脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

2月の右脳訓練-ひと月分のお楽しみ記録

2023年02月28日 | 私の右脳ライフ
月替わりのカレンダー。2月も今日で終わりです。「見慣れた」と書こうとして「見慣れる間もなく」と書いた方が気持ちに正直だと思います。
父母が「1月行く。2月は逃げる。3月去る」といっていたことばも、しみじみと思い出されます。ジャネの法則を引用した記事を探してみました。
かくしゃくヒント3-1日10回感動する 2010年の記事で12年以上も前に書いたものです。
私の2月は、とても変化に富んでいました。
2月の伊豆といえば、カワヅザクラ。2月18日に南伊豆町青野川の満開間近の桜狩を楽しみまました。

花といえば、ニューヨークランプミュージアム。小布施の講演に使うパワーポイント用の写真を撮りに行きました。(2月5日)
元気のいいお花たちです。

スライドはこんなふうになりました。
3年ぶりの小布施町も充実した時間を過ごすことができました。(この前の記事も読んでみてください)

ルピナスを見ると、北海道糠平の廃線になった駅周辺の群生を思い出します。人気のない緑の木々に囲まれた広やかなところ(転車場跡地だったかも)に、青いルピナスが群れ咲いていました。ニューヨークランプミュージアムは糠平のもの悲しさとは無縁で、あくまでも日の光を受けて輝いていました。

海に目をやると。

友人から「自然に恵まれているところに住んでるね」といわれます。天候が荒れた日の翌日、白い波が見たくて歩いて5分のいがいが根に行きました。予想通り見事な波の色と音。それに大島の眺望まで含めて「たった一人ではもったいないな」と思いながら楽しみました。
海も山もきれいなところにいるから、出かけるとまたその場所の良さが際立って感じられるのかもしれません。
小布施の帰りに見た、関東平野の日没。そして東京では毛利バーグラン(高校の同級生のお店)へ。

食のレポートも。金沢出身の友人から毎年届く松葉ガニ。息子が特別なルートで手に入れてくれた阿蘇のグラスフィードの赤牛(牧草だけで育った牛。この次に入手できるのは2年後とか)

海が近いので、お魚も届きます。2月はイワシが豊漁だったそうです。定置網から直に来るイワシにはうろこがいっぱいついてます。友人が釣り上げたアオハタは握りとアラ煮で頂きました。炊き合わせのワカメは岩手県田野畑村産です。一応節分の四方巻も。

スイーツ。2月1日に、近所のお菓子屋さんにわざわざ食べに行きました。

吉野に行った、俳句が趣味の友人から届いた葛菓子。
「紅ほのぼの 白ほのぼのと さくら菓子」
東京土産のゴディバチョコ、あこがれていた西伊豆町菊水の手造り飴。
2月に心惹かれたもの。
真っ青な空を背景に桜を満喫した青野川からの帰り道。海から立ち上る虹に遭遇!最終的にこの虹は見事な半円を描き、おまけに薄い虹を従えたダブルレインボーでもありました。右側にかすかに虹が見えます。
大きなイチゴ(浜岡産) 62g。
伊東在住のピアニスト齋藤真知子さん主催の「音の宝石箱」第34回は「コントラバスの不思議に迫る」楽しい音楽会でした。
コントラバスはなで肩、弓は下から支える。バイオリンはいかり肩、弓は上から構える。音楽を楽しんだうえちょっとお利口になりました。
桜狩に行った南伊豆町扇谷製菓のアイスクリーム。3個も入って500円!そのうえおいしかったのです。
たった今、初島土産が届きました!初島はじめ伊豆の東海岸では波が荒いため角が出たサザエが獲れます。地元の漁師さんからは日本一!とよく聞かされますがこれほどの大きさはあまりない…大好物ですからお刺身で。

