脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

10月の右脳訓練ー伊勢神宮

2013年10月31日 | 私の右脳ライフ

  今回の大台町の仕事は朝8時前から夜9時過ぎまでというハードなものでしたが、前後も充実していました。
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前が「なばなの里」、後が「伊勢神宮」
「なばなの里」はかなり準備していきました。
「伊勢神宮」は大台町のH保健師さんのご厚意で連れていっていただいたのです。こちらは全面的にお任せ。発見や驚きが満載で、また別の楽しみにあふれていました。

第一、二人旅ですよ。一緒に眺め、おしゃべりをして、また違う目の付けどころを教えてもらったり。
昼食も一緒、お茶も一緒。楽しさの倍々ゲームのようでした。

大台町は奥伊勢と呼ばれるところにありますが、素晴らしい景観に恵まれています。

講演会でも、参加者の方が
「ここは素晴らしいところだと思ってます。水墨画のようなというか、うまく言葉では表現できませんが」といわれました。

右脳から受け取る、色や形や音楽や感情というような情報は「うまく言葉にできないけど」と前置きされることが多いのも興味深いことですね。

さて、遷宮の年ですから参拝客が多いとは思っていましたが、平日だからとちょっと高をくくっていました。駐車場も満車?と思うほどたくさんの車、そしてたくさんの観光客が!

おかげ横丁と呼ばれる参道にも目を引かれるものがたくさん。おいしそうなものから、工芸品まで。
お昼は、てこね寿司にしました。店内に入るとタイムスリップしたような・・・お伊勢さまは確かに歴史の町でした。P1000318 P1000317      

 

 

 

 

 

 

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神宮は写真禁止が多くてうまく写せませんでした。
ただ、得をしたことがありました。今は新しいお宮と20年前の古いお宮が並んで建っている姿を見ることができたのです。

新しいお宮はすがすがしく、背筋が正されるような印象があります。
そして20年というのはなかなかの年月です。
かやぶき屋根は苔やシダの類がついて緑色になっていますし、建材にも20年の色が出ています。

外宮正宮の新宮と旧宮
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記紀の世界観にはついていけないところがありますが、(国生みの神事などの表現の真相はどうだったのだろうかとか思ってしまいます)神宮の環境はすばらしい。
そして20年ごとのお宮の建造がクローズアップされていますが、実は、多くの神宝調整工程品もすべて新調することで、工芸の技術をも次代に伝える趣旨もあることがわかりました。
外宮にあるせんぐう館で学んだことです。

外宮の別宮多賀宮(これも新しくなっていました。奥が古いお宮)と風宮(名前が素敵)

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肥後神楽の奉納も見せていただきました。神馬にも会いました。 P1000312P1000321_2                    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

素晴らしい天気に恵まれた秋のホリディでした。
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10月の右脳訓練ーなばなの里

2013年10月30日 | 私の右脳ライフ

   念願の長島温泉「なばなの里」のイルミネーションを見に行ってきました。P1000282

と、いってもわざわざではないのです。三重県大台町に仕事がありましたから、途中下車の旅。

ちょうど先週の金曜日から今年のイルミネーションが始まったからなのです。
いろいろ調べるときに、本当にネットは便利です。

電車の時刻から、最寄駅からのバスの便、会場の地図、施設・・・
いながらにして、手に入るという便利な世の中になりました。

でも強調しておきたいことがあります!
現場に行って実体験したことは、事前に集めた情報とは、脳の刺激の質量ともにあまりにも違うということです。
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当たり前のことを言っているように思われるかもしれません。

でも、子供たちが
「知ってるもん。テレビで見たから」とか「本に書いてあった」とか「パソコンで調べた」というでしょう。
知識が増えることは確かに悪いことではありませんが、「知っていること」とそれを自分で体験して「自分のものにしている」のとでは、前頭葉の関与の度合いが違います。
前頭葉は体験の中から豊かになっていくことを知ってほしいと思います。

見事なイルミネーションでした。音楽も素敵でした。P1000273
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実は明るいうちに到着しました。
ベゴニアもきれい、ダリアもきれい。バラもコスモスも!予定外の喜びでした。
ネットでも下調べをしたうえに、明るいうちに、園内をくまなく回り、準備万端整えて点灯を待ったのです。
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小ボケの症状2

