脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

さようなら・・・

2012年12月22日 | 私の右脳ライフ

さようなら・・・
さようなら・・・さようなら・・・

前回お話しした友人の「お別れ会」

大広間の床の間に、普段通りの笑顔の写真が彼女のパッチワークの作品に守られるように飾られていました。
その横では、幼い日からの写真の数々、彼女そのもののようなパッチワークの作品が次々にスクリーンに投影されていきます。
私の知らなかった若い頃の彼女に初めて出会いました。その美しさに心動かされ、そしてそれ以上に、意志の強い凛々しさを感じました。

「だからこのように、生きられたのね!!」

会の最後に、弟さんの尺八伴奏でみんなで歌った『わすれな草をあなたに』
届いたでしょうか?
優しい野の花が大好きだったあなたに。 

別れは悲しく、寂しいものに違いありません。
でも、あなたがこのように生きたということは私の心の中で生き続けますから・・・


一人で笑うのも

2012年12月22日 | 前頭葉の働き

今朝、布団の中でつい笑ってしまいました。今日はその顛末を。

大室山からの富士山(12/16)
P1000006昨夜、義姉と久しぶりの長電話
をしました。

私の友人が、11月11日に急逝しました。
C型肝炎を患ってはいたのですが、10月半ばには会ってお話するどころか、お世話までしてくださったのに、
「もうだめなのよ。肝がんの治療をするにも肝硬変が進んでしまって・・・」という電話をいただいたのが11月3日。

さっそくお見舞いに行ったのが11月6日。
黄疸が出てはいたのですが、普通にお話ができました。

「今まで無宗教で来て、今になって急に仏様でもないから、私らしいお葬式をしたいのよ。お花いっぱいにして無宗教でやりたいの。
お別れの会をやるから来てね。そしてお話ししてくれるといいんだけど」

今こうして書いてみると覚悟のほどがわかるのですが、何しろ半月前にはごく普通だった印象が強すぎました。
「今ちょっと状態が悪くなっているけど持ち直すはず」という思いが勝ってしまって・・・
亡くなることが前提であったなら、私はきっと違うことを言ったと思うのです。

「希望はぜ~んぶ言わなくっちゃあ。残されたものは従うにきまってるでしょ!」などという軽い受け答えをしてしまいました。

大室山頂の五智如来地蔵
P100000811月12日のお通夜、11月30日のお別れ会。
すべてが友人が希望したように運ばれたことと、私がその全部に出席できたことは、今考えてみると、不思議なほどいろいろな条件が重なった結果のような気がしてなりません。

見事な人生の幕引きを体験させていただきました。

その感動を義姉に伝えたのです。
途中で「あれ?私、このことをお姉さんに話したような気がする」とちらっと思ったのですが、義姉がごく普通に
「そうなの・・・」「すごいねぇ」と相槌を打ってくれるものですから、おしゃべりしたいだけしゃべってしまいました。

今朝、布団の中で気づきました。P1000007
「確かに、お姉さんには二度話してしまった!」
だって「黄疸が出るということは・・・」と解説してくれたんですもの。
それで私は、黄疸が出るということはもうあまり時間が残されてないと覚悟しなくてはいけないことを知ったのですから。

義姉が「ちょっと絹子さん、大丈夫?」と思いながら聞いてくれていただろうと思うと、おかしくてひとりでくすくす笑ってしまいました。

昨日は、遊びに来た友人が
「久しぶりに、母のところに行ったら同じことを何度も話したんだけど。
もちろん言ってることはどこもおかしくはないのよ」というので
「うーん、小ボケの可能性は大ね。もっとひどくなると私がオルゴールシンドロームって名づけたように、言い終わったらすぐまた同じ話が始まるの。そこまでいけばボケもはっきりするのだけど」と答えてしまっていました。

今年の誕生日に頂いたオルゴール
P1000002私は二回しか話してないのですが、聞いているほうはやっぱり「変」だったと思うのです。
(どのくらい「変」に感じたか、今度義姉に聞いてみます)

考えてみれば、若いころには同じ話を繰り返すような失敗はまずなかったように思います。
逆に年配の人なら、何度かはこういう体験はあるのではないでしょうか?
「あれっ」と何となくにしろ気づくこともあれば、相手の怪訝な表情から気づかされることもあるでしょう。
私のようにあとから気づくことも、家族や親しい人が指摘してくれることもあるでしょうね。
ちなみに、小ボケになると指摘されても納得いきません。

この現象は加齢、つまり注意集中力や分配力の低下と関係していると思います。
「言いたい」「聞いてほしい」ことほど、こういう傾向が生じてきます。その時気持ちを回りに配ることができないのでしょう。

