脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

10月の右脳訓練ー上州温泉巡り(水上と四万)

2022年10月31日 | 私の右脳ライフ
(今日の投稿は全くの私的備忘録です。申し訳ありません)
夫が初めて旅行の計画を立てて、宿を予約しました!
稀代の方向音痴ということが関係あるのかないのか、夫は行先は決めるものの、その後はすべて私の担当ということで夫婦の歴史は積み重ねられてきました。
一方で、宿や食事については好みというか一家言あって、評価が厳しい。
今回、旅のオファーがあった時に「行先も宿もお任せ。絶対文句は言わないから」ということで、すべてお任せにしたのです。
やればできるものですね。
候補に四万温泉の名前が挙がって期待が膨らみます。一度も行ったことがないうえに、四万温泉の積善館は『千と千尋の神隠し』の湯宿のモデルの一つですから「行きた~い」
さらに北の水上温泉と、南の伊香保温泉合わせて3泊の上州温泉巡りということになりました。ちなみに私は水上温泉(谷川岳)と伊香保温泉(榛名湖)は訪れたことがあります。同じ目的地でも時も季節も違えば楽しみもまた違うはずです。
出発の朝、ちょっと検索してみると赤城山の紅葉が見ごろという情報が見つかり、そのページを見せて立ち寄ることを誘ってみました。その時は「いいね」といったのですが、いよいよ関越道に入り群馬県が近づいてきたら、紅葉の赤城山は関心外。理由はありました。「明日は谷川岳に行くのだから、今日は直接水上まで行く」
私は、承服できませんが運転は夫ですから…案の定、水上温泉ホテルジュラクには早すぎてチェックインができない時間に到着してしまいました。
屋上庭園から谷川岳を望む。部屋の眼下には利根川が。
「このホテルは、いろいろな予約サイトで評判がいいから選んだ」という夫の言葉通り、スタッフのキビキビした対応や細かいところにも心配りが感じられました。帰宅後の情報ですが、予約サイトのジャランでグランプリを獲得したそうです。
お部屋のコーヒーは豆を引いてドリップする方法で、私はホテルでは初めて経験しました。広いフリースペースではイラスト展開催中。ゆっくり読書もできるようになっていました。
夜はエレキギターのコンサート。ちゃんと高齢者向けでしたよ。

食事も屋上のお庭も楽しみ、翌朝さあ、谷川岳。
ロープウエイ土合駅までの車中でまたひと悶着。ロープウエイで上がった後、そのままリフトに乗るものと思っていたら「さらに上がれば、寒い。風も強いだろうし」とリフト拒否派が出現。「風が強かったらリフトは動かないから動けば大丈夫」というリフト容認派と意見が折り合わず「まあ上がったところで考えよう」ということになりました。
結末は、案ずるより産むがやすしで、ロープウエイで頂上駅に到着した人たちはみんなそのままリフト乗り場に進んでいきますから、その流れに乗ればリフトに乗れることになっていました。いずれにしても頂上駅からはみんなリフトに乗り換えていて、風もなく寒くもなかったので、特別の協議は不要でした。
昨日の赤城山を補えそうな(多分。何しろ行ってないので正確には言えません)、青空と紅葉を堪能。どこから見ても山の稜線と青空がくっきりと見えるのです。案内板と目に見える山をひとつひとつ確かめられるほどの天気のよさです。360度の眺望に息をのんでいると、なんと富士山が見えたのです!内心は大声を出したい気持ちでしたが、あんまり大きな声を出さずに「富士山が見えますよ」と周りの方たちに知らせました。そうしたら。10回くらい谷川岳に登った人が、「一度も見たことがない」というくらいラッキーなことらしいです。何かうれしくて興奮してしまいました。やったぁ~。
そうそう、この時も夫との感覚の違いに驚かされました。「そりゃあ、富士山は静岡から見るほうがきれい。ここからだとまあ形が富士山というだけで」

