脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

脳のリフレッシュ教室ー長野県小布施町

2008年02月29日 | 各地の認知症予防活動

町報おぶせ2008年2月号です。

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小布施町では平成14年の山王島地区を皮切りに、各地区で「脳のリフレッシュ教室」を立ち上げてきました。(エイジングライフ研究所が毎年の教室開催に合わせて講演を行ってきました)
だいたい1年間を目途に、在宅介護支援センターが主体となって教室運営を行います。脳の機能検査から生活改善指導はもちろんですが、カリキュラムの指導、最後のお茶の時間まで、保健師さんをはじめ在宅介護支援センターのスタッフの皆さん総動員でサポートします。

教室終了後は、正真正銘の自主活動として継続されている教室から、ボランティアさんや公会堂の職員さんが中心となって継続されている教室や、在宅介護支援センターがサポートを続けている教室まで多様な形態があるそうです。
でも、続いています!
上記町報おぶせ見てください。8地区の平成19年度の脳機能推移が掲載されていますね。9割以上の人が維持・改善という成績評価です。
やや維持が多いようですが、長く経過を追っていくと高齢になっていくため、当然維持群が増えてきます。
ここで、宣伝。この評価は管理ソフトエイジングを使っています。テストさえきちんと実施して、結果を入力しておけばこのように集計されます。


2月22日に第2回目の教室の交流会が開かれました。写真は、冨田保健師さん撮影のものを使っています。
去年の第1回交流会の様子は以下のページでご覧ください。http://blog.goo.ne.jp/ageinglife/d/20070308
Img_0001 山王島地区。
「千曲合唱団おぼろ月夜・ふるさと」
後列中央は初代の岩井会長。修了式の日、教室生全員プラススタッフにまで、自作の水墨画を記念にくださいました。「今ねえ、全国展に出すため条幅の水墨画に挑戦中。それから毎日歩いてるよ」
懐かしい顔がみんな元気でした。

Img_0002 北部地区「きよしのソーラン節」
この地区は完全な自主活動で継続。外出も企画されますが、お洒落な新しいお店での昼食会というのは、さすがに観光の町小布施の面目躍如。
難しい踊りを藤沢先生と3時間練習されたそうです。前列右端田中さんは今年80歳ですが「イヤー、楽しかった」と若々しいこと。「教室に来てるとボケない自信が出てくる。ドリルやってたらボケそうだけど」って萩原さんがいいましたね。
Img_0003 東部地区。
「瀬戸の花嫁で転倒予防」「春よ来い」
ここは全員女性。高齢者が多いそうですがボランティアさん中心で継続されています。
一枚の風呂敷が「春よ来い」の時には半纏に、「瀬戸の花嫁」の時には姉さん被りに変身。どなたのアイディアだったのでしょうか?
手話は難しかったそうですが、いえいえ、とてもかわいかったです。

Img_0004 都住地区。
「ボケます小唄・人生の歌でくす玉発表」
教室会場の久保田職員が引っ張り役としてがんばっているとの説明がありました。自主的に教室を運営していくときには、地区の特性や人材を生かした工夫が今後不可欠になるでしょう。
くす玉は大作でしたから、皆さんの右脳はリフレッシュされたことと思います。

Img_0005飯田 地区。「飯田の星☆」「炭坑節」
ここは男性が多いといううれしい特徴があります。
去年は割烹着のユニフォームでしたが、今回は赤・青・橙の法被で登場。その上、手ぬぐいお面!
自治会のボランティアさんたちが会場後ろで笑顔で見守っているのを見ると、ちょうど子供の学芸会を見守る母親のようでした。

Img_0007 大島地区。「春の小川で肩たたき」
現役高齢者が中心だそうですが、畑も脳のリフレッシュもがんばってください。福祉員の皆さんも参加してくださいました。
壇上から降りて車座になっての発表に司会進行の在宅介護支援センター林さんも思わず座り込み。名札のついた市川さん、カメラを構えた三木さんも、教室生の皆さんに負けずおとらず楽しそうです!Ho01

東町・上町地区
「南京玉すだれ~東町・上町バージョン~
(すみません。写真が用意できませんでした)

