脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

実務研修会に参加したみなさんへ(2018年9月17日)

2019年09月15日 | 二段階方式実務研修会

1年前の実務研修会の記事です。2019年度の研修会参加の皆さんに読んでいただきたいと思って再掲します。
務研修会に参加したみなさんへ

2018年09月17日 | 二段階方式実務研修会

9月13〜14日と北海道岩見沢市から山口県下松市まで、広範囲からの参加者を迎えての研修会でした。
(研修交流センター1階楽器博物館のカフェ)

会場の浜松市アクトシティで初めての研修会を開いたのは、平成7年1月17日に発生した阪神淡路大震災の直後の2月でした。関西以西の参加者が相次いでキャンセルとなったこと、浜松には珍しく雪模様の寒い日だったこと、そのような些細なことが思い出されます。
あの時から、そろそろ四半世紀。
エイジングライフ研究所の研修会は毎回どこか印象が違うのですよ。参加している方たちがこちらが投げるボールをしっかりとキャッチしてくれていると感じる時とそうでもない時。
もちろん伝えるべき内容は共通しているのですから、その差はどこから生まれるのかちょっと考えてみました。

伝え方の問題があるとしたら、これは当然私の反省点です。工夫の余地はあると思いますが、「伝えたい気持ち」にはブレはなく、むしろ研究会を重ねる度に「この簡便な手法が、個々人だけでなく日本を救うのだから、ぜひ使えるようになってほしい」という気持ちにまで昇華していってます。
これは理屈に合わないのですが、とにかく身勝手な理由をつけてでも自分の問題を外したいのです。
自分に帰属している理由以外の理由を考えて見たかったからです。

1。参加者のモチベーションの差。現在アルツハイマー型認知症(特に予防)の仕事についているかどうか。それ以前にこのアルツハイマー型認知症に関心があるか。
参加したくて参加している人ばかりではないことに、ある時気づきました。「母子担当なのですが研修予算があるので参加するように言われました」と、悪気なくいった人もいました。
細かく言えば、研修を受けるような心理状況にない人もいるかもわかりません。もちろん体調だって同様です。業務としての参加ですから。
手技には関心を持っても、ただでも忙しい日常業務の中でどう使っていくのか?と悩ましく思ってしまう人もいるでしょう。

2。参加者の年齢の違い。新採用の方から定年間近の方まで参加されます。経験を積まないと実感できないものがあるために理解が具体的だったり、深まっていらっしゃることもあれば、フレッシュマンらしいキラキラした関心が、こちらに直接伝わってくることもあります。

3。さて、当日の天気は影響するでしょうか?幸いにも荷物の積み下ろしに困るほどの雨に当たったことはありません。と、いうわけで豪雨や雪の影響はわからないのですが、晴れから小雨までの天気であるならば、特に関連はないような印象を持っています。

ここまでよく付き合ってくださいました。
「なんか変だなあ」と思いませんでしたか?「いくらなんでも研修会の印象が違う理由としては、こじつけじゃないか」と思いませんでしたか?
(9月15日事任神社で)

研修会後に読んだ新聞記事です。
エーザイが、まだアミロイドβの影響を取り除くことで、アルツハイマー型認知症の治療までもできる薬を開発中ということが取り上げられていました。アリセプトは進行を遅らせるだけだとされていたわけですから一歩踏み込んだ創薬ですね。
一方で、同じ記事の中に、アメリカの巨大な製薬会社イーライリリー社は「アミロイドβがアルツハイマー型認知症発症の原因とする考え方からは撤退した」ということにも言及してありました。

何が原因かということを考える時には十分な注意が必要です。
アルツハイマー型認知症の重度の方の脳にアミロイドβが多く見られたからといって、アミロイドβがアルツハイマー型認知症の原因と言い切ることはできないはずです。別の原因でアミロイドβが溜まっただけかもしれないでしょう。
例えば、脳を生き生きと使わないがためにアミロイドβが排出されなかったのかもわかりません。
「『火事は煙がでる。煙が出てるから消火に行ったら、サンマを焼いていた』というようなことにならないように」と、学生時代に相関を考える時の注意を受けました。