対策としては、なるべく起こさないように気を付けること。
起こしたときには、加齢現象と認めつつ(あきらめて)、でも原因を探り注意を払う癖をつける。
次の手が打てるなら、それは小ボケではありませんから。(お姉さん、安心してね)


クリスマスミニコンサート

2012年12月21日 | 私の右脳ライフ

友人の誘いで、近くのペンションを舞台にしたミニクリスマスコンサートに出かけました。
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玄関でお決まりのツリーが出迎えてくれました。

一色違うのは、エリックカールの「はらぺこあおむし」の絵が飾られているところ。
「子供歓迎の宿だな」と納得させる仕掛けなのでしょうね。
後でパンフレットで確かめてみると
ペンションの名前が「こどもの城M倶楽部」
レストランの名前が「森のダイニング ルシヨン」

プレイルームだけでなく、子供用の便器も完備され、子供に対する心配りがそこここに感じられました。
帰りに気付いたのですが、子供たちが遊べる遊具などもあって、こういうペンションは子育て中の若い夫婦にはありがたいだろうと思いました。

あら。庭カフェのキャンドルを使ったクリスマスツリー発見!手作りの温かさがあってとっても素敵でしたよ。コンサートが始まりライトが落ちてからはもっと幻想的でした。
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おいしい食事をいただいて、デザートになったところでプレイヤー登場。
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バンジョーの演奏会って珍しいと思いませんか?
歌は何となく郷愁を感じるカントリーソング。知ってる歌のオンパレードというのはうれしいですね。

肩の凝らない楽しいミニコンサートでした。

客席にいらっしゃった男性の方が誘われてハモニカとボーカルで共演なさいました。
バンジョーを先生に習っているということでしたが、年齢は83歳。ハモニカの腕前もお歌もなかなかのものでした。

腕前よりも、こういう時に飛び入りで参加するその気持ちというか意欲に脱帽です。素晴らしい。

P1000016ところで、人生を楽しめる人と、楽しめない人がいるような気がします。

楽しめないタイプは、まじめで仕事一筋。趣味や交友を軽視する人たちが多いのではないでしょうか?

そういう考え方が認知症予防の敵なのですが、早くそのことに気づいていただきたいと思います。
それにしても、今日の収穫は83歳の飛び入りさん。
こういう方とはお友達になってみたいと思いませんか?


かくしゃくヒント17-加藤しずえさん

2012年12月12日 | かくしゃくヒント

12月12日の伊豆高原は気持ちいい一日でした。行きました。あまりにも天気が良くて郵便局へ歩いて行ったのですが、素晴らしい景色に出会えました。
伊豆東海岸からは伊豆七島のいくつかの島々が臨めます。冬はそのベストシーズン。
「音に聞こえし神津島、三宅御蔵は八丈に近し」
大島、利島(トシマ)、新島、式根、神津、三宅、御蔵の島々です。普通は見えても前の5島ですが、今日は三宅島までもがはっきり見えました。

おまけに房総半島もくっきりと見えるのです。大室山からなら東京スカイツリーも見えたかも!P1000177

 

 

 

 

 

 

私の携帯では、遠景は全く取れませんので残念ながら写真はありません。
目を近くにやると、名残りの黄葉が青空に映えていました。
ここはクヌギやコナラなどの雑木が多いので、冬の景色、春の芽吹き、夏の緑そしてカサコソと音を立てそうな黄葉と一年中変化に富んでいて、季節を教えてくれます。
紅葉は少なくて、庭木のモミジやドウダンツツジくらいでしょうか。
いつも心待ちにしている冬桜も、咲いているはずと思って寄り道をしてみました。
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みごとに咲いていました!やっぱり、出かけなくてはいけませんね。
発見や感動を見つける近道ですから。

加藤しずえさんにお会いした時のことを思い出しました。
100歳になっていらっしゃいましたが、かくしゃくたるものでした。二段階方式の脳機能検査をさせていただきましたので、かくしゃくさは単なる印象ではなくて折り紙つきです。
足が弱くなったからと車いすに座っていらっしゃいました。
「歩くのが不自由になってから思うのですが」と前置きをされて
「年寄りにとって、テレビは味方ですね。歩かずして世界各地の動静、宇宙の果て、深海の底まで体験できるんですものね」と弾むような声でお話しされたのです。
これなら、出かけなくても家で、発見や感動の体験ができますね、確かに。
ようやく飾ったクリスマスツリー
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ボケへ突き進んでいくタイプの方は、家でテレビを見るときに、加藤さんのようにはテレビを見ません。
講演でお話しすると皆さんが笑われますが「居眠りしながら水戸黄門」。
展開が予測されるので、集中してみる必要がありません。
単なる時間つぶしと自覚していればまだいいほうで、テレビを見ているようですが、実は「何もしていない」のとほとんど同じということが怖いのです。
脳は使わなければ、老化を加速させます。
それなら外に行って発見や感動を見つけなくてはいけません。
いただいたリース
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結局のところ、どのように生きるかという点に集約されるのですね。
宇宙の果てには行けませんが、今日はふたご座流星群がみられるとテレビニュースが言っていましたから、先ほどオーバーを着込んでベランダから挑戦してみました。
「見えました」。
明朝にはテレビで放映されるでしょうが、体験できるときには体験しておきましょう。
そうしておくことが、もし歩けなくなった時にテレビから発見と感動を見つけられることにつながりますから。

