脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

十日町市での学習会ー認知症予防教室の効果判定

2015年10月31日 | 認知症からの回復

松代地区担当のT橋保健師さんと、事前の打ち合わせをしました。
「認知症予防教室の活動中の写真がないかしら。講演で紹介してあげたいの」とお願いしたら写真が送られてきました。
なんと平成20年に開始した、木和田原地区の写真でした。ということは7年間継続できているということです。
写真しか送られてきませんでしたから、脳機能検査はできていないのかと思っていました(エイジングライフ研究所は教室の開始時と、その後は年一度の脳機能検査をすべきだと指導しています)。写真がはつらつとした楽しそうな活動風景でしたから、「脳機能は維持できているはずなのにもったいないこと…」と残念に思っていました。

ところが勉強会で、担当のT橋保健師さんが「やってありますよ」と笑いながらデータを見せてくれたのです!一瞥しただけで素晴らしい結果だということはわかりました。今年の検査は来週だかに行われるということでしたから、平成26年の最終検査を受けていて、それ以前に比較できる検査結果がある人たち9人のまとめです。
大歩危は渓谷が深いので、危険個所の注意を促すために妖怪伝説が生まれたそうです。

データが平成21年から平成26年までのものでしたから、グラフには5年間と書きましたが実際は7年間の教室の経過と考えていいと思います。
教室開始時の年齢で言うと72歳から85歳、平均77.7歳。

7年たったのです!この年齢で、改善している人がいることに感動しませんか?
脳機能にも、正常老化があって年齢とともに低下していくものです。ということは維持していれば、それだけでも「認知症予防教室」の効果があったと考えられます。
有効率は改善群と維持群の合計88.9%ということになります。

低下の方は、家庭内で介護その他大変な状況を乗り越えたところだそうです。
もともと脳機能はイキイキとしていたのですが、介護ばかりの生活が続くと脳は元気をなくすのです。いったん元気をなくしていた状態から、はっきりと改善中。生活にはもう困難はないでしょう。
T橋保健師さんは「元気になられました」といってましたね。今年の検査ではきっともう少しいい成績になっていることと思います。1回目の成績が良すぎる場合には「改善」にならずに「維持」になる可能性が高いことは予測できますね。

T橋保健師さんはデータを眺めながら「この方も、この方も、ほらこの方も」と指さすのです。そして隣に座っている前任のK井保健師さんと笑いあっています。
脳機能検査の結果は、生活実態をそのままに表します。
お二人は、生活実態の方がよく見えているのでしょう。日常感じている皆さんの元気さがデータと一致していることに、改めて感動しているように見えましたよ。

「検査ができている教室とできていない教室の差はどういうものですか」と聞きました。
「木和田原の人たちは、『教室が認知症予防に必要なもの』という考えがあるように思います。だから言われて参加するというのではなくとても自主的」
「教室に来て『一か月分楽しんで、一か月分笑ってます』って。『みんなに会うのが何より楽しみ』って言ってくださいます」
「検査をしないと、何かあるとすぐ来なくなる傾向があると思います」

講演会の感想が届きました。
講師冥利に尽きるような感想がたくさんありました。またご報告しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


十日町市での学習会ー二段階方式を使いこなす

2015年10月30日 | 二段階方式って?

十日町市では、午後からの講演に先立って、午前中に認知症予防活動に携わっている方々の勉強会がセットされていました。
天気に恵まれて四国の旅を楽しんできました。メインはまだ行ったことがなかった大歩危峡。

担当の十日町市役所のS村保健師さんが周到に準備をしてくださっていて、事前の質問が送られてきました。
とても初歩的な質問から、二段階方式をある程度使って初めて気が付くことまで網羅されていました。ということは勉強会として、参加者の皆さん全員に満足してもらうことはなかなか難しいと覚悟しました。
機内から海ほたるを臨む