二泊目の宿は四万温泉。初めて聞いたとき「島温泉」かと思って、海なし県の群馬になぜ「島?」。その答えは四万の病に効能ありというほどの泉質の良さを意味していると教えてもらって以来一度は行きたいと思っていた温泉です。
道中の月夜野にリンゴ街道があって「11代彌平次リンゴ園」という看板にひかれてリンゴを買いました。その折多分12代目を継ぐ青年と楽しくお話をしました。目的を決めたら一筋という夫に対して、私は何でも見てやろう、できればやってみよう精神なので、考えたら一緒に旅をするにはちょっと超えられないほどの溝がありますが、この青年との出会いは二人とも満たされた時間でした。

それから八ッ場ダム。近所にあることがわかってから、寄りたい病発症。
「八ッ場ダム行ってどうするの?」という質問には「何もしないけど、民主党の時に話題になったでしょう。だから行ってみたいだけ」我ながら説得力がないと思いましたが、道の駅二か所に立ち寄ってくれました。天気に恵まれた吾妻川は、それだけで寄った甲斐があると、私は思いました。夫には確認しませんでしたが。
巨大な工費、反対運動、首都圏の水がめなどなど、帰ってから勉強しなおしました。八ッ場ダム

初めて「しまおんせん」の名前を聞いたのはもう20年くらい前になります。
四万温泉といえば積善館。『千と千尋の神隠し』のモデルの一つとも言われているので、私流儀なら泊まりたいに決まってます。夫の第一候補も積善館だったそうですが、残念ながら満室だったとのことで、珍しく特別の疑問もさしはさまれないまま見学に連れて行ってくれました。
私たちが泊ったのは四万温泉入り口の四萬館というちょっと古い旅館でした。井伏鱒二や太宰治が投宿したため文人の宿というキャッチフレーズを持っています。
何より湯量が豊かで、成分が濃いのか蛇口周りは石灰化したもので覆われています。大浴場の他貸し切り風呂が6か所もあり、無料で予約も不要。入り口の札を使用中に掛け替えて中からカギをすればいいという手軽さです。それで内湯と四万川を眺める露天風呂があるのですから、温泉好きにはたまりません。
その中に「おんせんにんぎょの湯」発見!作者の神田さおりさんが長男とご縁があって、制作中の写真がFBで紹介されていました。「なんという奇遇」とさっそく写真を撮って(貸し切りですから)長男に送りました。リンゴ園での出来事といい、こういう予定外の喜びごとが旅を楽しくします。
この旅館は大正期に創業ということで、風格のある日本建築の趣が残っていました。

三日目は、草津によっていよいよ最終目的地の伊香保温泉です。続く。


ハイビスカスにツマベニチョウ(2021年11月沖縄)

認知症に関して理論的に詳しく知りたい方は、以下のブログもお読みください。

続 敬老の日に発表された高齢者人口統計を読む―男女比

2022年10月30日 | エイジングライフ研究所から
表やグラフを眺めるのが好きな人もいるとは思うのですが、私には苦手な分野です。
敬老の日に総務省統計局から発表された高齢者人口統計。珍しく丁寧に読んでみて、敬老の日に発表された高齢者人口統計を読むとしてまとめてみました。
高齢化率が29.1%であること。わけても80歳以上の高齢者が増加していること。
2040年には総人口は11092万人。80歳以上人口は1578万人、つまり総人口の14.2%!言い換えれば国民の7人に1人が80歳以上ということになるという予測には、驚いた方が多かったようです。

今日の投稿はフロクです。
同じ年齢層で男女比を調べると、女性優位なんですよ。件の総務省のデータを張り付けてみますが、どのくらいの方が読んでくださるかわかりませんので、特にわかっていただきたいところを抜き出してみました。後のグラフは見てくださいね


ヒトのデフォルトは♀(女)。
どうも♂(男)は、か弱いということで出生時には女:男=100:105.0で生まれてきます。
64歳以下で見ると女:男=102.6。ところが65歳以上で調べると女:男=76.9。その後は直線的に降下して95歳以上では女:男=100:23.6。100歳以上だと女:男=100:14.8。
100歳以上の人口で見ると、女:7万人、男1万人。だいたい15%、百歳以上だと女7人対して1人が男ということになります。