研修会で所長が解説したように、「アルツハイマ-型認知症発症の原因として脳の使い方という意味での生活習慣」を上げるところが世界的な研究機関からも出てきたのです。
エイジングライフ研究所は、たまたま正常の方から重度認知症の方まで幅広いデータがあったこととそれが多数例であったことから、アルツハイマ-型認知症の正体がよく理解できたのだと思っています。
住民の方々に「脳の健康教育」をしていくことができるのはみなさんです。

感想を伺いました。
「マニュアル通りに、趣味や運動などを進めていたが、なぜかがよくわかった。これからはもっと自信を持って指導につなげられる」
「生活上の大きな変化をきっかけにして、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が継続すると、脳が老化を加速する(本来の老化と廃用性機能低下)ということはとても納得でき、具体例が目に浮かぶ」
「長く使っているうちに、少し変化してきているようなのでもう一度正確に使うようにしたい」
嬉しい感想として「使ってみたいと思います」
そうなのですよ。事例を重ねるほど、納得できることが増えていくと思います。

今回は、右脳・左脳の話で盛り上がりましたね。左利きの人で右脳障害のため失語症になった事例を紹介しましたが、ここに詳しく書いていますから一読をお勧めします。

例外ですが、左脳=デジタル・右脳=アナログに当てはまらないこともあります

 
 

実務研修会に参加したみなさんへ

2018年09月17日 | 二段階方式実務研修会

9月13〜14日と北海道岩見沢市から山口県下松市まで、広範囲からの参加者を迎えての研修会でした。
(研修交流センター1階楽器博物館のカフェ)

会場の浜松市アクトシティで初めての研修会を開いたのは、平成7年1月17日に発生した阪神淡路大震災の直後の2月でした。関西以西の参加者が相次いでキャンセルとなったこと、浜松には珍しく雪模様の寒い日だったこと、そのような些細なことが思い出されます。
あの時から、そろそろ四半世紀。
エイジングライフ研究所の研修会は毎回どこか印象が違うのですよ。参加している方たちがこちらが投げるボールをしっかりとキャッチしてくれていると感じる時とそうでもない時。
もちろん伝えるべき内容は共通しているのですから、その差はどこから生まれるのかちょっと考えてみました。

伝え方の問題があるとしたら、これは当然私の反省点です。工夫の余地はあると思いますが、「伝えたい気持ち」にはブレはなく、むしろ研究会を重ねる度に「この簡便な手法が、個々人だけでなく日本を救うのだから、ぜひ使えるようになってほしい」という気持ちにまで昇華していってます。
これは理屈に合わないのですが、とにかく身勝手な理由をつけてでも自分の問題を外したいのです。
自分に帰属している理由以外の理由を考えて見たかったからです。

1。参加者のモチベーションの差。現在アルツハイマー型認知症(特に予防)の仕事についているかどうか。それ以前にこのアルツハイマー型認知症に関心があるか。
参加したくて参加している人ばかりではないことに、ある時気づきました。「母子担当なのですが研修予算があるので参加するように言われました」と、悪気なくいった人もいました。
細かく言えば、研修を受けるような心理状況にない人もいるかもわかりません。もちろん体調だって同様です。業務としての参加ですから。
手技には関心を持っても、ただでも忙しい日常業務の中でどう使っていくのか?と悩ましく思ってしまう人もいるでしょう。

2。参加者の年齢の違い。新採用の方から定年間近の方まで参加されます。経験を積まないと実感できないものがあるために理解が具体的だったり、深まっていらっしゃることもあれば、フレッシュマンらしいキラキラした関心が、こちらに直接伝わってくることもあります。

3。さて、当日の天気は影響するでしょうか?幸いにも荷物の積み下ろしに困るほどの雨に当たったことはありません。と、いうわけで豪雨や雪の影響はわからないのですが、晴れから小雨までの天気であるならば、特に関連はないような印象を持っています。

ここまでよく付き合ってくださいました。
「なんか変だなあ」と思いませんでしたか?「いくらなんでも研修会の印象が違う理由としては、こじつけじゃないか」と思いませんでしたか?
(9月15日事任神社で)

研修会後に読んだ新聞記事です。
エーザイが、まだアミロイドβの影響を取り除くことで、アルツハイマー型認知症の治療までもできる薬を開発中ということが取り上げられていました。アリセプトは進行を遅らせるだけだとされていたわけですから一歩踏み込んだ創薬ですね。
一方で、同じ記事の中に、アメリカの巨大な製薬会社イーライリリー社は「アミロイドβがアルツハイマー型認知症発症の原因とする考え方からは撤退した」ということにも言及してありました。