勉強会は、まず初歩的な質問に対して「答えてくれる人?」と参加者に答えてもらうことからスタートしました。
マニュアルに説明してあっても、研修会で解説してあっても、実際に検査を始めると「あれっ。ここどうだったっけ」「ここは二度質問してもいいのかなあ」などと疑問がむくむく湧いて来るみたいです。
ちょっと冠雪した富士山

もともと、はじめは脳機能検査をすることに抵抗があるようです。
脳機能検査というと、入学試験のように高得点=良い結果という考えから抜けきれないからでしょう。
二段階方式で行う脳機能検査は、脳機能の状態を知るために行います。だから、よい結果は脳機能が普通に機能していることがわかるだけです。むしろ「できない項目」から生活上の困難さもわかるし、場合によっては(生活実態や生活歴を尋ねていくことで)脳そのものに病変が起きていることすらわかるのです。
二段階方式で脳機能検査をする理由は三つあります。
1.人は脳機能で生活していきますから、生活実態を類推するため。
2.脳が正常老化のラインから外れて急速な老化の道に入ったかどうかのチェックのため。
(正常老化の時にできなくなっていく項目と、老化が加速された時にできなくなっていく項目にははっきりと差があります。このことに触れている主張はまだ目にしたことがありません)
3.脳に何らかの器質的な変化が起きていないかのチェックのため。
伊豆大島

この三つの目的を納得できることが、テスターとしてのスタートラインに立ったことになります。
脳機能検査の結果をもとにした、その次の段階の生活実態のチェック方法と生活歴の聞き取りと、三位一体で二段階方式は成り立っています。
今回の勉強会は少しはその力になったでしょうか?
志摩半島

今回はベテランの方も参加されていました。
休憩時間になってK楽さんが話してくれました。
「なんというか、不思議なくらいですね。『きっかけ』を尋ねると答えてくださるんですよね…そのことを聞くと、それなら生活状態が大きく変わって脳の老化が加速されるということもよくわかる…そしてもう一つ。その『きっかけ』を話したことでなんだかすっきりした感じになられるんです。
小ボケの始まりの方は、『よくぞ聞いてくれた!』というように言われることもあります。『私の困った感じをよくわかってくれた』ってことなのでしょうね」
高知桂が浜

横にいたK玉さんも、言葉を添えてくれました。
「普通だったら、何回か訪問したりお話ししたりした後でないと、話してくださりそうもないことを話してくれるんですよね!」
私も言いました。
「ほんとにここまで、その方の人生の出来事を共有してもいいのかと思うこともありますね」
そこでK楽さんが
「でも、すっきりして少し力が出るんでしょうねえ。それから涙する人がいるのも感動的です。たくさんの方の涙を見ました。
なんと言うか、『おもしろい』というと表現はちょっと違ってくるんですけど、二段階方式で脳機能検査をして生活改善指導をすることは、やりがいのある仕事です」
♪月の名所の桂浜ではなく、大歩危の月

先輩の方が「やりがいのある仕事」と言われてるんですよ。十日町市の皆さん、それぞれの立場で認知症予防をよろしくお願いします。
特に初期の場合は、二段階方式のノウハウは必須だし、また有効です。


認知症予防講演会(新潟県十日町市松代)

2015年10月23日 | 認知症予防講演会

念願の秋山郷のドライブを前日に達成して、いよいよ仕事の日を迎えました。
秋山郷前倉橋。趣のある柱状節理にかかる赤い橋です。

10メートルではきかない高さから見下ろしてみたら、緑色に澄んだ水の中に魚が泳いでいました。

今回の目的は秋山郷探索ではなく、十日町市での認知症予防講演会。それに先立つ勉強会。
勉強会では、いろいろ収穫がありましたので、別に報告しましょう。
ほくほく線まつだい駅舎には、直結してまつだいふるさと会館があります。今日の会場の多目的ホールが2階にあり、1階には物産館もスーパーマーケットもあって、生活の便を考えた施設なのだと感心しました。厳しい冬をいつも念頭に置いている覚悟が感じられます。「北越雪譜」に語られた精神が今でも生きているということでしょうか。
妻有(つまり)の里を舞台にした大地の芸術祭でも、ここは有名です。駅の向こう側には、大きな草間彌生作品が。

