脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

奥州市江刺区の付録 またまた側頭葉性健忘

2009年03月31日 | 側頭葉性健忘

江刺の稲瀬年とらんと会の楽しい様子はわかっていただけたと思いますが、もう一つ良い報告を。

3/27新宿P1000087西口中央公園・サクラ満開

保健師さんたちとの勉強会も設定しておきました。担当の本保健師さんからいくつかのテーマが届いていましたが、うれしいことに、江刺だけでなく胆沢や衣川からもケースを持っていらっしゃっていました。
実施したケースの解釈や指導ですからみなさん積極的に勉強されました。

時間切れで宿題になったケースがあってメールでの相談となりました。
「江刺のケースについて ???となっている人について教えて下さい。
かなひろいで合格しているのに、MMSが低すぎる。  30項目問診票チェック 本人記載 2.5.7.8.11 後略 」

青字でピンとこなくてはいけません。
側頭葉性健忘。マニュアルC110ページ
ちょっと前のブログ「側頭葉性健忘用の”メガネ”」 と同じケースですから、そのようにメールしました。

都庁P1000088              

I本保健師さんのメールです。

『テキストCを読み、ブログの側頭葉性健忘を読み、すっきりしました。
「目が悪ければ、メガネ」
「聴力が落ちたら、補聴器」
「記憶力が落ちたら、メモ」  本当に分かりやすいですね。
有難うございました。』

私もメールを読んで、わかられたことが納得できましたよ。

都庁展望台からの景色・明治神宮 P1000089  P1000084         お隣のミカンby富田房江(付録のふろく)

良かったですね!テストを実施したK松保健師さんとは電話で話しましたが、
「マニュアルとブログを読んだらとっても納得できました」と、声が明るかったです。
ケースを実施したうえで、検討や解釈を積極的にやってみましょう。
現実に今生活している人を、検査結果を通して理解するという二段階方式の手技の意義がだんだんわかってきますから。

都庁展望台からの景色 目がまわりそうP1000090_2

テスト結果を解釈すると、その人が目の前に見えるようになるのが、二段階方式のすごいところ!

少しずつ保健師さんたちが、二段階方式のすごさに気づいてくださってるようでうれしいです。

そのためにはテストを丁寧にすること。
特にできない項目に対しては
①拒否してできないのか
②前頭葉の集中力に問題があるのか
③脳に器質的な問題があってできないのか

この三つを考慮した検査法が欠かせません。
このことに配慮した丁寧な検査をやってくださったI藤保健師さんのことについては「たった一字から右脳障害を疑う」 に書きました。

次に解釈。そして生活歴の聞き取りさらに最終目的の生活指導へと続きます。
頑張ってください。

 

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稲瀬年とらんと会in奥州市江刺区

2009年03月30日 | かくしゃくヒント

P10000181P1000017

もともとは、江刺市時代に年に一度「脳元気教室交流会」に伺ってはみなさんの活躍ぶりを拝見していたところなのです。

どの地区もとても楽しく脳元気教室を展開してくださっていますが、稲瀬の特徴は毎年「劇」で参加されることなのです。

江刺が合併したので、交流会には伺えなくなりました。
去年の劇は「森の仲間たち」。亡くなられた方も陰ながら参加という感動的脚本で、脚本担当の千葉さんからお知らせをいただいていました。
詳しくは「号外ー奥州市千葉キヌさんの手紙」を読んでください。
みなさんが集まる会場に由緒あるお面がP10000291 P10000301

こんなに言ってくださるのになぜためらったのかと思うほど、キヌさんの電話の声は弾んでいました。
「どうぞいらっしゃい!みんなで森の仲間たちやってあげます」
「イカもち作ってあげるからね」
「みんなに言うと喜ぶよ」
「お迎えも任せて、きっと謙さんが行ってくれると思うから」