「楽しく変化のある毎日を」と皆さんにお話しする以上、自分も心掛けています。今月は本当に久しぶりに仕事で小布施に行きましたが、大きく移動する必要もありません。
道端の花一つでも、心を配って見るのと通り過ぎるのとは違います。
アンテナをたてて、花にも鳥の声にも気をつけてみませんか?空の変化も、目をやりさえすれば、結構面白いものです。

今朝の水やりで、小さな春を見~つけた。
暮れに植えたハボタンにひっそりと薹が立ちかかっています。隣の水滴の方が大きいくらいです。ニョキニョキと花軸が立ち上がって花が咲いたら気が付きますが、ちょっと早目に気づくのは、なんだか得をしたような気持で喜びがじわっと広がってくる気がしました。
2月1日に写した水仙と、今朝写した水仙。水仙にとってのひと月は、私たちにとってはどのような意味になるのでしょうか?ここから哲学的な思考につながるようなことは、私にはできませんが、でもちょっと何か物思いたくなるような…
さあ明日から春弥生です。



認知症に関して理論的に詳しく知りたい方は、以下のブログもお読みください。

小布施町3年ぶりの「脳のリフレッシュ教室」交流会②③

2023年02月27日 | 認知症予防教室
3年ぶりの交流会は①②③と3回に分けての開催となりました。交流会①は前記事に書きましたので②と③も皆さんが楽しんで参加されたのですから記録しておきましょう。
交流会②は山王島の「脳のリフレッシュ教室」20周年祝いがありました。実は伊勢町の「脳のリフレッシュ教室」10周年でもあったのです。
前列左端の教室のリーダー高野さんが持っていらっしゃるのは、山王島のぴんころ地蔵さまの写真と、2021年2月に伺えなかった時にお送りした励ましカード(A4版プリント)。

この時は「ビデオレターを送ってきてください」という注文で、挑戦してみたのですが、いわばその付録でした。
ビデオレターでご挨拶
保健師さんからは「皆さんとても喜ばれました。ベッドのところに飾ってる方もいますよ」などと言われて、ちょっと嬉しくなっていたのも事実です。こうして、高野さんが持ってきてくださったのを見て、またまた喜びが込み上げてきました。
ありがとうございます。

櫻井町長さんからの栗が丘、東町上町、山王島、伊勢町への継続賞授与は、「山王島『脳のリフレッシュ教室』20周年」の記事に載せました。
ステージ発表は、東町上町と栗が丘でした。
東町上町は、企画の段階できっと色々な意見が出るのではないかと思うのです。ちょっと目新しいことに挑戦されますよね?

信濃川河川敷の植物紹介という全く新しいプログラムでした。

惜しむらくは、写真が小さいので見えにくかった…写真を取り込んでスクリーンで見せてあげたかったですね。そういう時に助力を頼むことは、恥ずかしいことではなく、前頭葉の行う工夫の一環ですからね。
栗が丘のかわいらしいこと!皆さんが恥ずかしそうにされずにニコニコ顔だったのはとても印象的でした。

続けて交流会③

この交流会③ではおもしろいことが起きました
会場が明るく盛り上がったそのことは、東部、六川、都住、北部への、例の舌ブラシの継続賞授与の後起こりました。交流会③には、授与のために役場から永井保健福祉課長がいらしてました。
「せっかくだから」とおっしゃったような。







肩に手を乗せられた女性陣は、晴れやかでしょう!永井課長のこのちょっとした気遣いで、場に居合わせた人がちょっとどよめき、みんな笑顔になりました。永井課長の気遣いもさりながら、私はやはり皆さんのノリの良さを評価したくなります。前頭葉が生き生きしていれば、生活のいろいろな場面で生き生きした行動が生まれるのです。

