脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

すごい人はすごいー愛媛県伊方町

2008年01月18日 | かくしゃくヒント

愛媛県伊方町のY口さんからおはがきが届きました。素敵なはがきでしょ?

H009 Y口さんはもともと学校の先生をなさっていて、当然のようににリーダーとして見られていた方のようでしたが、退職後は、地元伊方町三崎地区で、高齢者を集めて「教室」をやってこられていました。

先日講演に伺ったとき、前日の打ち合わせの際会場で作品展示をなさっていましたので、お話をうかがうことができました。
高齢者が何を喜ぶか、どういう取り組み方が抵抗感がないのか、またいろいろな方がいるので、みなさんに喜んでもらうことの難しさも強調されました。
「皆さんで集まって楽しまれることが、何のためなのか、ボケ予防とどんな関係があるのか明日の話をお楽しみに」といって別れました。

伊方町での講演の時のブログです。会場写真の最後にチラッと写っていらっしゃいます。
http://blog.goo.ne.jp/ageinglife/d/20071127

年末に自作の絵をカレンダーにしたものを贈ってくださいました。何か御礼をと考えて、「そうだ、ゆうかり工房手作りキットなら喜んでくださるだろう」と少々送りました。そのお礼のはがきです。

椿の絵にもびっくりしましたが、
「微力ながら地域の高齢者を支えて生きたいと思っています」
私は、この文面に感動しました。

三崎の皆さんよかったですね!
そして考えてみれば、Y口さんよかったですね!
これだけ力のある方が、その力を地域のために発揮できるということは何よりの「生きがい」のはず。
「ボケ予防教室」にはかくしゃく高齢者の参加が欠かせないとよくお話しますが、それは参加されている高齢者のためだけでなく、ご本人の生きがい作りのチャンスでもあるからなのです。

「情けは人のためならず」ということわざは、もともと「情けをかけるということは人のためではない自分のため」が本来の意味です。
P1000007 私も実感しました。
久しぶりにゆうかり工房に行ったら。玄関回りが変わっていました。作品を利用してこんなにかわいく変身!そこだけでも十分に楽しむことができました。
中世P1000008 ドイツの町並みのいろんな店の看板みたいですね。

玄関脇の壁は、粘土細工の花が咲かせてありました。

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110の日(いとうの日)

2008年01月16日 | 私の右脳ライフ

110の日って全くローカルな話ですみません。
1月10日を「いとう」に引っ掛けて、伊東市内の店や、施設が種々のサービスをする日なのです。
去年から始まりましたが、不覚にも去年はそのニュースを知らずに過ぎてしまいました。
Photo いろいろな美術館入場料が110円、シャボテン公園1800円の入場料が無料etcということで、てぐすねを引いて待っていました。
当日の天気は快晴。風もなく行楽日和。(富士山が見えます)

まず行ったのがガラスと工芸美術館
きれいな作品をたくさん見て大満足。
Photo_2 北斎と印象派やガレとの関係も再認識できました。
西洋では自然や動植物はあくまでも背景でしかなく、日本のように四季折々の自然そのものが画題になることは、彼らにとって全く新しい見方だったそうです。

その後はシャボテン公園
ここはチンパンジーの学習発表会が人気です。動物の幸せとか考えてしまうと楽しめませんが、単純に「すごーい・じょーず」と拍手の連続です。
Photo_3 カピパラが温泉に入っています。
Photo_4 どこかさびしそうなロバ

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アフリカンアートギャラリーの評判がいいので一度は行きたいと思っていました。
H001_2 たくさんのお面や素朴な彫像が 、圧倒的な存在感を示していました。プリミティブなものは、確かに生命の根源を揺さぶるような力がありますね。
Photo_10 入口ドアの取っ手です。

ここで夫と別れ、後は単独行動です。
一度は行きたいというところがいろいろあって、一人で行ったのがテディベアミュージアム

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テディもトトロもかわいいことはかわいかったのですが、ここを喜ぶには、私はちょっと年をとりすぎていたかも・・・

