脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

物忘れーその1 DSMⅣ→Ⅴ

2013年05月28日 | 側頭葉性健忘

きょうは、物忘れと認知症について、お話ししたいと思います。

友人がランチに呼んでくれました。心配りの花たち
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「物忘れがボケの始まり」という認識があまりにも広くいきわたっています。

それでドキドキしている人もたくさんいると思いますがどうでしょうか?

年とともに、記憶力障害が自覚されて、愕然とするのは、かくいう私も同様で、このような仕事をしていなかったら気になって仕方ないだろうと思います。
いくらでも具体例が挙げられます

まじめな話に戻しましょう。
アメリカ精神医学会が決めたDSM(精神障害の診断と統計の手引き) が認知症の判定基準として、日本でも使われますが、その第一項に「記憶障害がある」となっていることも無関係ではないでしょう。

DSM-4改訂版 は①記憶障害
            ②失語、失行、失認、実行機能障害のどれかある
                    ③上記のため社会生活に支障をきたす
                           ④意識障害はない
のすべてに当てはまるのが認知症だといっていました。

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①はわかりやすいような気がしますね。

でも、よく考えてみたら、記憶の障害といっても、記憶を成り立たせる3要素、
  記銘(おぼえこむ)
  保持(おぼえておく)
  想起(思い出す)
のどの障害を指しているのでしょう?
どの程度を「障害」ととらえるのでしょう?

「覚えられない/思い出せない」自覚のない高齢者はいないと思いますよ。
高齢者と限ることもないかもしれません。

記憶力のピークは20歳代という報告を読んだ「記憶」がありますから。P1000006_3

②はスラスラ読めるような・・・
ところが、脳機能から見るととんでもないことが列挙されています。

失語、失行、失認が起きるということは大変なことです。
脳の器質障害(病気やけがの後遺症)が起きてしまったのなら、だれにでも、いつでも起こりえます。

でも、認知症で、失語、失行、失認が起きるのは非常に重度の状態になってからです。
失語:コミュニケーションが取れない。意味不明のことをつぶやく。ほとんどしゃべらない。
失行:洋服が着られず、袖口に頭を通そうとしたりする。ズボンをかぶる。
失認:見えているはずなのに、認識できない。

誰が見ても重い症状として納得できるような症状といえます。P1000004_2

いっぽう、実行機能というのは、このブログで繰り返し話している「前頭葉機能」そのものです。

状況を判断し、見通しを立てて、決断する。
その時には、たくさんの情報を自分なりに処理しなくてはいけません。

途中で、修正することもしますし、意欲を維持させるのも前頭葉です。

さらに結果についても、成長するにつれて自分で評価します。毎日毎日繰り返していくうちに「自分らしさ」が確立されていきます。

「失語、失行、失認」と「実行機能」は脳機能から見ると、レベルが違うのです。
幼児と大人くらいの違いでしょうか。
それを同列に論じているところに、大きな疑問を感じます。

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実はDSMは今年5月に改定され、呼称はDementiaから「Mejor Neurocognitive Disorder(大神経認知障害)」へと変更されるといわれています。

認知機能は、
①複雑な注意(注意の保持、注意の配分、注意の選択、処理の速さ)
②実行能力(計画、意思決定、作業記憶、行動修正/錯誤修正、習慣の乗り越え、心の柔軟さ)
③学習と記憶(即時記憶、近時記憶[自発再生、手がかり再生、再認記憶を含む])
④言語(発語、言語理解)
⑤視覚構成知覚能力(構成、視覚的知覚)
⑥社会的認知機能(情動の認識、こころの理論、行動の規則)などと区分されます。

またもや・・・

①と②は前頭葉機能そのもの。P1000007
③前頭葉障害を起こした人のほとんどは学習効果がありません。記憶はもう少し低次元の脳機能レベルでもできます。動物でも記憶はできます!
④と⑤は、先ほど説明したように、脳機能から言えば非常に基本的な機能ですから、ここの障害は最重度になっていることを意味します。
⑥は高度な脳機能レベルと、本能に近いようなレベルを包含していますね。

認知症を考えるときに、症状ではなく、脳機能からのアプローチをなぜしようとしないのでしょうか?!

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ビフォー・アフター

2013年05月21日 | 私の右脳ライフ

311560_408508862581290_1515561445_n左の写真は5月初めのアマリリス。
大きなつぼみに、小さな葉が二枚!

