脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

小布施町 脳のリフレッシュ教室交流会

2024年02月21日 | 認知症予防教室
今年も小布施町 脳のリフレッシュ教室交流会に伺いました。
一番最初に山王島の教室が始まったのが2002年。それから町内各地区に1教室ずつたちあげて、2007年から教室交流会を年度末に開催するようになりました。コロナ禍で実現できない年もありましたが、山王島の教室が20周年を迎えた去年の交流会再開はみんなが待ち望んだことだったと思います。
小布施町 山王島「脳のリフレッシュ教室」20周年
今年は北部地区の教室が20周年を迎えます。
毎年うれしくなるのですが、地域包括支援センターの皆さんはなんと豊かな前頭葉を持っていらっしゃることでしょう。皆勤賞や継続賞の文言、賞品…
今年は櫻井町長さん、副町長さん、保健福祉課長さん、どなたも出席がかなわず(例年どなたかが必ず出席されるということは、この認知症予防活動が評価されているということでしょうね)「今年は町長もどきが登場します」と予告がありました。
「櫻井町長もどきからご挨拶です」本間センター長は明るく紹介した後、いったん袖に入り再登場したら会場大盛り上がり。

挨拶も低い声色で、完璧!町長さんには椅子に座って交流会に参加していただきましょう。

そのままの和やかな雰囲気のまま継続賞授与式へ。継続賞の言葉がなんだか素敵で、見せていただきました。
コロナの影響でたくさん集まっていただくより規模を縮小したほうが安全ということで2回に分けての交流会で、初日は東部地区と北部地区の発表でした。


幕開けは東部地区。

東部地区はハモニカ伴奏つきの合唱です。
「青い山脈」の替え歌合唱で十分楽しいのですが、ハモニカ伴奏が付くとみなさんで合わせる努力をなさったのが一層感じられますね。

替え歌の歌詞に私は胸を突かれました。「悲しい時に分かち合う」というだけでなく「楽しいこともみんなで一緒」という歌詞で、高齢期を生きていくときにはこういう気持ちが必須ではないかと思ったのです。
認知症から身を守るには、自分で自分の脳を正しく健康的に使う自助と近隣がお互いに支えあう共助とそれでもおぼつかなくなった人に手を差し伸べる公助の三段階がありますが、共助は普段からの関係性が続いていないと難しいでしょう。脳のリフレッシュ教室の長い歴史が(東部地区は来年20周年ではないですか?)こういう温かい支えあいの気持ちを育ててくれたに違いないと涙がちょっと出てしまいました。

北部地区はカラフルな法被を身にまとっての登場です。演目は紙芝居。新しい取り組みでした。
紙芝居の筋に乗って、指示通りに会場に大きな声が響くところが小布施町の脳リフ教室生の素晴らしいところです。もちろん演ずる側も楽しげです。
 
山王島!山王島教室は大人数で始まりましたが今日の参加者は8人。人数が減ったことよりも、初回にお顔を拝見した方がいらっしゃるということ、21年間継続されたことに感動してしまいました。心からありがとうをお伝えしたいと思いました。



スタッフの皆さんはいつも紫色のTシャツ着用して「紫色のお姉さん」と名乗るのですが、紫色のお姉さんの背中が「がんばれ」と声援を送っているとしか思えません。会場の皆さんの手拍子もやはり山王島の皆さんへのエールのような気がしました。
飯田地区も派手な法被で登場。

歌いながらの手遊びを披露してくれたのですが、もちろん「皆さんもぜひやってみてください」という声掛けがあります。



会場にとても自然に二人組ができるんですよ。この楽しそうな笑顔。せっかくの発表を見ている人がいなくなって、皆さんけっこう夢中。「すご~く久しぶりだったので楽しいね」って聞こえましたよ。


最後の横町地区。登場してくる教室生の楽しげなこと。あたま、手首、足首の飾りを決めるときにもこんな笑顔だったのでしょうね。



『365歩のマーチ』に合わせた、体操です。もちろん「体も動かしながら、歌も歌ってください」はお決まり。


この頃よくデュアルタスクということばに出会います。歌いながら調理するとか歩きながら暗算するなどのように、二つのことを同時に遂行すれば脳が元気になるというのです。もちろん同時進行の課題があれば、前頭葉の注意集中や分配力がなければお手上げになるので、その意味では正しいといえます。
ところで一人で黙々とデュアルタスクを遂行するときと、みんなで笑いながらするときとでは脳の働き具合は飛躍的に変わります。人は一人で生きるようになっていません。なぜこのような視点が入ってこないのでしょうか?脳はもっと複雑に機能します。認知症の研究をネズミやマーモセットでできるという発想をどう思いますか?

今回講演でお話しするときにこんな試みをしてみました。北部地区の北沢さんは替え歌つくりの名人で、たくさん作っていらっしゃいますが、一番最初の作品から一つパワーポイントに入れておきました。
これも『青い山脈』の替え歌です。事前の打ち合わせなく、その場でマイクを向けると抵抗なく歌い始めてくださいます。もちろん皆さんも大きな声で合唱です。
このような脳の使い方ができることは、間違いなく認知症予防に直結する脳の使い方です。
今年は北部地区が20周年ですから、表彰式がありました。記念品は春を告げる鉢植えの花。皆さんがあれこれ選びながら、自分の選んだ花が一番かわいいと思っていらっしゃるのがよくわかりました。口々に「マスクを外したほうがいいね」「お花がよく見えるように」などとお世話を焼きます。


ポジティブ思考も大切なことです。北沢さんのもう一枚の替え歌も上げておきましょう。

北部地区の長老である田中七郎さん。奥様が先立たれ、千年樹の里近くのホームに入所なさったと聞き、ちょっと心寂しく思っていました。2年前にこんなに交流会を楽しまれていた田中さん。その時94歳と聞きました。

なんと当日施設の職員の方と一緒にいらっしゃってくださいました。
そして皆さんと一緒に歌い、運動もし、北部地区の20周年記念品も選ばれました。



終了時には、北部地区のみんなが田中さんの周りを囲み、田中さんが一人ずつの名前を言われ、そうするとみんなが笑顔になって。きらきらした濃密な時間を楽しんでいらっしゃいました。96歳の田中さんが交流会を楽しまれたことはみんなを幸せにしてくれました。
20年前に始まった北部地区の脳のリフレッシュ教室が、2年前のあの元気な94歳の田中さんを実現させてくれたことは間違いなく、しばらく参加できない期間が続いてもその積み重ねが今回の交流会での珠玉のひと時を生んだ…
認知症を予防するということは、ほんとうに生き方そのもの。その時その時を充実させながら生きることだと教えていただいたような気がしました。


by 高槻絹子




認知症予防の対費用効果を考える

2023年12月16日 | 認知症予防教室
ユングの共時性!と思うようなことが時々起こります。
「なごみの部屋」の我妻さんが、脳機能が正常な高齢者に対する認知症予防こそ最も重要であること
を訴えたばかりだというタイミングで、今度は行政側で働いている保健師さんから、同じような趣旨の発言が届きました。
彼女は定年を迎えた後も、その経歴を生かして非常勤で仕事を続けているのです。もともと保健師さんは対象は赤ちゃんから高齢者まで、種々の障がい者の方々の支援、検診や相談事業の手伝い、何よりその対象者の生活を見ることができる力を持っていますから、定年後も地域で活動を続けている人たちが多いのです。待遇はボランティアのようでしょうけれど、むしろ「お役に立てるなら」と自分の生きがいとして働いている保健師さんを何人も知っています。
写真は先日の横浜