東町・上町は小布施の中心にありますので、有名な北斎館を代わりに・・・
小布施橋・大鳥居・雁田山など身近な地名を織り込んだ玉すだれ実演に、会場は大喜び。「ちょっと失敗してしまいましたが、失敗もご愛嬌でよかったでしょ?」もちろんそのとおりです。
Img_0008 林・中扇地区。
「ちょんほいな音頭でファッションショー」
今年度から始まった一番新しい教室ですが、この出し物を見ると雰囲気がわかります。
「みんな同じなんて、つまらない!自分らしく楽しくやらなきゃ」と引っ張ってくださったのは町役場のH保健師さんのお母さんだったとか。今後ともよろしくお願いします。

高齢者の皆さんが去年よりも、積極的に交流会に参加し、出し物にも工夫が見られたことで、交流会の意義がはっきりしたと思います。
他教室の発表を見ることで、モチベーションが高まり意欲的になるものです。次のステップとして考えられることは、交流会発表をひとつの目標として、教室で年間通じて継続的に取り組むことと、教室相互で、教えあったり共に楽しんだりするような交流が図られるようになることでしょう。
市村町長を囲んで。お忙しい中会場に足を運んでくださいました。
Img 去年の会場では、小出保健師さんはじめスタッフの皆さん。みんな泣いていましたね。
今年はどうだったのでしょうか?ちょっとウルウルというところだったのでは。
いずれにしても、そこまでこの「脳のリフレッシュ教室」に思い入れできる皆さんに、私は感動します。
小布施にはいいところ・見るもの・食べるものがたくさんありますが、こういう思いで仕事に取り組むことができる皆さんは小布施町の宝だなあといつも思っています。

脳のリフレッシュ教室の事業は、スタッフの皆さんの一体感や達成感を生むだけでなく、ボケ予防活動を地域活動の中核にすえることで、地域の一体化や活性化も図れるという視点も持てたことと思います。
これからも、皆さんでがんばってくださいね


豊後大野市ーみんなの力をあわせてボケ予防

2008年02月24日 | 各地の認知症予防活動

Map_bohno_2 大分県豊後大野(ぶんごおおの)市。大分市から熊本市を結ぶ豊肥(ほうひ)線の始発の大分駅から数えて6番目の犬飼駅から11番目の朝地駅まで、7町村が合併してできた町です。
千歳村・三重町が二段階方式を導入していた経緯があって、豊後大野市とも契約が結ばれました。
そして昨年、実務研修会を豊後大野市に出向いて実施しました。これは初めての試みでしたが、保健師さんたちのレベルを同時に高めたいという要望に沿ったものでした。
合併したところでは、「足並みをそろえたい」という希望はとても強いのですが、保健師さんの共通理解にいたるまでが結構大変です。豊後大野市では関係する保健師さんたち全員が一度に研修したのですから、ボケ予防活動がスムーズに展開しているかどうか気になっていました。
今回は緒方地区・犬飼地区の2ヶ所の講演会でした。
P1000004 日本のナイアガラといわれている緒方にある「原尻の滝」です。

阿蘇山の噴火のときの溶岩がここにたまって形成されたそうですが、見上げる滝ではなく、見下ろす滝というところがユニーク。緒方地区は滝の上に豊かな平野が開けていました。

さて講演会は丘の上の中学校の講堂が会場でした。
P1000009 300人の予定が、「472人まで数えました」ということでしたが、超満員。
私たちの講演会にはだいたい予想の1.5倍から2倍の方が参加されるのです。
ボケになりたくないという声が聞こえるような気持ちになります。

ステージの間際まで追加の椅子を出し、通路にまで座っています。
それなのに、会場の寒かったこと・・・
P1000008 豊後大野市では「いきいきスマイル教室」と銘打った認知症予防教室を各地で立ち上げました。
それと同時にボランティアさん(介護予防リーダーさん)の養成も始まり、当日もこうして舞台で「きよしのズンドコ節」をベースにした豊後大野市介護予防体操「みんなのぶんドコ節」を披露してくれました。
会場と一体になって楽しい時間がもて                     

                       ました。
P1000010_2 講演後、ホールでお話した川原さん。
笑いながら「われわれは危険なんです。自分は公務員、妻は校長先生だったんですから」
続いた言葉がうれしかったですねえ。
「小さな地域ですから、みんなに眼を配って、100年後もみんな幸せでいるように、と思ってこれからも世話役がんばります。妻も、あれやこれや趣味やお世話に忙しくしています」