いくらなんでもちょっと気の毒だと思って、せっせと水だけはやっていました。

下の写真を見てください。
真っ赤な大きな花が咲きました。
それも3輪も。

気を付けて見ると、つぼみがもう一つ。
たった2枚の葉でこんなすごいことができるのですね。結構感動的でした。

もっと、よくよく見てみると・・・
なんとまあ、これだけ花を咲かせてさらにまた小さな固いつぼみがあるのです!すごいですね。

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庭に見事なバラが咲いています。ピンクパンサーという品種ですが大輪房咲。
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卵と比べたら、大きさの想像ができるでしょ。
だいたい何枚くらい花びらがあるのかと調べてみました。48枚でした。
調査のあとは、バラ風呂にしたのですが、ぜんぜん足りませんでした(・_・;)

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5月の右脳訓練ーその2韓国訪問

2013年05月20日 | 私の右脳ライフ

火災後再建なった南大門(韓国の国宝第1号)
942683_594883310535932_1252923179_n付き合い始めて、そろそろ15年になる韓国の方がいます。そう書きながら「韓国の方」と他人行儀な表現に、自分で抵抗を感じているのです。

日本語を勉強するために来日しているときに知り合いました。
長男と同じ年齢ですし、ちょうど、母娘のような関係です。育てていないのに子供を授かったみたいな気がしています。

ぽっちゃりしているから「ぽっちゃん」と読んでいます。夫は名前が善哲なので「てっちゃん」。ひとり娘は名前が韓国語で「秋」という意味なので「アキちゃん」と呼ぶのです。

彼女たちは毎年日本に来てくれます。いわゆる里帰り、親元に顔を出すという感じですね。
私もだいたい2年に一度くらいは彼女の家に行きます。

久しぶりの韓国訪問でしたが、写真がないのです!
写真がない理由は
1.ドコモはWorld Wingというシステムがあって日本国内と同じようにネットが使えます、ただし日額2980円必要。知らないところだととっても便利ですが、私のように知人のところにいるのでしたら不要です。そこのパソコンが使えますから。だからタブレットは使いませんでした。

2.携帯電話は、メールの送受信が有料。添付ファイルがあると1ファイルの送受信が300円内外必要。それで携帯電話も使いませんでした。(フェイスブックに携帯電話も課金されると書いたのは間違いでした)

結果、写真がないのです。写真がないとブログは書きにくいですね。彼女たちが撮った写真がたくさんありますが、現在英国旅行中のため受け取れないのです。

仁川市のキャンプ場へ
417886_595351897155740_1796791351_n韓国の教育熱の高さは行き過ぎたものとしてよく伝わってきますが、実際はなかなかおもしろい取り組みもあります。

例えば、日本に来る時も別に長期の休みに合わせる必要はなく、事前に申し出ておいて報告書を出すと出席扱いになるのです。

学校での勉強と違う勉強ができるからというのがその利用だそうです。

今の英国旅行は、アキちゃんがハリーポッターとレゴに夢中なので行ってみようということで、こういうことは推奨されている訳です。

アキちゃんは、小学5年生です。
「明日は、ゲームの功罪について討論会があるので意見をまとめていかなくてはいけない」と宿題を始めました。
パソコンを使って、文書を用意しました。大きな字でA4版で3枚でしたが、表紙をパワーポイントで楽しげに作って見せてくれました。

ブログをやっている友達もいるそうです。

過酷な受験体制は現実のものとしてあるようですが、一方でこのままではいけないという動きがあることがよくわかりました。もうひとつ面白いイベントを体験しました。

日曜日に市庁舎のある公園で、小学生向けのサイエンスフェスティバルが開かれているというので行ってみました。

テントが120張くらい用意されていて、高校生が「科学的」テーマで小学生たちに体験学習をさせるお祭りです。屋台も出ていました。
天文、ロボット、エネルギー、溶剤の変化、身体、脳も遺伝子の二重らせんも!食物、物理(バランス)etc
                                       ロンドン便りが届きました
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すべてのテントで、高校生の指導を楽しく受けながら、参加した小学生が具体的に何かやります。
その過程で、科学の世界に目が向くように工夫されています。
高校生たちは部活動がベースのようでした。

私たちは、日本人なので、大人でしたがやらせてもらえました。
興味深いものがたくさんあり、十分に楽しめるレベルと教材が用意されていました。結構立派な教材が用意されていましたが、その教材代などは、予算が下りてくるそうです。

また、科学、ピアノ、数学などをテーマにした「大会」が開かれて、順位を競わせ、優勝したら次々に大きな大会が待っています。そして何段階か通過すると、その分野で優秀な児童ということを、国レベルで認めるシステムがあります。認められると、大学の先生が教えたり、外国に行ったりできるのだそうです。
そのシステムにも、最近変更が加えられました。
一人だけ優秀、よりもできるだけ多くの児童を鍛えるために、大会出場は二人以上という制限がついたのです。