2013年10月27日 | 正常から認知症への移り変わり

またまた、友人から聞いた話です。
その友人の、お友だちのお母さんの話です。

同じ敷地の中で、一人暮らしで別所帯を営んでいるしっかり者のお母さん。90歳です。

北東北の10月の風情
P1000087_2 ある日嫁に訴えたそうです。
「ガスが付かなくなってるけど、どうしてこんな意地悪なことをするの」

「文句があるなら,ちゃんとそう言ってくれたらいいのに」

「私が、この家のためにどのくらい苦労したか、娘のあんたなら十分わかってるはずでしょ!」

「今だって一人でがんばってる。農作業だってがんばってる。そのことは誰でも認めてくれる程だよ!それなのに、どうして!」

「なにが起きているか。きっと自動消火装置が働いたはず」と思いながら、 早速別棟の台所に急いでみました。
最近のガスレンジは、事故防止のために一定時間過ぎると勝手に消える機能が付いているそうです。
案の定、推理通りの展開だったのです。
そのうえに、はっきりとはしなかったそうですが
「元栓閉めてて、言われたら開くなんてひきょう者・・・」
みたいなことをブツブツ言われて、そのお友達はパニック状態になってしまったとか。

2010_1019_140300p1000114 「あの、しっかり者のお母さんが。こんなことを起こすなんて」が第一でしょうし、それ以上に
「私が悪者、犯人扱いされるなんて」
言われた言葉に深く傷ついたはずです。

小ボケを通り越して中ボケになっても、言葉はほんとに普通に話せるのです。
ただし、一見普通と言うだけで、本質的にはおかしいのですけれど。
このケースでも、日本語としては言葉もおかしくないし文法だって間違えていない。文章は完璧!
でも、考えてみてください。
内容が変でしょう。

状況の理解や判断ができていない。
いくら文章が文法的に正しくても、内容が間違っているところがボケている証拠。

P1000086 「いやぁ、勘違いやまちがえることだってあるし・・・」という声が聞こえそうです(笑)

若い頃から、こういった偏った性格だったとしたら、何度も繰り返し、こういった「事件」が起きているはずです。
その時には、家族は傷つくかもしれませんが、パニックにはなりません。

ちょっと譲ってみましょうか。
確かにこういう、勘違いによる「事件」もあるかもしれません。一度だけならです!
でも、それが何度も何度も繰り返されるでしょうか?

小ボケになったら、ということは前頭葉が満足に働いていませんから、状況判断はいつも不完全。
つまり、このような「事件」が繰り返し起きてしまうのです。
家族は最初はびっくりしたり、傷ついたり、応戦して口げんかになったりします。そのうち
「ボケのような症状はないけど・・・だって徘徊もないし夜中に騒ぐこともないし、家族の顔だって分かるし・・・でも変。ボケ始めているのかなあ」と不安が募ってくるものです。

この失敗や事件が単に年齢のせいかどうか?P1000088_2
正統的には脳の機能検査が必要なのですが、一般の人たちができる見分け方があります。
このように日常自分の身の回りのことはできるのに、そして言うことは普通なのに(あくまでも文法的にですが)やることなすことがどこか変。

そのようなときにチェックしてほしいことがあります。
最近、といってもここ3年くらい前、1~2年前のようにもっと短期間のこともありますが、そのお年寄りの生活が大きく変わってしまうような出来事があったかなかったか。

その出来事の後、それまで続けていたその人らしい生活が続けられなくなっていないかを確認してください。

それまでの生きがいや趣味や交友などの楽しみや運動さえもしなくなった生活が続いていないか、がカギなのです。

P1000099ナイナイ尽くしの生活は脳の老化を加速させるのです。
ナイナイ尽くしの生活が始まってだいたい3年間が小ボケの期間。つまり生活が変わってしまうきっかけ起きたのが3年以内なら小ボケの可能性が高いです。

小ボケにこだわるのは、小ボケならば自覚がある。次の段階の中ボケになると自覚がなくなりますから、どうしても早く見つけたいのです。
「脳がうまく働かない」という小ボケの人たちの実感を、この何もしない生活のせいだと説明して、
「元のように脳を使う生活に戻りましょう。そうしないとドンドン脳の元気がなくなります」と励ますのです。

後から聞いた話です。
このおばあさんは、3年前に生活が変わるきっかけがあったのです!
ご近所の一番親しくしていた友人が都会の息子のところで同居することになって、しかもそれが急に決まったことだったのであわただしく転居してしまったのだそうです。
毎日のように会ってはお茶のみを楽しんでいた(嫁の愚痴もおしゃべりしていたかも?)友人がいなくなることを、このおばあさんは人生の楽しみを取り上げられたように感じたのでしょうね。P1000090