何が原因かということを考える時には十分な注意が必要です。
アルツハイマー型認知症の重度の方の脳にアミロイドβが多く見られたからといって、アミロイドβがアルツハイマー型認知症の原因と言い切ることはできないはずです。別の原因でアミロイドβが溜まっただけかもしれないでしょう。
例えば、脳を生き生きと使わないがためにアミロイドβが排出されなかったのかもわかりません。
「『火事は煙がでる。煙が出てるから消火に行ったら、サンマを焼いていた』というようなことにならないように」と、学生時代に相関を考える時の注意を受けました。

研修会で所長が解説したように、「アルツハイマ-型認知症発症の原因として脳の使い方という意味での生活習慣」を上げるところが世界的な研究機関からも出てきたのです。
エイジングライフ研究所は、たまたま正常の方から重度認知症の方まで幅広いデータがあったこととそれが多数例であったことから、アルツハイマ-型認知症の正体がよく理解できたのだと思っています。
住民の方々に「脳の健康教育」をしていくことができるのはみなさんです。

感想を伺いました。
「マニュアル通りに、趣味や運動などを進めていたが、なぜかがよくわかった。これからはもっと自信を持って指導につなげられる」
「生活上の大きな変化をきっかけにして、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が継続すると、脳が老化を加速する(本来の老化と廃用性機能低下)ということはとても納得でき、具体例が目に浮かぶ」
「長く使っているうちに、少し変化してきているようなのでもう一度正確に使うようにしたい」
嬉しい感想として「使ってみたいと思います」
そうなのですよ。事例を重ねるほど、納得できることが増えていくと思います。

今回は、右脳・左脳の話で盛り上がりましたね。左利きの人で右脳障害のため失語症になった事例を紹介しましたが、ここに詳しく書いていますから一読をお勧めします。

例外ですが、左脳=デジタル・右脳=アナログに当てはまらないこともあります


実務研修会終了―参加された皆さんへ

2015年09月16日 | 二段階方式実務研修会

浜松市アクトシティでの実務研修会が無事に終了しました。
最初のうち受講者の皆さんからちょっと受け身っぽい印象を受けました。(実は、開始早々私たちの不手際があったのです。そのせいかもしれません。ご迷惑かけてごめんなさい)
ところが、スケジュールが進んでいくうちに、全体の雰囲気が変わってきました。
皆さんが自分の問題として実務研修会に臨んでいることが伝わってきたのです。その変化にはいろいろな要因が絡んでいるのでしょうが、私の印象をお話してみます。 
(今日の写真は伊豆高原のテディベアミュージアム。いやあ単なる右脳サービスですw)


エイジングライフ研究所の研修会は、私たちの方に「伝えたいことが山積している」という基本的な前提があります。いきおい、次々と情報を流し込む・・・ことになります。
世の中で言われている認知症のとらえ方から、全く違うのです。
大体私たちのように「脳機能から認知症をとらえる」立場そのものがありません。つまり世の中は症状からとらえたり、脳の形の変化からとらえたりしています。
だから、私たちの研修会には、右脳、左脳、前頭葉などに分かれた脳機能の解説がたくさんあります。

実務研修会である以上、テストの実施法を解説する必要は当然ありますね。その前にその検査項目が脳機能のどこを知ろうとしているかの理解が必要です。
そして多分一番大切なことは、脳機能検査は単に何点なのかという検査結果を知るために実施されるのではないということです。検査の目的は成績がいいか悪いかを知ることではなくて、脳機能がどのような状態であるのかを知ることです。その意味ではどこかに問題がある方が検査をしてあげた甲斐があるというとらえ方になります。

更にその検査も、二段階方式においては「入口」でしかありません。
その人の生活実態を知り、生活改善が可能であるならばその指導をすることそのものが、最終にして最大の目的です。
検査を受けられた方のほとんどがこのケースになりますが、そのルートから外れると、専門医療機関に受診してもらわなくてはいけません。その見極め方の指導も必須です!
生活改善指導のための具体的指導、認知症予防教室開催の注意点にも触れなくてはいけません。
以前の研修会で、終了後「頭がト・マ・ト」と笑いながら言われたことを思い出しました。