1991年に、まだ世の中では全く目が向いていなかった「100歳」をターゲットに脳機能が元気な方の脳機能と生活実態の調査をしました。翌年ようやくダスキンのコマーシャル(100番100番)で100歳の双子のおばあちゃんが登場したのです。きんさんとぎんさん。
タイトル通り、1991年敬老の日の発表によると東京・神奈川・静岡・愛知での100歳以上の高齢者は819人でした。ちなみに全国ではたった3,625人!見にくいでしょうが、一応張り付けておきます。今年は約8万人です。
1991年の調査では、女;男=約4:1。それからしばらくは敬老の日の発表のたびに「あ~やっぱり女性は男性の4倍。男性はか弱く生まれて、やっぱり早く亡くなるんだ」と思っていましたが、100歳以上の人口が増加するにつれて、男女比はどんどん女性上位の傾向が顕著になっていきました。
つまり長生きになったことは間違いないのですが、その大部分は女性が占めている…

この記事を読んでいる男性の方はちょっとがっかりされましたか?それとも予想通りと思われたでしょうか?
この調査の時に興味深い傾向が明らかになりました。

調査対象819人の男女比は女:男=4:1
この調査は、前もってお配りしたアンケートから「脳機能が元気な方」を抽出して、「家庭訪問させていただいて脳機能測定を実施し、生活実態をおたずねする」ということを明記してあるものでした。アンケートをチェックした結果家庭訪問して個別検査する必要性がある方は71人よりも少し多かったのですが、マンパワー不足で伺わないうちに体調を崩したり亡くなられたりして、結局戸別訪問して脳機能検査を実施した方が71人だったのです。
戸別訪問した方たちの男女比を見ると女:男=4:3.
つまり百歳以上の方たちの中で、脳機能がイキイキしていらっしゃりそうな方々は男性の方が多い、ということですね。
さらに、脳機能検査の結果、前頭葉機能を含め脳機能がイキイキしてはっきりと合格圏にいる方は、全部で13人。その男女比は女:男=5:8.
つまり女性は長生きできますが、100歳超えてかくしゃくといられるのは難しい。男性は百歳を超えてかくしゃくと生きている人は、体の健康に恵まれているということでしょう。

結論。
私たちエイジングライフ研究所では「体の健康・脳の健康」といいます。どちらも大切に守っていくのはほかならぬ自分ですよね。
とても雑に言ってしまえば、女性は体の健康を維持して長生きできる特徴を持って生まれてきているからこそ、「脳の健康」にいっそう心を配るべきでしょう。
男性はか弱く生まれてきていますから、「体の健康」に注意して体を持たせるということにちょっと余分の配慮をしてほしいものです。

この調査からは、百歳ともなれば、多くの人たちは脳機能は全般的に低下していること。(819人中前頭葉機能まで合格した人は13人に過ぎない)
生き方の違いが脳のイキイキ度を生み、合格した13人には共通した生き方の特徴がみられること。
その特徴は、自分の人生は自分で生きるという覚悟があるのです。意欲・興味・感動を失わない。楽天的。自立心があるなど。つまり日々の暮らしの中で、自分らしく前頭葉を駆使する場面を持ち続けているということが最も際立った特徴だと思いました。





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ニューヨークランプミュージアム

2022年10月27日 | 私の右脳ライフ
近所のニューヨークランプミュージアムの友人から「とうとう、アサギマダラが来ました!」と連絡があったのは先週のことでした。
あまりのお天気に誘われて久しぶりに、訪ねてみることにしました。
ゲートをくぐって最初に目に飛び込んでくる景色に「今日来てよかった」と口に出てしまいました。
新島と珍しく式根島も見えています。
さっそくフジバカマ畑へ。天気はすばらしいのですが風がちょっと強かったので「アサギマダラにとっては飛びにくいかもしれないなあ」という推理は、残念ながら的中してしまいました。
でも群生しているフジバカマに風が渡っている様子は、秋を感じるものでした。

後で係の方が教えてくださいました。「昼過ぎ、2:30くらいがいいかな。ところでフジバカマにはオスのアサギマダラしか来ないんですよ。フジバカマの毒分からフェロモンを作ってメスを呼ぶそうです」