さらに続けて、近所にたった一人残っていた小学校からの友人も転居。

この夏の暑さで体調不良も起こしてしまい、残された生きがいである農作業もままならない時期が続いた・・・こういう生活が認知症を呼び込むのです。

その結果、不思議な事件が起きるのです。

できるだけ早く、生活をもとに戻す工夫をしましょう。
筆頭は散歩ですね。
それから、声掛け。ちょっとした外出。洋服やおやつなどの些細なことでも、決めてもらう。
趣味があれば一番なんですけどねぇ・・・


小ボケの症状1

2013年10月24日 | 前頭葉の働き

最近、耳にした小ボケの症状です。
(「具体的な例はとっても身近で勉強になります」とよく言われますが、エイジングライフ研究所はあくまでも脳機能を測ったうえでレベルを決めるノウハウを持っていて、症状だけで判断しません)

写真は10月初めの北東北
P1000098友 「お約束して友人のお宅に伺ったの。主人と二人で伺いますって。
居間のカウンターにコーヒー茶碗が2客分用意されていたんです。
なのに、いざコーヒーを入れてくださる段になると、なんと私の前だけに出してくださったの。
主人の前には何もない・・・

そのまま話をしばらくしてから、コーヒーのお替りということになった時に、ようやく主人の分がないことに気づかれたんだけど、それがまた変で・・・」

私「恐縮の具合が足りないというか・・・あんまり恥ずかしそうにしないというか・・・」といいながら、「これは小ボケだなあ」といくつかのケースが重なって思い起こされました。

P1000083訪問時刻を決めたうえで 保健師さんと一緒に家庭訪問したことがあります。

ご本人が、挨拶もそこそこに台所に下がってしまったのです。
大きな声で「お構いなく」
「食事も済ませたばかりですから」
「ちょっと時間も気になりますので」などと何度も声をかけたのですが、なかなか出てこられません。
(見通しのなさ。状況判断の悪さ)

しばらくして、ようやくお盆を手に出てこられました。
(手際の悪さ)

保健師さんと顔を見合わせました。
お菓子鉢に、様々なお菓子が山盛り。まるでありったけのお菓子を全部出してくださっているかのようでした。お盆にこぼれたお菓子もあったくらいです。
(小ボケになると盛り付けに心を配るような美的感覚は感じられなくなる)

お茶を口にして、また顔を見合わせました。
ぬるすぎる・・・

P1000079 中身がコーヒーなのに、カップではなくてお湯呑で出されたり、砂糖を取りに行ってなかなか帰ってこなかったり。

暑い時にせっかくジュースを用意してくれているのに、氷が入ってなかったり、寒い時に温かい飲み物が用意されなかったり。

脳機能が改善されていくにつれて、カップがおしゃれになったり、砂糖やミルクの用意がきちんとされるようになります。
おかしと飲み物のマッチングや季節に合った飲み物など、普通の大人ならば「こうする」ようなおもてなしになっていきます。

このようなときに保健師さんから「テストはしますが、しなくてもよくなったって実感できます!」といわれます。

P1000092脳機能で生活しますから、脳機能が衰えるとそれに沿ったことしかできなくなります。
小ボケは前頭葉機能だけが老化が加速されて満足に機能できなくなった状態です。

前頭葉の機能として最初に知らなくてはいけないものは、おかれている状況を判断するということでしょう。
判断したうえで、何をするのか考え、いくつかの中から選択し、実行に移します。
見通しを立てて、順番も考慮し、手際を考え、状況変化に応じて軌道修正もします。

このような機能が低下している・・・と考えると、小ボケの人たちが繰り広げるびっくりするようなことが納得されるのではないかと思います。


運転席の表情

2013年10月14日 | 前頭葉の働き

P1000121友人が来ました。
いま、伊豆ではちょっと話題になっている細野高原。

東京ドーム26個分のススキ原。海と天城連山が見えるススキ原。箱根仙石原をはるかに超える隠れた絶景なのです!

「ベストシーズン!一緒に細野高原にススキを見に行きましょう」ということになってドライブに出発。

国道へ出るまでの、やや細いカーブが続く、しかもアップダウンのある坂道。
と、いっても歩行者も車もそこそこにはある、そんな道のカーブを曲がった途端、道の中央に車がこっちを向いて動いています!

こちらも、あちらもスピードは出ていませんからびっくりしただけで済んだのです。

「あらっ、まあ!どうしたのかしら」「危ないじゃないの!」「ごめんなさいも言わないで!失礼ね!」などとこちらの車内では興奮が続いていました。P1000124

それより私が気になったのは、ちらっと見えた運転されている方の無表情さでした。

気がかりだったことが三つありました。

格別にびっくりした様子がないことが一番。
恐縮してないのが二番。
そして、車を立て直すにもよく言えばあわてていない、少しでも早く左車線に戻そうとしているようにはみえないのが三番。

正確には状況がつかめていないためなのでしょうね。

まったく自分の世界だけ。
ということは、注意を分配できていないということでもありますから、前頭葉機能が利いていないということになります。
この細いカーブのある道で運転する際に必要な状況の判断も悪いし・・・

鉢合わせしようとなった、対向車への気配りもゼロ。
「アッすみませんね」「申し訳ありません」が口に出なくても、表情で表すほうが普通でしょう。
最低びっくりしなくては!

