脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

薫風―知的好奇心を持ち続ける

2008年05月24日 | 前頭葉の働き

P1000003 レモンの花のつぼみはピンクでした。

隣家に庭やさんが入って作業を始めたので見ていたら、「いいかおりだよ」と一枝折ってくれました。

私はかんきつ類の花は白だとばかり思っていたのに、その花のつぼみはピンク。
咲くと真っ白なのですが、その色の対比がなんとも愛らしく、眺めるやら嗅ぐやら大忙しでした。

「レモンのつぼみはピンクなんだよね。他のミカンは、つぼみも花も白いけど」といいながらレモンも2個渡してくれました。P1000002_3
P1000001 柑橘類の花が咲いたときに、とても素敵な香りがすることをご存知ですか?

初夏の季語に薫風という言葉があります。
私は、薫風という季語はその「甘くてさわやかな柑橘類の香りを乗せた風」と思いこんでいました。
念のためにと思って国語辞典を引いたら
薫風「初夏、若葉の香りをただよわせて吹いてくるさわやかな南風」(大辞林)となっていて、どこにも「柑橘類の花」について触れていません。
「へえ~季語の薫風は甘い香りではなくむしろ青臭い香りなんだ」という知識をゲットして、ブログを書いていてよかったなあとちょっと感動しています。

P1000002 木にはまだレモンの実がなっているのに、花もつぼみもレモンの赤ちゃんまでも同居しています。
こんな勢いで実になったら、木はとても持たないでしょう。
「だから摘果をするんだなあ」と、とても納得。

60歳になっても、それがどんなに些細なことであっても「発見することや知ること」の喜びってあるんですよ。

そしてうれしい予感があります。
多分この喜びは、100歳になって、もし体が不自由であっても、前頭葉が元気でありさえすれば、持てるはずという予感です。
そういう前頭葉を育て(るのは親)、維持する(のは自分)という条件はつきますが。

いつも右脳>左脳の主張をしていますが、珍しく今日は知的好奇心を充足することの意味を考えました。
カトレアの新芽に露が。
なめてみたら甘くて露ではなく蜜でしたP1000005_2
           いただいたレモンはこうなりましたP1000001_2


正常から認知症への移り変わり「部屋で鶏でも飼わなくっちゃあ」

2008年05月22日 | 正常から認知症への移り変わり

前回は食事つくりでした。今日は食べることに絞ってまとめてみます。
臨床心理士の研修会が東京九段の大妻講堂でありました。テーマは「子育て支援・情緒の発達」。今日の写真は昼休みに靖国神社へ散歩したときのものです。
 
食事の作法は、その国の文化に左右されるわけですが、その地方やその家の持っている固有の習慣もあります。
けれども、大人になれば大体みんなが同じような食行動をとることが、単一民族、単一国家たる日本ではごく簡単に想像できますね。特に一歩家の外に出て、社会の中で食行動を起こすときには、その傾向は一層顕著でしょう。  高齢者が多数いて、食事やお茶の時間になりました。
・係りの人が用意をしています(その間、高齢参加者はじっと待つかおしゃべりをする)。
・準備万端整ったところで、「それではいただきましょう。いただきま~す」だけかもわかりませんが、とにかく挨拶があってから、一斉に皆さんがお箸を取ったりお茶を口にしたりする、のが普通。
ところが、まだ全員にいきわたらないのに、涼しい顔をして食べ始める人がいるでしょう?お茶のときならまだしも目立ちませんが、お弁当だととても変。周囲から奇異の目で見られてしまいます。

実はここが小ボケ。前頭葉の状況判断力が低下している証拠です。
元来小ボケは「社会生活に支障がおきるレベル」ですから、家庭生活ではほとんど気に留められません。
例えば、おじいちゃんが食卓に出てきたものを一人だけ食べ始めたとします。
「あらあら。おじいちゃんちょっと待っててください」といわれる可能性はあるでしょうか。
家族がたくさんいて、家族そろって「いたただきます」の挨拶をして食べることが、その家の家風ならばいわれるでしょうが、普通は黙認。
夫婦2人ならば、待たずに出てきたものから勝手に食べ始めるのが家風の場合だってあるかもしれません。

でも、いったん外に出て社会の中に入ったら、「全員にいきわたるまで待って、揃っていただく」のが厳然たるルールです。
このように同じ行動でも、家庭内と家庭外では許容のレベルが全く違います。大好物があるとき、家庭内ならある程度までかもしれませんが、好きなだけ食べることが許されます。
でも、外で他人と食べるときは違います。
大勢で舟盛りのお刺身を食べるとします。
そのときメインのもの例えばマグロのトロとか上等のエビとか貝があれば、どのくらい食べていいのか量と人数とを天秤にかけて、取り分ける分量を決めます。
それから箸を動かすでしょう。
古武道新陰流の奉納が行われていました  