三重県への旅に途中に知り合ったT本さんが、フジバカマの苗を送ってくださったのは今年のまだ寒いころでした。「うちだけに植えるのももったいない。ニューヨークランプミュージアムの海と空をバックにアサギマダラが飛ぶのも素敵だろう」と、お持ちしました。
なんと、ニューヨークランプミュージアムでも同じアイディアが採用されていました。まさにその時フジバカマの畑が用意されて植え付けるところだったのです。
私がお持ちした三重県産のフジバカマは、いわば原生種。花がどう見ても小さい…アサギマダラはどちらがお好みでしょうね。
三重県の白色フジバカマ。

三重県のフジバカマ。紅花も。

アサギマダラがいなくてもニューヨークランプミュージアムはいつ行っても素敵なところです。
景色のパーツが同じでも、空の色、海の色、波の様子…いつも新しい感動が生まれます。
ここは北にある門脇灯台を望む私のベストスポット。
今日はちょっと違うポイントからも写してみました。

南方向に目を向けると。
もちろん島はチャームポイント。利島と新島。

伊豆七島といえば、伊豆大島ですね。手前は野生化したようなローズマリー
海の方向と逆に目を向けると、山焼きで有名な大室山が飛び込んできます。

そして、園内にはいつもちょっとした工夫があります。
いつもなら、こういう景色に出会えるのですが。

何しろ天気晴朗なれども風強し、強風でした。

園内のよく手を入れられた花たち。
トレニアもこのくらいまとまると目を引きます。

アサギマダラじゃあないチョウチョ(名前は知りません)が花を求めて飛んでいました。
イソギクは黄色の花がピッシリと実に変身しています。

アメジストセージのピンクは珍しい。
今日もニューヨークランプミュージアムで楽しいひとときを過ごしました。
ちょっと意欲を出して、生活に変化をつけましょう!
























敬老の日に発表された高齢者人口統計を読む

2022年10月19日 | エイジングライフ研究所から
今年の敬老の日に総務省から発表された日本の高齢者数は3,627万人でした。もちろん高齢化率は29.1%と過去最高。

エイジングライフ研究所が、全国市町村に向けて認知症予防活動の可能性と必要性を説き始めたのは、もう30年以上も前のことになります。
当時は「ボケは防げないし治せない。ボケてしまったら介護しかない」という時代でした。その後、介護保険が登場して、介護の社会化が図られるようになってきました。そして今、社会が担う介護負担が増え続けていることに、恐れに近い気持ちを私は持っています。年間20兆円を超えているのです!

認知症の予防活動に取り組もうとするのは、人口減少や過疎化が進んでいる市町村が中心でした。
そして、首長さんや担当課長さんとお話をするとき、高齢化率が25%を超えるかどうかということが、認知症予防の切迫度を決めていることをヒシヒシと感じました。
もうひとつ、人口の多い都市部の保健師さんが言った言葉も忘れられません。
「高齢化率は低くても、何しろ対象者数が大きいから考えるだけでもゾッとする」
「予防にどう手をつけていいのか分かりません」

まず簡単にこの答えをいっておきましょう。
①正常者に対する予防こそが最も効果的。
②そのカギは「脳機能。わけても前頭葉機能」何の問題も起こしていない人に、認知症予防を言うとしたら脳機能に目を向けてもらうしかありません。
③前頭葉機能にはもともと老化のカーブがあることと、それだけでは認知症にならないこと。
④認知症発症には、大きな生活上の変化をきっかけにしてそれまでのような「その人らしい、イキイキとした生活」が消え去り「生きがいも趣味も交遊もないナイナイ尽くしの生活」が継続することが必要条件であること。
⑤脳にも筋肉と同じように、使わないから老化が進む(廃用性機能低下)ということが起きることを理解してもらう。
⑥具体的には、認知症予防を目的とはっきりうたった予防教室を立ち上げる。その時の注意として。
・正常者を中心にして前頭葉機能だけがうまく働いていない人たち(小ボケ)を1/3にとどめること。
・行政主体の教室運営を半年から1年間程度実施した後は、自主活動で継続することも事前に確認しておくこと。
・理解とモチベーションを高めるために教室の開始時と終了時に脳機能検査(二段階方式による)を行い、脳機能の改善・維持・低下を評価すること。
⑦体の健康を維持するという生き方が浸透してきているように、脳の健康についても、どのような生活が脳の健康に必要なのかの教育を並行して行うことが大切。
イランイラン(Jガーデン)