その向こうにも、作品が見つかりました。(ちょっと加工してみました)

さて講演会ですが、150席の会場には30分前にはもうかなりの方々がいらっしゃっていました。
予備の椅子が用意されていましたから、たくさんの方がいらっしゃる見通しは立っていたのでしょう。30席ほど追加で並べて講演会が始まりました。

住民の方が入ってこられるたびに、スタッフの皆さんが「ありがとうございます」と声をかけていました。
私は、講演の冒頭でそのことに触れて「お帰りの時には『ありがとうございました』といっていただけるようにお話ししたいです」といいましたが、さて皆さんの感想はどうだったのでしょうか?アンケートがありましたから、またお知らせが届くことでしょう。
最後に、この人数の中で、会場から発言がありました。「近所の方々と楽しい集まりを継続してきましたが私の生き方でよいことがよくわかりました。これからも続けて行きたいと思います!」(上の方で立っている方です)
こういう時に私はお話ししてよかったと喜びがこみ上げてきます。
今回の講演では、松代地区担当のT橋保健師さんが「とても、よかったです」と言ってくださいました。そもそも松代地区で認知症予防活動が立ち上がった時の担当だったK井保健師さん(地区のお母さんのようでした)の後任のT橋保健師さん。5年たったらやっぱり地区のお母さんみたいになっていましたね。
実は、そのK井保健師さんも参加してくださっていて「よかった、よかった」と言われたのです。

T橋さんも、K井さんも、松代地区での認知症予防教室がもう7年も継続していて、元気になられた方が何人も思い浮かぶこと、それだけでなく脳機能検査が実施できたところでは、改善や維持されている方が多いことが客観的にわかっていることから、認知症予防として何を指導したらいいのか確信できているのだと思います。住民の方に「ボケない生き方」を伝えてあげたいに違いありません。
「体の健康・脳の健康」から話し始め「脳の健康」を守って認知症を防ぐ方法を話しました。
脳の働きという視点から「自分らしく、イキイキとした楽しい生活」「三頭立ての馬車をフルに動かす生き方」を、強調してお話ししましたが、T橋保健師さんやK井保健師さんの考えた目標にちょっとは役立てたということなのでしょう。
今回も、楽しく充実した越後の旅でした。

黄葉にはちょっと早いブナ林。すっきりしてますね。


秘境秋山郷

2015年10月20日 | 私の右脳ライフ

明日、十日町市で講演があります。午前中は担当者の勉強会がセットされていて、今回は事前に質問が届いていますから、面白い時間になると期待感いっぱい。

でも、仕事や勉強だけでなく、右脳主体の遊びも入れなくては、ということで念願の秋山郷のドライブを計画しました。いつものようにネットで情報をチェックします。越後湯沢着が11時。レンタカーを借りて秋山郷のドライブを楽しんで返却時刻が18時。

紅葉と豊かな水が印象的な旅でした。世界でも有数と言われる豪雪地帯。その雪解けの水があちらこちらで湧き出るためなのでしょう。竜ヶ窪は日本百名水の一つ。池の水が1日で変わってしまうほどの水量があるそうです。

映画「ゆれる」の舞台になった見倉橋と橋下のエメラルドグリーンの清流。熊出没注意の看板も! 

見事な見事な柱状節理。300mを超えて東京タワーに匹敵する高さ。津南のグランドキャニオンと言われています。

実は、この河岸段丘の上には豊かな農地が広がっています。コシヒカリのふるさと!