 

 


どちらがかわいいかな?

2012年12月10日 | 私の右脳ライフ

どちらがかわいいかな?
どちらがかわいいかな?
どちらがかわいいかな?

S村さんが、嫁入りさせたかわいい娘のお色直しにみえたようです。
「さぁて、どこがかわいくなったかな?」と連絡を頂きました。

クリエイティブな人たちは感性に支えられた「ゆるがせにできない」主張があります。
貫くためには大変なエネルギーを要求されるでしょうが、満足感も大きいことでしょう。
と、ちょっぴりうらやましくなって書いています。


12月の右脳訓練

2012年12月09日 | 私の右脳ライフ

12月の右脳訓練
12月の右脳訓練
12月の右脳訓練
友人たちと初島へミニ旅行を企画しました。 素晴らしい晴天に心ワクワク、朝から上機嫌でした。
ハッと気付きました。 「ちょっと、風が強くない?」
結論をいいましょう。 「本日は全便欠航・・・」

私たちの行動報告をします!

メンバーが、前から行きたかったレストランへ足をのばし、昼食をすませました。さいわいなことにとっても、おいしかったのです。

おなかのあとは、文化でしょう。
今年開館した函南町「かんなみ仏の里美術館」へ向かいます。 素晴らしかった!
ボランティアガイドの方の丁寧な説明もあって、充実した時間を過ごすことができました。

臨機応変って前頭葉の働きですよ。


寒蘭展

2012年12月09日 | 私の右脳ライフ

先日の東京行はいくつも楽しい収穫がありました。

当初の目的は、ツタンカーメン展と心理学研修会参加だったのですが、ツタンカーメン展に行ってびっくり。
9:30からということで9:15に着いたら入場整理券に替えるための行列が!
結局入場できるのは10:30から10:45ということになりました。

思いがけず、1時間半、上野公園の散策を楽しむことになったのです。素晴らしい秋晴れの日で、銀杏の黄色が青空に映えて、なんだか得をした気分でした。(その写真は前ページにアップしました)

上野東照宮にも行きました。
ちょうど「東京香蘭会」の「寒蘭展」開催中で、先日修善寺で初めて寒蘭を見たばかりでしたから喜んで見させていただくことに。

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寒蘭は日本自生蘭。シンビジュームが人手が加わった西洋的な園芸品種だとしたら、ちょうどその逆と考えたらいいと思います。(最近は交配も始まっているそうですが)

時間がたっぷりありましたから何度も見させていただきました。

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何か満足できません・・・
思い切って会場にいらっしゃる方に
「どこに目をつけて見させていただくといいのでしょうか?」とお尋ねしました。

全体の姿:葉よりも花が高い場所に咲いている。葉の姿に乱れがない。
色に関して:花色・茎色・子房色。そのバランスとコンビネーション。とくに唇花にある斑点の色や景色。葉の色ももちろん。
花に関して:色以外にも花弁の形、花弁の開き方(120度平均的なもの、二枚で横一文字に最後の花弁が直立している)などなど丁寧に教えてくださいました。

そして会場の花たちをもう一度眺めると、前とは違うのです!
一つ一つが、よく見えます。

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「認知症も同じだな」

正しい視点を持って眺めた時に、初めて見えてくるものがあります。
「物忘れが認知症の始まり」と思ってしまうと、その前が見えません。たくさんの人たちに会うことも大切ですが、「脳の機能、特に前頭葉の機能」という視点を自分のものにしておくと、目の前の高齢者の行動がよく理解できます。

認知症の始まりは物忘れではなくて、「意欲の低下」です。そのつもりで高齢者を見てあげてください。

お茶をいただき、お菓子をいただき、幸せの時間を過ごしているうちに、寒蘭のひそやかな香りが立ち上ってきました。
思いを残しながら、当初の目的である「ツタンカーメン展」に行きました。


