もしやすくなるというものです。

P1000079 翌日伺った津幡町の東本健康福祉課長さん。
ベテランT中さん、続けて質問されて手技への理解を深めたT本さん、新人H蔵さんにA木さんの4人の保健師さんたちとの午前中の勉強会は、個別指導でした。
小ボケの方でまさに自覚があって、劇的といえるほど興味深いケースでした。そちらで盛り上がってしまって、お暇する直前にご挨拶に伺いました。
予防活動の重要性について二人で「意見は一致!」となったときの笑顔です。
P1000081
右の写真の人は知らない人です・・・
帰宅の日、空港までの時間を利用して金沢21世紀美術館に行きました。とても気になっていた美術館でしたから、結構楽しみにしていました。
スイミングプール という作品です。仕掛けは作品名をダブルクリックで見てください。アイディアですね。
アイディアは、前頭葉。美術館でも素晴らしい前頭葉に出会えました。

美術館にも増して、魅力ある多くの方々に会って、豊かな気分になれた能登の旅でした。

(所用があって、ブログは2週間休みます。)


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