帰り道で見つけたロウバイが、また元気をくれました。
テディやトトロを喜ぶ子供は、私のようにロウバイを見つけて元気をもらうだろうかと考えたら自然に♪歩こう歩こう私は元気♪が浮かんできたのには笑ってしまいました。お花は見せられますが、香りはちょっと無理ですね・・・
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楽しみは見つけなくてはいけません。
いつもいつも、こんなに盛りだくさんの遊びが必要というのではなく、興味のアンテナを立て続けることができるようでいたいと思います。
加齢による年相応の能力低下が、体にも脳にも起きても、この姿勢は持ち続けられますね。
考えてみれば、ブログを書き始めてから、頭の片隅にはいつもブログのテーマ探し(皆さんが興味を持ってくださることはないか)が潜んでいます。私にとっては、そのことがとても重要な楽しみのような気がしてきました。
皆さんに感謝しなくてはいけませんね。


生きる力

2008年01月09日 | かくしゃくヒント

このアマリリスを見てください。

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http://blog.goo.ne.jp/ageinglife/d/20071226のアマリリスが年を越してまた開き始めました。
P1000004 実はこのアマリリスは二鉢求めたのです。一鉢目は、あっという間に花茎を伸ばし12月7日にもうここまで開いていました。
成長の速さと花の豪華さは、私をびっくりさせてくれましたが、それでおしまい・・・

ところで、今朝のTVで、「リハビリの力」を再認識したというテーマの報道がありました。
歩きたい、トイレは自力で、階段を登りたい、自宅に帰りたいetcの患者さん本人の希望があるとき、リハビリをすることによって、考えられないほどの回復を見せるという趣旨でした。
それは「リハビリの力」だけなのでしょうか?

必要条件は、「~したい!」「~するぞ!」という「強い意志」ではないのでしょうか?
同じ状態になった時、強い意志ををみなぎらせることができる人とヘナヘナとなってしまう人がいます。
その違いは何なのでしょうか?
P1 答えは、簡単すぎてごめんなさい、前頭葉の違い。
ごく少しの生まれつきの気質というようなものの差も否定はできませんが、前頭葉は体験の脳。体験しては、それに評価を行い、さらに体験を積み重ねてその人の「色」を作り上げていきます。

「十人十色」の「色」は、まさに前頭葉の違いを表す言葉です。

子どもは、自分のやったことについて快・不快や好き嫌いはあっても、正しく評価することができません。
だから、子どものうちは親の評価が前頭葉の方向性を形作っていきます。その成功体験や失敗体験の積み重ねのうちに思春期になって、自分の意志で自分の人生を切り開き、自分らしく生きていくのです。
その遥か先に、老年期になって、特にいろいろな悪条件が立ちはだかってきたときに、どう生きるかの差が生まれると、私は思っています。

こう考えていくと、ボケの予防は子どもの教育から始めなくては、なし得ないことになってきますね。
P2 植物には意志はないでしょうから、もともと白のアマリリスが持っていた生きる力と、赤のアマリリスが持っていた生きる力の違いが、水も太陽も同じだったのにアマリリスの一生をこれほど違えてしまった・・・植物は仕方ないかもわかりません。

でも、人間は一生を自分で作っていけるのです。自分の前頭葉で自分の人生を自分らしく駆け抜けることができるということを、皆さんに知っていただきたいと思います。ただしその前頭葉は、それまでの生き方で形作られ色づけられているということも。

四国に友人がいます。
その友人のお父さんの話です。
89歳のN田Y治さん。4年前に奥様に先立たれて一人暮らしをされています。奥様が亡くなったとき、どうやってお父さんの面倒を見たらいいのかと皆さんで話し合ったそうです。
結論は、ご本人が当たり前のようにいわれた「この自分の家で、一人で暮らすに決まっている」という言葉を尊重することになりました。近所に嫁いだ娘二人、友人はかなり離れていますが月1回は顔を出すということになりました。
家事はすべて奥様がされていたわけですから(年齢を考えてください)娘さんたちは、本当に心配だったそうです。
ところが、食事作りの手ほどきを受けると、TVやその他の情報を上手に生かし工夫した料理が並ぶようになりました。「お母さんの味」を真似てお漬物作りにも挑戦。友人がいつ行ってもきちんと家は整えられ、庭の花作りも始まりました。その花はお仏壇に飾るための花!
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友人が言います。
「人って、何歳になっても成長できるのね。父を見るといつも勇気が出ます。お正月に帰ったら、家だけでなく、神棚の掃除からお墓の掃除まで私がやるよりきれい!お墓には庭の花がてんこ盛りに供えられていて、お母さんも喜んでいるでしょう」
私が答えます。
「以前いただいたお手紙に、それは厳しい戦争体験が綴られていて、そのときに生きていることに感謝して楽しく幸せに生きることが大切だと思ったと書かれてあったけど、それが原点かしら。でも同じような厳しい体験をしても、そんな結論になる人ばかりじゃないし、結局はそのように考えられるパーソナリティ(まさに前頭葉)を育まれたお母さんがいらっしゃるということじゃない?」
友人
「父の兄弟は皆おもしろい人ばっかりです。いろんなことをやっていて皆仲良し。貧しかったけどいい家庭だったということかなあ」
「父を見ていてもう一つ思うことがあるの。『お父さんががんばっている。今度はこれができるようになった。今度はこれを工夫した 』と見守る眼があると、それを支えによりイキイキと生きていけるみたいなの」

