脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

東御市のいきいきボランティアさん

2009年02月28日 | 各地の認知症予防活動

東御市で保健補導員さんのOGのみなさん方とお話をしてきました。みなさんは保健補導員の任期を務めた後も、そのまま種々のボランティア活動や趣味を一緒に楽しんだりしていらっしゃるのです。

伊豆の早咲きさくら(2/14写)P1000030_2P1000027

例えば、救命救急講習を受けて、
「夏には中学校へ行って、お話します。消防団のお手伝い、というか私たちのほうが頑張ってるかも」
手話合唱の講習を受けて
「それ以来続けているんです」
ダンスやカラオケ手芸などを楽しんでいる方ももちろん!
東御市も合併したのですが、良いところをお互いに積極的に取り入れているようでした。

特筆すべきは、このメンバーで地域のいきいきサロンなどのお世話役をしてくださっているのです。
帰ってきたキャサリンP1000050
地域の高齢者が集まったときに、最初は地域包括支援センターの職員さんたちが「認知症の早期発見」に関する寸劇をやったのだそうです。

「父は高血圧、母は糖尿病なので、私ハーフの小山キャサリンで~す!」

どうも小ボケっぽいキャサリンに、検査を勧め検査結果を基にした生活指導をするという、まさに二段階方式の理解を求める寸劇です。
最初はキャサリンを演じていただいたそうですが、現在では職員役もみなさんの出番。
金髪のキャサリンから姉さんかぶりのキャサリンへ。
地域包括支援センターのK山さんやK津さんたちは台本作りに専念することになります。脳機能の説明を重視したり、症状の説明を重視したり、少しずつ変更を加えて、名演技が繰り広げられているそうです。

はるかに桜土手がP10000241
こういうやり方が大切です。

保健師さんたちが何でもやるのではないのです。
最近、共同参画事業という言葉をよく耳にしますが、認知症予防活動こそ、そのテーマにふさわしいものはありません。

それぞれの立場や経験・能力に合わせて、予防活動の一翼を担っていただく。それは行政側のメリットでもあるのですが、何よりもかかわる皆さんのボケ予防になるところを忘れてはいけません。

参加してくださった方々のはつらつとしていたこと。この桜のように輝いていましたよ。P1000028

表情も服装もですが、意見を自由にのびのびと発言される様子に、みなさんの脳の若さを実感しました。

「『テストがあるから参加したくない』という声に対して、どのような対応がいいのか」というようなところまで、つっこんだ話し合いができました。

この回答は
①認知症予防を目的とした教室であることを明言すること
②そのためには脳機能検査は必須であること
③検査を嫌がる人は誰なのか、なぜなのか。できれば生活指導をすること
④脳機能検査の拒否が全員の総意かどうか確かめ、万一その場合は、その地区は教室開催を急がないこと。

P1000048職員のみなさんも意見を言われたり質問をされて、充実した一時を過ごすことができました。
「普段疑問に思っていることを口に出して、色々話せるこういう時間も、一緒に活動していくためには必要ですねえ」という感想が聞かれましたがあたりまえでしょう。

目と目を見つめあっていればわかりあえるのは恋人同士だけ。
私たちには言葉は不可欠です。それとKYといわれないためには右脳と前頭葉の連携も不可欠ですよ。

P1000047

P1000049

P1000046付け加えることがありました。
みなさん、気がつくこと!
気配りは前頭葉の働きです。

もっと話し足りない、時間が足りないという感じもありましたね。
脳がいきいきと動いた証拠です。                   


小布施町脳のリフレッシュ教室交流会

2009年02月16日 | 認知症予防教室

うれしいお葉書をいただきました。

Image_2

明後日から小布施に行きます。
脳リフレッシュ教室の交流会。

早いもので、今年で三回目になりますねえ。
交流会の時には、担当したスタッフの皆さんが、感極まるのでしょう、思わず涙ぐむというシーンがなんども見られるのです。
さて参加者や見学されている方々は気付いていらっしゃるでしょうか?あまりに盛り上がっていますから、案外気づかれていない様な気もします。