さて、彼女の言い分です。
その前に彼女が今働いている「市」も御多分に漏れず平成の大合併で合併しました。一つの市を中心に5町村の合併でした。もちろん対等合併ではあるのですが、人の心までが対等かというとなかなか難しいところがあります。二段階方式を導入して着々と成果を上げている町もあれば、全く知らない町もあり、何より中核になる「市」の理解がないままに合併したので、難しいところもあったと思います。
かといって悲観論ばかりお伝えするつもりもなく、二段階方式を導入する良さも継続していますのでそこをお伝えしたいと思います。

合併前に二段階方式を導入してかなり長い間「ボケ予防教室」を実施してきた、もともと所属してきた町での取り組みです。その町は大きく分けると7地区あり、そこにそれぞれ数行政区があるということです。そこで彼女が関わっているのは、いわゆるサロンといわれる事業です。これは介護保険の対象外の高齢者への働きかけですから、行政が実施していることをまず評価しなければいけませんね。(全国的にはサロンは社会福祉協議会が実施していることがほとんどです。だいたいが高齢者をお客様扱いしていることが多いという印象を持っています。長寿科学振興財団は高齢者サロンは認知症予防につながると明言していますが、ここに活動内容例が書かれていて、逆に後述のようにサロン運営のやりにくさをもたらしているようです)

「全地区一応サロンがあります。午前中の1時間半なのですが約40か所。私たちが行くので継続できているなあと思われるところももちろんあるのですが、活動が活発なところも、私たちが行かないときでもサロンの他に自主活動をしているところまであるんです」なんとなくそう伝えてくれる声は弾んで聞こえましたよ。
「だいたい、各サロンは年に8回~12回、開催するのです」
さあ、ここからがこの「市」の取り組みの良いところです。それは4人のスタッフを雇いあげて、各サロンに派遣しているということです。保健師さんや看護師さん、その他の方々もいるのかもしれません。
その保健師さんは9時~12時で月に10日働いているそうで、他の方たちも10日だとすると、それぞれの教室に一人の指導員が参加できているということになりますね。
その人たちの給料は、職歴や資格などで一律ではないようですが、パートタイムの雇上げですから、おおざっぱに言えば3時間で4,000円くらいかと…

そうすると1か月に必要な人件費は4000円×10日×4人=160,000円。
1年間だと160,000円×12月≒200万円。
なごみの部屋の記事の時に試算しましたが
「一人の人が介護度1にならなければ、介護支給限度額は約17万円/月ですから、年間でいえば約200万円が自由に使えます。たったお一人、要介護1になることを1年先送りにしただけで捻出できる200万円」

サロン参加者の総数を聞きませんでしたが、サロンに継続的に参加している人たちは楽しいから継続できている方が大多数、なんとなく付き合いでという方もいらっしゃるでしょうが、それでもその人たちが、行くところもなく家で一人で暮らし続けていることを想像すると、サロンに参加することで認知症が先送りになるだろうということは想像できるかと思います。

認知症の原因をアミロイドベータやタウタンパクや脳の萎縮に求めていたら、サロン参加で認知症が先送りになることは考えつきもしないと思います。高齢者の実感はサロンがあることが生きる支えになっているのです。
「サロンに来れば、楽しく生活ができる。これでボケはしない」この実感を満たしてあげてみましょう!

実はこの保健師さんは「合併前に私が中心になって二段階方式による『ボケ予防教室』を実施して、確かな手ごたえ(実は脳機能テストによる客観的な評価まである)があったからこそ、この事業の必要性や重要性がわかり、間違いなく認知症予防につながる自信もあるんです」と言っていました。

「市」の体制としては、有償でスタッフを確保しているところは評価できるところです。
ただ問題もちらほら…
まず多分根本的な理解不足だと思いますが、アクティビティの内容に規制が多い。モノづくりに偏らないように。1.5時間の時間内に完成できるものにするように。体操ゲームなど常識的なものを取り入れて。
一方、保健師さんは「1年かけて完成させるようなものを取り入れたいんです。規制をかいくぐってお手玉作りをやりました。数珠玉を栽培、収穫して、お手玉をみんなで制作。そしてみんなで遊んで楽しむ。その流れの中で自主的な活動が引き出せて、スタッフはお手伝いする体制ができるんです」確かに…

数市町村で新市になったのだから、市として公平にサロンはどこにも展開しているでしょう。このような経験に裏付けられた認知症予防をやっている町と、通り一遍のサロン活動に終始している町で差が出ているはずです。
例えば、介護申請率の違い。高齢者の介護度の違いなど、すぐにその差が出てくると思われます。
「介護保険課に『この地域の差をチェックしてください』と要求しても、『プログラムが市全体のまとめになっていて、細かい設定ができない』って言われるんですよ」
「地域ごとの集計ができないなんて!差がはっきり出すぎてちょっと困るってことはないのかしら?」と私。
「ですよね~ちょっと悔しい」と彼女。

最後のやり取りは、無責任な井戸端会議ですが、私は経験を積んだ保健師さんの自信に触れることができて、とてもうれしかったです。
認知症予防はできるだけ早く、正常者から始めた方が効率的。体験がある「なごみの部屋」の我妻さんも、このベテラン保健師さんも同じ結論でした。
by 高槻絹子



「温もりの家 脳トレ倶楽部」訪問記

2023年09月02日 | 認知症予防教室
伊豆に移る前には、同じ静岡県ですが西部の磐田市に住んでいました。当時から親しくさせていただいているA木先生から「温もりの家で、ボクたちがやっている高齢者脳トレサロンの見学にいらっしゃい」と以前からお誘いをうけていました。今回、夏休みのイベントとして大学時代の友人とお邪魔しました。

A木先生は、県職員(医師)として障がい者教育、福祉分野のお仕事をなさった後、公民館館長、特別養護老人ホーム施設長など歴任されて、今は磐田市緑ヶ丘学園(知的障がいを持つ方々の施設入所支援及び日中活動支援の施設)の隣地で知的障がい者の方々のために種々の企画 を繰り広げ、さまざまな活動を続けていらっしゃいます。
広い敷地の一段高いところに「温もりの家」はありました。さっぱりとして気持ちいい建物とお庭が居心地の良い雰囲気を醸し出しています。
門からそこに至る所には、A木先生の「来訪者を楽しませたい」という思いがそこここに見てとれました。



「僕たちは、自主的なところが自慢でね。みんなでアイディアを持ち寄ってできることを楽しみながらやっている」といわれていましたが、A木先生はアイディアマンであり、また情報に対するアンテナも高い。そのうえに知的障がいの方々を導くことがお仕事だったので、「その人にできること」という視点がいつもあって、どんな人が対象であってもこの姿勢は、その場を心地よいものにする力があります。
「温もりの家」にも、今までさまざまな取り組みがあった様子が手に取るように飾り付けられていました。









