脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

認められた旭化成健保組合

2005年10月31日 | 米沢市「なごみの部屋」の実践

今度の研修会は、平成17年度の最終研修会です。

     日時:11月19日~20日  場所:浜松市アクトシティ

問合せは、エイジングライフ研究所FAX:0557-54-2650

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二段階方式を導入している健康保険組合は、日本で唯一つ。旭化成健保組合です。

8年位前だったでしょうか、非常に早い段階から導入し、被扶養者の健康保持・ボケ予防を図ってきました。家庭訪問時にテストを実施し、生活指導や家族指導に役立てました。そして継続することで、生活指導が効果的であることも証明されました。

001 一方で旭化成OBの協力の下、ボケ予防を目的とした「お絵かき教室」が発足しました。この事業に従事する人たちの間では、高齢者の「脳の健康」は生活のありようで維持や改善が可能であることが、表情・取り組み方はもちろん、脳機能からも納得されていきました。

(写真は、OBの先生の手作り教本)

今回久しぶりに伺って、びっくり!

健康管理センターが移転していたのです。健康増進を図るための室内プール、トレーニング機器、指導室、武道場などが完備されたゆったりしたゾーンにお引越し。、事務室・相談室を増築した上で、「お移りください」という雰囲気だったらしく、どうも「請われてお嫁入り」したようでした。

DSC00094 今後の目標は45歳からを対象にした労組主催の「ゴールデンタイムセミナー」のテーマに「脳の健康=イキイキ生活」を加味することだと聞いて、わが意を得たりと思いました。従来は生命保険の勉強から老後の経済計画をたてていくというようなテーマが主だったようですが、確かに「ボケたら元も子もないですよね。

(写真は、旭化成健保組合の皆さん)

地道な活動が評価されていたことに、感動しました。そして、これからの健保活動のモデルになれるだろうということにも心が動かされました。

二段階方式の前には道はありません。二段階方式の後に道ができるのです。


11月の研修会と講演会のお知らせ

2005年10月21日 | エイジングライフ研究所から

認知症予防のための実務研修会

日時:11月19日~20日 場所:浜松市アクトシティ

詳細資料はエイジングライフ研究所あてFAXで

     FAX:0557-54-2650

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11月の高槻絹子講演会のお知らせ

0509_040 8日 岩見沢市 保健センター山下様0126-22-4233

14日 松本市奈川支所 大野様0263-79-2121

16日 七尾市

                    17日  珠洲市 

16日17日とも連絡先は石川県国保連荒木様076-261-5195

28日 香川県中讃ブロック保健師研修会 綾南町日高様

だんだん今年も終わっていきます・・・

宮崎や福島での講演会の報告を次回にします!

         


左手だけのピアニスト

2005年10月05日 | 前頭葉の働き

文藝春秋10月号、舘野泉さんの「奇跡の音 左手だけのピアニスト」という手記を読みました。以下に概略を書きましょう。青字は文中より抜粋・・・は省略

65歳の時、演奏会の最中に脳溢血
(ママ)。右半身マヒ
になり、口をきくことも容易ではない状態となった。1年以上リハビリに励んでも、右手では満足に演奏できない。プロなので左手だけで演奏することは、考えてもいなかった。ところが、右腕を失った人に捧げられた譜面に出会い、演奏してみた。
「その瞬間、目の前に大海原が広がった。氷河が溶け出したように心の奥底から流れ出るものがあった。・・・左手だけでの演奏であるが・・・ただただ生き返るようであった。そこには間違いなく私の音があった。・・・理屈ではなく、身体で悟っていった。」

左手だけで演奏することの意味を、文字通り身体で実感した舘野さんは、世界中に多くの左手用の名曲があること、またその曲はすべて「戦争や交通事故、脳や神経になんらかのダメージを受け、右手の自由を失った人のため書かれたもの」だということを知った。

小品が主だったために、懇意な作曲家に新曲の書下ろしを依頼して、約2時間もの「左手での正式の復帰演奏会」を行った。大好評の後、さらにレコーディングや出版など多方面の活躍が続いている。

「これまで以上に音楽の喜びを感じている・・・左手だけで演奏することに不自由は覚えない・・・充足した音楽表現ができている・・・」
 
TVのニュースでもとりあげられていましたが、「右手が主旋律、左手は伴奏なのに、左手だけでその人の音楽が完成させられる」ということに注目が集まっていました。

脳機能を学ぶ私たちは、もう少し違った方面から理解しなくてはいけません。
自分の喜び、他者の感動を生む左手の演奏を可能にしているのはそう、右脳。(もちろん前頭葉なくしては演奏は不可能ですが、ここは簡単に右脳と左脳で考えましょう)
舘野さんのように左脳が損なわれて、右手が利かなくても言葉が上手に繰れなくても、右脳さえ健全であれば、その人の訓練され研ぎ澄まされた音楽性は何一つ損なわれていないのです。

伴奏の左手が不自由になった人のための「右手だけによる名曲」は、ないはずです。私は音楽に関しては門外漢ですが、脳機能からいけばそうなります!
左手が不自由ということは、右脳にダメージを受けていることを意味します。右脳を損傷すると舘野さんがいうような自己の音楽性そのものが揺らいでしまいます。そこからこの手記のようなことは起こりえません。

「音楽性の源は、左脳ではなく右脳にある」ということを、この手記は感動的に語ってくれています。いつでも、その行為を理解するために脳機能という物差しを当てる習慣を持ってください。

 

 


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