また、ボランティアさんたちが、我が子の学芸会を見るようにハラハラしながら見守る姿も印象的です。

もちろん交流会で見られるこのような姿は、小布施だけのものではありませんが、そのたびに、人が人を動かすということは、こういう思いこそ必須の条件かと感じるのです。

小布施には、交流会を抜きにしてもそういう温かさがあります。

芦ノ湖からの富士山P1000020                   御殿場からの富士山P1000024

もともと旅の人を手厚くもてなしたという伝統があるようですが(高井鴻山が葛飾北斎をサポートしたことは有名です)、文化観光協会の基本方針として「訪れる人達との交流を大切にしながら~」とわざわざうたってあります。
また、私がよく泊めていただくア・ラ小布施のスタッフの皆さんも心安らぐ対応をしてくださいます。

御殿場高原時之栖イルミネーションP1000010   P1000008                         平成13年から係わり始め、毎年伺っては各地区に一か所ずつの教室の立ち上げのお手伝いをしてきました。もうそろそろ達成かと思いますが、うれしいような寂しいような・・・
小布施町は、私にとってふるさとのような場所になっているのですね。
知り合った人たちの人懐っこさ(こう書いていてもたくさんの方々の笑顔が目に浮かびます)。温かさ。街並みの美しさ。庭やお花の美しさ。文化の香り。風土の魅力。そして食べ物もおいしい。

伺うのが楽しみな町なのです。

箱根彫刻の森美術館P1000004 P1000003

冒頭のはがきは今日届きました。
U澤T子さんありがとうございます。
文面から拝察すると、U澤さんは、第二の人生の生き方のヒントを脳リフレッシュ教室に参加されることで掴まれたのではないかと思われます。うれしいことです。
みなさんとお会いするのを楽しみにしております。
楽しい交流会になりますように!

せめて御礼のしるしにと思って、今年1月に写した写真を挿入しました。見てください。
                          


松原泰道師101歳

2009年02月15日 | かくしゃくヒント

2~3日前の日経新聞に、「101歳が説く現代の禅」として松原泰道師のインタビューが掲載されていました。

ところで、私の高校時代の友人が書家(幕田魁心さん)になっています。毎年1月に銀座で個展を開くので、今年もちょっと顔を出しました。
毎年ユニークな作品が発表されて楽しみにしているのですが、なんと今年は、松原師の言葉を幕田さんが書いたという本「一期一会」ができたばかりということで会場の一角に用意されていました。31yv3j31pnl__bo2204203200_pisitbsti

松原師の名前を知ったのは、もう30年以上も前でしょうか。
「南無の会」という超宗派の会を開かれていて、談論風発とてもスリリングな会だということを、毎日新聞社の記者だった知人から聞いた時が、初めてだったと思います。
その当時子育て中だった私には、興味はあっても別世界の出来事のような気もちで聞いたことを思い出します。

展示されていた幕田さんと松原師Photo の写真2009_0123_134900p1000038     松原師のはがき

幕田さんは、ちょっと興奮した面持ちで松原師との一時を語ってくれました。
「100歳を超えても、あんなにしっかりと生きられるんだねえ。何しろ初めて伺った時にはお一人で留守番されてたんだから。それにおっしゃることがすごい!」
私も「超100歳かくしゃく老人の調査」をしましたので、幕田さんがおっしゃっている松原師のかくしゃくたるご様子がよくわかるのです。
もっと話を聞きたかったのですが、個展を訪れる方が多くてあきらめました…

その続きをこの記事で確認したような気がしました。

会場には、この「一期一会」に掲載された作品が展示されていましたが、一番心を魅かれた言葉を紹介します。Iisinikata


下諏訪町の新しい友人

2009年02月12日 | かくしゃくヒント

前回と前々回で報告したように上松町→木曽町と講演旅行が続きました。
帰路はせっかくだからそのまま中央線に乗って、諏訪を経由して、八王子→新横浜→熱海というルートを取りました。

