脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

ムービーメーカー再挑戦

2013年11月30日 | 私の右脳ライフ

11月の最終日は、穏やかな一日でした。
青空は抜けるようで、水平線には房総半島がくっきりと姿を見せていました。
国道バイパス沿いに「なぎさ公園」があります。

伊東松川河口にある伊東湾を望む公園からは、房総半島、三浦半島、真鶴岬、初島などが一望でき、市民や観光客の憩いの場となっています。
昭和52年に伊東市制30周年を記念して、地元彫刻家・重岡建治氏の「家族」と題した彫刻をメインに、重岡建治氏の彫刻が数点展示され、伊東市民の平和と幸せを希求する姿をシンボル化した公園として整備されました。
伊東市観光協会HPの説明より)

一度ゆっくり歩いてみたかったのですが、今日実現しました。
すばらしい彫刻作品が
空と海の青に映えて心が広々しました。ついつい携帯で写真を撮っていました。
「そうだ!ムービーメーカーで作品の紹介を」と思いつきましたので、再挑戦しました。

工夫1.ユーチューブの音楽を取り込んで作る方法を教わりましたが、今回はCDから取り込んでみました。
工夫2.初作はアニメーションをいろいろ使ってみました。今回はオートムービーに任せてみました。

「11_30_2013.mp4」をダウンロード


ムービーメーカーで遊びました

2013年11月28日 | 私の右脳ライフ

韓国の娘一家が遊びに来てくれました。
韓国人の娘がいるのではなく、まるで娘同様の交流を続けている一家がいるのです。

知り合って、もうそろそろ16年。一人娘の出産の年以外は毎年、「里帰り」してくれています。

(左の写真は今年5月に私たちが彼女の家を訪ねたときに、キャンプに行った時の写真です)

P130512_205806_2 夫婦二人とも、パソコンの専門家。
彼は、韓国でも有数のソフト開発者ですし、彼女はさまざまな教材を工夫しながら、オンラインで子供たちに英語教育を行っています。その成果も注目の的になっているみたいです。

と、言うわけで、会った時には何か一つは技術向上が図れます。
今回は「ムービーメーカーは簡単で面白いですから、使ってみてください」ということで、サラサラと試作品を作ってみせてくれました。

忘れないうちに、とにかくひとつ挑戦しました。

「2013年秋」1分足らずですからご覧ください。

「2013.mp4」をダウンロード


ワクワク初体験

2013年11月20日 | 私の右脳ライフ
そもそもは、手作り酵素から始まりました。
秋の酵素づくりは、実りのものから作ります。野菜は根菜、何より大切なのは果物。しかもなるべく多種類のものを集めて作るのです
栗だって、大きいものもドングリも。ならば、柿だって甘柿も渋柿も、というわけで渋柿を買いました。
ここからがすでに初体験。
柿は甘くなったのを頂くというパターンが私の人生にはできあがっていました。
「なぜかしら」ちょっと考えてみました。
幼かった頃は、北九州工業地帯で育ちましたから、身近に渋柿の木がない!
長じて都会暮らし。
結婚してから自然豊かなところに住み始め、鈴なりの柿の木に感動の声を上げることができるようになりました。でもそれはよその木です。
そして気が付くと、誰かが手作り干し柿や渋抜き済みのおいしい柿を届けてくださる・・・パターンができあがったということのようです。
酵素づくりのために初めて渋柿1kg280円で買いました。使ったのが3個。残り11個。
とにかく皮を向けば、田舎育ちの夫がどうにかしてくれるだろう。
結果です。
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思い描いた景色とは、ちょっと違う(笑)
でもなんだか歌ってるようで、結構気に入りました。
ただ問題は、どう考えても少ないこと。それで追加しました。
夜なべ仕事でしたから、今回は最後まで独力で!縄のれんのようにはできませんから振り分けです。
満足、満足。
何歳になっても、ワクワクできることってありますね。こういう生き方は前頭葉が活性化するなあと自画自賛しましたよ。
今朝の朝日を浴びた柿はきれいでした。
そうそう、夫の制止を振り切って第一陣の柿をかじってみましたが、渋かった(>_Nec_0425
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「おじいさんが先に逝ってくれたおかげで」ー十日町市松之山

2013年11月14日 | 認知症予防講演会

初雪の十日町市でした。

越後湯沢駅(ほくほく線ホーム)
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上越新幹線は上毛高原駅から越後湯沢駅までは断続的にほとんどトンネル。
おおざっぱに言えば、あの谷川岳の下を抜けていくのです。

その中でも、越後湯沢直前まで続く最長のトンネルが大清水トンネルです。

そのトンネルを抜けると、雪でした。
文字通り、川端康成の「雪国」の世界・・・

左の写真、電車の上の空は全部雪だったのです。

十日町市も平成の大合併で、十日町市・川西町・中里村・松代町と松之山町が一つの町になりました。
今回は松之山地区での講演会です。

宿は当然松之山温泉。なぜか知名度がいま一つですが、有馬、草津と並んで日本三大薬湯の一つです。山中なのに塩湯。そしてホウ酸含有量は日本一。

かけ流し露天風呂の給湯口
Nec_0411( たくさんの鉱物がついていました。
ボケているのは、腕のせいというよりも湯気のせいです^_^; 
何しろ雪が降ってますから外気温が低いのです)