まず検温してお茶を飲んで、今日のサロンが始まります。

A木先生のあいさつやプログラムの説明がありました。プログラムにある「倶楽部制作」の文字のオンパレードこそ、この脳トレサロンの特徴なのですね。温もりの家をベースにした「脳トレ倶楽部」があってその一部門としての「脳トレサロン」。
「脳トレ倶楽部」は趣味活動として参加する人だったり、ボランティアだったりの皆さんが様々な活動をしているようです。お花畑や野菜畑。そういえばアサギマダラを呼びこみたいということで我が家の金時草も嫁入りさせましたが、うちの金時草畑よりもはるかに広い畑になっていました。はびこった竹の始末をした話も聞きました。ニンニクを使って、芽を育てたり、黒ニンニクを作ったり、とにかく脳トレ倶楽部にはさまざまの取り組みがあるのです。
いくつかの趣味の教室もあるらしいです。「若い層にもバトンを渡さなければいけないので、ボーイスカウトにも声をかけてるよ」ということばも聞かれました。
メニューが始まると一緒に楽しんでしまって、うまくレポートができませんが、フマネット運動 は初めて聞く運動でどんなものかと興味津々でした。
フマネット運動には決められたネットがあるのですが、おおきな網のようなものですから広げるにも手間暇がかかるということで、脳トレ倶楽部制作のネットは、カラフルなビニール生地にサイズを合わせて色テープを張り付けたもの。「こうすれば準備も片付けもひと手間でできる」確かに。
右が脳トレ倶楽部製作マット(奥に手作りゲームがあります)

最初はネットを踏まないように歩くだけという簡単すぎるくらいのレベルから始まって、どんどん難しくできるところがこの運動の良さでしょう。
足の運びも難しくできるし、音楽(童謡でした)を入れることで、リズムや音に乗せて拍手をいれるような運動も足せます。皆さん小声で歌っていましたが、おおきな声で歌ってもいいでしょう。
フマネット運動第一段階

フマネット運動
十二支ゲームは倶楽部制作ですから、どんなものかと期待が高まります。

形が違うだけでなく、中に入っているものも違うので、投げた感触はみんな違います。

チームへの声援は作戦伝達のチャンスでもあります。

5タイプの球を投げて枠内の入るところ、しかも縦横斜めが揃って初めて得点になる。
投げるものが様々というところが一番の工夫。枠が予想外に動くために球の着地場所が最後まで分からない。
2グループでの対抗戦。個人の上手下手だけで決まらないところも和やかさにつながる工夫がされている。声援で盛り上がる。特別の技術が不要。
「十二支ゲーム」の名前の由来は、「枠内が単なる無地では面白くないので、ネットで見つけて十二支のイラストを使用した。足りないのはかわいいイラストを追加」自由で柔軟ですね。
左がA木先生。おん歳89歳!

体を動かした後は、倶楽部リーダーのO石さんによるクイズ「みんなで当てよう!考えよう?皆でお茶をしながら楽しむ」コーナー。座ってお茶とお菓子を楽しみながら。

Q「エレベータ 少女が一人 乗ってきた 行くのは上か それとも下か」(あ、ガール)
「三人の少女が乗ってきたら?」(さ(ん)ガール)
「動物を英語で書いてみた時に、PとAだけで書ける動物はなあに」(P AND A)
けっこう頭を使いました。笑いながら。毎回このような面白いクイズを考えてきてくれるそうです。O石さんの前頭葉は活性化されると思います。
ランチも楽しい。



ふだんはお弁当持ちより程度らしいですが、今日はギャラリー「風の家」に移動して手作りカレーライスをいただきました。
さすがに、一ひねりが効いているレストラン。

今回はA木先生のご馳走にあずかりましたが、ちょっとランチ代をはずんでも、おいしいものを食べて、楽しさの余韻の中で話も弾み次回を楽しみに散会できるとしたらこれこそが脳の活性化です。

このフマネット運動の指導のために、外部からいらっしゃったM田講師は、磐田市の御厨交流センター指導員といわれました。フマネット運動のインストラクターとしては磐田市で唯一人。HPによれば、全国でもまだ5379人ということですから、あたらしいものにアンテナをたてることができるタイプとお見受けしました。
余談ですが、このM田先生の趣味は紙工作。どういうことをなさるのか聞いてもよくわかりませんから、画像を送っていただきました。おとぎ話や昭和の一シーンを切り取って、それを立体的に作り上げるというものでした。モデルはなく「そこを自分で考えるのが楽しいんです」この意欲といい、発想といい、前頭葉機能が豊かな方だとよくわかります。
作品紹介…80センチくらいのコンパクトな大きさらしいです。どの小物ひとつもすべて紙から手作りなさってる!

この講師派遣に関しての費用負担など伺わずじまいでしたが、大きな費用が掛かるわけではありません。
脳機能が正常な高齢者が集まるほど、指導者の資質でその教室の楽しさが変わります。指導者はまず自分が楽しめる人であることが求められます。前頭葉が豊かで、発想が効き、工夫ができ、機転も利く。準備も万端なら臨機応変に対処もできる。明るく楽しい雰囲気を醸し出せる…M田先生はまさに適任者でした。

結論を先に言いましょう。
自主的な脳リハサロンがうまく機能するには、どうしてもA木先生のような企画ができるアイディアマンとM田先生のような明るい柔軟な指導ができる人が必要です。自前で揃うならばもちろんそれでいいのですが、そこを行政が後押しすることで、信じられないような費用で認知症予防ができることを知っていただきたいと思います。

エイジングライフ研究所が全国に展開した認知症予防活動は、まさにこの考えに基づいていました。行政主導で脳機能が正常な高齢者を対象にした教室を半年から一年開催し、その後は自主活動。ただし年間計画作成時の手伝いや講師派遣についてはフォローするというものでした。
特筆すべきは「脳の健康」を保持するということが教室の目的ですから、脳機能検査(脳のイキイキ度チェック)を教室の前後に実施することが必須条件であったことでしょう。


いずれにしても、正常高齢者に対する脳活性化の働きかけは、そのもたらされる内容も素晴らしいものですが、対費用効果も無視できません。
なんと政府は来年度からの認知症対応国家プロジェクトとして、「認知症克服へ200億円超。創薬や神経再生研究強化」へ舵を切ったそうです。マーモセットを使って研究をするそうですが、マーモセットには前頭葉機能はないのです。この200億円の認知症施策。200億円をかけて認知症治療薬を開発する?その前に認知症を予防する、それも正常者を正常者のままに長生きをしてもらうような政策を考える人はいないのでしょうか?
温もりの家のアプローチにある、地元高校生の壁画とミニ盆栽

山形県米沢市通所介護施設「なごみの部屋」の我妻さんと2-3日前に話しました。
我妻さんの取り組みのこのブログ初出は2005年11月。18年も前ですが我妻さんの思いはそこから変わっていないことを読んでみてください。

20年近くにわたって、正常者への働きかけをし続けてきた(ほとんどボランティア)我妻さんには、正常者からの認知症予防こそあるべき予防活動であるという信念ができています。しかも脳機能という物差しを持っています。
その信念のもと、米沢市に来年度の課題として相談したそうです。
「要支援だった人が一年後に要介護になることは多い。
真の介護予防のためにはまず正常高齢者を対象にすべき。
その中に要支援の人たちを入れ込むことでより効果が期待できる。
運動機能だけならば正常者でも参加できるけれども、それと同様」
行政の方には、それぞれ置かれている立場があるのはよくわかります。
「いわれることはわかるけれども、ディサービスの数が多いのでモデルとしてやれるか…」というお返事は、我妻さんの信念に対して出た精一杯の回答だったのではないだろうかと感じました。