同じ道筋では帰りたくないという気持ちと、諏訪湖でアイスキャンドルフェスティバルの点灯式当日だったこともこのルート選択の背中を押してくれました。
北海道下川町で、アイスキャンドルミュージアムやるんですよね。下川町まではなかなか行けませんので、せめてという気持ちもありました。

P1000010 諏訪出身の友人がいます。彼女に情報を頼んだら
「こんにちは、諏訪観光計画推進部長(父/娘)ですというメールをいただき諏訪地方を網羅した観光案内とお父様がガイドまで申し出てくださって、急に諏訪湖ツアーの趣となりました。
初対面でしたが、エイジングライフ研究所が推奨したくなるような「その生き方にバンザイ!」という意味で宮坂さんをご紹介します。
Photoなんとまあ、元公務員。
ご本人の弁
「退職してから、横浜からもともと家内の里である諏訪に来ましたが、なかなか良いところで、ほんとにこちらに住むことになってよかったと思ってるんですよ」
奥様の弁
「やっぱり冬の寒さがねえ・・・それと横浜だと友人もたくさんいるし、いろいろ出かけるところもたくさんあるし・・・」とおっしゃりながらも、ガーデニングにもお料理にも、ここ諏訪での生活を充実させていらっしゃる様子が見て取れました。
発言をそのままに受け取るつもりはありませんが、肯定的な表現というのは、かくしゃく百歳の調査をした時にみなさんに共通する条件の一つでした。
岡本太郎が絶賛した万治の石仏Image37
「退職後は、ここで学童保育の世話を6年間したんですよ。イヤー、子供たちは可愛いですねえ。楽しかったです」

男性で!しかも地元でもないのに!

「越したばかりの時、退職金でパソコンを購入し、自習しましたが思うように行かず苦労しました。その時の苦労を同じく苦労している方に役立てたいとパソコン講習会を立ち上げました。今では5つの会(会員、約90人)に増えています。パソコンを学習すると共に会員相互の親睦を深め、パソコンを通して地域社会に貢献できればと思っています」

こういう積極性もお勧め。完璧主義でないこともGOOD!何よりも人間関係を重視する姿勢が素晴らしい。
教室生への課題Image_6
「このパソコン教室では、広報をもとにしてボケ予防のパンフレットを作ります。
注意点は、色を使うこと。画像を入れること。楽しく、自分らしく作ること。何度でも繰り返し教えて、厳しくすることは原則的には無しです」

ボケ予防教室のカリキュラム作成時の注意事項みたいでしょ?

「結果、発足してから約9年経ちますが殆んどやめて行く人はいません。会員の中からも教室の指導者が生まれています」

詩吟は結婚した時から始め、今はもう詩吟大会などがあると必ず招待され、参加を余儀なくされるほどの腕前とか。
それだけでなく小学生から中学生までの詩吟教室もやっていらっしゃるそうです。
諏訪というと諏訪大社
上社(本宮・前宮)下社(秋宮・春宮)と4か所のお宮があることをご存知でしたか?私は今回初めて納得しました。
それと諏訪大社というと「御柱祭り」
死者まで出ることもある勇壮なお祭りですが、その大木を町内曳航するときには、
「もちろん木遣り歌で参加します。御柱に登るのはちょっとね」と笑われていました。
下諏訪町歴史民俗資料館にも勤められ(下諏訪を故郷とするその覚悟が感じられます。脱帽)
「毎日ほんとに忙しいんですよ」

そばから奥様が
「幸せな人だと思います。こういう生き方はいいですよねえ」としみじみ言われました。

そのとおり!こういう生き方がいいんです!
初対面の宮坂様、ありがとうございました。これからもお元気で楽しい生活をお過ごしください。
下社秋宮(拝殿と本殿P1000016 P1000018