さて当日会場に着くと宴会の準備が整っていました。
一ノ関も江刺もお餅文化で有名ですが、
クルミもち(クルミが滑らかでおいしかったこと。摺ってくださったキヌさんありがとうございました)
納豆もちにしょうがもち(これはお醤油とおろし生姜)もちろんあんこもち。
いよいよイカもち登場、海から遠い江刺ではもてなし料理だったと現会長さんが説明してくださいました。それぞれ二口大のお餅が5~6個あって、全部いただいたのですが、すご~い量でした。
(あまりにおいしく頂いて写真を撮り忘れました)
さあ劇の始まり・劇の背景画by千葉謙さん・お面に注目・左から二人目がキヌさん P10000191

食事がすむと「森の仲間たち」の開演です。

ためらいがないのが、不思議なほど。
今日は台本を見ながらでしたがセリフの間が開かないのです。
みなさんが筋を熟知しているということでしょうね。P10000211

新会長さんが主役のごん太
P10000201_2

現会長さんのどじょうすくいP10000241

年りんピック出場のお話(なんとマラソン!しかも入賞!)を生き生きと語ってくださいました。

「どじょうすくいも、やろうと思ってやったんだ」とニコニコ。楽しい生き方をなさっているんだなあと感心しました。
記念写真P10000251                           撮影方は現&次期会長さんP10000271

テーマソング熱唱千葉謙さん先頭          P10000261年とらんと会の牽引車千葉謙さんと次期会長P10000311    

千葉さんは地区振興会の会長さんですが「脳元気教室が続いているのは、普通のディサービスや老人会と違って『脳の健康』のためとはっきり打ち出しているところだろう。この考え方はとても大切だと思う。だからみんな喜んで集まるし、積極的なもんだよ。それぞれができることをしあってるなあ」とまとめてくださいました。

これからもお元気で。楽しい劇をお続けください。
今になっても喜びが、湧き出してくるようなひと時でした。

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一関市千厩に期待します     

2009年03月24日 | 各地の認知症予防活動

一関市は岩手県の南端に位置します。
平成17年に7市町村の合併で出来た、岩手県3番目の町。合併によって広大な市域を持つ自治体となり、宮城県と秋田県に接しています。人口は約12万5000人。
写真はせんまや街角資料館Photo
千厩・花泉・大東・東山・室根(村)・川崎各町と一関市が合併したのです。
千厩と書いて「せんまや」と読みます。

歴史を紐解けば、馬の生産地で有名なところのようですね。タバコができたため専売公社もあり、酒造場を素敵なホールにして活用しているところもありで、街道筋のかなめの町だった往時が偲ばれます。

花泉が10年近く前から導入して頑張っていたところから、新しい一関市でも導入契約が結ばれました。
けれども、広域ですし、それぞれの町にはそれぞれの事情があるのでしょう、なかなか全市一帯になってという展開にはなりません。
1_2

このような時、7町村が合併した豊後大野市が一つのモデルになるでしょう。
(ブログに何回か書いていますので読んでください)

一斉に保健師さんたちの研修をやって、合併前の地区ごとに講演会をやって、また地区ごとにモデル教室を実施する。
もちろん脳機能テストは必須ですので、いくつかの教室の成果が比較でき、また共通理解もできるのです。Photo

テストを実施していて、その解釈ができれば、あたかも「見ているかのように」はなしができます。

身長と体重を知れば、大体イメージ化できるし、それはほとんど実体と一致していることと同じです。

テストをやりっぱなしにするのではなく、生活指導がなされているところが立派だったのです。

一関まで送迎してくださった千厩支所の阿部補佐(右はO保健師さん。二人は奇しくも花泉でご一緒だったとのことでした)がP1000035
「千厩は、介護保険の給付率がはっきり低いのです。もちろんサービスが足りない点もあるでしょうが、自分たちでやるという意欲がはっきり感じられます。その他地区と違うところが給付率の低さにつながっているのではないかと思うんですが」と興味深い話をしてくださいました。

ボケるかどうかのカギは生き方です。
千厩には、地域振興会(色々な組織をまとめて機能させる)も充実しているし、小さな地区でのサロン、老人クラブごとに月1回福祉センターでのお楽しみ会など、ボケ予防教室に格上げできそうな組織が結構活発に活動している様子でした。