皆さんがどこから変わってきたのか。
具体例を提示して、脳機能検査結果を判定し、生活実態と一致するかどうか見極め、さらに直近の生活歴を聞き取っていくという作業をした時からではないかと思うのです。
多分、その一連の作業の中から、その人が具体的に立ち上ってきたのではないでしょうか?
そうなのです!二段階方式はその人を理解するとても簡便な手法なのですから。
皆さんが、だんだんに納得されていったという感じが強く印象に残っています。

皆さんの感想をここに掲載しておきます。
・今までの常識、知識とずいぶん違っていた。
・生活指導は脳の使い方を指導することだとわかった。
・話す能力と生活のずれがあることの意味もわかった。
・その人のことがこんなにわかることに驚いた。
・予防に努めたい。
・前頭葉がその人そのものだと納得できた。
・個別指導の大切さに気付いた。
・愛情ある活動なんですね。

エイジングライフ研究所も、一層精進します。皆さんもがんばってくださいね。

 


2015年度実務研修会のお知らせ

2015年03月08日 | 二段階方式実務研修会

実務研修会の開催日程が決まりました。
2015年9月5日~6日 9:00~17:00
浜松アクトシティ研修交流センター501会議室
実施要項の請求は下記へお願いします。
413-0232 静岡県伊東市八幡野1030-44
エイジングライフ研究所

私の友人J子さんの3月のしつらえ。春ですね!

おしゃれな大人のアフタヌーンタイムも。
ありがとうございました。


ご無沙汰しました

2014年09月12日 | 二段階方式実務研修会

気が付けば長い間ブログを書いていませんでした・・・でも元気に毎日を過ごしていました。

P1000305_2その間には、実研修会も無事に終了。それに先立って、実務研修会用の手引きを新しくしました。

(写真がやはり90度回転してしまいます)

これは結構がんばりました。
どうにか二段階方式の真髄をわかっていただこうと種々工夫しました。
文章を書くだけでなく、図表を入れたり、画像にして挿入したり。

そして印刷して製本。

この手引きを使っても、研修会の限られた時間の中で、二段階方式の真髄を説明し尽すことは難しい、としみじみ思いましたが、それでも、実践のお役には立てるはずです。
そして実践していく中で、二段階方式の神髄をつかむことができると思います。

参加者の皆さん、頑張って使っていきましょう。疑問点はいつでも質問してきてください!

PhotoPhoto_2

今回の実務研修会では、皆さんが持ってこられたケース検討が面白かったですね。

何例もやった方もいましたが、ほとんど初心の方たちでした。
ケースも、身近な親族ということが多かったのです。検査は今一つきちんとできていないことは否めませんが、「生活歴」 を詳細に知っていますから理解がとてもよく進みました。

二段階方式では、「脳機能検査結果」と「生活実態」と「直近の生活歴」の三つの情報から、その人(認知症)を理解していくことが実感されたようです。

この便利なツールを使いこなしていってくださることを、本当に希望しています。


実務研修会in浜松

2013年08月30日 | 二段階方式実務研修会

8月もそろそろ終わり。
私たちにとっての夏休みは8月31日まででしたが、最近はそうでもないらしいですね。

8月は実務研修会を月末の24~25日に控えていましたから、この8月は何となく宿題が片付いていないような気持ちで過ごしました。

実は昨夜、写真の取り込みに失敗してほとんど消えてしまいました。
なんだか変だったのですが、次へ次へと進めて行った結果が「取り込んだ写真を削除する」にチェックが入っていたために「取り込み失敗」と「写真がなくなる」が同時に起きてしまったというわけです。

こういう時にめげてしまうタイプと、仕方ないから写真なしでやってみようかと思うタイプとありますね。タイプと書きましたが、それこそが前頭葉の違い。
私は後者のほうだと思います。
もう一つのタイプもあります。再確認してみる。(ここでちょっと探す場所を変えてみました)
違うところを探したら、なんとありました!