アイスキャンドルフェスティバルP1000014 P1000013 





お勧めの原田泰治美術館からの諏訪湖P1000005_2 P1000007 





<開催中のキルト展の作品約1m四方。作者は84歳P1000009 P1000008_3  



木曽町便り

2009年02月10日 | 各地の認知症予防活動

前回のブログで報告した上松町と木曽町(木曽福島町・日義村・開田村・三岳村が合併、2005年に発足)は隣り合っています。
上松町は、二段階方式を使った認知症予防活動にまったく新しく取り組もうとしている町。
木曽町は合併後、ようやく落ち着きを取り戻すことができたのでしょうか、それとも必要性に迫られてなのでしょうか、取り組みを見直して再出発、というような印象を持ちました。
木曽福島駅P1000023
実は去年のちょうど2月、木曽地域の保健師さんたちの研修会の講師に呼ばれ、エイジングライフ研究所が活動を始めた初期から導入していた王滝村のN田保健師さんや、旧木曽福島町の保健師さんたちに久しぶりにお会いして、懐かしくていくつも年が若返ったみたいでした。
その時保健師さんの発表がありました。
さすがに王滝村の発表は、脳機能結果をベースにしてあることと、正常から小ボケレベルの方々を対象にしてあって、私は内心とてもうれしく思いました。
N田保健師さんは、高齢化が進んだり、そのためのボランティアさんが不足したり、もちろん仕事に追われることもあるのでしょう、なかなか思ったような活動ができないと嘆いていましたが、少なくとも考え方は十分に理解してくださっていると見受けました。木曽福島駅前の雪像P1000027_2

もう一か所からの発表は、内容的には十分によくまとめられていましたが、大ボケの方が対象でしたから、保健予防活動という観点からは、なす術がないということになります。
もう一例は、非常に珍しい変性疾患だったという記憶があります。

「脳機能という物差しがあれば、ボケの理解の方法が変わります。症状からでは早期発見は困難です」と強調しました。
そして個別指導をしたのです。その時の様子が脳機能テスト、その後(終りのほうです)に報告してあります。

その時の研修会が、今回の講演会につながったのではないかと、これも私の推測ですが。
そんなことよりも大切なことを書いておきたいと思います。

市町村の保健師さんたちは「認知症の予防活動がしたい」と思っているということです。
業務は山のようにある、人員は削減されそう、場合によっては合併によって異動にもなった、それでもなおボケ予防をしたいと思っている保健師さんがたくさんいることを、私は知っています。今回もそのことを強く感じました。

その時、二段階方式の手技(脳機能テストを通して生活改善指導をする)を知ると「これなら使えそう!」と思ってくれるのですね。
あとは業務量との戦いでしょうか。
首長さんたちに、認知症予防活動における保健師さんの活用をぜひ考えていただきたいというのが、私の希望で、講演会ではかなり強調してお話します。
会場は福島会館P1000028
木曽町の講演会も250人くらいだったでしょうか。会場いっぱいのみなさんでした。熱心に聴いてくださってありがとうございました。
最後の謝辞で「これからの生き方、町の在り方をさし示した」と言ってくださってうれしく聞かせていただきました。

講演会以外の時間で、保健師さんたちが持っているケースを二段階方式の手技を使って解釈する時間をたくさん持ちました。
中ボケレベルになっても、さし当り会話は成り立っているように聞こえる(厳密に聞くと、的外れや間違いがたくさんあるのですが)ことや、小ボケレベルですでにこちらの質問に的確にこたえることができないことなど、多くの例で納得していただけました。
みなさんほんとに熱心でした!Y田保健師さんと久しぶりに顔をあわせたのに私語ができないほどでしたね。

あんまり勉強に集中して写真を撮り忘れました。(帰路の木曽福島駅で写した写真を使いました)

駅まで送ってくださったK井保健師さんとN村保健師さんP1000024
木曽町での事例検討は、大ボケではないものの中ボケが中心でした。「もっともっと早くなくっちゃあ」とK井保健師さんがつぶやいたのを聞きましたよ。
去年9月の研修会に見えた日義支所のM原保健師さんは、研修後のレポートも今回の事例もともに小ボケだったことを考え合わせると、着眼点を持つと小ボケを見逃すことはなくなるといえるのではないでしょうか?