翌日は犬飼地区。
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緒方地区と同様の流れで講演会が進行していく様子を見ながら、やはり一斉に動き始めることができたのは、全員参加の実務研修会の成果だと思いました。
ただ、なにかが微妙に違います。
それは、それぞれの地区の持つ地域性や住民性、保健師さんのかかわり方の違いなどから生じてくる当然の差なのでしょう。
みんなどこも同じにする必要はありません。その差を大切にしながら、ボケ予防活動を進めていってほしいものと感じました。
特筆すべきことがありました。
会場左前部の一団の反応が格別よかったことなのです。文字通り「打てば響く」という様子が私の講演に力を足してくれました。
「ボランティアは、ボケ予防の実際を知ることができ自分のためでもあります。
豊後大野市の介護予防リーダーさんたちは、この活動をして脳がとてもいきいきされた方が多かったそうですよ。犬飼地区のリーダーさんは?」という問いかけに、その一団の皆さんが手を挙げながら「ホントにそう!元気になった」といわれました。
P1000015 昼食をご一緒した、豊後大野市在住の先輩保健師さん。左から亀井・加峰・加藤さんの3かトリオです。
緒方にいらした加峰さんの発言。
「できるだけ早く、回覧板をまわすのよ。
会場が狭かった点と寒かったことをお詫びしなさい。そして、ボケの相談窓口があることも書き添えて・・・あらぁ、ついつい言い過ぎちゃうわねえ」
いいえ、なんて的確な指摘でしょう。
3かトリオは、集団かなひろいテスト実施後の合格者に対する生活指導を受け持ってくださっているのです。
長い経験があるのですから、まさに適任。
自分の町が持っている人材を、ボケ予防活動に取り込んでいくことは一石二鳥以上の効果が期待されます。

豊後大野市では教室の前後での脳機能検査は、どこの教室でも実施されました。管理ソフトエイジングを使用しての教室評価が始まっていました。
中間のまとめを見ると、全国データと比較してやや低下群が多いように思います。もちろん、別人のように改善した方はどの教室にもいますし、千歳地区では、すばらしい改善を見せた方が続出していました。
テスト実施法には問題が無かったのか、カリキュラムの問題も検討の余地があるでしょう。

前提条件として、テストは生活指導の入り口ということを再確認してください。
今回、昨秋脳梗塞を発症された方の生活指導をしました。
テスト結果から、後遺症は無いこと、このまま自信をなくして引っ込み思案な生活を続けていくと、脳の老化が加速されてしまうことをお話したら、笑顔で「がんばります」といってくれました。
生活歴が聞き取れないという方にもお会いしました。
テスト結果を基にして、脳が老化を加速し始めたタイミングを説明しただけで、生活を振り返って自分でターニングポイントを見つけられました。
「教室に行くと気が晴れて、意欲的になれた」といううれしい感想も言われました。
テストがボケ予防活動の武器になるように、もう一踏ん張りしましょう。


右脳・全開 伊那市みはらしファームの佐野さん

2008年02月14日 | かくしゃくヒント

仕事で 飯田市から木曽福島に移動する必要がありました。

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グーグルマップで見てください。飯田市や伊那市の東側には南アルプスが、西側には中央アルプスが聳え立っています。
木曽山脈を貫く権兵衛トンネルが開通して、伊那から木曽福島までは所要時間が30分になったと聞いたので、地図を眺めて伊那市権兵衛峠の近くにあるみはらしファームを待ち合わせ場所に決めました。

約束の時間は14:00。バスの都合で9:20頃には到着するのですが、みはらしファームの中には温泉もあるし「温泉に入ってのんびりするのも悪くない」というつもりでした。
みはらしファームに着いてびっくり!すばらしい眺めでした。南アルプスの山々が見事に雪をかぶって青空に屹立しています。その下を流れる天竜川からはかすかにもやがかかっているようでした。(とても携帯ではこの雄大な景色は写せません)
P1000021_3 ここは農業公園といわれるところですから、採れたて農産物市場あり、イチゴ狩りあり。
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指導してくださった方たちです。
「上手に織れていますよ」とか「しっかりできてること」とか、声掛けがお上手でした。
ボケ予防教室でも、初めて体験することや不得手なことに挑戦している場合には、このように受容的な声掛けは不可欠ですね。
お世話になりました。m(__)m