考えてみればこれもまた保健師さんの働きだったのではないでしょうか?
阿部補佐の話を聞きながら、千厩には、「いきいきと生きる」方たちが多いのではないかと期待が膨らみました。

さて講演、地域のリーダーさんを中心にお知らせをしたそうです。
確かによく聞いてくださったと思います。
会場(農村生活環境改善センター)1_2 P1000032

この理解のもとで
さあ保健師さんたち、ボケ予防を始めましょう。

やってあげることばかり考えるのではありません。
いかに参加してもらうか、アイディアは、準備・後片付けは。保健師さんの手を離れて自主活動になった後を考えてください。

私の講演が、これからどのような活動につながっていくでしょうか?
質問や報告、楽しみにお待ちしています。

ふろく。
講演前の勉強会で、昨年末から3月まで実施した介護予防事業の「転倒予防教室」の参加者の評価と生活指導をしました。
その方はハッキリと改善されていらっしゃるみたいでしたが、残念ながら事前テストがありませんでした・・・
関係された方々の話をまとめると、別人のようということで、事前テストがなかったことがほんとに残念でしたね。
でも、お元気なかたが何人も生まれたそうで本当によかったですね。

こうして介護保険の給付金を抑えることができるのです。

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たった一字から右脳障害を疑う

2009年03月18日 | 右脳の働き

(2009年3月18日の投稿です。保健師さんからの質問に対応させて再掲載します)
今日初めて葉ランの花を見ました。 
直径3センチくらい。おしゃれな渋い紫色でした。つぼみは、文字通りおちょぼ口みたいにつぼんでいます。開いた花は、水滴の高速度写真みたいで、ほめ言葉を使えば王冠みたいでしょうか。そんなに珍しいものではないそうですが、葉ランはとてもよく茂るし、根元に枯葉がたまることも多いので、花がついても隠れてしまって気が付いてもらえないということらしいです。
葉ランの花は、どんな場所に咲くのかを知っておくと探しやすいと思いませんか?

P1000007

見えるようになると、あそこにも、ここにも、という調子でたくさん見つかりますよ。
軽い失語症や右脳障害の後遺症も、そんなに珍しいものではありませんが、やっぱり見つけてもらいにくいものの一つでしょう。

脳卒中を起こして入院。全く後遺症の説明を受けないままに、退院。
「なんだか変になった」
「耳が遠くなったみたい」
「ボケちゃったのかな」
といわれている方もたくさんいるのです。

P1000008
二段階方式の検査のうち、MMSは簡便ですが失語症のような脳の器質障害を見つけることが得意です。

N県O町のI保健師さんのケースです。 
「時の見当識」は満点。
「計算」満点。「想起」すら2/3とすらすらと検査が進んでいったのに、「文を書く」に至ってブレーキ!
「何を書くのか・・・」とためらい、どうしても書けない。

「文を書く」は「自発的に文章を思いついてそれを書くという能力」を調べていますから、どうしても書けない時点で、得点は0になります。それで終わりみたいですね。
でも、I保健師さんはもっと丁寧にチェックしてくれました。I保健師さんは書けるはずだと思ってずいぶん励ましたそうですが、ほんとに書けないようなので「はなしをきいてる」と言って、耳で聞いた文を書くように促してあげたそうです。
それでも書けないので「はなしをきいてる」と書いて書き取りをするように指示したところ、ようやく書いたのですが、「を」が不完全ですね。つまりこの人は「(字をきちんと)書けない」のです。


Image1

「聞き取り」つまり「聞いて、書く」という脳の能力はどうなっているのか?
もともと、ここに至るまでテストがスムーズに実施できたのですから、当然聞き取れているはずです。「はなしをきいている」と言っても書けないということは、聞き取れないのではなく「書けない」と考えるべきです。