P1000021_2今回の旅は、上松町でも木曽町でも、素晴らしい晴天に恵まれました。暖かくて「今年はこのまま春になるのでしょうか・・・」の言葉が飛び交っていましたが、厳しい寒さが戻らないように祈ります。
認知症予防活動も、冬の時代に後戻りしないでくださいね。


上松町便り

2009年02月09日 | 各地の認知症予防活動

木曽郡上松町へ行ってきました。木曽郡といっても長野県ですよ。

合併の嵐が吹いて、ここしばらくは市町村の新規導入がほとんどありませんでした。
認知症予防活動の必要性は十分に分かっていながら、合併に伴う人事異動や組織変革などで、保健師さんたちの元気もやる気も、ちょっと減ってしまったんですね。
そろそろ、始めないといけません。

久しぶりの上松町でした。
寝覚ノ床(ねざめのとこ)P1000037_2 P1000036_2

上松町からは、去年の12月の実務研修会に3人参加されました。
「とにかくやらなくてはいけない」という覚悟は、十分に伝わってきました。
いっぽうで
「何をどのようにすればいいのか」
「脳の検査や生活指導ができるのだろうか」
「住民の皆さんの受け入れ具合はどうだろうか」不安の種も伝わってきました。
特に、「ボケ予防教室を始めるということは、行政が手を引いても自主活動で継続するように指導すべき。そのためには教室の意義を理解してもらってスタートしなくてはいけない」ということを強調すると、不安の種が芽を出してしまいそうな感じでしたよね。

若いY野保健師さんは「住民の方々には、住民サービスをしなくてはいけない」という思いと、私が強調する「自主活動!」のはざまで大変だったことでしょう。
白く輝く駒ケ岳P1000030_2

上松にいた3日間。見事な冬晴れでした。この空を見てください。
雪もなく、凍ってもなく、不思議なほどの好天でした。
暖かく穏やかな日は、明るい未来を感じさせてくれますね。      

さて講演会当日です。                            会場の様子P1000034_2

中央公民館のホールいっぱいの皆さんです。
あわてて椅子を出す人、健康センターや小学校にスリッパを取りに走る人など、うれしい誤算のようでした。参加予想は 、「まったくわかりません」と言いながら正直なところ「100人くらい」というところだったようですが、250人くらい来てくださったそうです。用意されていた小冊子が足りなくなったと、ちょっと嬉しそうに、困った顔で答えてくれました。

エイジングライフ研究所の講演会では、参加予想の1.5倍から2倍の聴衆がきてくださることはよくあることですが、2.5倍というのはあまり体験がありません。

この参加者数で、住民サイドの認知症予防に対する希望や期待が、関係スタッフに実感されることになったと思います。
「動員もかけてないのに」という声を聞きましたが。

みなさんは、2時間を超える講演をしっかり聞いてくださって、
「保健師さんによる脳の健康相談」「ボケ予防教室の必要性」にはほとんどの方が賛同してくださいました。
最後に「宮前地区で、モデル事業として教室が始まります」というと、会場からは羨望のため息が漏れましたし、宮前地区の方はちょっと誇らしげで、こういう形で認知症予防教室の「認知」を図るということは時々お話しますが、結構効果的だと思いました。
宮前地区脳リフレッシュ教室P1000032

翌日、さっそく教室1回目を宮前地区の木の香も素晴らしい集会所で開きました。
もちろん、集団かなひろいテストから開始です。
その後、広間では社協デイサービスのY本さんの指導でレク。絶え間のない笑い声で、こちらの顔まで笑顔になりそうでした。
Y本さんの述懐
「みなさんがとても楽しんでくださって、私のほうこそ力をもらいました。脳がお元気な方々は、こんなにも熱心に取り組んでくださるんですね」