「温もりの家 脳トレ倶楽部」による自主活動としての「脳トレサロン」は脳機能検査という物差しがあれば、間違いなくこれからの日本の高齢者対策の指針となるべきものだと思いました。
期を同じくして、「政府の的外れな指針」「実践者の持つゆるぎない自信」に触れた2023年夏の終わりでした。
by 高槻絹子

小布施町3年ぶりの「脳のリフレッシュ教室」交流会②③

2023年02月27日 | 認知症予防教室
3年ぶりの交流会は①②③と3回に分けての開催となりました。交流会①は前記事に書きましたので②と③も皆さんが楽しんで参加されたのですから記録しておきましょう。
交流会②は山王島の「脳のリフレッシュ教室」20周年祝いがありました。実は伊勢町の「脳のリフレッシュ教室」10周年でもあったのです。
前列左端の教室のリーダー高野さんが持っていらっしゃるのは、山王島のぴんころ地蔵さまの写真と、2021年2月に伺えなかった時にお送りした励ましカード(A4版プリント)。

この時は「ビデオレターを送ってきてください」という注文で、挑戦してみたのですが、いわばその付録でした。
ビデオレターでご挨拶
保健師さんからは「皆さんとても喜ばれました。ベッドのところに飾ってる方もいますよ」などと言われて、ちょっと嬉しくなっていたのも事実です。こうして、高野さんが持ってきてくださったのを見て、またまた喜びが込み上げてきました。
ありがとうございます。

櫻井町長さんからの栗が丘、東町上町、山王島、伊勢町への継続賞授与は、「山王島『脳のリフレッシュ教室』20周年」の記事に載せました。
ステージ発表は、東町上町と栗が丘でした。
東町上町は、企画の段階できっと色々な意見が出るのではないかと思うのです。ちょっと目新しいことに挑戦されますよね?

信濃川河川敷の植物紹介という全く新しいプログラムでした。

惜しむらくは、写真が小さいので見えにくかった…写真を取り込んでスクリーンで見せてあげたかったですね。そういう時に助力を頼むことは、恥ずかしいことではなく、前頭葉の行う工夫の一環ですからね。
栗が丘のかわいらしいこと!皆さんが恥ずかしそうにされずにニコニコ顔だったのはとても印象的でした。

続けて交流会③

この交流会③ではおもしろいことが起きました
会場が明るく盛り上がったそのことは、東部、六川、都住、北部への、例の舌ブラシの継続賞授与の後起こりました。交流会③には、授与のために役場から永井保健福祉課長がいらしてました。
「せっかくだから」とおっしゃったような。







肩に手を乗せられた女性陣は、晴れやかでしょう!永井課長のこのちょっとした気遣いで、場に居合わせた人がちょっとどよめき、みんな笑顔になりました。永井課長の気遣いもさりながら、私はやはり皆さんのノリの良さを評価したくなります。前頭葉が生き生きしていれば、生活のいろいろな場面で生き生きした行動が生まれるのです。

厚労省が「認知症の発症を1年先送りにする」ということを言います。小布施の「脳のリフレッシュ教室」の皆さんに聞いて見てほしいと思います。「楽しく生活できていれば、何も難しいことではない。例えば教室でみんなと会ったりおしゃべりしたり」こういう高齢者で溢れているような小布施町になっていただきたいです。
少なくとも「脳のリフレッシュ教室」交流会の会場からは、この場を楽しもうとする一体感が伝わってきます。もとから、このようなノリや一体感があったのかどうか?どうでしょうか?そういう生き方を「脳のリフレッシュ教室」が育んだのではないでしょうか?
証明はできません。この20年間の働きかけがもしなかったらと考えてみるにとどまりますねえ。
(脳機能は維持できていることは、いくつかの数値が教えてくれます)
小布施交流会飯田 間違えてしまった方が盛り上がる!
小布施交流会指体操 この後大笑いだったのですが、撮れていない…
小布施交流会あんたがたどこさ 左手前の背広姿の男性は?櫻井町長さんです。  
 
最後に永井課長とツーショットの男性は北部の北沢さん。今回も替え歌を作って持ってきてくださいました。

「『新しい言葉にも挑戦して見たら』と言われて頑張って見たけど、結構苦労したね」
北沢さん、ありがとうございました。皆さんに歌ってもらうための替え歌作りでしたが、たくさんの力作は北沢さんの宝にもなりましたね。
替え歌つくり名人北沢さんへ
ステージ発表は東部。
U堀さんという新しいメンバーが入ってきて、教室に参加する楽しみが増えたのではないでしょうか?ちょっとしたミスを自分から笑って再挑戦するなどということは、前頭葉がピカピカしている証拠です。
会場のノリ!
例年に比べ時間的に短いのでどうなることかと思いましたが、こじんまりとして参加された皆さんの体温が感じられるようないい交流会になりました。
私の話も、毎回同じパワーポイントを使うのですが、聞いてくださる方が変わるのでそれなりに雰囲気の違う講演になったようです。どの回もピッタリ50分という時間に収まったと保健師さんが褒めてくれました。
今回の小布施の旅も充実した旅になりました。
by 高槻絹子


認知症に関して理論的に詳しく知りたい方は、以下のブログもお読みください。










小布施町 3年ぶりの「脳のリフレッシュ教室」交流会①

2023年02月26日 | 認知症予防教室
例年の交流会は、午後の時間に小布施町の各地域から「脳のリフレッシュ教室」の皆さんが会場の「千年樹の里」に続々と集まって来られます。

会場ホールには、各教室の作品展示や新しいゲームの紹介などがされています。そして皆勤賞授与(たいがいは町長さんからの手渡し)、各地区のステージ発表を楽しんで、私の講演。という流れです。コロナで2回流れた今年は三密を回避して、3回に分けて交流会を実施するということになりました。講演時間も短くなる上に、3回も同じことをお話しするのは嫌だなあなどと考えながらパワーポイントの用意をしました。
それでも、皆さんに久しぶりにお会いできるので、ワクワクしてしまうのも仕方ありません。20年間も毎年伺ってきたのですから。
今年の皆さんの作品展示。やはり少なめです。
その分ゲームの紹介が充実していました。ボッチャ発見。パラリンピックで金メダルを取ったボッチャの杉村選手は、私の住んでいる伊東市の方です。

始まりを待つ皆さんの様子をうかがうと、話の輪ができてなんとなく晴れやかで楽しい雰囲気が漂ってきます。

どうしても少数派の男性。でも意欲満々ですね。
女性群のピンクのおそろいの衣装といいなかなかの出で立ちに「衣装は?」と尋ねたら「地区に日本舞踊の先生がいてね。今回はちょっと体調を崩してお休みだけど、衣装もいろいろあるし振りも何でも教えてくれるんだよ」

交流会①

最初は継続賞授与。今年は例年のように皆勤賞というわけにはいかないので、3地区に新井副町長さんから継続賞が、授与されました。

継続賞は舌ブラシ。

「お口や体の健康に気をつけて、前頭葉を働かせながらこれからも教室参加を続けていきましょう」

ここにも「前頭葉」が自然に出るところが小布施町。

リハビリ体操。
初々しいという言葉を贈呈したいような理学療法士さんは、各教室でも人気者だとか。体を使うことも大切ですが、ワクワクするような体験は脳を生き生きさせます。

いつも感動するのは皆さんのノリがいいこと。もちろん間違えたりもするのですが実に楽しそうに全員参加。これはリハビリ体操の時だけでなく、ステージ発表もただ受け身で聞くのではなくすぐに参加されます。どう考えても教室の成果ではないかと考えています。
飯田地区
中町中央(男性陣は二人とも北斎!)