それでは「書き取り」つまり「見て、書く」という脳の能力は?ようやくできるが完全ではない。
「はなしをしている」と書こうとしたのですが、字の形が整わなかったのですね。
MMSのうちのたった一つの下位項目(この場合は「文を書く」)からこの人の脳の器質障害(たぶん右脳)を推定することができます。他に失語症の症状がないので、右脳障害(失行が起きて字の形がとれない。ただし8文字中1字のみなのでごく軽い障害がある)状態だと考えるのです。
五角形相貫図もやや形が整っていません。
P1000010
私たちは医者ではありませんから、病名は必要ないのです。
このケースの場合、まず「文章を思いついて書くということ」ができないことが分かります。
そして「聞き取り」がむずかしいことから「思いつけないから書けない」のではなく、多分思いついているでしょうが、そして聞き取れてもいるでしょうが、とにかく「書けない」ことがわかります。
次に「書き取り」の成績から軽い「失書」があることがはっきりしました。

その通りに生活指導してあげることが大切なのです。 
P1000009
もちろん、普通に脳の老化が加速されたタイプではありませんから専門医受診を勧めるのは、二段階方式の鉄則です。

生活歴の聞き取りの中から、興味深いことがわかりました。
「2~3年前、運転中に事故を起こしそれから眼が悪くなり左寄りになってきたため運転をやめた」
右脳障害による後遺症を、強く想定させます・・・

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側頭葉性健忘用の“メガネ”

2009年03月13日 | 側頭葉性健忘

S県N津市からうれしいお知らせがありました。

去年10月、「ちょっと違うんですが・・・」と相談がありました。
詳しくは2008年10月10日のブログ「MMSだと中ボケなのに・・・」 に書いてありますので読み直してみてください。

今日3/12近所の富戸港辺りの景色 P1000042

簡単に言ってしまえば「側頭葉性健忘」は、前頭葉機能が合格しているのに、新しい記憶が入っていかないという状態です。

普通のボケは、まず最初に前頭葉機能が働かなくなりますから、記憶力低下によるトラブルが起きた時に、手も足も出ない、どうしていいかわからないのです。P1000039

一方、側頭葉性健忘の方は、機転もきくし、工夫もできるし、独創力を発揮することだってお手の物。ただ覚えられないということが起きている・・・P1000037

「正常レベル対象のボケ予防教室に参加できるだろうか」という質問には、「お世話役に説明をしてサポートしていただく条件付きで参加は問題なし」と伝えました。P1000044 

この方の半年後の検査結果が出たそうです。

「側頭葉性健忘の方でも、MMSの成績は上がるんですね。
今日の日付が言えるようになりました。改善と評価してもいいんですね」

秋の質問についていたコメントによると
「テスト実施日は10月1日だったが、『9月19日…いや21日?』と非常に迷っていた」状態だったのですから、覚えられるようになったのではないと思うのですが、いずれにしても今日の日付が言えるようになるということは画期的なことです。

P1000043P1000041_3 

「だって、スタッフのみなさんが見ても良くなってるでしょ。」という私の質問には、実にシンプルに答えが返ってきました。

「はい!表情も一層豊かになって楽しそうに参加されてます」

続けて私からの質問。
「いったん覚えられなくなってしまってから、記憶する力が元通りになるということはないと思います。何をしたらこのように改善できたのかを、ご本人に尋ねてみてごらんなさい」

「それは聞いてあります。『メモをとる』ことだそうです」

ウーン、納得! P1000009_2

P1000036_2
または朝起きてからズーと録音し続ける。
録音し続けるとそれを聞くのに多大な労力がいりますから、日常的にはやっぱりメモと言うことになりますね。
10月の時点でN津市のY 保健師さんがこの方の生活指導として、メモの取り方の指導をしてくださったのです。

  ・メモ用紙は使わない。
  ・携帯できるような小ぶりのノート1冊を使用する。
  ・1ページを1日に充当、何でもすぐに記入する。
  ・日にちが決まるので予定も書き込む。
  ・1日のうちに毎食後、10時と3時など時間を決めて、何度でも
  確認する。