錦秋の蛇淵の滝。

滝の先は長野県栄村。秋山郷は新潟県津南町から長野県栄村に至る道筋です。

鈴木牧之の「北越雪譜」を知ってから、鈴木牧之資料館にも行きました。けれども現地に立つことが理解の一助になることを改めて感じました。秋山郷のベストシーズンと言われるこの時期の訪問でしたが、本当の秋山郷というのは雪の時なのでしょうね。しかも昔。この小さな集落が雪に埋もれてしまう厳しい冬を、想像してみましたが、難しかったです。

さあ、明日が本番。頑張ります。

 

 


かくしゃくヒント28ーかくしゃくグループin小布施

2015年10月13日 | かくしゃくヒント

小布施にはプライベートで行ったのですが、ちょうど到着の日に、林・中扇地区の脳のリフレッシュ教室「ななくさの会」の活動日という情報が。
もちろん、飛び入り参加しました。年に一度のカラオケ大会の日ということで、カラオケ店に直行しました。
挨拶もそこそこしかできません。というのも、みなさんが体育会系のノリで次々歌い続けているから(笑)

店主とデュエット。この店主も傑物。妻に先立たれた後に、娘が使わなくなっていたカフェをカラオケ店にして「楽しんでる」。毎日1時間以上の散歩も「楽しんでる」。

ななくさの会の立役者

もう一人の立役者。悲しい酒を熱唱。

お上手でびっくり

私の隣にいらっしゃいましたね。なんと87歳。

「おじいさんが死んじゃってね。長く患ったから、看病は思い残すことがないほどやったんだよ。そのまま家でなにもしなかったらおかしくなっちゃったと思うけど、教室に誘ってくれたおかげで楽しく過ごしてます」
私が写真を撮っていたら
「ねえ、ねえ、何かに出すの?」
「私のブログに使ってよかったら、使わせて」と答えると
「この前は新聞に載っちゃって。家の若い衆が『悪いことしたんじゃないからいいよ』って言ってくれたよ」と恥ずかしそうに言いながらも、内心の喜びが伝わってくるようでした。
小布施町のマンホール。北斎からでしょう、波文様。

お開きになって、ようやくお話が聞けることに。
林・中扇地区の脳のリフレッシュ教室が始まったのは平成19年。
教室開始前は「ばらばらだった」という声と「結構まとまってたよね」という声が聞かれました。新しく家を建てた人も多く、割合に自由な雰囲気があった地区のようでした。

「1年目はやってもらうだけ。1年間ほんとによく面倒を見てくれたよ、在介は」
「2年目はとにかくやらなくっちゃあいけないから、いろいろ皆で知恵を出し合ってね」

といってますが、立役者のH間さんはこうして参加者をハグして回るような行動力がある方です。毎年度末に行われる「脳のリフレッシュ教室の交流会」では、ストーリー性のある面白い演目を用意してくださいます。
観客まで巻き込んだ楽しいものですね。

「新聞に載ったというのは?」とようやく尋ねることができました。
「7月のおぶせ議会だよりにも載ったよ。それを見て地方紙の取材があったんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 



内容が素晴らしい。
脳のリフレッシュ教室では「『体の健康・脳の健康』ともに気を付けよう。そして元気にボケずにイキイキ長生きしよう。脳の健康のためには三頭立ての馬車を自分らしく走らせることが大切」ということを言い続けます。
 
取材された内容を紹介しましょう。
日曜祭日を除く毎日、だいたい8時10分ごろH間さんが愛犬コロを連れて出発。教室仲間が三々五々連れ立って散歩を始めます。多い時は8人になるといいます。
そして、教室には参加していない一人暮らしの高齢者の家に立ち寄って声をかけるのです。玄関先まで出てきてもらうか、縁側まで出てきてもらうか、とにかく顔を見て話します。そして今日の日付や生年月日を聞いたりして、そのまま近所のお年寄りの家まで一緒に行くそうです。
そしてそこでまた世間話を楽しむのですが、お茶になったりお菓子やお漬物が出たり。その後「じゃあまたね」と散歩しながら帰るのです。だいたい1時間ほど。
「もちろんお年寄りは待っていてくれるし、道中も老若男女いろんな人達と声をかけたりかけられたり、なかなか楽しい。体にもいいし、雨くらいだと休まないよ」