舞台効果を狙って、北斎筆岩松院天井画(多分風呂敷)も登場しました。

ちょっとうれしかったことがあります。
交流会が終了して、三々五々皆さんが帰られるとき、飯田地区の保健福祉委員の方が声掛けしてくれました。
「認知症予防するって、結局は生き方の問題でしょ。若い時から気づいておかないといけない大切なことなのに、60代はまだまだ仕事にばかり目を向けている…私たちは保健福祉委員だから高齢者の方と一緒に活動して、ほんとに勉強になりました。でも2年で交代なんです。
私たちのような世代にも教育してほしいです」

こんな若々しいお二人です!
もう一人。ボランティア活動に力を入れてくださっていて、その分野ではだれでも知っているU堀さん。今回はボランティアではなく教室の中に入ってリーダー格で楽しんでいらっしゃいました。そうですね。誰にでも等しく年月は過ぎていきます。

交流会が始まる前も和やかな雰囲気なのですが、終わった後も、別れを惜しむ話し声が途切れません。再会を約束しながら「体も脳もどうぞお元気で…」と祈るような気持になりました。
by 高槻絹子

認知症に関して理論的に詳しく知りたい方は、以下のブログもお読みください。



小布施町 山王島「脳のリフレッシュ教室」20周年

2023年02月22日 | 認知症予防教室
コロナ禍のため種々の活動が自粛ということで、3年ぶりの小布施町…
2002年に山王島地区で、二つの目的を持ったボケ(当時)予防教室が始まりました。一つは正常者からのボケ予防。もう一つは最初の一年は行政主導で行いその後は自主活動で継続。その二つの目的のために脳機能検査を取り入れたのです。振り返ってみて、これは画期的な事業だったことがよくわかります。
今でこそ予防ということばが聞かれるようになりましたが、そのころはボケはどうしようもないから介護しかないという時代でした。

介護保険のスタートは2000年。社会の高齢化が進む中で、介護負担が増えてきたことに対応して新しい制度を作ったのです。まず高齢化は必然的に介護の長期化を生じさせることになります。一方で核家族化の進行は止めようもなく家族負担は増大していきます。介護離職して介護を続けるという状況も見られるようになり、このことは同時に経済的な負担を強いることにもなりました。「嫁」に重荷を負わせて当然というような家庭に押し付けられていた介護の形を変えるために「介護の社会化」を目指して介護保険はスタートしたのです。つまり高齢者になっての介護は仕方ないというのが社会的な共通理解でした。
その時に、小布施町はエイジングライフ研究所が提唱している「地域ぐるみのボケ予防活動」の理念に共感した冨田房枝保健センター長が、山王島地区に「脳のリフレッシュ教室」開催を働きかけたのです。
その山王島「脳のリフレッシュ教室」が今年20周年を迎えることになりました!三年ぶりの訪問がこんなおめでたいうれしいタイミングになったことは、ちょっとしたご褒美のようにも感じられました。
この20年の間、直近のコロナの3年間を除き、年2回ずつ小布施を訪れました。

当日は櫻井町長さんも出席なさり、御挨拶、20周年記念品授与から最後の私の講演まで全部出席されました。私は唐澤さん、市村さん、櫻井さんと3人の町長さんとお話してきました。小布施の町が旅の人を惹きつけるようにお三人とも魅力的な町長さんです。

プログラム

山王島代表の方に20周年記念品を渡されて記念写真。

継続賞3教室。けっこう突然の指名の方もいらっしゃったようですが、緊張を笑いに変えてきちんと対応されました。


その後リハビリ体操が始まると、町長さんも当然のように参加。
「皆さんがよくノリノリになさるでしょう?」とお声掛けしたら「すごいですね!」と嬉しそうにおっしゃいました。元気な高齢者に会われると安堵されるのでしょうね。
指導者の方の説明に、会場の方たちみんなが応じてパフォーマンスを繰り広げられる様子に、私はいつも感動します。こういうところにも教室の成果を感じるのです。

手前のグループが山王島の皆さん。90歳前後の方ですよ。みなさん真剣になさってますね。
山王島「脳のリフレッシュ教室」が始まったときの会長さんは岩井茂松さんという方でした。過去形にしたのは、去年お亡くなりになったから…
20年も通っていると、たくさんの方たちとお顔なじみになりました。その中でも岩井さんはいろいろな場面で穏やかなリーダーシップを発揮してくださいました。このブログでもたくさん紹介しましたが二つだけ記しておきましょう。
岩井さん おめでとうございます
小布施講演会の余波が続きます
どうしても20周年のお祝いと御礼と、何よりもお別れをきちんとお伝えしたかったので、お参りに伺わせていただきました。
抜けるような青空でしたが、お庭にはまだ雪が残っていました。

玄関には、岩井さんの作品が飾られていました。「雪を描くのは難しいんだよ」という岩井さんの声が聞こえたような。

廊下の向こうには、奥様のミサ子さんの押し花作品が飾られていて、このような趣味を大切にされていることがよくわかりました。

招じられた仏間は、暖かくしてくださっていて、さっそく岩井さんにご挨拶させていただきました。

普段着で笑顔のところがすてき。戒名も岩井さんらしい…

奥様、息子さんご夫婦が口々にお話ししてくださいました。
去年の春先から少し体調を崩した感じがあったところ、5月に急に体調が悪くなり救急病院へ搬送、その後長野市内の病院で「肺がちょっと」という診断、その後治療で1か月入院。安定したので、小布施町内の病院に転院。1か月で亡くなられた…お別れは家族が集まって、そしてそのことをちゃんとわかってくださって、息子さんの「心配はないからね」というお別れの言葉にうなずかれたと…
岩井さんらしいお別れを聞いて、涙がこみ上げるところもありましたが見事だなという感嘆の方が強かった。
岩井さんはこのような最期を望まれていたと思います。
岩井さんが発案したぴんころ地蔵様のエピソードからも、それは確信が持てます。
2018小布施だより「ぴんころ地蔵さん」

同じところに六地蔵さまも。季節に合わせた帽子は山王島の方の心配りだそうです。

息子さんのお嫁さんが、こんな面白いことをお話ししてくださいました。
「ご馳走が好きだったんですね。家族で食べに行ったこともとてもいい思い出です。最後まで食欲はあったんですよ。それからママチャリを動かないように固定して自転車こぎをよくやってました。そういう時ちょっと照れたような笑顔なんですね。それから二階からバタンバタンと音がすると思ったら輪投げしてるんです」
趣味の水墨画は玄人はだしなのですが、体を使おう!ゲームもやろう!というときにきっと「脳の健康のため」というお気持ちがあったと信じます。
「脳のリフレッシュ教室」をやってよかったですね。岩井さん。
ちょっと恥ずかしそうなたくさんの笑顔と、穏やかな口調で話された言葉と、はずかしさをこらえて参加してくださった交流会での様子、”See you again"という別れの挨拶。20年前の教室が始まる日、山王島公会堂で初めてお会いした日のことも忘れてませんよ。
心からご冥福をお祈りします。
by 高槻絹子



