脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

宣伝:ゆうかり工房

2007年04月21日 | 認知症からの回復

今年の伊豆高原は、季節がちょっと早く 変わっているようです。例年なら緑滴る5月に伊豆高原アートフェスティバルが開かれるのですが、今年はもうさまざまな緑が目を楽しませてくれています。

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我が家からこんな道を通って15分でゆうかり工房です。5年前のアートフェスティバルの時に、初めて行き着きました。粘土作家のお母さん、フェルト作家の娘さん。母娘二人のおしゃれな工房でした。

エイジングライフ研究所の活動の話から「認知症予防教室」の話になりました。
「対象の方々は従来のデイサービスに集うようなお年寄りではないんです。」
「出来栄えに優劣がなく」
「自分らしいものと誇れるようで」
「よそにはないおしゃれなもの」
「勿論、作る過程が難しくなく、製作そのものも楽しめるもの」
夢を語るように、注文の数々を語りました。
だってほんとに「ボケ予防教室」(当時はほとんどがこういっていました)で何を作るかは大きな問題でしたから。

お二人が「がんばってみます」と答えてくださったのが5年前。
少しずつ、ゆうかり工房手作りキット(左欄から)が増えていきました。
久しぶりにゆうかり工房を訪ねました。 

このかわいい妖精を見てください。
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これならば「私が作った!」と満足いくでしょう。
よそにはありませんから、お孫さんや誰かへのプレゼントにだってできそうです。
ここにいたるまでにはたくさんの試行錯誤がありました。

Img_0093 右脳をしっかり使ってもらおうと、ご本人に色も選択してもらい、造形的にも、選択の余地をたくさん残して最初に作ったのがこのキットでした。5体¥1000
でも、なかなか上手に仕上がらない・・・

Img_0096 現在のキットはこう変わりました。スカートの長さを決め、妖精の羽を整えた後で、自由に飾っていく。2体¥800
その過程で前頭葉と右脳と手指の運動野が活性化されるという狙いです。

認知症予防に関して、最近の世の中は大きく変化しました。
5年前には「ボケは治らない」といわれたものです。
今は「認知症予防」は大きな社会的な目標になっています。
そしてもうひとつのキィワードが「脳」とか「脳トレ」。

二段階方式を導入して認知症予防活動にがんばっている保健師さん!
皆さんは専門家なのですから、「脳を活性化する近道は右脳がらみの前頭葉を使うことにある」と自信を持って地域の皆さんに教えてあげてください。
(もうひとつは体を使うことですよ)


7年目の評価ー松江市八雲

2007年04月08日 | 二段階方式って?

ボケ予防教室を7年間続けると、参加者の脳機能はどのように変化していくのか?
結構興味あるでしょう。とにかくまずこのファイルを読んでください。

「yakumo.xls」をダウンロード

成績比較ができた人13名中
改善した人3名+維持できた人7名=有効率77%
文句ない結果だと思いますが。

松江市は、二段階方式導入済みの八雲村・宍道町など6町村と合併しました。
そして松江市全体で、この二段階方式を取り入れて認知症予防活動に取り組もうとしています。
そのタイミングでの教室の成績推移の検討でしたから、八雲支所の保健師さんは、「きちんとした正しい検討結果を出さなければ」という思いと「教室は有効であるという確信を伝えたい」という思いがあったはずです。
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阿蘇中岳噴火口                 山中湖からの富士山

教室を引っ張ってこられた石倉(地区公民館長)さんも、実は単純計算の結果の有効率46.2%では納得できなかったようです。
昨年の12月に松江市で私の講演会がありました。そのときに石倉さんはわざわざ出席されて、その上に「自分たちは教室をもう7年間も自主的に継続している」と胸を張ってお話されたくらいですから。
教室のたびに「自分たちは元気だよね!」という確認が自然にされて、それが自信につながるのではないでしょうか。
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伊豆大島の椿二種(日光・金花茶)

控えめな出川保健師さんも、個別検査をして生活指導する過程では「結構お元気だ」という印象を持っていたそうです。
ところが単純計算の結果からは、有効率が約半数でした。
一般的にいって、保健師さんたちは真面目で正直者です。
数字が出るとそのまま信じてしまおうとする傾向はありませんか?
体験の中で自分の感じている「印象」は、コンピュータ処理したような正確さを伴っていることが多いと、私は思います。
「体験の中で」というのがミソで、「体験するとき」必ず関与するのが前頭葉です。体験を重ねるうちに、前頭葉が勝手にデータを蓄積して、勝手に処理して結論を出してきたとき、それがなんとはない「印象」として感じられているのでしょう。

決して前記の「印象」を踏まえた結果ではなく、データを正確に解釈して「前頭葉の自然老化」を考慮に入れると有効率77%。
当然のことながら結果が「印象」と一致したのです。
それで、石倉さんも出川保健師さんたちも納得。

お疲れ様でした。カプチーノをどうぞ。
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