厚労省が「認知症の発症を1年先送りにする」ということを言います。小布施の「脳のリフレッシュ教室」の皆さんに聞いて見てほしいと思います。「楽しく生活できていれば、何も難しいことではない。例えば教室でみんなと会ったりおしゃべりしたり」こういう高齢者で溢れているような小布施町になっていただきたいです。
少なくとも「脳のリフレッシュ教室」交流会の会場からは、この場を楽しもうとする一体感が伝わってきます。もとから、このようなノリや一体感があったのかどうか?どうでしょうか?そういう生き方を「脳のリフレッシュ教室」が育んだのではないでしょうか?
証明はできません。この20年間の働きかけがもしなかったらと考えてみるにとどまりますねえ。
(脳機能は維持できていることは、いくつかの数値が教えてくれます)
小布施交流会飯田 間違えてしまった方が盛り上がる!
小布施交流会指体操 この後大笑いだったのですが、撮れていない…
小布施交流会あんたがたどこさ 左手前の背広姿の男性は?櫻井町長さんです。  
 
最後に永井課長とツーショットの男性は北部の北沢さん。今回も替え歌を作って持ってきてくださいました。

「『新しい言葉にも挑戦して見たら』と言われて頑張って見たけど、結構苦労したね」
北沢さん、ありがとうございました。皆さんに歌ってもらうための替え歌作りでしたが、たくさんの力作は北沢さんの宝にもなりましたね。
替え歌つくり名人北沢さんへ
ステージ発表は東部。
U堀さんという新しいメンバーが入ってきて、教室に参加する楽しみが増えたのではないでしょうか?ちょっとしたミスを自分から笑って再挑戦するなどということは、前頭葉がピカピカしている証拠です。
会場のノリ!
例年に比べ時間的に短いのでどうなることかと思いましたが、こじんまりとして参加された皆さんの体温が感じられるようないい交流会になりました。
私の話も、毎回同じパワーポイントを使うのですが、聞いてくださる方が変わるのでそれなりに雰囲気の違う講演になったようです。どの回もピッタリ50分という時間に収まったと保健師さんが褒めてくれました。
今回の小布施の旅も充実した旅になりました。



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小布施町 3年ぶりの「脳のリフレッシュ教室」交流会①

2023年02月26日 | 認知症予防教室
例年の交流会は、午後の時間に小布施町の各地域から「脳のリフレッシュ教室」の皆さんが会場の「千年樹の里」に続々と集まって来られます。

会場ホールには、各教室の作品展示や新しいゲームの紹介などがされています。そして皆勤賞授与(たいがいは町長さんからの手渡し)、各地区のステージ発表を楽しんで、私の講演。という流れです。コロナで2回流れた今年は三密を回避して、3回に分けて交流会を実施するということになりました。講演時間も短くなる上に、3回も同じことをお話しするのは嫌だなあなどと考えながらパワーポイントの用意をしました。
それでも、皆さんに久しぶりにお会いできるので、ワクワクしてしまうのも仕方ありません。20年間も毎年伺ってきたのですから。
今年の皆さんの作品展示。やはり少なめです。
その分ゲームの紹介が充実していました。ボッチャ発見。パラリンピックで金メダルを取ったボッチャの杉村選手は、私の住んでいる伊東市の方です。

始まりを待つ皆さんの様子をうかがうと、話の輪ができてなんとなく晴れやかで楽しい雰囲気が漂ってきます。

どうしても少数派の男性。でも意欲満々ですね。
女性群のピンクのおそろいの衣装といいなかなかの出で立ちに「衣装は?」と尋ねたら「地区に日本舞踊の先生がいてね。今回はちょっと体調を崩してお休みだけど、衣装もいろいろあるし振りも何でも教えてくれるんだよ」

交流会①

最初は継続賞授与。今年は例年のように皆勤賞というわけにはいかないので、3地区に新井副町長さんから継続賞が、授与されました。

継続賞は舌ブラシ。

「お口や体の健康に気をつけて、前頭葉を働かせながらこれからも教室参加を続けていきましょう」

ここにも「前頭葉」が自然に出るところが小布施町。

リハビリ体操。
初々しいという言葉を贈呈したいような理学療法士さんは、各教室でも人気者だとか。体を使うことも大切ですが、ワクワクするような体験は脳を生き生きさせます。

いつも感動するのは皆さんのノリがいいこと。もちろん間違えたりもするのですが実に楽しそうに全員参加。これはリハビリ体操の時だけでなく、ステージ発表もただ受け身で聞くのではなくすぐに参加されます。どう考えても教室の成果ではないかと考えています。
飯田地区
中町中央(男性陣は二人とも北斎!)