参加された認知症予防教室に側頭葉性健忘の先輩がいらっしゃったことも幸いして、効果的な指導につながったのでしょう。

いずれにしても「側頭葉性健忘の“メガネ”はメモを上手に活用する」ということになります。

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脳のリフレッシュ教室交流会in小布施町

2009年03月10日 | 認知症予防教室

小布施町で「脳のリフレッシュ教室交流会」が実施されたのは2月19日でした。遅くなりましたが報告しましょう。
8地区の発表でした。どの教室にも工夫のあとが感じられたこと、みなさんが楽しそうに参加されたことが、一番の収穫でした。
こうして交流会を継続していく中で、いい意味での模倣やよりよいもの(他教室よりも)をとがんばる姿勢がでてくるものですね。

林・中扇地区
去年は仮装で軽快な曲に合わせて行進でした。今年はひと工夫プラスして、思い思いの服装をした楽しい大家族の紹介という構成です。
花嫁花婿にご注目、車いすの赤ちゃんかっわい~いけどしっかり者でした ね。P10000802 P10000812

東部地区
おそろいの青いハッピで登場。舞台下のコーチは一生懸命の指導でしたがちょっと合わない踊りがご愛敬。おかげで会場が大いに沸きましたね。
ハッピを脱ぎ捨てて服装が一転したのは効果的でした。P10000782 P10000772

都住地区
福笑いに挑戦。特筆すべきは福笑いの部品はすべて皆さんの手作り!
もともとボランティアさんの協力がある地区なので、整形外科で手術を受けたばかりの方もサポートを受けて登場。その姿勢が大切です。P10000732P10000752

北部地区
最初のグーチョキパー体操は会場全体を巻き込んで盛り上がりました。呼びかけたリーダーも素敵、呼びかけに応じたみなさんも素晴らしい。
踊り「希望の歌」は新曲によく取り組まれました。合わないのはご愛嬌。P10000722 P10000701

山王島地区
まずは「ふるさと」合唱でオープニング。続いて紅白ボンボンの体操。指揮は久保田さん(88歳)「間違ってたらウンと笑って下さい」さすがにいいことを言われます。「嫁の口がかかると困る」ため、お面をつけての熱演で、顔が見えずちょっと残念。P10000635P10000662_2

飯田地区
毎年ですが保健福祉員さんがハラハラと見守ってくださる姿が印象的です。直江兼続(上杉謙信)ブームに乗ってタイムリーな「霧の川中島」熱唱。紙兜と剣を用意して行進。のぼり旗にも「交通安全」の文字という工夫を凝らして。P10000622 P10000042

大島地区
高齢者が多い地区ですが、保健福祉員さんたちの協力体制が整っています。ゆっくり歌う、肩・腰・膝の痛い人のための配慮もなされています。お花といえばチューリップ。でも各人かく様なところがすばらしいですね。P10000191 P10000612_2

東町・上町地区
「きよしのズンドコ節」はよく踊られるものですが、この地区は若い人が多いだけに、ひとひねり。円形になって踊りに変化を持たせるのはとても大変なことです。野原で練習されたそうですが、舞台がちょっと狭すぎたかな?P10000592 P10000602

上松川地区
始まったばかりの地区です。お若い、男性の会長さんがユーモアたっぷりにグイグイ引っ張っていらっしゃるのがよくわかりました。楽器演奏でしたが鍋蓋、ボール、スプーン、手作りマラカスの他、アフリカの楽器もありましたね。P10000582 P10000562

楽しいひと時を共に過ごしたような気持ちになれましたか?
日本中で、声を出して笑うこともない。誰にも会わないので、笑うどころか話しすらしていない。そんなお年寄りがいるのです。P1000052「ボケ予防教室」が、どうしても必要です。

そして「自分の脳の健康は自分で守る」ということを理解して、教室を自主活動にして継続してもらうことが、二段階方式に基づいたボケ予防活動をしている私たちの目標であると思います。