認知症に関して理論的に詳しく知りたい方は、以下のブログもお読みください。








小布施町「山王島脳のリフレッシュ教室」20周年記念誌原稿

2023年01月24日 | 認知症予防教室
小布施町の認知症予防活動にかかわりを持ち始めて、20年を超えました。コロナ前までは、年に2回以上は訪れる文字通り第二の故郷となりました。
小布施駅

北信五岳の夕焼け

先日、一番最初に取り組んだ山王島地区の「脳のリフレッシュ教室」20周年記念誌の原稿を頼まれました。
「A4版1ページにまとめてください」教室がスタートした日のシーンから、本当にあれこれと思い出されることばかりで、数十ページあっても間に合いそうもない…でも、頼まれたら一応がんばるのが私流です。(原稿はこの記事の最後に転記してあります)

ちょっと振り返ってみました。当時、小布施町の保健師さんのトップであったT田さんが、ボケ(当時の言い方)予防に取り組まれたのです。まったく先駆的な取り組みでした。
20年誌のT田さんの原稿から抜粋させていただきます。
「…平成10年頃から認知症が急増し、介護の大変さをひしひしと感じていた時に『認知症は予防できる』との情報が入り、これだ!!と飛びつきました。
機会が有って、エイジングライフ研究所の所長様および高槻絹子先生方の
熱心なご指導と、山王島長寿会の役員様始め会員の皆様のご努力で、平成14
年に地域ぐるみの自主活動として山王島脳のリフレッシュ教室が始動しまし
た。略」
各地区をひとまとまりにして、ゆくゆくは全町に地区ごとの住民主体の認知症予防教室を展開していくという、大きな目標に向けた活動が山王島から始まったのです。
山王島に建立されたぴんころ地蔵様。400年前の馬頭観音様も一緒に。

その第一番目の地区に選ばれたのが山王島地区。過ぎてしまえば、いい地区からスタートしたものだとよくわかります。
・地区としてのまとまりがいい。
・人間関係に優しさを感じられる。
・みんなから認められるリーダーがいる。
教室開始時は岩井茂松会長で、穏やかに話を聞いてくれて、教室の趣旨をよくわかってくださいました。
初めての試みですから、いろいろ気を使うことも出てきます。例えば教室の最後をしめる茶話会。みなさんのお楽しみタイムで当番さんが一人一人にお茶をついで回ります。
テーブルには、お漬物や煮物。秋には栗きんとん。
在宅介護支援センター(当時。今は地域包括支援センター)の用意したお菓子よりもおいしそうなものがたくさん並ぶのです。
私は岩井会長にちょっとお尋ねしました。
「負担に感じる方はいないでしょうか?」
「どうせ家にあるもんだろう。みんなが喜んでくれれば、本人もうれしいさ」
当番さんにもききました。
「この次に何を作ろうかと思って、TVや新聞にも目を通してます。だってみんなをびっくりさせたいもの!それにほめてもらったり、教えてあげたり、楽しいです」こう教えてくれたのはK島さんでしたね。
ぴんころ地蔵様の隣にお祀りされている六地蔵尊。帽子は季節で変わります。
エイジングライフ研究所では、モデル地区でボケ予防教室を立ち上げる時には、地域の人間関係が密なところのほうがうまくいくということを強調しますが、その時、この山王島の雰囲気がいつも思い起こされます。
長く続いているところはみんな、温かい人間関係のあるところです。たくさん思い浮かんできました・・・ 
さて、一年目の教室最終回。
岩井さんは、参加者全員さらに在介のスタッフ、修了式に見えた助役さん、私たちに至るまで素敵な額入りの水墨画を記念品としてプレゼントしてくださいました。総数は60枚を超えていたのではないでしょうか。
私はまた馬鹿な質問をしました。
「コピーされたんですか?」
「和紙はね、コピーできないんだ。全部手描き」と笑いながら教えてくださいましたね…岩井さんありがとうございました。
私に頂いた双鶴図

自他ともに「頭の良い」土屋先生。教室最終回には「晴れ渡った空のように頭がすっきりしている」って言われましたね。
赤い眼鏡の福松さん。たくさん写真を撮ってくださいましたね。
ぴんころ地蔵様

だんだん、各地区で教室が立ち上がり、山王島地区に伺うこともできなくなっていきましたが、2007年からは脳のリフレッシュ教室交流会が始まりました。
2017年の交流会。山王島合唱団!

その時、山王島の皆さんは目が合うと必ずにこっと笑顔を返してくれます。近くに寄ってみえるのではなく、その距離からにこっと笑ってくれたり、ちょっとだけ手をあげてくれたり。そんな時にも山王島の皆さんの人懐っこさと控えめさが感じられて、私の方が近寄っていきたいくらいでした。
あ。また思い出したことがあります。
岩井会長さんは、お帰りになるとき出口で別れを惜しんでいる私に”See you again!”と必ず声をかけてくださいました。
2020年交流会。私がお会いした最後の岩井さんの笑顔です。この時おっしゃった”See you again”は果たされませんでした…でもたくさんの思い出が消えていくことはありませんから。


原稿を転記しておきますから、読んでください!
山王島脳のリフレッシュ教室20年!おめでとうございます。
「みんなの願いはひとつ。健康で、人様の手を煩わせることなく長生きしたい!ならば、心のよりどころになる健康長寿地蔵を建立しようと、地区の老人会に『長寿講』を提案したら町内外から寄付が集まり、2017年3月27日お魂入れが行われた。今後はベンチも置いて、皆さんにもっと愛されてほしいね」
7人の発起人の代表で、今は亡き岩井茂松初代会長さんから伺った言葉です。このように、発案する人賛同する人がいて、地区全体が一つになるような前向きな生き方こそが地域ぐるみの認知症予防そのものなのです。
脳のリフレッシュ教室の目的は「地域ぐるみの認知症予防活動。体も脳も元気な人が元気なままで生き抜く」「認知症予防は、前頭葉を使い続けて
自分らしくイキイキと生きること」の大切さを納得してもらうことです。
脳の健康という考え方が取り入れられたところが画期的。だからこそ脳のイキイキ度チェックは不可欠で、さいわい脳の働きが維持されているという素晴らしい結果が伴っています。鬼籍に入られたあの方この方の笑顔が胸に迫ってきます。声も、歌声も聞こえてきます…
じつは、日本の認知症対策にとってこの活動は画期的なことでした。当時は「ボケてしまった高齢者をどう介護するか」という視点しかなく、そして現在は、年間13兆円にも上る介護費用の増大が大きな問題になっています。
山王島から始まった小布施町の住民主導の「脳のリフレッシュ教室」は、これからの日本の認知症予防のモデルになりうるものなのです。体も脳も元気でいるためには、毎日楽しみを見つけて生きていかなければいけません。これからも皆さんで励ましあって、ずくを出して、前頭葉をイキイキさせ続けてください!
by 高槻絹子


私の好きな小布施町のカフェ

認知症に関して理論的に詳しく知りたい方は、以下のブログもお読みください。

小布施だよりー替え歌つくり名人北澤さんへ

2021年06月01日 | 認知症予防教室
北澤さま
お変わりなくお元気でいらっしゃいますか?
今年は「脳のリフレッシュ教室交流会」がコロナのために開かれなくて、ほんとに残念でした。それどころか例年の講演会もコロナ自粛で開催されず、20年近く毎年伺っていた小布施に一度も伺わないという年になりました…全く想定外でした。
いよいよ伺えないことが決まったときに、地域包括支援センターと相談して、ビデオレターと色紙をお送りすることになりました。
恥ずかしながら、あのビデオは自分で撮ったんですよ。見てくださいましたか?
「恥ずかしいなあ」とはじめは思ったのですが、話を始めると、ほんとに小布施の皆さん方のお顔が浮かんできて、いつものように「元気でいてください。体も脳も」という気持ちがいっぱいに湧き上がってきました。

色紙は、包括の皆さんがひと工夫してくださって、お名前を入れてラミネート加工してお一人ずつに手渡してくださったのですってね。
「寝室に飾って毎日見ます!」とか「見るたびに元気が出る」というお声も報告してくれました。
そして教室の開催も交流会もなくなったので、皆勤賞のかわりに各教室にプレゼントが!