松之山地区は高齢化率が44%を超えていて、十日町市の中でももっとも高齢化が進んでいますが、介護認定率で見れば、特別突出していないと説明がありました。
と、言うことは元気な高齢者が多いということですね。

高齢者が多いので、自立志向が強いという話も聞きました。

ついでに一言。十日町市は新潟県下では介護認定率が少しだけ低いと。
認知症予防活動が功を奏しているのではと思いますが。

翌朝の露天風呂積雪10センチ                  講演会場わきの体育館 落雪の瞬間!
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今回の講演会で印象深かったことを書きましょう。

講演の中で、「こういうおばあさんはボケるでしょうか?」と問いかけることがあります。
『おじいさんが先に逝ってくれたおかげで、、勧められて公民館で書道を始めた。それからカラオケにも誘われて始めたら、面白いことがたくさんあることに気づいた。いろいろチャレンジして楽しい。世の中にこんな楽しいことがたくさんあることに気づいたのが遅いものだから、ウンと長生きをしてもっともっといろんなことに挑戦しなくては人生割が合わない』

Nec_0420 答えは「ボケない」でいいのですが、今回聞いてくださっているおばあさん達が深くうなずいたのが
「おじいさんが先に逝ってくれたおかげで」の後に「つまり1日24時間がすべて自分で使えるということですね」といい添えたときでした。

「自由に生きていないのだなあ・・・」と感じました。

松之山はかなり山深いところにあります。ブナの美人林や棚田で有名です。
棚田を維持することはどれほど大変なことか。
まして、11月に初雪。そのうえ世界に冠たる豪雪地帯。

十日町駅構内のポスター まつだいは隣町ですが棚田の様子をみてください
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「働けるときには働く」ということが、何代にもわたって刷り込まれていると思います。
また、「若い人が働いているときに遊ぶなんてとんでもない!」という考えもあるでしょう。

でも、今は考えられないほど長生きになったのです。
昔のように、働けなくなったらすぐにお迎えが来てくれる状況にありません。

「体がもつ間、脳も持たせることができるようにするしかない!」このことを何度も強調しました。

「私たちの脳が仕事の左脳と、遊びの右脳、そして運動の脳、さらにそれを統括する前頭葉から成り立っている以上、そのすべてを使い続ける生活をし続けなくてはいけない。
足腰を使わなくては、足腰の老化が進むように、遊ばなくては脳は持たないのです」

                                   帰りの越後湯沢駅 前から気になっていた駅中温泉に体験入浴!
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聞いてくださった方々は、「ボケるかどうかは生き方の問題」ということはわかってくださったと思います。

ただ、みなさんが納得している「ボケない生き方、かくしゃく老人への道」「人生を楽しめる人がボケないということ」を自分のものとして、自分の生き方に反映させることができるかどうか?

自立志向のほかにも公民館活動も盛んということも聞いてはいるのですが、講師としては、やや不安が残ったことも事実です。


臨床心理士総合研修会ーたまには左脳訓練も(続)

2013年11月09日 | 前頭葉の働き

午後の研修会は「発達障害;小児神経学的視点から」というテーマでした。
小児の時点で発達障害が判明しても、時間とともに大人になっていくわけですが、講師の宮尾先生は、その期間を障碍児やその家族とともに見てこられた方でした。

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発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、ADHD(注意欠陥多動性障害)などの脳機能の障害で、その症状は通常低年齢で発現するもの。
発達障害は、精神障害でなく認知障害である」

ちょっとワクワクするでしょう!
上記障害が判別しにくいもので、重なる部分があることは、午前の講義で解説済みでした。
(最近は自閉症スペクトラムというくくり方のほうが適切だといわれています)

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「ADHDの場合、非治療の小児では80%が思春期になっても症状が残存する。
これらの症状は、少なくなりながらも成人期まで存在する。
予後は、各年代での発達課題をどのように乗り越えることができたか、どのような併存課題、合併症があるかによる」

臨床の先生ですから、具体例にあふれたおもしろい講義をしてくださいました。
臨床例を多くもつと、統計処理をしないままで全体の傾向がわかってくるものです。

P1000168 アスペルガー児童の特質として「三つ組みの症状」という言い方があります。

1「対人交渉の質的な問題」

2「コミュニケーションの質的問題」

3「イマジネーション障害」

特に2「対人交渉の質的な問題」を持ったまま成人になってしまうと、知的機能が高ければ高いほど、その言語能力により、脳機能を過大評価されてしまいがちというくだりなどは、まさに認知症の高齢者が、一応言葉がしゃべれるというだけで、実際の脳機能よりもはるかに高いレベルと思われて、「わざとこんなことをしている(私を困らせるために)」とか「ボケてるかどうかわからない」などといわれてしまうことと同じです。