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視力障害がある方への生活指導

2009年03月04日 | 認知症からの回復

今日、質問が来ました。N県K町のM保健師さんです。

質問の趣旨は
「全盲の83歳の男性から脳機能テストをしてもらいたいと依頼があったが、テストの方法は?
本人はとてもしっかりした方だが『新聞も読めなくなり、書くこともできなくなり、世界が狭くなったためにボケるのではないか』ととても心配している。生活指導の要点は?」P10000041_2

テストに関しては、視覚を用いるテストはできませんね。

MMSは「書字命令」と「文を書く」と「模写」が相当します。
「三段階口頭命令」は、手で紙を触らせてあげるとテストは可能です。

でも、時の見当識がベースになりますから、そこを丁寧に聞いてあげることで、生活のレベルは想像できるのですよ。

この方の場合は、自分で心配できるくらいですから、時の見当識は5点だと思われます。そうするとMMSは実質24点以上と想定できるのです。(ここがわからない人は質問してきてください)

P10000051前頭葉テストは、動物名想起だけしかできません。

マニュアルAの77ページ以降を参照して前頭葉機能のちょっとした傾向はうかがうことができると思いますが、中核的な機能(注意の集中と分配)に関しては、かなひろいテストが実施できませんから、測定不能ということになります。

でも、ご心配なく。生活実態は脳機能が働いた結果です。
私たちは、脳機能を測って生活実態を知ろうとするのです。
その逆、生活実態を仔細に観察することで、脳機能を知ればいいのです。30項目問診票を使いながら生活実態に迫ってごらんなさい。本人にも奥さんにもよくよく確かめてみるのです。

種々の障害(身体的なもの・精神的なもの)は、生活していくうえで、確かに生活のレベルを下げることは間違いありませんが、その障害を引き算してみて「さて脳機能はどう働いているか?」というつもりで見てください。P1000016 P1000018    

生活指導です。
視覚刺激がない状態というのは、脳にとって苛酷な状態ではありますが、「ないこと」を言い立てるより「残っているもの」の活用を考えるべきでしょう。
感覚を表す言葉として「五感」があります。視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚の五つです。P1000017

聴覚を活用するところから始めましょう。
会話:普通の会話だと表情や身振りという視覚情報が活躍します。それが使えないので、声の大小・高低を使って感情を込めて話すように。
これは御本人にもご家族にも指導しなくてはいけません。
もちろん体にタッチしながら話すこともいいのです。

ニュース:TVでもラジオでもいいのですが、定時のニュースを必ず繰り返して聴くようにします。「目で読む」ことができませんから何度も「耳で確認する」という意味のほかに、何時かを類推する手段にしてほしいのです。
もちろん社会とのつながりを断たず、関心を持ち続けるという大きな意味もあります。

音楽:聞くことも歌うことも、右脳刺激としてはとてもいいのです。もともと好きなジャンルがあったらそこから始めます。なければ、ナツメロでも小学校唱歌でも 。最後には歌えるように励ましましょう。
笛やハモニカでも、楽器ができたらこんな時には助かりますが・・・

触覚:例えば、幼児用ですが「型はめ」の種類があるでしょう。ああいうものを「右脳刺激だから」ときちんと説明してやってもらうこともいいでしょう。
洋服を着るときにも、色の説明はしても、デザインはセーターなのかカーデガンなのかトックリなのか、自分で触って確かめて今日着る物を自分で決定してもらうというような、配慮がほしいところです。

味覚:普段は、食事でこまらせないように「これは~です」と説明するほうがいいと思いますが、たまには食べやすくしておいて「これはな~に」というような遊び心もあっていいと思います。

とにかく会話ができるようにいつもいつも考えるということです。

P1000020_2 臭覚に関しては、ゲーム風に楽しめるならやってもいいと思いますが、余程はっきりした「におい」が必要ですね。

脳のリハビリを考えるときには運動はいつでも大切です。
でも、視力障害がありますから歩くときには十分の注意が必要です。
その他の運動としては、椅子に座ったままやれる運動が考えられます。ラジオ体操になじんでいたら、録音しておいて座ったままやればいいのです。歌に合わせた体操でも、この方の今のレベルならば覚えることができますから、ちょっと手助けして覚えてしまえたらそれを楽しむこともできますね。P1000021

一番大切なことは、「自分は大切な存在で、自分が生きることが意味がある(自分にとって、家族にとって、~さんにとって)」ということを実感させてあげられるような体験ではないでしょうか?