この仕事は、もちろん前頭葉の状況判断力によって行われた訳です。だからこそ、そのときに多少の違いはうまれてくると思います。
前頭葉は、経験を重ね、自己評価を繰り返していくうちに自分らしく出来上がってくるのですから。
でも、日本の文化の中で許される範囲の違いのはずです。
こういう状態のときに好きなものを、あるいは高価なものをパクパク食べて平気なのが、前頭葉がうまく機能していない小ボケです。家庭の中では、お行儀よかった場合にだけ「アレッ?おじいちゃん/おばあちゃんじゃないみたい」と家族から思われます。
箸の使い方のルール違反が起こります。
「今までは見たこともなかったのに、突き箸・迷い箸・舐り箸・掻き箸etcをやるんです」と家族がびっくりしながら伝えてくれます。
「食べ残すときに、残し方が汚くなりました」
「食器にこだわりがあったはずなのに、発泡スチロールのトレイでも平気なんです」
以上すべて「以前と違って」というところがキーですよ。もともとお行儀が悪かった人はそれがその人の生き方ですから・・・
そして、加齢とともにそんなこともおきるんじゃないかと疑う人もいるでしょうが、そのときにはきちんと言い訳が付きます。つまり本人がこのやり方はいつもの自分のやり方ではないことをちゃんと意識しているならば、小ボケのサインと思う必要はありません。
お正花が展示されていました。ガラスに反射してますが。

中ボケになると脳機能は「家庭生活にも支障が出てくるレベル」です。
さあ、具体的に並べてみましょう。
おじいちゃんが隣の孫のおかずに黙って手を出す。
これが外で起きたら、みんなで会食しているときに隣の人のおかずのうち自分の好物に手を伸ばすことになりますから、みんな仰天します。
同じ状況で、トイレなどに席を立って帰ってきた時、自分の好きなおかずがある席が空いているとそこに座って平気で食べ始めるのです。これは、たまたま空いている席だから座って、見ると好物があるので食べているだけかもわかりませんが。
結婚式披露宴のような席だと考えると、冷や汗が出ますね。
中ボケは、日付があやふやになります。とすると、冷蔵庫のもので賞味期限が過ぎたものでも平気で食べることになります。
さらに進むと、味覚が鈍くなりますから、「料理がうまく作れず、味付けが変」といわれるようになります。
そのとき一番に鈍くなるのが塩辛さです。だから味付けの失敗はほとんどが「塩辛すぎて食べられない。なのにおばあちゃんは平気でパクパク食べるんです」に集約されます。このように味覚が鈍くなってしまったときには、腐って味が変になったものでも平気で食べるようになりますが、その前にこういうことが起きてきます。
混ぜてはいけないはずの料理を混ぜて食べるのです。
酢物と煮物。サラダにご飯。ヨーグルトにご飯。カレーご飯のうえにスープ。うどんの汁にリンゴをくぐらせる。
そしてこぼす。
ちょっと心躍る?

小さなお幼稚園のお孫さんに食事をさせながら、おじいさんが笑いながら言っているのを耳にしたことがあります。
「こんなにこぼすんだったら、部屋で鶏でも飼わなくっちゃあな」

中ボケの介護をしているお嫁さんがいやな顔をして訴えます。
「言うことだけは一人前なんですが。食事の後なんかは惨憺たる有様。まるで幼稚園なんです」中ボケの脳機能は幼稚園レベル。こんな風に一致するんですね。
せめてチャボでも飼ってみますか?!

 


 


 



正常から認知症への移り変わり♪今日もコロッケ、明日もコロッケ・・・

2008年05月17日 | 正常から認知症への移り変わり

今日は炊事という観点から、ボケの重症度を探っていきます。

「けふもコロッケという歌は大正時代にはやった歌です。
    ♪ワイフもらってうれしかったが、
      いつも出てくるおかずがコロッケ。
今日もコロッケ、明日もコロッケ。
             これじゃ年がら年中コロッケ。

もしも新妻でなく、40年も50年も連れ添った古女房が、今日も明日もあさってもその次の日も又その次の日も、おんなじ献立を繰り返すとしたら、歌ってる場合ではなくて、それは小ボケと覚悟しなくてはいけないでしょう。
ちょっとドキッとした保健師さんもいるかもわかりませんが、大丈夫、繰り返し方は半端ではありません。
例えば「豆腐の味噌汁にアジの干物、漬物」全く同じ献立が続きます。味噌汁の具も変わらなければ、アジが塩サケになることもなく同じ献立!
清里高原にハイキングにいきました。 
        