さて、竹の家。どんな遊びが楽しめるかと興味津々で伺いました。主の佐野博志さんです。

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基本的な考えは、このレジュメでわかりますね。
小学校の工作室のような空間には、何かをしたくなるような雰囲気が漂っています。
最初、ボケ予防教室で使えるかもしれないという気持ちはあったのですが、竹とんぼを作り、紙飛行機を教えてもらって飛ばしている間に、「あれもやりたい」「これはどうやるの」の塊になって楽しみました。確かに遊びは右脳、意欲も右脳ですね。右脳全開の実感がありました。

あっという間に約束の時間が来て、つまり昼食もとらずに遊んでいました。木曽町のK保健師さんと久しぶりの対面のご挨拶もそこそこに「皿回しを作りに行かない?」と誘ってみると大乗り気。今度は二人で皿つくり。夢中でやった表と裏の紙張りの成果を見てください。

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佐野さんと少しお話をしました。
「子供たちも大切ですが、高齢者も、いきいきと遊んでもらって脳が元気でいてもらわなくてはいけません」
「子供と違って、高齢者はいろいろな意味で差が大きい。身体能力も人生体験の差も。プライドももちろんありますから、乗せ方には工夫が必要ですね」
「脳がいきいきしている人と、元気がなくなってきている人では、遊びの効果もまったく違います。元気な人ほど効果があるのです」

佐野さんは、子供に対して遊びを伝承していくこととは別に、高齢者にも遊びが必要であるという考え方を漠然と感じていらっしゃったようです。
実際に地域のミニデイに出向いて「紙飛行機で遊びの時間を持ったこともある」とおっしゃいました。
「飛びすぎて、取りに行くのがかなわんと怒られました。それであんまり飛ばない飛行機も考えました」
P1000011_2 高齢者のボケ予防を考えるときには必ず「遊びの右脳」を使った時間が必要です。それも仲間と一緒の。
佐野さんの持っていらっしゃるノウハウを、そこに注ぎ込んでいただけたらと思いました。
特に男性向けのプログラムができそうです。

今まで子供の遊びという視点しかなかったので、今後は高齢者の遊びという視点からのプログラムを開発したいといわれていました。今の時代のニーズに合ったプログラムの開発が、まさに世のため人のためになり、かつご自身の脳の活性化にもつながると喜ばれていました。

今からいろいろな創意や工夫が必要でしょうが、佐野さんの右脳には山ほどの引き出しがあると見ました。

何かを実践するときには、左脳の知識はあんまり役に立ちません・・・

私が挑戦した作品や購入したおもちゃです。ちなみに竹とんぼは飛びすぎて今我が家の屋根に乗っています。P1000010 P1000006

こま回しも夫にコーチしてもらいながらやりました。

バルーン人形は初めての体験。恐る恐P1000007 るやりました。P1000008

割りばしでっぽうも盛り上がりました。

皿回しは早回しがまだできません。

楽しい時間はまだ続いています。


懐かしの飯田

2008年02月13日 | 各地の認知症予防活動

飯田市のS保健師さんから講演依頼が飛び込んできました。

「・・・飯田市のいきいき教室発祥の地としての松尾の高齢者が10数年たって今尚頑張っていることができているのは・・・高槻先生方の最初の講演会がよかったからだと考えます。13年を評価して、地域で支えたいきいき教室やふれあい教室そして家族の中にも痴呆予防としての考えが浸透した経過をふまえて、再度地域で高齢者を支えていってもらうためにボケ予防の講演会を御願いできればと考えます・・・」

飯田市がボケ予防活動にをスタートさせたのは確かに10年以上も前でした。まだまだ「ボケは防げない」という考え方が世の中を席巻していましたが、住民をどうしてもボケさせたくないという思いを持ったT保健師さんとS保健師さんが、まず松尾地区で「いきいき教室」を立ち上げたのです。
エイジングライフ研究所がサポートし始めたもっとも初期の教室のひとつです。
各地区での講演会で、ボケ予防の話をした後で「いきいき教室」参加生を募ると、予想外の大勢の参加申し込みにあわてながら、住民のニーズをひしひしと感じ、この事業の大切さを改めて思いました。
教室のカリキュラムを考えるとき「人形劇のまち飯田なのだから、活動に人形劇を入れたら?」とか「地域の人材発掘が大切」とか保健師さんたちと盛り上がったものです。
そのとき、T保健師さんが「目標は飯田市内に100ヶ所の教室」と言われ、ちょっとびっくりしたのが昨日のことのようです。