舞台効果を狙って、北斎筆岩松院天井画(多分風呂敷)も登場しました。

ちょっとうれしかったことがあります。
交流会が終了して、三々五々皆さんが帰られるとき、飯田地区の保健福祉委員の方が声掛けしてくれました。
「認知症予防するって、結局は生き方の問題でしょ。若い時から気づいておかないといけない大切なことなのに、60代はまだまだ仕事にばかり目を向けている…私たちは保健福祉委員だから高齢者の方と一緒に活動して、ほんとに勉強になりました。でも2年で交代なんです。
私たちのような世代にも教育してほしいです」

こんな若々しいお二人です!
もう一人。ボランティア活動に力を入れてくださっていて、その分野ではだれでも知っているU堀さん。今回はボランティアではなく教室の中に入ってリーダー格で楽しんでいらっしゃいました。そうですね。誰にでも等しく年月は過ぎていきます。

交流会が始まる前も和やかな雰囲気なのですが、終わった後も、別れを惜しむ話し声が途切れません。再会を約束しながら「体も脳もどうぞお元気で…」と祈るような気持になりました。


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小布施町 山王島「脳のリフレッシュ教室」20周年

2023年02月22日 | 認知症予防教室
コロナ禍のため種々の活動が自粛ということで、3年ぶりの小布施町…
2002年に山王島地区で、二つの目的を持ったボケ(当時)予防教室が始まりました。一つは正常者からのボケ予防。もう一つは最初の一年は行政主導で行いその後は自主活動で継続。その二つの目的のために脳機能検査を取り入れたのです。振り返ってみて、これは画期的な事業だったことがよくわかります。
今でこそ予防ということばが聞かれるようになりましたが、そのころはボケはどうしようもないから介護しかないという時代でした。

介護保険のスタートは2000年。社会の高齢化が進む中で、介護負担が増えてきたことに対応して新しい制度を作ったのです。まず高齢化は必然的に介護の長期化を生じさせることになります。一方で核家族化の進行は止めようもなく家族負担は増大していきます。介護離職して介護を続けるという状況も見られるようになり、このことは同時に経済的な負担を強いることにもなりました。「嫁」に重荷を負わせて当然というような家庭に押し付けられていた介護の形を変えるために「介護の社会化」を目指して介護保険はスタートしたのです。つまり高齢者になっての介護は仕方ないというのが社会的な共通理解でした。
その時に、小布施町はエイジングライフ研究所が提唱している「地域ぐるみのボケ予防活動」の理念に共感した冨田房枝保健センター長が、山王島地区に「脳のリフレッシュ教室」開催を働きかけたのです。
その山王島「脳のリフレッシュ教室」が今年20周年を迎えることになりました!三年ぶりの訪問がこんなおめでたいうれしいタイミングになったことは、ちょっとしたご褒美のようにも感じられました。
この20年の間、直近のコロナの3年間を除き、年2回ずつ小布施を訪れました。

当日は櫻井町長さんも出席なさり、御挨拶、20周年記念品授与から最後の私の講演まで全部出席されました。私は唐澤さん、市村さん、櫻井さんと3人の町長さんとお話してきました。小布施の町が旅の人を惹きつけるようにお三人とも魅力的な町長さんです。