保健師さんは、一人ずつお呼びして、隣の部屋で脳機能検査と生活実態と生活歴を聴き取ります。
二段階方式の手技を使うと、その人のここ2~3年の生活の様子がはっきりとしてくるので結構感動していましたね。
O崎さんもH田さんもS脇さんも、これからです。住民の方々に勇気を持って生活指導をしましょうね。
吉川さん(宮前地区教室で)P1000031

前日の講演会を聴いてくださって
「いいお話でした。元気が出ました。今日は必ず参加しようと思って、ほら、ブローチも付けてきたんですよ」
横で「アラいいわねえ」
またもう一人「こんなの作れないかしら」
私「教室で教えあって作るのもいいし、こんな立派な集会所があるのだから。課外活動にしてもいいんじゃないですか」

本来ならば教室参加を通じて、こういう会話ができるようになってほしいのです。

初回からこんな具合だと、1年たったらどんなに若々しくなってくださるか、ほんとに楽しみです。P1000029

宮前地区はお元気な方々の参加が多いようでした。
「元気な人を元気なままで」これこそが一番有効な生活習慣病予防です。
ボケだって同じですよ。

保健師さんをはじめスタッフの皆さんのあまりに熱心な姿勢に、たくさん勉強はしましたが、写真を撮り忘れてしまいました。車に乗る直前健康センター前で撮ったマスクのM尾保健師さんとY野保健師さん。
上松のみなさん、風邪にご注意!


脳機能テストに現れる正常と小ボケの差

2009年02月01日 | 正常から認知症への移り変わり

先日相談があったケースです。
ご夫婦なのですが、かなひろいテストの成績の解釈が課題です。

今日の写真は日本一の早咲き梅の名所熱海梅園のショットです。

お二人とも70歳代です。2009_0121_101000p1000055
夫。正答数19、見落とし数7、内容把握は
  「おばあさんが、近所の人たちとの付き合いの中で、飲み食いの中、あっちに行ったりこっちに行ったりして暮らしてました」

2009_0121_100400p1000058 妻。正答数19、見落とし数7、内容把握は
  「おばあさんがいて貧乏でした。朗らかなおばあさんでした。その日暮らしでしたが、何ひとつ不足を言わなかった」

どちらも「梅」みたいに似てますが、白梅と紅梅が違うより以上に、このかなひろいテストの成績に反映されている前頭葉機能は違うことが理解できますか?2009_0121_100900p1000057

蝋梅は梅という字がつきますが梅ではありません。
すてきな香りがあること、早く咲き始めることで珍重されますが別の花。

この夫と妻の前頭葉機能は、梅と蝋梅くらい違います。

正答数も見落とし数も全く同じなのですが、なぜ違うことになるのか、もうわかりますね。
夫は、このもの語りの内容の把握に失敗しています。言葉は近いものを使っているのですが、根本的なイメージは間違っていますね。

かなひろいテストでは内容把握の結果は、成績を大きく左右するのです。注意集中力と分配力を見ていますから、正答数だけ合格しても、内容把握に失敗すると注意分配力不足ということになるからです。(詳しくはマニュアルA116Pを参照)2009_0121_105000p10000481 2009_0121_104200p1000053

しつこいようですが、上の二つ、どちらも水仙です!
その違いをよく見てあげてくださいね。

かなひろいテストを実施する時は、内容把握の程度をよく聞きとってください。
「たぶんこの表現はこういうことを言いたいのだろう」とより良いように評価するのではありません。
「どのように内容をイメージ化したのかを聞かせてもらう」という姿勢を忘れないでください。

2009_0121_104900p1000049 ちなみに夫の脳機能は小ボケレベル。
30項目問診票結果は2・5・8・9・10にちゃんとマルが付いていました。元来は立派な方でしたが3年前に心臓の手術を受けてから、生活が一変されたというコメントがありました。
妻の脳機能は正常レベル。
もちろん、30項目問診票には一つもマルは付いていませんでした。


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