散策路脇のバイケイソウ
 
エイジングライフ研究所の二段階方式では、脳機能からその人やその人の行動を理解する立場をとります。
どのように解釈することになるかというと、同じ献立になるということは脳機能から見ると献立の発想がわかないということになります。
物事を発想するところはいわずと知れた前頭葉。
小ボケは前頭葉だけが老化を加速した状態ですから、こう推理するとぴったり当てはまりますね。

今度は、逆に前頭葉機能低下状態で何がおきるかという観点から考えて見ましょう。
花のような新芽
 
かなひろいテストは前頭葉機能のうち注意集中分配力を調べるテストです。
注意集中分配力が落ちると何がおきるか?
答えは「鍋を焦がす」

実は、私もやかんの空焚きや鍋を焦がすことはあります。
でも、小ボケの場合は、献立と同様、焦がし方が半端じゃないのです。

嫁に行った娘が勝手口を開けてみるとこげた鍋の山に絶句したというような話になって、私たちの耳には入ってきます。

やかんを火にかけて、ちょっと洗濯物を取り込みに行ったら草が目に付いて草抜きを始めたら、すっかりやかんのことを忘れてしまったとか、てんぷらを揚げていたところにお隣さんが回覧板を持ってきてくれたのでつい話し込んでしまったけど、お隣さんが油の臭いに気づいてくれて危うく火が出るのを未然に防げたというような「事件」も前頭葉低下現象です。

こんな事件は、残念なことに加齢とともに起きてくることはくるのですが、とにかくその頻度が違うのです。
普通の加齢現象のときは、「事件」がおきたらしばらくは気をつけて同じような失敗は起こさないようにと自ら余計に注意をします。(前頭葉の学習効果)
ウッドチップの散策路
 

小ボケで見られることを列挙してみましょう。
・同じものばかり買ってくるようになる。
冷蔵庫の中を見ると豆腐が3丁。あぶらげ5袋。
テーブルの上にはアンパンが5個もあるというようになるのです。

・今まで手作りのおかずを食卓に並べていた人が、出来合いのものばかり買うようになる。
忙しいときや体調がすぐれないとき、その食品がどうしても食べたいときなど納得できることもありますが、あまりにもその変化が大きいときや継続するときは要注意です。

・もともと出来合いのおかずで済ませていた人でも、パックのまま出すとか「今までとは違う」と家族が感じるならそれも兆候だと考えた方がいいでしょう。

・味は変わらないのに、作る人が変わったようなお皿が並ぶ。
料理が得意で、盛り付けや食器にも一工夫していた人などは、変化がはっきりわかります。あまりにも雑になるのです。

・手順が悪くなる。
ベテラン主婦ともなれば、「いただきます」に合わせて料理を作るものですが、カレーはできてるのにご飯が炊けていないとか、麺類を茹で上げた後で出汁を作り始めたり、暖かい料理を先に作ってしまって、食べるときには冷たくなったままサーブするようなことが起こります。
フライパンが温まった後からお肉を取り出して切り始め、フライパンから煙が出てきても火を止めないというようなこともおきます。
食事の用意ができたときには、流しは片付いていたような人(に、私はなりたい!でも現実は・・・)では、信じられないくらい流しは汚れ物でいっぱいです。

・手順や手際が悪くなる
包丁さばきが別人のようになります。野菜の切り方が妙に大きすぎたりして「いかにもおいしくなさそう」と家族が言います。
ご飯を炊くときの水加減がざつだったりもします。
今までの時間では食事作りが終わりません。長い時間をかけて「たったそれだけ?」と家族がびっくりする料理しかできません。
南アルプスもくっきりと
 

以上列挙したことは、すべて前頭葉がうまく関与できていない状態です。
こう考えていくと、食事作りは前頭葉の出番が多い行為だということになりますね。
実際には、経済的なこと、健康面への配慮、天気の具合、自分の体調なども食事作りとは密接に絡んできますから、もっと前頭葉を駆使していることになります。
小ボケが進んでいくと、夫と二人暮しなのに、なべいっぱいの煮物を作ったり、お冷ご飯があちらこちらにあったり、ご飯が固すぎたりおかゆのようだったりして、次第に中ボケの「家庭生活に支障が出てくる状態」になります。
八ヶ岳

中ボケを見分けるひとつの症状は
「料理の味付けが変で、食べられない」というものですが、そこに至るまでを具体的に味噌汁作りで見ていくと、
・味噌汁の具があまりにも単調。

・味噌汁の具のきり方が、今までとあまりにも違う。

・味噌汁のだしがとられていない。

・味噌汁なのに、味噌が入っていない。

・味噌を入れすぎたり、さらに塩を加えたりして、塩辛すぎてとても食べられないのに本人だけはパクパク食べる。

と、いう風に推移します。その次におきるのは、大ボケになったということですが、

・痛んだものでも平気で食べる。

・熱いものでも平気で食べる。

・食べ物でないものを口にする。

ここまでくれば、誰でもボケたということがわかりますが、それでは遅いのです。
小ボケの症状が加齢による失敗とかぶさるところが多いので、ここはやはり脳機能検査が必須であるという結論を強調しておきましょう。



第1期実務研修会受講者の皆さんへ

2008年05月12日 | 二段階方式って?