実は先週、地域包括支援センターから丁寧なお手紙が届きましたので、様子をいろいろに想像することができました。
そのお手紙の中に、北澤さん作の「青い山脈」の替え歌が同封されていました。北澤さんといえば替え歌!
「認知症予防教室で生き方は変えられる。その1」2017年3月4日の記事、終わりに北澤さん登場。替え歌も記録してあります。
さあ、今回の替え歌はどういう歌詞でしょう!

1番から4番まで歌ってしまいました。

口ずさみながら、北澤さんの思いを感じることができてちょっと胸がいっぱいになりました。それは、脳を元気に保つためには何が必要なのかということを、日々の暮らしの中で見つけようとしてくださっていることがわかったからです。小布施に行き続けたこの年月はここに実っていると実感されました。今日近所で撮ってきた写真をお礼の気持ちを込めて入れますね。
城ケ崎海岸に咲く「城ケ崎アジサイ」

ひとしきり歌った後でコメントを読ませていただきました。
一番は「…八十代とハナは似てることに気づきました。歳はとっても花はある…」ほんとにそうです。北澤さんは80歳におなりでしょうか?未だと思いますが。一番最初に北部公会堂でお会いした時のことを不思議に覚えています。田中さんを始め男性が多かったですよね。
お能の世阿弥も歳をとった人にだけある「花」の価値を語っていたと思います。
二番「…体操すると、その時だけでも腰が伸びてしゃんとします。オペラの調子の「栄冠は君に輝く」を歌っていただいた時は感激しました」
体も使わなくては衰える一方ですが使えば応えてくれます。いい歌を聞いて感激できるというところが、うれしいのです。前頭葉や右脳を使う習慣があるということですから。
三番「年2回の散策…歴史館へ行って、昔の農作業の道具とか古い写真をみて再発見…かるたを読む人が、目で読んで笑いだしてしまったことがありました」和気あいあいとした情景が目に浮かぶようです。
四番「コロナ禍の時代ですが、教室を続けてほしいとの切なる願いです」
一番短いコメントでしたが、最も北澤さんの思いがストレートに迫ってきましたよ。
こういうふうに言ってくださってありがとうございます。前頭葉がイキイキとする生き方を考えてくださっていますよね。もしそうならば、お話しし続けてきた甲斐がありました。冨田さんから始まって何代ものセンター長さんはじめスタッフの皆さんのお顔も浮かびます。
ビヨウヤナギ
キンシバイ

北澤さん
地域包括支援センターが、何かとお世話をしてくれることもありがたいことですが、包括の一番の役割は、脳のイキイキ度チェックです。脳の健康状態を調べてもらう、こればかりはスタッフの皆さんにやってもらうしかありません。
でも、地域の皆さんで「脳の健康のために。前頭葉を元気に保つために。みんなの顔を見て元気を確認するために。みんなと一緒に右脳を活性化するために。北部には立派な体育館もあるので使わなくっちゃあ宝の持ち腐れになる!」何でもいいんです。理由を付けて、月に一度は皆さんで集まるようにしてください。コロナも収束すると思います。三密を避けながら、皆さんで集まることはそんなに難しいことでしょうか?
柏葉アジサイ

こうしてお返事を書きながら、交流会や講演会での皆さんとの触れ合いを、目と目でしか挨拶できないこともありましたが、ほんとに懐かしく思い出しています。細かいことは忘れても、暖かい思いや楽しかったことは、こんなにも確実に私の中にあります。
きっと北澤さんの心の中も同じだと思います。
花の大きさが10センチほどの「紅」

替え歌を作ってくださってありがとうございました。とてもうれしかったです。
どうぞおからだを大切に、脳の健康にも心を配ってくださいね。そして地域の皆さんのことも気にかけてあげてくださいね。
またお会いできる時を楽しみにしております。  高槻絹子

小布施町「脳のリフレッシュ教室」交流会①ーイキイキしてる皆さん

2020年02月22日 | 認知症予防教室

2月21日は、恒例の年に一度の小布施町「脳のリフレッシュ教室交流会」に行ってきました。
たまたま撮れた下の写真が、小布施町のもうすぐ20年にも及ぶ認知症予防活動の結果(というよりも成果)を表していると思います。

ステージの人と、ジャンケンゲームをしているところです。
まず目を引くのは、ノリノリ笑顔で立ち上がって「チョキ」している男性でしょう。北部地区の田中七郎さん。94歳です。実はこの勝負の勝ち抜き組になり賞品までゲット。あとで嬉しそうに見せてくださいました。
今年の北部地区の教室発表は、きらきら光る指飾りをつけてのダンスでした。

田中さんは椅子に腰かけて参加でしたね。足元に不安があるからということでこれはとてもいい判断です。

もう一度一枚目の写真を見てください。皆さんの笑顔。手を挙げていない人もいますが、挙げていないだけで十分に楽しんでいることが伝わってきます。
写真を大きくしてみると、カメラの横に立っている男性も「チョキ」しているんですよ。このように「会場全体が楽しめている」ということが「認知症予防活動の成果」に違いありません。
講演するときに「ボケるかボケないかは、あなたの生き方にかかっている」と私はよく言います。その意味は「あなたの脳の使い方。前頭葉をどのようにあなたらしく充実して使い続けるか」ということなのです。
都住地区の皆さんが、ただ歌うのではなくお揃いのバンダナでおめかしすること。立って参加する人、椅子に座る人、それも皆さんで考えたのですよね?それが前頭葉の働きの反映です。

横町の皆さんも、明るいバンダナで決めていました!自分たちの発表というだけでなく、最初から会場を巻き込む企画が素晴らしい。
ジェスチャで曲名を推理してもらうところから会場と一体化しておいて、一曲目「汽車」は 歌うグループ、ジェスチャーのグループで競う。
「山田のかかし」では「の」は脳だから頭、「か」は肩、「し」は口元でシィーとやりながら歌います。会場の皆さんも大喜び。

お世話をしてくださっている冨田さん(実は役場保健師さんのときに、小布施町に認知症予防活動を導入した方です)のお話です。
「この教室をやり始めて、もともと人間関係が密な地区でしたが、道で出会うたびに声掛けするのが楽しいのですよ。元気がないと誘ってあげたり、いけそうなところの情報を教えてあげたり。前からそうだったとも思いますが。もっと自然にできてしまうような気がします」

小布施町で認知症予防活動として「脳のリフレッシュ教室」が始まったのは2002年。山王島地区からでした。今日に至るまで続いているのです。参加者の数の多さは特筆に値すると思います。20年近い歳月は、先にあげた田中さんが椅子に座って参加するような変化をもたらしましたが、それは当然といえば当然でしょう。山王島でもステージに上がるのに大変な思いをされる方がいます。それでも「楽しみにして」参加し、しっかりと歌ってくれました。
2002年スタート時の会長岩井茂松さん。「この前卒寿の展覧会やったよ。今度は百歳だな~」と耳打ちしてくれました。今回の写真がとれませんでしたので、これは2年前のご夫妻ですが、変わっていらっしゃいませんでした。