プログラム

山王島代表の方に20周年記念品を渡されて記念写真。

継続賞3教室。けっこう突然の指名の方もいらっしゃったようですが、緊張を笑いに変えてきちんと対応されました。


その後リハビリ体操が始まると、町長さんも当然のように参加。
「皆さんがよくノリノリになさるでしょう?」とお声掛けしたら「すごいですね!」と嬉しそうにおっしゃいました。元気な高齢者に会われると安堵されるのでしょうね。
指導者の方の説明に、会場の方たちみんなが応じてパフォーマンスを繰り広げられる様子に、私はいつも感動します。こういうところにも教室の成果を感じるのです。

手前のグループが山王島の皆さん。90歳前後の方ですよ。みなさん真剣になさってますね。
山王島「脳のリフレッシュ教室」が始まったときの会長さんは岩井茂松さんという方でした。過去形にしたのは、去年お亡くなりになったから…
20年も通っていると、たくさんの方たちとお顔なじみになりました。その中でも岩井さんはいろいろな場面で穏やかなリーダーシップを発揮してくださいました。このブログでもたくさん紹介しましたが二つだけ記しておきましょう。
岩井さん おめでとうございます
小布施講演会の余波が続きます
どうしても20周年のお祝いと御礼と、何よりもお別れをきちんとお伝えしたかったので、お参りに伺わせていただきました。
抜けるような青空でしたが、お庭にはまだ雪が残っていました。

玄関には、岩井さんの作品が飾られていました。「雪を描くのは難しいんだよ」という岩井さんの声が聞こえたような。

廊下の向こうには、奥様のミサ子さんの押し花作品が飾られていて、このような趣味を大切にされていることがよくわかりました。

招じられた仏間は、暖かくしてくださっていて、さっそく岩井さんにご挨拶させていただきました。

普段着で笑顔のところがすてき。戒名も岩井さんらしい…

奥様、息子さんご夫婦が口々にお話ししてくださいました。
去年の春先から少し体調を崩した感じがあったところ、5月に急に体調が悪くなり救急病院へ搬送、その後長野市内の病院で「肺がちょっと」という診断、その後治療で1か月入院。安定したので、小布施町内の病院に転院。1か月で亡くなられた…お別れは家族が集まって、そしてそのことをちゃんとわかってくださって、息子さんの「心配はないからね」というお別れの言葉にうなずかれたと…
岩井さんらしいお別れを聞いて、涙がこみ上げるところもありましたが見事だなという感嘆の方が強かった。
岩井さんはこのような最期を望まれていたと思います。
岩井さんが発案したぴんころ地蔵様のエピソードからも、それは確信が持てます。
2018小布施だより「ぴんころ地蔵さん」

同じところに六地蔵さまも。季節に合わせた帽子は山王島の方の心配りだそうです。

息子さんのお嫁さんが、こんな面白いことをお話ししてくださいました。
「ご馳走が好きだったんですね。家族で食べに行ったこともとてもいい思い出です。最後まで食欲はあったんですよ。それからママチャリを動かないように固定して自転車こぎをよくやってました。そういう時ちょっと照れたような笑顔なんですね。それから二階からバタンバタンと音がすると思ったら輪投げしてるんです」
趣味の水墨画は玄人はだしなのですが、体を使おう!ゲームもやろう!というときにきっと「脳の健康のため」というお気持ちがあったと信じます。
「脳のリフレッシュ教室」をやってよかったですね。岩井さん。
ちょっと恥ずかしそうなたくさんの笑顔と、穏やかな口調で話された言葉と、はずかしさをこらえて参加してくださった交流会での様子、”See you again"という別れの挨拶。20年前の教室が始まる日、山王島公会堂で初めてお会いした日のことも忘れてませんよ。
心からご冥福をお祈りします。



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ChatGPTは「人」に替われるか?代われるか?変われるか?