実務研修会お疲れさまでした。
「頭がいっぱいになりました」と毎回言われますが、皆さんは続けて生活歴の聴取や生活指導の大切さに気づいてくださったみたいで講師としてはとてもうれしいです。
今年はランの当たり年でした。シンビジュームの花茎が4本!P1000040
受講者のTさん持参のケースを解説しながら、涙してしまった私を、皆さんはなぜ?といぶかしく思われたことと思います。今日はその言い訳です。

テスト結果は昼休みに提出されました。まず最初に見たテスト結果は75歳の男性の方でした。
MMS13点。でも低下順は全くアルツハイマー型を示さず、左脳右脳の器質障害のパターンでした。
病気か事故かをたずねると、脳卒中を繰り返していて、それも予測どおりではありますが不運にも両側・・・
つまり、左脳に感覚性失語症という後遺症があり(マニュアルC95p参照)、一方で図形の模写は全くできず、自分の名前すら書くことができないということに象徴される重い右脳がらみの後遺症もありました。
                             デンドロビュームは満開!P1000006                             

脳卒中後、後遺症がわかったとき、この方はどんなに無念だっただろうか。
あるいは何が起こったか理解しがたかったかもしれない。その状態をご家族ともどもどのように乗り越えたのか。
そして多分ドクターからは、後遺症の説明はほとんどなく(特に右脳障害については。右脳障害についてはこのブログの3/14~4/9までにまとめて書いておきました)、ご家族も脳卒中後遺症という捉え方よりは「ボケてしまった」とあきらめたに違いない・・・
左脳に先に卒中が起きていたら、そのつらさはさらに厳しいものなので、できれば、右脳障害が先行していたらよかったのだけど・・・。

テスト結果を見たときに、心をよぎった思いです。

天城高原は1ヶ月花が遅いですP1000023
次に目を通したテスト結果は、75歳の今度は女性の方でした。
MMSは満点。かなひろいテストは正答数45、見落とし数1、内容把握可という20歳代にも匹敵するすばらしい成績でした。
この年齢でこの前頭葉機能を持っていれば、学歴も職歴も、現在の社会的な地位とも全く関係なく、この人は「かくしゃくとしている」「生き生きしている」「楽しそうでいいねえ」と、周り中から言われているに違いないのです。
本当の意味でのリーダーが務まり、みんなから頼りにされて・・・隠しようもなく輝いているようなそんな方が目に浮かぶようでした。
そのように解説しました。

その後で、実はご夫婦ということとTさんのご両親という説明を受けました。

私は、この状態でありながらなお前頭葉を生き生きと保つことができているTさんのお母さんに強く心を動かされたのです。P1000028
Tさんのお父さんの要介護状態はシビアなものがあるはずです。
それをこなしつつ、このレベルの前頭葉機能をどうすれば保つことができるのでしょうか。
介護の手助けをしてもらっても、気持ちの上で前向きに自分の人生をまっとうできない、そしてそのために次第に脳機能の老化を加速させてしまう人たちがどんなに多いか私は知っています。

夫の重なる病気(や後遺症)を、どのようにして受け入れられたのでしょうか。
どのような思い変えをすれば、それに負けずにこんなに元気に生きていかれるのでしょうか。
75歳で急にこのような前頭葉をもたれるわけではありませんから、お母さんはどのように生きてこられたのでしょうか。
お母さんの一生がフラッシュバックされるような気持ちで、かなひろいテスト正答数45、見落とし数1、内容把握可のテスト用紙を眺めました。

慌しい研修会の昼休みですから、私の思いを伝えることはできていないと思いながら、簡単にテスト結果の解説をしたのはほんの数分だったと思います。

その後で、たまたま皆さんにケース説明をすることになったとき、私の胸の中でもう一度お母さんの人生がフラッシュバックされました。
「これから先、また困難な状況が起きるかもしれませんが、決してそれに負けないで、今まで生きてこられたように自分らしく人生を完走していただきたいのです」と願った時、私は涙が出ていました。
多分、お母さんの人生の山坂を、ちょっとだけですがともに歩いたような気持ちになったのだと思います。

P1000039エイジングライフ研究所の二段階方式の手技は、脳機能テストを通してその人の現在の行動を理解するものですが、その人生に触れるような体験もできるのです。
是非、この手技を使いこなせるようにがんばってください。
お手伝いはいくらでもしますから。

レポートをお待ちしています♪


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