「人は一人で生きるようにはなってないから」
友人
「別の話だけど、こんな話も聞いてね。父より1歳年上の人なんだけど、歯茎にガンができて手術したの。高齢だから躊躇したけど、手術は無事終了。ところが、飲み込めなくなってしまってその結果・・・」

「体調が良くなったんでしょ」
友人
「そう!栄養は点滴で完璧なんだけど、食べられないから退院はどうなるのか?こういう状態で生き続けることはどんな意味があるのか?もともと会話は一方通行だった、つまりオーダーのみだったので、人の言うことに耳を傾けることを知らないの。どうすることが一番いいのか、いろいろ考えさせられてます」

「別の話じゃなくて、お父さんの話と表裏一体の話よね」

皆さんも、ボケ予防って何なのか考えてみてください。
今日の白い花はウインタークレマチスです。


あけましておめでとうございます

2008年01月02日 | 私の右脳ライフ

P1000003 何度もいいますが、還暦を迎えましたので、少しずつ生き方の軌道修正をしていこうと思っています。
2008年の初日の出です。なんと我が家の2階からちょこっと拝ませていただきました。
おせち料理も手抜き。結婚して今年で38年目ですが、初めて買い求めたおせちで正月を迎えました。ちなみにお味はとってもおいしかったです!
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お正月の花も手抜き。庭の雪柳を良くみると小さな芽がけなげに膨らんでいました。一枝切って、根締に何かときょろきょろしたら、何と実生の万両が。その二つを手に意気揚々と部屋に入り、おしゃれな花瓶に挿しました。所要時間は5分。P1000031_2 

手抜きは悪いことではありませんが、手を抜いた結果できた時間や体力や意欲をどう使うかが問題なのです。
そこで2008年のスタートに何をしたかを報告します。
散歩!
近所の神社ヘ初詣。その後人を見たり花を見たり景色を楽しんだりしながら遠回りをして帰宅しました。所要時間2時間半。
「その時前頭葉はその行動にどのように関与し、同時にどのようにその行動を評価するのか」をいつも考えましょう。脳をイキイキと保てるかどうかの分かれ道だと思います
写真を何枚かアップしますので、ご覧下さい。
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八幡宮来宮神社です。熱海にも来宮神社がありますが、ここの神社もなかなかのものでした。
本殿、幣殿、拝殿の三宮からなる、うっそうとした森に抱かれた雰囲気のあるお宮です。本殿は1795年建造といいますから歴史もありますね。
P1000021 森は自然のままの照葉樹林で、カシやシイがうっそうと茂っています。下草にはリュウビンタイという大きなシダがそこここに生えています。このシダはこの林が北限自生地という説明板にちょっと得をした気持ちになりました。
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参道には何基も狛犬が。
表情を一つずつ眺めるとおもしろいものです。
P1000028_2 こんなやさしい狛犬もいるかと思えば、どうみても怒っているこわいのもいました。

 

 

 

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上海でも、子供を抱えたお母さん狛犬がいましたが、やさしさはあまり感じられなかったなあなどと思い出し、国民性の違いかとか、家にいたら思いつかない様な会話が生まれました。

歩くだけでも、充分脳は活性化されますが、見るもの聞くものに関心がもてるほど前頭葉の関与は大きくなります。
そのためには、「知っている=左脳の働き」ことも大切なことには違いありませんが、「どのような体験をしてどのように感じてきたか=右脳の働き」をたくさん持っている人ほど、その可能性は大きくなります。

P1000013_2 太陽をいっぱいに浴びたお地蔵様に、皆さんの幸せなこの一年をお願いしました。


ブログ村

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