それは、どうやって実感してもらえるかは、どのように生き、どのような家族関係を築いてきたのか、その人の生き方そのものにかかっています。

ボケるかどうかは生き方の問題なのですね。

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小布施町 脳のリフレッシュ教室の底力

2009年03月01日 | 正常から認知症への移り変わり

P10000551_2 小布施へは「脳のリフレッシュ教室交流会」で行ってきました。

とてもうれしいことがあったので、その報告をまずしましょう。

写真は交流会が終わって会場の「千年樹の里」玄関前でのスナップです。

左はF澤さん。右の方は去年別れが続いて、悲しくて悲しくてちょうど引きこもりのような状態になったそうです。

F澤さんはしばらく見守っていたのですが、とうとうある時、意を決して言ったそうです。
「このままいったらボケちゃうよ。もう、出てきなさい」P1000001_5

以下はF澤さんの話
「それから、お茶飲みに誘ったり、留守を頼んだり、踊りに引き込んだり。もちろんリフレッシュ教室にもね」

「いい加減にしなさいって、ひっぱたいたこともあったよね」

「おかげさまできょうの交流会にも一緒に出席できたんだよね」

「不思議なことに、交流会がすんでからのこの人の顔、まったく変わっちゃったの」

ご本人は、「ありがとうございます」と言って私に抱きついてきてくれました。
「もう大丈夫。私は私らしく生きていきます」と言われているようで、はっきりとした喜びが伝わってきました。P1000002_2

「ひきこもっている人を放っておけない」

「手を差し伸べて、生活改善を図ってあげる」

その前提には「どういう生き方をしているとボケるのか」ということの理解がいります。
私は、自然に近所のみんながお互いの脳の健康について気にしあえる、そんな街づくりのお手伝いがしたかったのです。
うれしかったです。

こんな話もありました。P10000851_3

右のお二人は北部地区牽引役!
T中さん(男性)は、今年84歳。

北部地区が開始してもう6年目でしょうか。この若々しさを見てください。ご自分でも自信たっぷりに「相変わらず続けて楽しんでるよ」と言ってくださいました。

北部地区は自主活動が軌道に乗っていて外出・体操・作品づくりなど盛んです。
会場に出品されていた作品ですが、みんな違うところにご注目。

P10000451_3 P10000441_2

そばにちょうどいあわせた北部地区の方が、こともなげに
「なんだかみんな自分の好きに作るんだよ。だって自分のためにやってるんだもんね」
そうです。自分の脳のためにやってるんですものね。
ほんとにいい地区になってくれました。P1000006

話は続いて、先の写真の左端の方W辺さん。最初に取り組んだ山王島地区の方です。

私は、W辺さんが山王島のリフレッシュ教室でレザーモザイク製作をされた時の、控えめでしたが満足そうな笑顔が忘れられません。
それでついお声をかけました。

「イヤー、最近いろいろ調子が悪くてもうだめですよ。でも、I井会長が誘ってくださるから、やっぱり行きます。行くところがあるということは、ありがたいことです。ほんとにI井さんのおかげです」

こういう地区づくりも、また私の目標とするところだったのです。P10000641

どことなく恥ずかしそうなI井さん。(右端)
でも奥さんが言われてましたよ
「お父さんはちっとも年を取らないんだから!」
今年80歳。それを記念して5月末から水墨画の個展を開かれるそうですね。ご盛会をお祈りします。

I井さんにとっての山王島脳のリフレッシュ教室は、まさにリーダー役として生きがい発見の場だったのではないかと思いました。

T中さんやI井さんの話を聞いていたW辺さんも、元気になられたような気がしましたがいかがだったでしょうか。

みなさ~ん、これからもお元気で、楽しくお過ごしください。

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