話を戻して、総務省統計局の発表をよく読んでみましょう。以下青字は引用。
我が国の総人口(2022年9月15日現在推計)は、前年に比べ82万人減少している一方、65歳以上の高齢者(以下「高齢者」といいます。)人口は、3627万人と、前年(3621万人)に比べ6万人増加し、過去最多となりました。総人口に占める割合は29.1%と、前年(28.8%)に比べ0.3ポイント上昇し、過去最高となりました。
男女別にみると、男性は1574万人(男性人口の26.0%)、女性は2053万人(女性人口の32.0%)と、女性が男性より479万人多くなっています。
 人口性比(女性100人に対する男性の数)をみると、15歳未満では105.0、15~64歳では102.6と男性が多いのに対し、65歳以上では76.7と女性が多くなっています。
 高齢者人口を詳しくみると、70歳以上人口は2872万人(総人口の23.0%)で、前年に比べ39万人増(0.4ポイント上昇)、75歳以上人口は1937万人(同15.5%)で、前年に比べ72万人増(0.6ポイント上昇)、80歳以上人口は1235万人(同9.9%)で、前年に比べ41万人増(0.4ポイント上昇)となりました。なお、75歳以上人口は、総人口に占める割合が初めて15%を超えました。これは、いわゆる「団塊の世代」(1947年~1949年生まれ)が2022年から75歳を迎え始めたことによると考えられます。

もう一度グラフを見てください。 

このグラフを見ると、高齢者の中でも白で表される80歳以上の人たちの増加が著しいことがすぐわかります。
別に発表された表で細かく数字を見ていくと、高齢化率29.1%のうち後期高齢者といわれる75歳以上は15.5%で半数を超えています。
1950年と2022年を比較してみましょう。
高齢化率4.9%→29.1%
75歳以上106万人→1860万人(約17倍)
80歳以上37万人→1154万人(約31倍)
80歳以上の人たちの増加が著しいことがわかります。この傾向は今後も続き2040年には1578万人、その時の総人口は11092万人。つまり総人口の14.2%!言い換えれば国民の7人に1人が80歳以上ということになります。
65歳以上の高齢化率は35.3%。若い人たち13人で高齢者7人を支える!
どんな社会なのでしょうか?
ヘリコニカ(Jガーデン)

もう一つのアプローチがありました。各国の比較です。

グラフのように日本の高齢者人口は突出して高いことがわかります。
国民の7人に1人が80歳以上の国に向かっている日本にはモデルはない…人類始まって以来の状況が生まれようとしています。
月桃(Jガーデン)

もちろん、不老はあり得ないとしても長寿は人類の究極の希望ともいえるわけですから、世界に先駆けて到達できたことは、経済の力に支えられ、また医学の進歩や保健指導や国民の努力が功を奏した結果でもあり、まあ誇りうることでしょう。
ただ、手放しで喜ぶことができない思いが沸き上がるのは私だけではないと思いますが、どうでしょうか?
それは、認知症の問題がムクムクと胸に湧き上がってくるから、ですよね。
サンゴバナ