但し、残念なことに研修会の時の写真はないのです。
これは単に写し忘れたにすぎません。
理由もわかります。私にとっては、研修会の記録を撮るよりも、ちょっとでも参加者の皆さんに、二段階方式の奥深さや面白さをわかってほしいということに、注意が集中していたからです。
もちろん、若い時だったらそう考えながら写真を撮ることもできたでしょうが。

アクトシティ浜松 研修交流センター(会場は6階)
P1000612_2

二段階方式の導入というと、当初は
「頭の検査」「ボケ予防教室」と思う人たちが多かったなあと改めて思いました。
最初は、重度の方しか念頭にない皆さんに、予防が可能な対象は「より正常に近い方々」ということをわかっていただくのに、力を注いだ気がします。

相談事例も重度の方が中心でした。

でも「私が住民の方に対して予防をしてあげたい」という熱い思いも強く感じたものでした。20年も前のことになります。

その頃の参加者の方が大先輩となって、今回のお若い参加者を叱咤激励したケースもあって、ほんとうに時間の流れを感じました・・・
先輩が参加された時はH原町から、今はM原市です。
そうですね、平成の大合併もありました。

米沢市の「なごみの部屋」からの参加者は、ごく自然に脳機能検査の要の理解ができていて
「上司が指導してくれました」という返事から、施設でも(収入にならないのに)使うと便利ということが浸透してきていると思いました。

高知市のU田脳神経外科からほんとに久しぶりに参加されたN村さんは、「患者様のためになるように使いこなしたい」といってくれました。

M原市からの参加者は、「明日予定されている検査が楽しみです」P1000614

今回は、初めて参加される南相馬市の皆さんがいましたから、よりわかりやすくと準備を進めました。

二段階方式では、認知症を理解するアプローチとして、その人の脳機能はどういう状態かを調べます。

老化が加速された時の脳機能の衰えには順番がありますから(これはエイジングライフ研究所しか主張していません)その確認はとても重要です。
単純な検査だけに、検査のやり方について細かく決められていることは当然です。

その厳密さに対して、ちょっと驚かれた方も多かったみたいですね。 

脳機能の状態がわかったところがゴールではありません。これは入口。
それから、生活実態と一致するかどうか、そこに至るまでの生活歴の聞き取り。この二つは脳検査とまったく同様レベルに重要であることをわかっていただけたでしょうか?

サボテンの花(つぼみ)P1000574
P1000572 













皆さんの感想で、「使ってみたい」という言葉が多く聞かれました。
使ってくださいね。
「目の前のこの人のこれからの人生がかかっている。より良い人生につながるようにお手伝いしなくては」という思いを忘れずに、使ってください。


実務研修会が無事終了

2010年09月14日 | 二段階方式実務研修会

9月11日~12日、浜松での実務研修会が終わりました。
今回は、北は北海道岩見沢市から、南は佐賀県多久市までいろいろなところから参加されました。

カナりーヤシの雄花2010_0813_115400p1000040

「古いたとえで恐縮ですが、受講された方が『頭がトマト』と言われることがあります。そうならないように気をつけますから、皆さんもがんばってください」と挨拶して始めた今回の研修会でした。

研修会が終わっていつも思うことは、
「もっと、もっと伝えてあげたかったことがあるのに」ということなのです。

参加者の皆さん、いかがでしたか?

「こんなに簡便で有効な手技だから、さっそく使ってみましょう」と思っていただきたいのですが「なんだか大変そう・・・」と怖気づかしているのではないかと心配になります。

雄花のアップ2010_0813_115300p1000037

使いこなせると確かに「簡便で有効」なのですが、考えても見てください。
高齢者の方の、現在の脳機能を知る。しかもCTやMRIなどの画像診断の力をまったく借りずに、機能検査だけで!ですよ。
所要時間はたった20分間。
どうしても、それなりの検査テクニックや解釈力が必要になるとは思いませんか?

ご自分の関係者が検査を受けたとしたらどうでしょうか?
検査の負担は少なく、生活指導は親身になった納得のできるものがほしいですよね。

研修会では、理解するのが大変だったとよく耳にしますが、理解するのに何の努力も必要としないような検査を安心して使えるでしょうか?
形式的には簡便でも、それだけの内容や深さのある手技だと思ってください。

さらなるアップ2010_0813_115400p1000039

そのうえで、二段階方式の手技を身につけるには、理解とともに実践が不可欠です。
その実践していく過程で生じた疑問・質問はいつでも受け付けますから、実践あるのみですよ。
ちょっとだけ頑張ってこの手技を身につけていただきたいものと思います。

  
研修会で勉強してもらったような、「何かのきっかけで、それまでの生き方が出来なくって、生きがいも趣味も交友も運動もない、いわゆるナイナイ尽くしの生活に入って、徐々に脳機能低下を起こしてしまった」高齢者がいかに多いか、きっとびっくりされるはずです。