見守りグループは、自分たちの健康維持の目的と地域の支えあい活動を見事に両立実践しています。
付け加えたいのは、見守りグループの皆さんはこのことが、体だけでなく脳の健康のためにも有効だということと、世間話も脳の活性化に役立っているという自覚があることなのです。
かくしゃく高齢者への道を、みんなで手を取り合って進んでいらっしゃる!
小布施町の長年にわたる認知症予防活動のひとつの実りではないでしょうか。

 


小布施への旅ー続、心惹かれる建物群

2015年10月12日 | 私の右脳ライフ

小布施町立図書館、愛称「まちとしょテラソ」は、なんと「死ぬまでに行きたい 世界の図書館15」に選ばれているのです。
一度は行きたいと思いながら、まだ行ったことがありませんでした。帰りの電車の時間を気にしながらでしたが初訪問してきました。種々受賞歴がある建物も、温かみのあるおしゃれなものでした。(写真がないのは、撮影時間が惜しかったのからです…)

入口の案内カウンターで「お名前の由来は?」と尋ねてみました。
「もともと、子供たちが学校の図書館に対して町立図書館のことを『まちとしょ』と呼んでいたのです。『テラソ』は小布施の一隅を照らそう、そしてほんとは世界を照らそう、という意味を込めてるんです」
これだけで、圧倒されました。その意気やよしと頭が下がりました。
それから、まちとしょテラソは「まちじゅう図書館」(オブセオープンライブラリー)という構想も掲げています。店や家の片隅に小さな本のコーナーを設け、近所の人や旅の人と本を読んだりおしゃべりを楽しんだり、そんなオープンなイメージです。

これはまさに認知症予防に最適。同様の趣旨のオープンガーデンも同様で、旅の人のおもてなしと同時に町民の認知症予防にも役に立つなんて素敵ですね。「談笑する」ということは脳機能から言えば前頭葉と右脳(左脳というよりも右脳ですよ!)の連携プレイですから。

この円形アルコーブは、図書館内では幼児用の絵本などがあるコーナーで、靴を脱いで利用するようになっていて読み聞かせなどがしやすいコーナーになっていました。
日曜日の午後でしたが、中学生や高校生がたくさん利用していました。
決して大きな図書館ではありません。それでも開架式の本棚に並んでいる本は、まとまりがあって続けて通いたくなるような気持ちにさせられました。司書の方の考えが一貫しているのではないかと思います。
妖怪コーナーがありました。そういえば葛飾北斎は妖怪を描いてましたね!
先日、TSUTYA が関与している武雄市図書館が問題を起こしました。武雄市の取り組みも新しい図書館の形を目指したに違いありませんが、小布施のまちとしょテラソと方向性が違うのですね。
町の規模とか、歴史等も関係してるのでしょう。武雄市のことがよくわかりませんのでこのくらいにしておきます。
駐車場の片隅に古びた灯篭

かと思えば、こんな新しいカフェのロゴが目に飛び込んできました。

高級ホテルも、小布施だとこうなります。枡一客殿。

まったく興味深い町です、小布施は。

 