P1000123 ちょっとドキドキが収まった時に、今度は私の車が右折する丁字路の交差点になりました。

右からのベンツが停止していて、左折表示が出ています。
「ベンツはやっぱりかっこいいな」と思いながら、私は右折ですから、曲がっていくとその車を運転している方が見えました。
なんと私の知人O野さんでした。

「伊豆高原シニアライフ日記」というブログを10年近く続けていらっしゃいます。
第2の人生の生き方を、模索しながら獲得していく、その過程をブログから知ることができます。

(最近の農園仲間の方々との交流は、伊豆高原のような別荘地では結構珍しいのではないでしょうか。これはよいことだと、いつも応援させていただいています。関心がある方は是非上記ブログをご覧ください)

P1000119 スピードを落として窓を開けて挨拶をしたら、私のことを認めてくださって、破顔一笑。
うれしそうな表情を見せてくださりながら左折されました。

一瞬のことでしたが、車の運転方法からも、車の窓越しにちらっと見える表情からも脳機能のイキイキ度具合がわかるという話でした。

小ボケになったらどんな運転になるのか、以前まとめたことがあります。ご参考までに。
「正常から認知症への移り変わりー『スピードが遅すぎて怖いんです』」


胃袋と脳と

2013年10月14日 | 私の右脳ライフ

始まりは、フェイスブックでした。「伊豆高原雑貨屋Bouillon」さんからのお知らせ。
店主Y田さんとは1~2度お会いしただけなのですが、毎日のようにフェイスブックで記事を読んでいると興味や関心、生活ぶりなどが伝わってきて、私の中ではお友だちになっていました。

P1000130「実家から持って来た和食器を並べますが、これらは古いものですが、悪いものではないので、フリマで販売するには忍びないです。と言う訳で、お料理が好きな方にもらっていただけましたら幸いです。写真の塗りの4段重ねのお椀は、数十年前のものですが・・・」

すてきな写真が添付されています。

漆器は、海外では「JAPAN」といわれるくらい日本で発達したものですが、何しろ高価なことと、取り扱いが面倒なので(面倒なような気がする)、なかなか日常的には使うことが少なくなってますね。

「頂く」ことが前提なのでためらいがありましたが、4段重ねがどうなっているのか気になって、行ってみました。それが昨日の夕方のこと。

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一番下がやさしい手触り、優しい形のご飯茶碗。

その上に、おかずを入れる丸型の重箱。

さらにその上は、蓋がかぶせられるように山型の上部を切り取った珍しい形の形の重箱。
しかも朱色です!
ここが重ねたときにアクセントの朱色の縞を表現するのです。

そして一番上のふたには、シンプルな蒔絵も施されています。
そのうえ、なんとそれはお吸い物椀の役もこなすという遊び心いっぱいの4段重!

実は、ちょっと忙しくしていて「今晩の夕食は簡単に」と決めていたのです。
でも、「使ってくださいね」というY田さんの笑顔が浮かんで、有り合わせで挑戦することにしました。

P1000137ご飯は上等です。
友人が前日に届けてくれた、はさ掛けにして乾燥させた新米なのですから!

黒の重箱
白身魚とナスと里芋の煮つけ
伏見甘長トウガラシの炒め物
アジの干物(半分)ただしこれは自家製です。

赤の重箱
自家製のゆで豚
サラダ
卵焼き
エダマメ

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なんだか幸せな夕ご飯・・・

そして今朝。実は昨日手にした時から「お茶づけは?」と考えていたのです。
「左脳で考えるだけでなく、右脳を駆使して実際にやらなくては」これは、エイジングライフ研究所の認知症予防のスローガンのようなものです。
もちろん、前提には前頭葉が状況をよくとらえて何をどのようにするのか決めておかなくていけませんよね。
それともう一つの前提は、楽しそうなこと、好きなことをやることが大切なのですが。

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結果は・・・
大満足の朝ごはん。どこかのこだわりの和風旅館の朝ごはんみたい。
胃袋も喜びましたが、脳も喜びました!
伊豆高原の雑貨屋Bouillon Y田さんありがとうございました。


ブログ村

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