脳を使わないから老化が早まる

2012年12月08日 | かくしゃくヒント

高齢者にとって、生活が大きく変わるような出来事がおきて、その出来事に引きずられるようにイキイキとしたその人らしい生活ができなくなることこそが、認知症への一歩を踏み出したことになるのです。

東京上野で(11月18日)
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イキイキとした生活がなくなって、人生の楽しみも、生きていく意欲もなくなり、それでも、主婦にとっての家事のように判で押したような決まりきったことだけはやるというような人もいます。

決まりきったこともやらずに、新聞を読んだりテレビを見たりする人もいます。
ただしこのときは、はたから見てそのように見えるというだけで、実際は寝ているのと同じです。
読んだり聞いたりしている、そのテーマを確認してごらんなさい。
びっくりするほど、答えに詰まるはずですから。

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こんなタイプもあります。
特別何をするわけでもないけれど、毎朝1時間の散歩だけは欠かさないという人たちです。楽しそうでもなく、格別の目的意識を持っているわけでもない。それなのに毎日ちゃんと散歩を続ける人たちは、脳の老化の加速のスピードが明らかに遅いのです。(なかなかボケないということです)

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「脳を使わないから老化が早まる」なんという単純明快なことでしょうか?!

「散歩」がなぜ有効なのかを考えてみましょう。
答えも単純です。
散歩をしているとき、脳の機能から考えると体を動かす指令を出す部分(運動領域と言って頭のてっぺんにあります)が、必ず働いているのです。歩くことは全身運動ですから広範囲に使われるのです。1時間の散歩なら1時間の間中ひと時も休むことなく指令を出し続けます。つまり脳が使われている!

「脳が働く」ということを考えるときには、いつも「脳の司令塔である前頭葉は、どのように関与しているか」を考えましょう。
目的を持って歩いているなら、前頭葉はその目的を遂行することに喜びを感じたり、自分を励ましたりするでしょう。そのようなときには、光も風も、花も鳥の声も、いっそうイキイキと脳がキャッチするのです。
付け加えると、「歩き始めると、次にやりたいことを思いつくの」という高齢者の声をよく耳にします。歩くことそのものが前頭葉を刺激するのでしょうね。

散歩をきっかけにして脳全体にピカピカと活動のランプがともっている様子が想像できませんか?

P1000121閑話休題

上野公園にかわいい、草野球専用のような広さの野球場があることを知っていますか?
正岡子規記念球場。子規が野球という言葉を作ったのですよね。
文化会館のすぐそばです。

そこに子規の句碑がありました。

「春風や まりを投げたき 草の原」

写真を撮っている中年の人たちがたくさんいたのには驚きました。

脳の働きを推理するとき、外に現れることで判断しなくて、脳の内部ではどうなっているかを考えてあげましょう。
分厚いハードカバーの本を読んでいるときと、コミック本を読んでいるときはどちらが脳をよく使っているでしょうか?

今度の答えは、単純ではありません。P1000147
読んでいる人の興味関心の深さが答えを決めますから、そこを確認しなくては答えは出せません。

私たちは得てして、ハードカバーの本を読んでいれば脳を使っていると思いがちですが、興味もなく同じところばかり読んだり、ページだけめくっていたりしているかもしれません。
そこの確認が必須です。

脳を使っているかどうか自己評価の方法があります。
それは「その時間が早く過ぎたかどうか」ということを考えてみることです。
「あっという間に時間がたってしまった」なら、大丈夫、脳はイキイキと働いてくれたのです。
それがたとえコミック本を読んでいるときでも、おしゃべりの時間でもです!

しっかり脳を使って老化を加速させないように気を付けてください。


クリスマス

2012年12月07日 | 私の右脳ライフ

友人からのかわいいプレゼントがとどきました!(写真↑と別れ別れになってしまいました)

なんと手作り。
S村さんは、第二の人生の楽しみごととして「仏像彫刻」を選択したのです。 が、取り組んで2~3年というのにほとんど等身大の立像や半跏像をものにしてしまうことになってしまいました。
全く才能としかいえません。
この作品も、木を見て構成する力、バランスよく組み合わせる力、色彩の選択・・・
第二の人生を豊かに彩るものは、どう考えても右脳ベースですね。

その右脳を育てるのは、子供時代ということをもっと知らなくてはいけません。 長い、長い第二の人生を、脳の健康を保ちつつ生き抜いていく(ボケと無縁で生き抜いていく)には、仕事や勉強が得意な左脳だけでなく、趣味や遊び担当の右脳の出番が多いほど有利です。

S村さん、ありがとうございました。一足早くクリスマス気分になってます♪♪♪


ブログ村

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