伊勢町。けん引役は高野さん。いつも新しい出し物を披露してくださいます。
今年は、なんと紙芝居。皆さんで役ごとにセリフを担当。なかなかの表現力でしたね。紙が柔らかくてなかなか枠に入らないというハプニングがありましたが、観ている方がハラハラしていることがよくわかり、図らずも会場の温かさが際立つということに。演ずる人、観る人ともに前頭葉が活性化されたでしょう(笑)。高野さんお疲れさまでした。

上松川地区は、毎年仮装で登場するのです。会場もわきますが、当の皆さんもそれなりに心ワクワクするのではと推察してますけど。花も恥じらう娘役には、帰りの時にも声がかかっていました。
すれ違ったとき一言声を交わしました。体調がちょっと?のような発言がありました。体が元気でないと脳も元気でなくなるということは十分承知できますが、そこで「踏ん張る」ということをこの教室では実行してほしいのです。みんなとしゃべって、今日の右脳訓練を楽しんで脳まで元気をなくさないようにしてください。

交流会では皆勤賞の発表と記念品授与があります。毎年違うその文言が秀逸です。

記念品も一ひねりされています。去年は「あなたなりの花を咲かせて」とまだつぼみの鉢植えカランコエでした。今年は「紐と脳は使いよう」ということらしいです。会場入り口に新聞を縛る紐を利用した作品が展示されていました。

今年の皆勤賞は60数名と聞いたような気がします。色薄紙を差し入れて「これが何に見えますか?」と一ひねり。

「風船膨らませて巻き付けて、後で風船割るとできます!入り口のいろんな作品を見て工夫してください」と説明しています。もとい、エールを送っています。

北部地区の北澤さんが表彰を受けて自席に戻っています。

北澤さんは替え歌づくりの名人です。「作ってみたけど」とくださいました。
「テレビはいかが(青い山脈の曲で)」
1.テレビの見過ぎは困るけど 
 選んでみればありがたい
 空から宇宙から海の底までも
 さわやかな自然界まで映してくれる
2.スポーツ中継すばらしい
 ファインプレーや新記録
 走る姿も格好いいこと
 見る人の笑顔なんかも癒される
3.音楽番組また楽し
 昭和の歌も歌ってる
 昔の映画も時々やってますね
 それでも体が第一適度に見よう
(別バージョン「十人十色」)
1.楽しくなることありますか
 散歩ふれあい趣味遊び
 ボケの予防は十人十色
 仲間とのおしゃべりだけでもいい人もいる
2.暑さ寒さが厳しいが
 よくまあ耐えていますね
 体に気を付けて健康でいれば
 これからも趣味や仕事にやる気もでます
3.ズクを出して始めれば
 いつしか調子も出てきます
 今日も用があり行く所もある
 今日もまた感動あったらいいですね
 注)教養(今日も用)教育(今日も行く)共感(今日もまた感動)の語呂合わせ
エイジングライフ研究所が言いたいことがまとまってます!

フロクで気が付いたことを書いておきます。
ちょっとおしゃれをしている人が多いこと。

そして全体に明るめの洋服を着ていらっしゃる。

スタッフの皆さんが交流会を楽しんでいるをと見ましたが、当たってるでしょう。
先の表彰状や記念品もそうですが、ボッチャゲームのお知らせ・宣伝がありました。

楽しんでますよね?
今回、個人的な面を強調したのにはちょっと意図があります。人生の記念の一コマになってほしいと思ったからです。
もちろん一人一人の皆さんの輝くような笑顔は、しっかり刻み込ませていただいています。
















 

 

 


レインボーランタンを楽しむ会②―小布施脳リフ教室番外編

2019年06月13日 | 認知症予防教室

第二部会場のカネイチくつろぎサロン。レインボーランタンを飾り付けて皆さんがいらっしゃるのを待ってます。

18時30分の開演は、会場の照明を落としレインボーランタンに点火して小布施町役場の若手職員(K山さん)によるサックスの演奏から始まりました。高齢者にもなじみのある曲が流れだすと皆さんから、小さな歓声が上がりました。心配りのあるごあいさつでしたね。
なかなかいい雰囲気を感じ取ってくださったのでしょう。もっともっと演奏をしてくださりそうでしたよ。
高齢者の皆さんとのこの交流は、これからのお仕事にいつかは役立ってくれることと思います。

エレクトーンのS藤先生は、まずはオカリナ演奏。その後エレクトーン演奏もしてくださり、その上伴奏まで受け持ってくださいました。ありがとうございました。皆さんは自然に唱和されました。

それからは、参加者の皆さんの発表。まずは横町。かわいい髪飾りがついていましたね。いい声が出ています。

北部の皆さん。北澤さんが北部オリジナルの替え歌の解説をしてくださいました。もちろん会場の皆さんも認知症予防の歌を一緒に歌いました!

伊勢町の高野さん。交流会でも拝見したことのある「梅干し体操」をお一人で!

なんと、会場のこのノリ。
小布施の皆さんは控えめで上品な印象が強いのです。ところが交流会でも感じることですが、特に促されなくてもごく自然に、ステージと一緒に歌を歌ったり、体操をしたりされるのです。これは脳のリフレッシュ教室に参加することで「生き方が変わった」のではないかと思います。右脳中心の時間の大切さを納得してくださっているのでしょうね。

笑い話を追加で。
久保さんのご挨拶もありました。「それが認知症予防になるのだから、もっともっと人生を楽しみましょう!」というようなお話の予定がちょっと脱線。「大学時代に小布施の隣町出身の友人がいて・・・」いかにまじめでなおかつ面白い友人だったかをエピソードを加えて話しているまさにその時、そのお友達が登場!皆さんがあまりのグッドタイミングぶりにびっくりしているところです。
参加者の皆さんが全員同じ方向を向いていることにご注目。どう考えても皆さんの前頭葉が日中の教室体験から始まってイキイキしている証拠なのですよ。「興味津々」「打てば響く」「素早く反応」「状況を楽しむ」「状況の変化に対応」・・・これこそ前頭葉の働きです。

お話しの方向性が瞬時に変わったのは、久保さんの前頭葉のなせる業です。会場大うけでした。
お茶とお菓子と、いつものように皆さんが持って来てくださった煮物やお漬物で和やかな時を過ごし、最後にもう一度照明を落としてレインボーランタンを満喫してお開きとなりました。
楽しかったですね!皆さんの笑顔が朝5時起き(久保さんは4時出発!)の疲れを吹き飛ばしてくれました。
脳って上手に刺激してあげると、ちゃんと反応してくれます。その証拠に第一部も第二部もあっという間にたってしまったでしょう?
宴の後・・・

このような場所を提供してくださった、カネイチくつろぎサロンのご主人様、本当にありがとうございました。東京でのお仕事を終えられ、小布施にお帰りになられてから、このような形で町民の皆さんへ店舗(歴史を感じる立派な建物)を提供くださったそうですね。
せっかくのご厚意を、認知症予防にも子供たちの育成にも、もっともっと活用されなくてはもったいないと心から思いました。

 


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