今、「生き方」という表現を使いましたが、それはとりもなおさず「脳の使い方」とまったく同義なのです。脳の使い方が足りない。前頭葉の出番が少ない。そのような生活が、脳の老化を加速させるのです。
脳機能低下は早く見つければ見つけるほど可逆的に機能が改善できます。右脳や運動脳を使ういわゆる脳リハビリに励む ような生活を送ることで、小ボケや中ボケは改善が望めるということになります。

カナりーヤシの雌花2010_0813_115800p1000046
今回の研修会では事前のテストを必須として連絡を差し上げましたから、皆さんが持ってきてくれました。

ご家族になさった方たち。
現在の脳機能と近過去の生活ぶりが、実にきれいに一致することがよくわかりましたよね?

脳機能低下を起こすきっかけに気付いた時の皆さんの感情の揺らぎを、私はしっかり受け止めさせてもらいました。

「正常と思います」というケースをよく検討してみると脳の老化の加速が始まっている。その場合には必ず「きっかけ」があるわけです。私とのやり取りの中でそれに思い至った時
「あっ」と言って、無言になりそのきっかけとなった出来事を反芻しているかのような表情を見せました。
「あのことが脳の老化を加速させるほど、やっぱりそんなにも大きく影響していたんだ・・・」涙ぐんだ方もいましたね。
5例あったでしょうか。すべてが小ボケの入り口の方ばかりでした。

結構感動的なシーンが繰り返されました。

機能低下が大きいほど、淡々と納得されることが多いのは、文字通り私にも納得されることでした。

白花ムクゲ2010_0813_115900p1000047

「きっかけ」について「それは何?」と尋ねたケースもありましたし、気づかれたままにして深く立ち入らなかったケースもありました。
でも、研修会でお話ししたように、皆さんが生活指導されるときには、やはり言語化を図った方がいいと思います。

参加の皆さんお疲れさまでした。


明日から、ちょっと遅ればせの長い夏休み。次のブログ更新は10月になりそうです。

 

                      


実務研修会終了

2009年12月08日 | 二段階方式実務研修会

実務研修会が終わりました。
研修の初めに「まったく初心者の方?」と挙手をお願いしたら、なんとほとんどの方が手を挙げられて新たな覚悟を強いられました。

修禅寺(in修善寺)のもみじ2009_1130_141600p1000244_2 今年初めて庭園が公開されました。

エイジングライフ研究所主催、二段階方式の実務研修会は、内容の濃いことで有名です。
流行語を使って「頭がトマト」という言葉がよく聞かれたころもありました。もちろん「頭がピーマンよりずっといいでしょ」と返しましたが。

A4版1枚の脳機能検査を用いて、認知症の種類、レベルを知って、その上に生活指導までするのですから、検査法の習得だけでなく、手技の深い理解が必要だということはわかってもらえると思います。

マニュアルが3冊あるところからも深さは理解できると思います。2009_1130_142400p1000250

研修会を15年近く続けてきました。
カリキュラムは同じなのですが、毎回、雰囲気が違うのです。
受講者と講師のやり取りの中で、「できるだけわかりやすいようにするには何がいいだろうか」という小さな方向転換がいつもなされているからだろうと思います。

さて今回の印象ですが、皆さんが初心者だというのに、そして担当部署が高齢者でない人もいたというのに、不思議なほどまとまりよく理解してくださったという気がしています。

ケースを持ってくるように連絡しましたので、かなりの方はご家族などの身近な方々を対象に実施されたようです。テスト方法などは研修前ですから不都合なところもありましたが、家族ですから生活歴を良く知っているため、研修が進むにつれて「認知症は生活習慣病である」という二段階方式の主張が納得しやすかったのではないでしょうか?2009_1130_142000p1000247 2009_1130_142200p1000249

さて研修会の感想です。2009_1206_161200p1000254

W林さん:テストが生活改善指導の入り口だということがよく理解できた。(その通り!レベル分けしてレッテル貼るわけではありません)

Y山さん:今後はテスト結果からもう一度その人を見てみよう。(長くかかわっている人が維持しているのは素晴らしいことです)

H島さん:合併もあり母子担当でもありテストしてこなかったが、手技の力はわかったし母子でも使えるかも。(ボケ予防は幼児期の教育から始まります)