そういう経緯があるものですから、懐かしい方々にお会いできることが、何よりの楽しみで喜んで伺いました。
P1000008 当日は南信には珍しく大雪。
(九州育ちですから、雪はうれしいのです。寒いところの方にはにらまれそうですが)

P1000013 入り口で出会った、この雪の中講演を聴きにこられたお二人。
左の方は91歳。右の方は88歳。お二人の手提げを見てください。どちらも手作り。
いきいきに行って、それからみんなでこういうものも作って、結構忙しくしてるんです」とお二人ともニコニコしながら話してくださいました。

講演の後、保健師さんや親しい皆さんと懇談会。何度もお会いしたS沢さんT沢さん。お二人ともご主人を亡くされていたのには声もありませんでした。最後の様子を伺いながら、お二人とも、とても納得していらっしゃる様子が伺え「脳は元気で、体が持たずに亡くなる」ことは残された人を安心させることだと、改めて思い知りました。
お二人とも「いきいき教室はよかった」とおっしゃっていました。

教室は飯田市全体では100ヶ所を超え、松尾地区だけでも10数ヶ所。
ただし教室には、企画運営まで住民サイドで行えるところから、高齢化も進みやや手がかかる人がいるところまでいろいろ特徴があるそうです。

(翌日は、上郷地区の講演会でした。南アルプスー天竜川ー下の集落ー雑木林ー中の集落(ここに公民館がありました)-中央高速ー上の集落と言う風に標高が高くなっていきます。すばらしい景色でした!
世話役の方が中心だったせいもあるでしょうが、かくしゃく老人の生き方を解説したときに皆さんご自分のことと言うような反応をされたのがとても印象的でした。
地域主体のボケ予防教室を始めてくださいね。皆さんならやれます)

S保健師さんは、脳機能検査がなかなか実施されない現状を残念がっていました。絶対的な仕事量が多いこともあるでしょうし、検査の意味が徹底されないこともありそうです。当初の思いを10年以上にわたって受け継いでいくことそのものだって難しいでしょうね。
そうそう、T保健師さんは定年退職されていました。もちろん現在でも教室の強力なスタッフであることは間違いないのですが。

大変な雪の中の講演でしたが、その分反響もすばらしくあり、松尾もそれなりに、いろんな方から良かった、いい講演会だったと御意見をいただきました。・・・松尾のいきいき参加者で、アッというまにあちらに行ったかたが何人もいてやはり、それでいいんだと皆で改めて納得した感があります。やはり10年は無駄ではなかったと・・・」講演後にいただいたS保健師さんのメールです。そのとおりです!
高齢者に対する施策はどうあらねばならないか、どこが課題か、どういう状況が必要か、私はS保健師さんとお話しするたびに現場の保健師さんはここまで考えているのかと感心してしまいます。
飯田市には、ぜひこのような保健師さんの実践を通した提言を生かしてほしいと願っています。P1000007

川本喜八郎人形美術館ができていました。すばらしい。一見の価値ありです。
川本喜八郎が、飯田で上演された人形劇の感想に「人形が生きている」と言う表現を見つけたこと、さかのぼれば、江戸時代から続く黒田人形の記録にも同様の表現があり、その飯田の持つ感性に感動して、人形の寄贈を決めたと説明を受けました。
感性!ボケ予防の基本的な条件は整っていると言うことです。


パンデミック―年齢で線を引くとしたら?

2008年02月08日 | かくしゃくヒント

インフルエンザパンデミックという言葉を聞いたことがありますか?

鳥インフルエンザウイルスが変異を起こして、ヒトに感染するようになりさらにはヒト―ヒト間での感染ができるようになると、世界規模で爆発的な感染が生じて制御できなくなる状態を言います。詳しくは以下のサイトでご覧ください。http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/pandemic/QAindex.html

インドネシアにおける、新型インフルエンザによる死者続出のニュースはつい最近のことですね。

P1000009 先日NHK でこのテーマに沿って特集が組まれていました。ドラマ仕立てもあったしレポート形式の番組もありました。
アメリカで、インフルエンザパンデミックが起きたとき、「65歳以上の高齢者を治療の最優先対象者にする」と政府側で決定、それが通告されたとき国民側から「それはおかしい。対象者が違う」という声が上がり最終的には「3歳から18歳の国民を最優先」に変わったと報告されていました。
ドラマでも、高齢の末期ガン患者の人工呼吸器を、ドクターが「いいよね」と祈るようにして出産を控えた妊婦に付け替えるシーンがありました。

皆さんはどう考えられますか?