小布施への旅ー千年樹の里まつり

2015年10月11日 | 各地の認知症予防活動

小布施町には「千年樹の里」と言われる一画に木造りのやさしい建物があって、在宅介護支援センターと社会福祉協議会が仲良く一緒に入っています。

隣にある新生病院やデイサービスセンターや小布施荘とともに、保健福祉の拠点になっています。

新生病院は1937年にカナダ聖公会が結核療養所として立ち上げた病院ですから、礼拝堂があり、牧師さんも常駐なさっています。

私の小布施での仕事は、半分は千年樹の里の在宅介護支援センターが舞台です。講演会や担当スタッフの勉強会、地域のリーダーさんたちとの懇談会などで何度も伺いました。年度末にはここのホールで、小布施町各地区の脳のリフレッシュ教室(認知症予防教室)交流会が行われるのです。ブログで何度も紹介しました。(今年は2月に第9回脳のリフレッシュ教室交流会がありました)
今回、ちょうど第15回千年樹の里まつり開催日に伺えましたから、初めてお祭りに参加しました。今年のテーマは「広げよう、健康の和!」
縁日のように食べ物の模擬店からおいしそうな香りが漂い、舞台もしつらえられて子供たちや若者たちの演奏が続いていました。フリーマーケット、体験コーナーなど多くのテントが張られていました。
ほんとにおまつり!でした。幅広い年齢層の町民の皆さんが参加しやすい工夫が凝らされています。朝一番に行きましたが、たくさんの皆さんが集まっていることに感心しました。

新生病院の食堂前も産直産物の売店が。

ちょうど、ハロウインシーズンということで子供たちに仮装を勧め、コンテストを行うのだとか。

さあ、千年樹の里の室内の様子です。講演会も行われています。
この案内板に注目!健康チェックは体のチェック。左は脳の健康チェック。

小布施町では基本チェックリストで、認知症の項目で引っかかる人たちには個別相談が原則行われます。家庭訪問で二段階方式実施して、教室参加を勧めたり、生活改善が必要ならば生活改善指導を行う流れがすでにできています。もちろん、強く拒否されたら訪問できませんから、全数ではないのですけれど。
まだ正常レベルであっても、もう少し社会参加が必要とか、今のうちに右脳を使う楽しみを体験させてあげたい人たちを対象の単発的な教室も行われていました。「楽らく若返り教室」

もちろん、脳のリフレッシュ教室の作品の展示もあってうれしく見せていただきました。
伊勢町。楽しそうに取り組まれている様子が目に浮かぶようです。

飯田・大島地区。今年の7月に教室開催10周年記念に伺ったときの記念写真があって、びっくり。

思い思いの感想が散らし貼りされていましたが、こんな面白いものがありました。

六川地区の活動記録。社会科見学もしたのですね!

北部地区。この作品はお祭り直前にできあがったそうです。在宅介護支援センターのスタッフが「作り方と材料は用意しますが、あとは全部お任せでいいんです」と嬉しそうに報告してくれました。理由はわかります。各教室が長く継続できていることと、脳機能が正常の人が中心の教室だからですよ。

東部地区の教室で手芸の指導をしてくださっているK林さん。
手芸教室も持っているのですが「脳リフレッシュ教室の時は,上手に作るというより、楽しめるようにと思います。作品には感性が出るので上手下手じゃない…」と話してくれました。「K林さんのボケ予防にもなるでしょ?」というと、笑って肯いてくれました。

小布施の脳リフレッシュ教室は、1年後からは自主活動ですから、リーダーさんが千年樹の里を訪れてカリキュラムの相談をするというようなこともよくあるそうです。
飯田地区の10月の教室の作品作りの相談に見えたK林さん(左から2人目)。後の3人は在宅介護支援センターのスタッフですが、余り年齢差を感じません(笑)。ほんとは20歳、30歳、40歳くらい違うらしいけど(笑)。またスタッフの皆さんの嬉しそうなこと。ボケた人の世話をするのではなくボケないように手を貸すことは喜びなんですね。

小布施にかかわるようになって10年以上。改めて認知症予防活動が続いていることに喜びと感動を覚えました。
おかげさまで私の脳もリフレッシュできましたよ。


小布施への旅ー心惹かれる建物群

2015年10月11日 | 私の右脳ライフ

小布施町は修景事業に取り組んでいます。
古い建物を大切に保存するという姿勢はもちろんありますが、新しい建物も小布施の風土にマッチしたもので、町の風景をより自然なものに「修景」することも町の方針として長く行われてきました。
岩太郎の家。新しくできた道端のミニショップ。