H山さん:実施例に対しての解説をうけ、詳しく見ることが大切でなんとなく理解するではだめだとわかった。(何例かやることですよ)

T村さん:介護認定に使えるかも!脳機能テスト結果と生活実態と生活歴が一致することが分かった(一致しなかったら、普通のアルツハイマー型認知症ではありません)

S口さん:MMSの下位項目に低下順があるというのが驚きだった。生活歴の聞き取りが難しい。これに関してU田さんからの助言は満点でした!
「テスト結果から推理されるタイミングを外さないこと。話がずれるときには引き戻すこと」

K林さん:基礎からだったのにあっという間の二日間(ということは脳はとてもよく活性化されたことになります)認知症に対して目からウロコの思い。積極的に地域活動をしたい。(若者に期待してます!)

K政さん:内容が深く多いので、歳取っていて不利だった!(覚えることは大変ですが、生活歴聴取や生活指導はベテランの味があります)2009_1206_161100p1000253

Y本さん:事前に実施したテストは失敗だった・・・(このテストは失敗したとしても傷つけたりはしませんからね。慣れることです)

U田さん:実践を積んでいるのでとてもよくわかった!皆さんとにかくやることです。Faxで解説してくれるんだから!(私の話にうなずいてくれる姿に、二段階方式の実力を改めて感じながら研修をしました。ありがとうございました)

H川さん:自分の街でどのように認知症予防活動をするのか見えてきた感じがする。(レベルに合わせた施策を考えてください。地域性・リーダーにも考慮して)

T田さん:これから勉強する。そしてどこで生かせるかを話し合おうと思う。(合併があると、なかなか足並みをそろえるのも大変でしょう。ただ認知症予防は待ったなしですから)

S井さん:認知症担当でないのでついていくので精いっぱい。もっと勉強しなくては。責任もって自覚して脳の健康を伝えたい。(突然の指名でびっくりしたでしょう。わからないことが分かるだけでもよく聞いている証拠です)

S木さん:認知症予防教室を定着させたい。母子の指導の時に「脳も体も使えるように」と強調したい。(テスターとして素晴らしかったです)

K瀬さん:共通理解の物差しとして使える。(これはK瀬さんの街での勉強会。
http://blog.goo.ne.jp/ageinglife/d/20090819
自主的なグループ作りもめざしたい。この研修に10万円かけてもらっているので実践につなげる!(大ボケに対しては600万円/年必要なんですよ。予防の効果は必ず上がります)

O崎さん:大ボケ・中ボケ対象の老健の仕事をしてやっぱり予防だと思った。ヘルスにいると早期発見ができそう。(事例が事故の後遺症という珍しいケースでしたね。原則に沿ってテストの解釈をすればこの結論になるのです)

2009_1207_090900p1000255参加者が少ないと思うでしょうが、このごろは少ない人数でみっちりやれています。以前のように60人70人のときは、どうだったのでしょうね。

それではみなさんの研修後の事例提出をお待ちしています。
テスト結果。A4版白紙。30項目問診票。生活歴の聞き取り(原本用赤いクリアファイルの中に聞き取りに使う新フォームがあるのでこれも活用してください)を送ってくださいね。


H20年第三期実務研修会終了

2008年12月13日 | 二段階方式実務研修会

12月6~7日に、浜松市アクトシティでの実務研修会が開かれました。
牧の原市K川さんPhoto_2

牧之原市からの参加者とお話しました。この実務研修会のごくごく初期に参加なさったM田保健師さんが上司ということで、一挙に当時の気持ちに引き戻されました。

M田さんが、実務研修会のときに、どんなに生き生きと質問してこられたか表情まで思い出されるようでした。
その後のS木保健師さんは、また別の熱心さで研修を受けられたなあと、まるで目の前にいらっしゃるような気持ちになりました。

エイジングライフ研究所の二段階方式実務研修会は、1995年に第1回目が開催されました。

あの頃の保健師さんたちの熱心だったこと・・・

それに比べて、私たちの研修方法には、熱意はあふれていたと思いますがいくつもの不足点がありました。
懇親会場ホテルコンコルド浜松のクリスマス飾りP1000004_2
それを補って余りあるほどに、保健師さんたちは
「どうにかして、ボケを防ぎたい、治したい」思いを持って参加されていたように思います。
世間ではまったく「ボケ予防」という考えがなかった時代です。「治らないのがボケ。予防ができたり、治るとしたらそれはボケでない」ということがはっきり言われていたのですから。

十年一昔という言葉がありますね。でも、「ボケ予防」の必要性が昔のこととは思えません!