私はまだ60歳ですが、たとえ65歳であったとしてもアメリカ国民の健全な選択を支持します。
というようなことを何人かの友人たちと話しました。みんな意見は同じでした!

Seikou 熱海梅園にある澤田政廣記念美術館に行ってきました。
没年93
歳。

その年に澤田政廣記念美術館が開館。開館にあわせて玄関ホールの天井部分にはめ込まれたステンドガラス「飛天」の原画を描き(直径2.5メートル)、またその年の日展に「大聖不動明王」を出品されています。文字通り、死の直前まで現役の芸術家だったのです。Hiten_image1

館内には若いころの作品から最晩年までの作品まで展示されていました。一点ずつ制作年を確かめてしまいました。若々しいというだけでなく、どの作品にも新しい切り口があって、自らの表現したいものに向かって常に挑戦し続ける姿勢を感じたからです。

Ss001  パンデミックが起きてしまうと、年齢で一律に区分けされることになるでしょうが、澤田政廣の93歳は、あちらに区分けすることが心から惜しいと思えるような93歳でした

P1000005かに生きてきた時間的な長さは「93年間」ではあるのですが、誕生から93年たった「今の生」の内容は、ほとばしるような若さ・創作意欲・自己実現の希求に満ち、あたかも青年のようであると思いました。

澤田政廣は旺盛な創作意欲で未来を見続けていたに違いありません。そういう意味では思いがけない不本意な死であったかもわかりませんが、人生を振り返ったときには、成すべきことは成したという満足感も同時に感じることができたはずと、作品を見て回りながら強く感じました。

P1000002どのように生きるかが、年齢を超えたその人の存在を決めるのですね。

「ローマは一日にして成らず」

充実した私らしい私でいるためには、日々の積み重ね方が鍵。その鍵のカギを握っているのが毎度おなじみ前頭葉。P1000006_2
私が私らしいかどうかは、私の前頭葉が決めるしかありません。

満足した生を終えるためには、充実した日々の積み重ね方が大切です。そうしておけば、人生を振り返ったときの満足感は持てるはず。

パンデミック線引きのとき、あちらに行ってもいいじゃないですか!

彫刻作品は、上から

「銀河の夢」30歳

「天女」83歳

「蓮華」89歳

ステンドグラスはいずれも93歳のときの作品です。


伊豆高原からー雪と桜

2008年02月05日 | 私の右脳ライフ

来週、伺うことになっている木曽町(合併前は木曽福島町)の保健師さんからメールがきました。積雪30センチ!
暖かいといわれる伊豆にも、この日曜日は雪が降りました。写真はちょっと高いところにある友人宅の様子です。(様子を問い合わせたら、早速写メールが届きました!70歳過ぎの女性の早業です)
P1000003 実は我が家に袋井市(静岡県西部)から友人が、土日1泊2日で遊びに来てくれていました。我が家は海岸に近くちょっと温かいのか雨でしたので、うっかり話し込んでいました。

帰ることになって、あわてて調べてみると、雪に弱い地方らしく、チェーン規制や通行止めが各所で行われました。結局友人たちは下田回りで2倍くらいの時間をかけて帰る羽目になってしまいました・・・

翌日は晴天で散歩の途中、大室山も大島の三原山もすっかり雪化粧で、またびっくりしてしまいました。
P1000013 P1000016

前日の土曜日には、友人たちと一緒に「日本一の早咲き桜」と宣伝していましたから
海洋公園に行きました。(以下の写真は友人がデジタル一眼レフカメラで取ったものです。2月2日写)
一足先の春をお楽しみください。

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この桜は、カンヒサクラと中国ヤマサクラとの交配種だそうです。有名な河津桜よりも早咲きで、可憐です。
Img_7288 Img_7292

友人が来てくれたおかげで、公園内をくまなく散歩して、興味深いものにたくさん出会いました。P1000007

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友人と旧交を温め、きれいなものを見て、楽しいひと時をともに楽しむ。普段の生活に比べ前頭葉が大喜びした感じです。
交友ということは、脳の健康にとって大切なことですね。