認知症は防ぐことができます。
介護を要する状態になるまでには、数年間という猶予があります。
国民がそれぞれ体の健康に注意して世界一の長寿国が実現できたように、脳の健康にも注意してほしいものです。体がどうしようもなく持たなくなる時まで、脳も健康であり続けることが当たり前になる社会を実現させてほしいです。
脳の健康は、自分が自分らしく生き続けるという覚悟を持つところから始まります。
高齢期は喪失の時代ともいえます。愛する人たちとの別れ、どうしようもない加齢による肉体的な衰え(視力聴力をはじめ体力低下。内臓機能の低下などなど)。そのような受け入れざるを得ないものは受け入れながら、その喪失感の中でも生き続ける意味を感じ取ってほしいと思います。「自分らしく生きていく」というときに「一人では生きられない」ということにも気づきましょう。
子どもがその年齢に達したら幼稚園や保育園に通うように、高齢になって、することがない、会う人も話す人もいない、楽しみもない、このような状態にならないように、脳が元気なうちから「脳の廃用性機能低下を防ぐ認知症予防のための集いの場所=楽しい時間を保証する場所(楽しいときには脳は活性化)」が必要になるのです。



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お悔やみの手紙

2022年10月12日 | エイジングライフ研究所から
古い友人が亡くなった知らせがきました。遠方に住んでいてお会いしたことがない娘さんにあててお手紙を書きました。
「死に別れること」を私はこんなふうに感じています。

お母さまご逝去のお知らせが届きました。ここしばらく「〇〇さんはどうしているかしら?冬も近づいてきたし様子を聞いてみなくっちゃあ」と思っていたのです。
最近は会うこともかなわずでしたから、声が浮かび上がります。
お家に帰られてから電話でおしゃべりしたのが最後ということになりましたが、考えたら私たちは折に触れては結構おしゃべりをしてきました。
離れて住むようになっても年に何回かの電話の時には、双方の近況報告でついつい長電話になってしまいました。
昨年末の電話では「私ね、とうとうガンになっちゃったの」とびっくりさせられましたが、でも落ち着いたふつうの声でしたよ。
次の電話で「この歳だから、何もしなくてもいいと思うんだけど、主治医の先生が「それはもったいない。治療すべきだ」といわれるし、京都の娘も「こっちで治療しよう」といってくれるから、行くことに決めました」
入院中には携帯で電話ができたので「治療も、覚悟してたけど何もつらくない」と笑っていました。
退院しても「上げ膳据え膳。こんなことでいいのかしら」とむしろ幸せそうな口調でした。

私たちは40年も前に知り合ったのです。磐田病院精神科に心理担当として非常勤で働き始めた時、〇〇さんは、その精神科担当の看護婦さんでした。その時のお歳がわかりませんが、イメージとしたら患者さんのお母さんのようでしたよ。
〇〇さんにはどこか毅然とした印象がありました。とっても優しいのに。

時々は我が家にも遊びにみえて、私の手料理を何でもおいしく食べてくれました。そして「私は食器洗いが好きなんです」といいながら、きちんと片付けてくださったことは忘れられません。
特に私の母が来ているときには、一度は顔を出してくださったものです。二人で楽しそうにおしゃべりしている姿が目に浮かびます。〇〇さんは私の母が好きだったみたいです。母もちょうど娘のように感じていたと思います。

人のご縁は不思議なものです…
人生のある時に密に触れ合って、その後交流が減っても、気持ちの中では何も変わらない関係を感じることができる人がいます。〇〇さんはそういう人でした。

父を亡くして半年もたったころ、ふと気づきました。
生きているときには帰省しなくては父と会えないと思っていましたが(あたりまえですね)、亡くしてしまえば、胸に思えば、いつでも一緒にいてくれる、それこそ声が聞こえてくるのです。こうして子供の中に生き続けることができるなら、死ぬこともそんなに怖くはないと思いました。
それから母や兄を見送り、親しい友人との別れもありました。
そして〇〇さんとも。
長くお会いしていないからかもわかりませんが、私の中の〇〇さんは変わらず私の中で生き続けています。

ご家族には深い悲しみの時が続いているのかもしれないのに、勝手な私の思いを書き連ねてしまいました。
〇〇さんは充分に生きられたと思います。そう言いながら、でもこんなに早くお別れを言うことになるとは思わなかったことも、お話しなくてはいけません…
心から、本当に心からご冥福をお祈りします。
そして残された皆様がお元気にお幸せに過ごされますようにと祈ります。