以上は、サイエンスフェスティバルの会場で、あわただしく説明を受けたものですからまちがいがあるかもしれません。ただ何かしようとした時に、大きく動くパワーがあると感じました。

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5月の右脳訓練ーその1南伊豆のミカン狩り

2013年05月19日 | 私の右脳ライフ

あれよあれよという間に時がたっていきます。

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脳リハビリの指導をするときに、いう言葉です。
「脳がイキイキ働いたかどうかは、その時間が、自分にとって早くたったかどうかで決まります。
『あっという間に時間がたってしまった』と感じるときはどんなときでしょう。」

「それは楽しいことをしているとき。遊んでいるとき」

「その通り。正解です」

計算ドリルをやることが一時期はやりましたが、計算ドリルをやっているときに、時間があっという間に経ってしまうでしょうか?
まあ、中には楽しい人がいるかもしれませんけれど・・・
よほど他のご褒美でもなければ、計算=左脳が動いて楽しく感じることはあまりありませんよ
ね!
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さて5月の右脳訓練です。友人3人と南伊豆町の知り合いの農園にミカン狩りに行きました。
ミカンの花が満開で、優しい香りが漂っています。

広いミカン山ですから、香りにむせ返るようなことはなく、ほんとに甘い良い香りが鼻をくすぐるという風情でした。
そのうえ、空は青く、風も吹いていて、5月を満喫しました。

木に負担がかかるので、この時期までミカンを残すことはあまりないそうですが、ここまで残すと酸味が抜けてとびきりおいしいミカンになります。

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「1本制覇すれば、100キロはあるだろう」とオーナー氏。

左の写真ではよく見えないのですが、木登りしてミカンを取っている友人と、それを受け取っている友人。
木登り苦手な私は、写真を撮る人になっています(笑)

小さい時の体験がその後の人生に役立つというのは、決して「勉強」に限定されるものではなくて、音楽や美術などの右脳ベースの体験も、木登りなどの運動も「やったかやっていないか」で大きな差を生むことになります。

幼かった頃ほとんど運動せず『おとなしい子供』だったというと皆さんから笑われますが、本当のこと!ちなみに木登りはしたことがありません。ほんとに残念!(今回は一度ちょっとだけ挑戦しました)

この雄姿を見てください。
3メートルくらいの高さです!
登っている友人は四捨五入すれば70歳です!

登りながらの本人の弁
「いくつまでこんなふうにできるかしら?来年は平気よね!」

P1000005「70歳と聞くと無理、無理という感じがわくのだけど、実際はどうかしら?
毎年やり続けてさえいると、何かが起きなければ意外と長くやるんじゃないかしら?」と希望を込めて私が。

よく考えてみれば、体力と「脳」力。
どちらのほうがより持つかと考えてみましょう。

体力を維持することは、動かし続けることでなされるわけですが、年齢を重ねるほど「結構大変」という感じはありませんか。
もちろん正常老化ですけれど。

いっぽう、脳の力はどうでしょうか?
注意分配力や集中力、発想力など回転を要求されるものは、すぐお手上げになりそうです。
もちろんこれも正常老化ですよ。

でも、意欲はどうでしょうか?
意欲や好奇心を維持させたまま超高齢になった自分というのは結構イメージできるのですが、どうですか?
『おとなしい子供』だった結果がこのような結論に結びついているのかもしれません。
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活発だった友人は「一度は乗ってみたかった」とユンボにも挑戦。顔が輝いていましたよ。

彼女にとって、体力の維持は、私よりはるかに可能なものとイメージされるでしょうね。
子どもの時の体験は本当に大切です!

いずれにしても、体力と同時に脳力の維持も考えるということは、高齢者にとっては重要なことだと思います。

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ボケはじめには自覚があるようです。

2013年05月09日 | 認知症からの回復

P1000318_2連休中はすっかり遊んで、もとい、右脳訓練にいそしんでいました。

伊豆に移住して13年になりますが、すてきなカフェを見つけて友人を誘って3回も行ってしまいました。
J-GARDEN

この庭を13年かけて手作りしたオーナーのことはブログで紹介しましたね。
感性でシャングリラ完成へ

さあ、今日は久しぶりにちょっと勉強をしましょうか。

エイジングライフ研究所は、「認知症は、もともと老化する宿命を持っている脳がその老化を加速させてしまった状態だ」と主張しています。
老化を加速させるのは、脳の使い方不足、つまり生活習慣病というとらえ方です。