「脳に刺激が入って理解していく入力過程には三タイプある」というのも面白いですね。P1000177
1.耳から  2.目から  3.体から
「聞いたほうがわかる」のか「読んだほうがわかる」のか、それとも体を動かして納得するのかということです。

ガウディやルイスキャロルの例が出てきました。
ガウディは設計図が書けなかったが模型は正確だった・・・
ルイスキャロルは論理的な数学者で「不思議の国のアリス」の奇妙な顔や景色は、キャロルがそのように見えていたのかもしれないと考えられる・・・

学習障害は、このように脳機能を細かく見てできることとできないことをはっきりと測定していかなくては、援助や教育が成り立つはずもありません。

そして学習障害といわれる人たちの中から、社会を変革していったり優れた業績を生み出すことが多々見られることにも言及されました。

二段階方式の勉強をしている人にとっては、すぐに三頭立ての馬車の絵が浮かぶでしょう。
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三頭立ての馬車で一番大切な役割は、御者。
馬車に御者はなくてはならないものですね。もちろんそれぞれの馬(デジタル処理にたけた左脳、アナログ処理にたけた右脳)の能力も大切なのですが、その能力を十分に引き出すかどうかは御者のお手並み。

二段階方式では、左脳、右脳、運動の脳のさらに高次元の働きをするものが前頭葉だと考えます。
決して並び立つものではありません。

講義でも、「結論的にはワーキングメモリーの障害」と何度か言われました。
ワーキングメモリーだけでなく、多岐にわたる前頭葉機能の障害が問題になる症状と密接に関連しているのです!なぜ前頭葉機能に障害が出てしまうかはこれからの研究課題でしょうけれど。


臨床心理士総合研修会ーたまには左脳訓練も

2013年11月07日 | 私の右脳ライフ

  臨床心理士の研修会に参加してきました。
(会場は初めての東京ビッグサイトでした。行きはりんかい線、帰りはゆりかもめ。ランチタイムに探検してきました)P1000173
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テーマは「発達障害」で講師はお二人でした。

午前の上野先生は特別支援教育の第一人者で「発達障害の学童期の理解と支援」についてお話してくださいました。

その歴史から始まり、
「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査(2012年)」をもとに現在の状況の説明、
さらにはセンター入試にすでに発達障害を持つ受験者に対する特別措置が実施されてることと、更なる方向性など、新しい知識を教えていただきました。

P1000167_2私にとっては、メインテーマよりは最初に話されたことが印象深かったのです。

「支援が必要といっても、常に必要、時に必要、必要になる時もある、ということを知らなけれないけない」
「支援が必要になる時もあるという考え方は、高齢者を対象に考えると、いつでも起きる可能性があるということになる」

さらにこうおっしゃいました。
「過不足のない必要な支援をするためには、まずその障害を正確に評価することが重要」
「客観的な評価をすることを避ける傾向があるようだが、今後は必要不可欠になる」

心理の研修会では、アセスメントというテーマ自体はあるのですが、どうも苦手意識がある人たちが多いように感じていました。
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苦手というか、アセスメント自体が主観的な場合もあるし、アセスメントをすることでクライアントとの関係性を樹立しにくいと思っているのではないかと、私は思っていました。

講師の先生が客観的な評価の必要性を強調されたことを、参加者の臨床心理士の皆さんはどのように感じたのか、ちょっと伺いたい気がしました。

もう一つ。
客観的な評価ということになると、障害の様々な症状を細かく列挙しても、その症状は周りの状況によってひき起こされたものかもしれませんし、子供の場合は生育環境の差は無視できないでしょう。

結局のところ、脳機能の状態を評価することだけが客観的評価につながりますね。

りんかい線国際展示場前駅から続く屋根つき通路P1000160_2

二段階方式では、認知症を理解するときにはまず脳機能の測定から始めます。

症状から見ていくと、重症化しているか問題行動がはっきりしないと「認知症」といえません。
それでは回復可能な早期のレベルを見逃してしまうのです。

また、家族関係を見事に反映して(過去にさかのぼることまで含めて)、より困った症状になったり、思いがけず問題行動につながらなかったりもします。

だから、脳機能の測定は必須。「何ができ、何ができないか」知らずして、眼前の高齢者をどう理解できるというのでしょうか?
その人の脳機能が、認知症の重症度判定や鑑別や生活指導のすべての基礎になります。


展示場の端にスカイツリーと東京ゲートブリッジが見える穴場ポイントがP1000170P1000172                           

生活指導の際にも、「できることはしてもらう」ということはとても重要なことです。それにもまして「できないことをよく理解する」ことこそが、脳機能測定の最大の目的です。
生活をしていくうえで、困らせることのないように、客観的な評価をするのです。

「なんか、悪くて…」という理由で検査が苦手な保健師さんへ、今日のブログを書きました。


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