「修景」の前提として、もともとあった建物の材や外壁の材質調査が行われたそうです。新築の時に、その基準に沿った場合は何らかのインセンティブを与えて(内容は忘れましたが)街並みを整えてきたのです。
この「岩太郎の家」は道具小屋だったそうですが、おしゃれな空間に変身していました。できるだけ木組みや壁を生かしているのがよくわかります。そうしさえすれば町並みにしっくり溶け込んでいくのですね。
一方でモダンなテイストも。このおしゃれな味付けが小布施人気につながっていると思います。

このような入れものができると、前頭葉がむくむく動き始めるのでしょう。「風のいたずら」なら選んで買ってしまいそう。

町の中心部には、古くからの建物、新しい建物がそれぞれに落ち着いた雰囲気で自由でいながらまとまりも見せてくれます。
北斎館も小布施を特徴づける土壁ではありませんが、違和感はないですね。この北斎館建設を機に、そのエリアの修景がそもそものスタートだったと聞きました。

高井鴻山記念館。北斎のアトリエ碧漪軒(へきいけん)も現存しています。

市村本家

新しくオープンするお店もおしゃれ。出来上がった小布施ブランドを大切にしている気風が伝わります。
蔵を生かしたコーヒー焙煎所

古民家カフェ 珈茅

鈴花。九州新幹線ななつ星で著名なデザイナー、水戸岡鋭治さんのデザイン。

今回初めて訪れた雁田山の古刹浄光寺 創立600年の薬師堂がありました。

浄光寺参道のそばにはスラックラインパークがあって、小学生が楽しげに挑戦していました。

またその隣には小布施クエスト。雪がない時のスノボーの練習場。若者たちがたくさん集まっていました。雁田山裾にこのようなスポーツ施設をまとめて設置するという視点がいいですねえ。

中島千波美術館にも行きました。

今回の宿「おぶせの風」の同宿だった大阪のおばちゃん3人組の発言。
「おぶせミュージアムは行かなくてもいいわよ。だって絵が少ないもの」行ってびっくり。中島千波さん古希記念特別展で学生時代の自画像からかなり抽象的な作品群、屹立する独立峰を日本画に写した新作まで、実に見ごたえのある展覧会でした。
500円で申し訳ないくらい!

十人十色と言いますが、観光で生きて行こうとするとどこにターゲットを置くか誰かが(合議制にしても)決めておかないといけませんよね。それはあたかも人の前頭葉の役割みたいなものです。

ちなみに大阪のおばちゃんたちの、今回の小布施の旅の目的は小布施堂の新栗の時期限定のお菓子「朱雀」を食べること!
早朝5時過ぎから400枚限定の整理券を手に入れるために並んで「朱雀」を食べる。このような目的も確かにありだとは思いますが、小布施のベストシーズンだからこそ感じられる、実りの豊かさ、花のきれいさ、街並みの持つ魅力、その他を振り捨ててしまうのもちょっともったいないかなと私の前頭葉は判断しました。


小布施への旅―実りの秋

2015年10月10日 | 私の右脳ライフ

長野県小布施町へは、認知症予防活動の指導や講演でもう10年以上通っています。
が、年間スケジュールの関係で夏の前と年度末に伺うばかりでした。
ちょっと思い立って小さな旅を楽しんできました。思いがけず、実りの秋を満喫できました。
小布施といえば栗。まさに栗収穫期に遭遇。

大きさがわかりませんね。

実りの秋!ナツメ

実りの秋!ザクロ

実りの秋!アケビ。

そしてリンゴ。

黄リンゴも。

これも「実」(ガマズミ)

マユミの実

ブドウも、紫&緑。

一番人気はシャインマスカット、畑から切り取られたばかりのブドウは起立してました。

衣装を着せられて

お店に並びます。



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