Photo_2左図には、説明不足があります。
(講演で使いますから、言葉で補ってます・・・)

人生の大きな出来ごと・生活の大きな変化が起きれば必ず、脳が老化を加速していくわけではありません。

人生の大きな出来ごと・生活の大きな変化が起きたとき、その状況を受け入れてうまく対応することができない時が危険なのです。
その状況に負けてしまったと考えるといいでしょう。

「退職して3年たったらボケちゃった」とか「配偶者に死に別れたらあぶないよね」とよく耳にしますね。
脳の機能、脳の使い方という観点はなくても、ボケてしまった具体例をたくさん目や耳にすればするほど、生活の知恵的な結論としてこういわれるのでしょう。

でも、退職した人がみんなボケますか?独り身になったら必ずボケますか?

Photo_3_2私たちが生きていくときには、「必ず常に前頭葉が状況を判断して、見通しを立てて、行動を決定して、その経過を見守り、修正もかけて、最後には自分なりの評価を下す」ということの繰り返しなのです。

その前頭葉の出番が足りない状況こそが危険な状態なのです!

自分の前頭葉が出番を持ってイキイキしているかどうかを決めるのが、ほかならぬ自分の前頭葉というところに注目してください。

周囲の人からは、変わらず普通に生活しているといくら評価されていても、本人の前頭葉が「イヤイヤ、この生活は私にとってちょっと違う。私にはもっとイキイキとした生活があるはず」とモンモンと思うとき、そこが脳が加速を始める岐路のほうを向いたということです。

岐路に入ったのではないのです。あくまでも岐路のほうを向いたということです。

手作り酵素がハート型のアワを!
P1000329その時その人はどのように感じるでしょうか?

最近続けて、ちょうどその状態にいる人たちと話す機会がありました。

私たちは年齢とともに種々の失敗をしでかしてしまいます。
「ありえな~い」と自分で呆れてしまうような間違い。
60代のある友人は「受診予約を2回もすっぽかしてしまった」と真剣にいいました。
すると居合わせたみんなが、「あるある。私も」と具体例が続出!
でも、私は思いました。「真剣に」いったのです。
同じような失敗はするかもしれません。でも、その時に自分なりの理由がつくことがほとんどです。
病気の症状がよくなったから。逆に体調が悪化したから。急に用事が入ったから(来客・電話など)。
ちょっとドキドキはします。でも他ならぬ自分の前頭葉がきちんと状況判断をして、「これなら年齢相応だろう」と自らを慰めるのではないでしょうか?

アンジェラの花びらもハート型
P1000333別の友人が言いました。
「最近何か変なの。なんだかもっとテキパキできてたと思うのに。動作もトロいし、意欲も出ないというか・・・とにかくなんだか違うのよね」

おしゃれもしているし、おもてなしも見事だし。

「私たちの年齢になればふつうよ」と自分の失敗例を挙げて慰めることもできたのです。

でもその時も私は感じました。
「何か違和感を覚える。私ってこんなものだろうか。いや違うはずだ」とこの人は真剣に訴えている。

二人に私は言いました。
「最近、といってもたかだか半年くらいだけど生活が大きく変わったことはなかったの?」

シンビジューム満開
P1000278二人ともあったのです!
一人は、半年前に追突されて、その後むち打ち症発症。その症状というよりも、病院での対応や保険会社の人からの「なかなかな治りませんねえ・・・」というような言われ方で、落ち込んでしまったそうです。
「生活はそれなりにやってるんですけどもね」

イエイエそれどころか、立派にやってますよ。でも、前頭葉が「こんな生活は違う!」って言ってるんですよね?

生活をどう変えるか。
答えはもう見つけていました。
「弁護士さんに入ってもらってすっきりさせることにしました!」これで元の老化の道に向き変ったということです。

今年もバラが咲き始めました
P1000332もう一人は、ボランティアで団体の代表をしていたのですが、年齢を考えて後進に道を譲ったといいます。半年前に!

強制されたわけではなく、自分の前頭葉が決断したことなのですが、「そのこと」がなくなってみたら、「その状態」を前頭葉は納得いかないものと思っているのでしょうね。

さあ、前頭葉が満足いくものを見つけるのも、自分の前頭葉ですよ。見つかったら教えてくださいね。

二人とも外から見たら満点の生活ぶり。趣味もあるし、友達も多いし、運動もしているし。
でも本人の前頭葉が満足しないとき、少なくとも脳の老化が加速される道を向くということです。
認知症の予防はここからです!

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