認知症予防教室は早いほど効果的

2008年02月01日 | 右脳の働き

教室のまとめが届きました。
19年7月から11月まで計6回。参加実人員30人。延べ人員134人。
成績比較できた人は23人で、その内訳は

         改善13人(56.5%)
          維持 6人(26.1%)
                       低下 4人(17.4%)

多くの教室では、改善60%維持30%低下10%という割合が多いので、やや低下群が多いといえます。(今日の写真は横浜市内  開港記念館・日本初の水道蛇口・神奈川県庁)

P1000007_1

教室の効果が今ひとつ、低下群が多いときや改善群より維持群が多いときの教室に共通する条件をまとめて見ました。

まず、期間が短いことがあげられるでしょう。
次に、教室のプログラム内容も検討しなくてはいけません。特に期間が短いときには、意識的に右脳活性化を重視する必要があります。
・勝負がはっきりするゲーム(ただし、笑いを伴うもの。・個人の失敗がはっきりしない集団対抗戦も有効)
・楽しい歌唱指導
・歌と運動を組み合わせたものなどが中心となります。

P1000005_1ボケ予防教室開催時には「単なるお楽しみ会ではなく、あくまでも脳を活性化してボケ予防をする」という教室の目的をはっきりさせなくてはいけません。
そのためには脳機能テストを実施することと、それに基づいた生活指導が必須になります。
個別生活指導は効果的ですが、全体に対して、あまり説明的になりすぎる(左脳優位)と、教室があまり面白くなく、お話を聞いて勉強するということになってしまいます。
また、硬い世話役の「子供っぽいものはちょっと・・・。~さんから~について解説してもらおう」という意見を重視して、講話中心のプログラムになってしまわないように気をつける必要があります。
P1000008_1 教室では、「仕事ばかりでなく、楽しむことも脳の健康には必要で、脳の健康を保つためには教室で体験したような楽しいことがもっとも有効なのだ」ということを実感してもらうのです。
教室終了時に、楽しかったという思いと脳機能の改善という客観的データが、確実な自信につながり、「遊び」が日常生活の中で実践され続けるという生活変容が行われることになります。

この教室のプログラムを見ていきましょう。
歌にあわせて体操G006 (富士山・星影のワルツ)
G008






掛け声だけの体操に比べ参加者の笑顔が見えるようです。

G005これはどうでしょうか?
みんなと一緒なら、笑いもでるでしょうが、家で一人でやっている姿を想像してみてください。あんまり楽しくないと思いませんか。これをやって生活面で何か意欲的になれるでしょうか?
体の動きも脳が支配しているという体験にはなると思います。

G007_2 さて次はどうですか?
教室では多くの人が考えている「脳を使う=読み書きそろばん」という常識を覆さなくてはいけません。
・体を動かすのも脳
・楽しく遊ぶのも脳
・ものづくりも脳
・歌うのも脳
・人付き合いも脳
趣味・遊び・人付き合いは、右脳のアナログ情報を処理する機能を駆使して行われます。そして多くの人たちは、この右脳の機能を軽視していますから、そこに気づいてもらうのが教室の目的です。もちろん常に前頭葉は司令塔として関与し続けていますよね。
教室を動かす皆さんは、右脳と前頭葉の連携プレイの体験こそ教室のテーマということを忘れないようにしてください。
G009 今いくつか問題点をあぶりだしましたが、教室はうまくいったことを忘れないでください。
教室の有効率は82.6%です!
左は感動的な「感想集」です。
プログラムには、上記のほか花瓶つくりやその他工夫がされていたことがわかりますね。
そして何より「人と一緒に楽しいひと時を過ごせてうれしかった」というこの感想こそ、教室の求めているものなのです。それがボケ予防の鍵ですから。

わずか3ヵ月半、6回の教室で、このような感想を持たれた皆さんは、生活の見直し・改善ができそうですね。

P1000006 さて、脳機能改善ができなかった低下群にはどのような共通項があったと思いますか?
全員が小ボケレベルだったのです。
80歳代でもはっきり改善できた人もいれば、小ボケレベルでも改善された方たちもいましたが、低下群はすべて小ボケ。
小ボケ群のなかでの改善・低下の差については、重症度や家族関係や身体状況などが影響していると思いますが、いずれにしても、教室の目的である「脳のために健康的な生活を知る」には早いほど効果的ということがいえますね。
教室開始時に正常群だった人たちはすべて改善していましたから。
うれしい報告をありがとうございました。




ブログ村

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