2023年02月12日 | 前頭葉の働き
友人が「パソコンやiPhoneを使っているなら、ちょっと関心を持つように」とChatGPTの記事を送ってくれました。ほんの4~5日前のことです。
「全然知らない!」とよく読んでみました。今一つ理解は難しいのですが、HPから引用すると
「OpenAIの強力なモデルで次世代アプリを構築します。さまざまな自然言語タスクを実行するGPT-3、自然言語をコードに変換するコーデックス、およびDALL·E: 元の画像を作成および編集します(日本語としてちょっと変ですね)」ということなのですが、つまりは「こちらのどんな質問に対しても文章を作り上げて返事をしてくれる。ちょうど人と対話しているように」ということだと思います。
小説も書けるといわれています。論文などはお手の物でしょうから教育界から疑念がさしはさまれてもいるようです。
(バンクシア)

最近、いろんなHPで「質問に対して自動でお返事します」という箇所が見つかりますが、これはおおよその質問が想定されているわけですから、回答も事前に準備してある。新しいもの好きの私としたら、一応体験してみたいと思って、何度かチャレンジしましたが納得のいく回答にあったためしはないのです。
「聞いてるのはそうじゃなくて、もう一つ条件が付いてるでしょ?」とか
「そんなことはすでにこちらで調べてます!」とか思うことが多いのです。
(ルピナス)

これとは根本的に違います。進化バージョンというわけではないのです。今与えられたその質問に関する事前に学習している膨大なデータから関連資料、語句を選択して文章で回答するというのですから、「検索」が画期的に変わると騒がれるのもよくわかります。

現在「検索エンジン」は世界的に見るとGoogleが90%以上独占状態らしいですが、日本国内でも株式会社Plan Bの2021年の発表によると
Google76%、Yahoo! 16%、Bing(Microsoftの検索エンジン)7%。

起死回生を狙うMicrosoftがAIのスタートアップであるOpenAIの高精度な会話型AI「ChatGPT」の基盤技術を組み込んだBingの新バージョンを、2023年2月7日(米国時間)発表したのです。
そして、翌日の2月8日今度はGoogleが 高度な対話型AI BARDの試験運用を始めました。これには回答に誤りがあると指摘されて、株価大暴落などの騒動が起こってしまいました。もちろんすぐに修正されるでしょうけど。

時代が一つの転換点を迎えたのでしょうね。

「でも。」と友人のメールは続きました。
「『二泊三日の京都旅行は』と尋ねると、京都に詳しい友人と話すように様々な情報を教えてくれるそうだが、自分は旅の計画は自分で立てたい」
まったく同感です!

いろいろ読んでみると「感情表現を加味しなくては伝わりにくい」という解説文に出会いました。
これも同感。これはすぐに想像できるところですよね?
コミュニケーションを円滑に取ろうとすると、どんなに正確に左脳から言葉を並べてもなかなか伝わりにくく、どうしても右脳からの情報が不可欠なのです。

さらにさらに、前頭葉の問題があります。
前頭葉は状況を判断して、自分の行動を決断し、その行動の評価も行います。この「状況を判断」や「行動を決断」というところにどれほどの「自分」がかかわる段階があるかと考えると、それこそが「自分」が生きているということではないかと思います。
それを他者にゆだねていいものでしょうか?
「私が、私の目的に沿って便利に使う」という領域を「私」は超えないようにしようと思います。
私は、この便利なChatGPTを、「私に替わらせる」ことも、「私に変わらせる」ことも、「私に代らせる」こともしないでいようと思いました。
(ソラマメの花)

4月に体の不自由な友人を案内して京都に行くことになってます。
先日から、旅のプランを立て始めているのですが、もちろんGoogle検索して(笑)。
「そうだ!」と思いついて、ChatGPTに尋ねてみることにしました。
少しだけ待っていたら3行くらい表示され「京都御苑と京都劇場は…」まで読んだらスクリーンが暗転して、読めなくなりました。
「アプリケーション エラー: クライアント側の例外が発生しました (詳細については、ブラウザー コンソールを参照してください)。」だそうですが、どうすればいいものやら?
どうもこちらの問題らしいですが、私でも使えるようになるまでにはもう少し開発や改良が必要なのでしょう。