実際にだんだんと世の中のほうから「ボケ予防」を求めてき始め、ついには「認知症」という言葉に変えてまで「予防」に脚光が当てられるようになりました。

その間、エイジングライフ研究所も進化を遂げ、マニュアルを整備し、研修会の内容も実務に役立てていただきやすいように工夫を重ねてきました。P1000001

でも、伝えたい内容がたくさんあるのです。
とても簡便な手技ですが、使いこなしていただくためには、理解と実践が必要なのです。
今回、参加なさった方々のうち、「早速使わなくては!」の意気込みの方もいれば、「直接担当はしないのです」という立場の方もいらっしゃいました。
研修を長くやってきて、とても残念なのは、熱心に実践し、こちらも熱心に指導した保健師さんが、突然他部署に異動になったり、やめられたりすることがあるということです。
逆に言えば、現在の業務に直接関係なくても、いつか異動することもあるかもしれません。
牧之原市三人娘Photo_3
また母子であっても、成人であっても、「脳機能」というアプローチを持ってみると違う方法が見つかるかもわかりません。
何より「ボケ予防」を「脳の健康つくりとその維持」という側面から見ると、指導すべきはまさに「ゆりかごから高齢者まで」。

保健師さんの、お仕事の対象は「ゆりかごから高齢者まで」ですよね。
「この手技を学ぶことで、私の仕事に別のやり方があるかもしれないと気づいたような気がします」という感想を聞かせてもらって、 私はとてもうれしかったのです。
長野県上松町Photo_6Photo_4

新規導入でまったく何もわからない状態だったのに、事前学習が功を奏したのでしょうか、よくついてきてくださいました。目の前の介護を求めている高齢者の対応に追われる前に、予防が急務ということをわかってくださったみたいで期待していますよ。
佐賀県多久市Photo_6

多久市からは久しぶりの参加でした。
昔の研修会には多くの不備があったのですが、こうして繰り返し参加してくださると、新しい情報や簡便なやり方などが皆さんに浸透していただけるとうれしくなります。

この研修で理解されたことをがんばって、実践していただきたいと思います。

活動状態を聞き忘れたことが残念ですが、きっと継続されていることと思います。

新潟県十日町市(小さい写真でごめんなさい)Photo_8

事前にテスト実施したケースが、お二人にとって納得いくものだったことが幸いでした。
テストは、生活指導の入り口だということを忘れないで、生活歴を聞きとることを恐れないようにしてください。
K村さんは、中学生のテスト結果を持ってきてくださいました。
MMSは満点。かなひろい43。動物名想起なんと20でした!すばらしい脳機能。若さももちろんですが成長ぶりがとてもとても順調ということです。
長野県東御市Photo_2Photo 
実践がある東御市です。何しろ導入初年度に1000人近くの検査をやってのけたのです。
何をすればいいのかはわかっていらっしゃいましたね。
先輩のK山さんやK津さんが、日常的に使いこなしている環境ですから、N川さんが深くテスト結果を理解しようとしていることや、T屋さんが社会福祉士の仕事にも使えると喜んでくれたことがとても納得できました。
Photo_4 

健保組合と、市町村の保健師さんでは立場は違うでしょうが、「ボケさせたくない」という思いをベースに持って指導してあげましょう。

小ボケがわかるまでは、少し時間がかかるかもわかりませんが、マニュアルBの85pからを何度か読んでください。
一度理解できると、小ボケの方がたくさんいることがよくわかります。

O寺さん、久しぶりに「ボケ予防をやりたい」と訴えてくれる保健師さんに会いました。いろいろな事情があるものです。特に合併があった市町は当然でしょう。二段階方式の手技を磨くことも大切なことですから、無理をしないでやりましょう。

皆さんのお顔を思い浮かべながら、書きました。
今回は、少ない人数でしたし、いろいろな立場の方がいらっしゃいましたが、皆さんの意欲は十分に感じることができました。ありがとうございました。

研修後のレポートをお待ちしています。事前の検査はほとんどの方がやってこられていましたが、研修後というところに意味がありますので、なるべく早く検査されることをお勧めします。


ブログ村

http://health.blogmura.com/bokeboshi/ranking_out.html