枝豆と遊ぶ

2022年10月06日 | 前頭葉の働き

この量の枝豆がウチにやってきたのは、半世紀の歴史で初めてです。とにかく10時ごろから夕方まで、一日中枝豆を触っていました。

ところで、タイトルを考えるときに、一番に浮かんだのが「遊ぶ」でした。
「料理」もあり「格闘(量!)」もあり「整理」でもいいかもしれません。
もちろん「おいしかった」ということばだって適切なんです。
今日の一日を私がどのように評価しているかということが、一つの言葉で表されます。枝豆を持ってきてくださるに至る人間関係。市内の畑で丹精込めて作られたこと。もちろん未経験の量。食べ物に対する思い。あれこれの調理方法の情報収集。そして味!
どこに重きを置いているか。それを決めるのは、もちろん前頭葉です。

自分が置かれた状況をどのように理解しているか。
「うわ~。こんなにたくさんくださった。ありがたいこと。無駄のないように大切に頂かなくては」
その状況から、次への展開をどう考えるか。
「とにかくまず全部を切り取って、ゆでなくっちゃあ。もちろん冷凍するにしても、新しいうちにお隣へお裾分けしなくっちゃあ。
夏に帰省したお嫁ちゃんがゆでてくれた枝豆は絶品だったから、レシピをもう一度教えてもらおう」
考え着いたことを一つ一つ実行していく。
「椅子を持ち出して腰かけてやる仕事。ラジオも聞きながらやろう。夫に声をかけてみようかな?」
何も言わなかったのですが、手伝ってくれました。左上に手が(😊)

きれいに切り取りました。2.5kg!

こんどは料理する段階。前頭葉は目的や手順など計画実行の司令塔でもあります。
お嫁ちゃんの電話がまだだったので、私流で500gゆでました。ゆであがりをざるに取ったら上下に振って冷ます方法(陸揚げ)です。
その後レシピを教えてもらいましたから、そこから後は500gずつ3回。氷を大量に用意して、ゆであがりを氷水の中に投入。「色止めです」といっていましたが、味がちょっと違う。凝縮されているというか甘みがちょっと増してくるというか。とにかくおいしい!
比較検討というときにも前頭葉は主役です。

じつは、「この前ずんだ餡も作りました」と話が発展しました。早速確認して一つ新しい情報をもらいました。
私が以前、子どもたちのために作ったときには、薄皮を剥く時に一粒ずつ剥いていってほんとに気の遠くなるような思いをしたのですが、水を入れたボールの中で「くちゃくちゃ」として、浮いた来た薄皮と水をそっと捨てるのでオッケー!と教えてくれたのです。
「検索したら一番上に載ってました」と笑っていましたが、ネット情報よりも実際にやった人から教えてもらうのが好きです。
30分茹でました。さすがに鞘は緑色を通り越しました。

鞘から外すと350g。実はきれいな緑色ですよ。

しっかり水切りして。

摺鉢、すりこぎ用意。

昔はすり鉢でやったのですが、なかなか大変。とうとうあきらめてフードプロセッサーの登場。

ちょうどお餅があったので、湯煮して。
テレビのグルメ番組ではないのですが、実食!
どの器に、どのくらい入れるのか。この段階も前頭葉の出番。一般的な認知機能検査は合格し、前頭葉だけが年齢を超えて老化を進めている状態(小ボケ)になると、器とか盛り付けとかには関心がなくなります。味はよくわかりますが。つまり受け取るのも前頭葉の働きです。
食卓を考えてみると、食料だけあればいいものではありませんね。より一層のおいしさを提供するのも前頭葉、それをしっかり受け取るのも前頭葉ということになります。

この写真に、こんなコメントが付きました。
返信をスタンプだけで返してみましたが、こういう時間も結構面白いな~と。(前頭葉が評価しました)


止まらない手に負けて山ほどいただき、お裾分けもしてそれでもたくさんありますので、冷凍保存しました。

ずんだ餡は当日中に食べるようにということですから、これも冷凍。お客さんが来たらお茶請けにしましょう。


今日一日を振り返ると、結論「枝豆で楽しませてもらったなあ」と私の前頭葉は評価しました。
だからタイトルは「枝豆と遊ぶ」!

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