友人とのメールはもう少し続きました。
正直な感想として「実は気持ち悪かった」という私の感想に対して「どう見ても、気持ちが悪い」と期せずして一致しました。
「人間」に似せてない方がまだ受け入れられるかもしれません。「感情的」にです。
気持ちがいいとか悪いとか、好きとか嫌いとかをもっと大切にしたくなりました。






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米沢市「なごみの部屋」から納得の報告ー認知症予防は正常者から!

2023年02月05日 | 米沢市「なごみの部屋」の実践
米沢市「なごみの部屋」の我妻社長さんと電話でお話ししました。
大雪見舞いから、コロナ禍の様子(職員の罹患でスタッフのやりくりが大変だった!デイサービスの参加者が半数になった!)など積もる話を楽しんでいました。
私が「三密回避は認知症の温床みたいなものだけど。特にまじめで『コロナが怖いのでお上の言われる通り、趣味やデイなど外出は控えて、人とは会わないようにして、家にこもっている』という人たちは脳の老化が進むでしょう?実感としてどうですか?」と尋ねました。
我妻さんは、やさしい控えめな話し方をする方です。その時も同じように話し始められました。
「『認知症カフェ』のこと覚えてくださってますか?カフェにいらっしゃらる方がこんなことを言われるのです。あ。カフェもお達しがあって開催できないときがあったんですよ。
『カフェは楽しみだったのに行けないとなると、何かボランティアでもいいから出ていくところはないかなあ』
『自費でもいいからデイサービスには行けないですか?』といわれました。
元気な方はすごいです」終わりのころは少しだけ強い口ぶりが感じられました。

「ちょっと待って。我妻さん、それってすごいことだと思う!
エイジングライフ研究所が言ってるように、認知症を発症するかどうかはやはり、脳の使い方。生き方でしょう?これだけ状況が悪くなっても、脳をイキイキと使い続けて、それが習慣になっている人は、認知症を予防する生き方に軌道修正することができるということでしょう?
一方で、生活が単調になっていってもそれをそのまま受け入れる人たちは、確かに脳の老化が加速されていく。
どんどん増えていくと国民を恐れさせている認知症への、具体的な対処法そのものじゃないですか!
脳機能が正常な時に、脳機能を持たせる生活方法を身につけてもらう。それは前頭葉を駆使して自分らしくイキイキと楽しく生き続けることなんですから。
なんだかすごいことを聞いてしまった」

「なごみの部屋」の運営する認知症カフェは、少し肌合いが違います。
2016年12月ともうかなり前のことですが、「なごみの部屋」の研究発表会に招かれたことがあります。その時の認知症カフェからの発表を転記しておきます。

まず「なごみの部屋」の紹介(介護保険外も運営していることに注目)


米沢市「なごみの部屋」の実践報告4-認知症カフェ(なごみCafe)
「なごみの部屋」研究会の報告が続きます。ここで使っている画像も、発表の前に私が目を通したパワーポイント原稿からのものです。(パソコンからだとパワーポイントから読み込んだ画像がきちんと見えますが、iPadからだと見えないものが混じります。訂正できないのです。ごめんなさい)
最後の発表は認知症カフェ「なごみCafe」の活動報告です。


「認知症カフェ」という言葉は、最近になって目や耳にしますが、そもそも何なのでしょうか?

厚労省のホームページから調べてみました。
「認知症カフェ」で検索すると「認知症高齢者の現状(平成22年)」が出てきました。その1ページにありました。
「 認知症カフェとは、認知症の本人、その家族、専門職、地域住民な ど誰もが参加でき、和やかに集うカフェ。
○1~2回/月程度の頻度で開催(2時間程度/回)
○通所介護施設や公民館の空き時間を活用
○活動内容は、特別なプログラムは用意されていなく、利用者が主 体的に活動。
○効果 ・認知症の人 → 自ら活動し、楽しめる場所 ・家族 → わかり合える人と出会う場所 ・専門職 → 人としてふれあえる場所(認知症の人の体調 の把握が可能) ・地域住民 → つながりの再構築の場所(住民同士としての 交流の場や、認知症に対する理解を深める」

認知症カフェ実施状況
平成25年度より始まった施策で、、平成26年度は「41都道府県280市町村にて、655カフェが運営されている。設置主体としては、地域包括支援センター、介護サービス施設・事業所が多く見られた」ということがわかりました。
平成28年度予算案の概要
54ページのものですが7ページ「第3の矢 『安心につながる社会保障』(介護離職ゼロ)」の「働く環境改善・家族支援」の中にありました。
「認知症カフェの設置や、ボランティアによる認知症の人の居宅訪問などを推進」予算は57億円。


今回、先行した三つの発表を見ると明らかなように、「認知症」と言っても重症度が考慮されないと目的もそこでの活動も全く違うものになってきます。ボケてしまって重度にまで至った場合は、なかなか「カフェでくつろぐ」状態は難しい。とすると介護している家族のための場のほうが近いかもしれません。もちろんそれも必要です。
もう一つは、よく誤解されている「側頭葉性健忘(このブログのカテゴリーの中からお読みください)」の人たちが楽しめる場ということもあるでしょうね。
早期認知症かどうかの相談もできるという目的もあるのですが、本当の早期発見はエイジングライフ研究所が提言している二段階方式を使わなければちょっと無理です。 
というような情報を踏まえたうえで、聞いてください。

なごみの部屋から「今度、認知症カフェを始めました。もちろん、『お達者サロン』のように元気な方を中心に、本当の予防や改善のお手伝いをしたいのです。何か助言は?」という質問がありました。
「他とは違う、カフェをやるのですね」
一線を画している!

「お達者サロン」は「生き生きとした脳を維持し、改善まで図る」を目的にしていますから、脳機能検査は必須ということが参加者の皆さんに納得されています。
「認知症カフェ」では検査をすることはちょっと難しい。
折衷案として「立方体透視図模写」をしてもらうことにしました。「立方体透視図を見ながら描く」というこの検査は、実は前頭葉なしでは不可能な「平面に描かれた図形を立体視する」「ふた方向に見える図形を一つの方向に抑制する」機能のチェックに使われるものです。
そのことによって「脳機能」に目を向けてもらえるだろうということが一番の目的、その検査を継続することで改善の様子も探れるかもしれないし、改善しないときの働きかけの工夫にもつながるかもしれないという二番目の目的ももって、受付時に描いてもらうことにしたのです。
今回の発表はそのまとめです。
最初に描けなかった方が描けるようになった具体例数例を抽出して、日付を入れてスライドで表示しました。
 
次の回で描ける人、数か月後になって描けるようになった人など、目に見えるまとめ方ですから参加者の方々も、びっくりしていました。

描けない本人がびっくりすることもしばしばです。

形が整ってくる人もいます。

もともと「認知症カフェ」でこのような検討をすることは想定外のこと。
ただ、なごみの部屋が開設する「なごみCafe」だったら、「脳機能を生き生きさせて、認知症にさせない、本当の意味で軽い認知症を改善させる」ためという目的意識があって当然でしょう。そのために一番無理なく抵抗も感じにくい前頭葉検査としての「立方体透視図模写」を実施したという経緯です。単なる報告にとどまった点はありますが、「なごみCafe」でこういうことが起きているということは納得してもらえたようでした。
発表者が特に強調し、会場からも声が上がったのがこのケースでした。高齢でも脳機能は改善するのです。
 

米沢市「なごみの部屋」からの実践報1-認知症予防教室(お達者サロン)
 
 
こんな実践もありました。
 

ブログ村

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