脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

石川県国保連&中能登町

2007年11月30日 | 各地の認知症予防活動

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中能登町での講演会場の様子です。手前にいすを並べて席を追加しているのがわかるでしょうか?360人分だかの資料が足りなくなって、急遽追加で用意したそうです。(宮城県栗原市ではステージにまであがって来られました!http://blog.goo.ne.jp/ageinglife/d/20070227
エイジングライフ研究所の講演は、保健師さんたちの予想の1.5倍から2倍の人たちが聞きに来られます。どう考えても「ボケは防げる治せる」というテーマに惹かれているに違いありません。

ところで、この講演は石川県国民健康保険団体連合会がサポートしてくださって実現しました。
宮崎県や大分県の国保連合会は、以前からエイジングライフ研究所の主張するボケ予防活動のサポートをしてくださっています。北海道や佐賀県、山口県の国保連から講演依頼を受けたこともあります。それぞれの国保連によってサポートの内容は違いますが。
もともと、国保中央会から依頼されて全国市町村を対象にした「ボケ予防活動指導者養成講座」を平成11年から3年間やりました。http://blog.goo.ne.jp/ageinglife/d/20061214
(以下のお花は中能登町Y田保健師さんの心配りで当日用意されていた生け花です)
F1 先日ある保健師さんから「講演を企画したいのにお金がない!」という悲鳴を聞いたので「中能登町の講演は石川県国保連が費用を負担して実現するのですよ」とお話したら「国保連の予算は前年度に決まるので、前の年に申請しておかないとだめなんです」との答え。考えてみれば当然のことです。

F4 今日の報告は、「講演をしたいのに予算が取れない」という保健師さんのために、「国保連にお願いしてみたら?」というサジェッションを兼ねています。タイミング的にベストかなと思ったのです。
F5石川県国保連は、県内のいくつかの市町村の講演や保健師さんの勉強会を企画してくださいました。さらに国保連のA木・A地保健師さんはエイジングライフ研究所の実務研修会にも参加されていますから、各市町村で教室をするときに個別生活指導の手伝いもしてくださるのです。
お二人は、「教室に参加することは興味深いことです」と声をそろえていってくれました。
「うらやまし~い」という声が聞こえてきそうです。
ボケの予防に関しては国家的課題なのですから、保健師さんのほうから、国保連に働きかけてもいいのではないでしょうか?

当日、講演会前に保健師さんの勉強会をしました。
そこに能登島町(現七尾市)のM保健師さんが参加して、「5年間のデータがありますが・・・」
能登島でお会いした何人もの顔が浮かんできて「お元気?」とあわてて尋ねる私に、当たり前のような顔をして「ハイ。それが皆さん元気で楽しんでます」F3
「5年間持ったということは、70代後半の人は80になったのよ。Mさんはどんなにすごいことをやってくれたのか!よかった!うれしい!」と興奮しまくりの私でした。
データがあると、保健師さんの「印象」ではなく客観的に脳機能が維持されていることがわかりますから、「安心して」喜べるのです。
能登島町では導入に尽力されたT瀬保健師さんが、個別テスト→個別指導主義でした。M保健師さんも当然のようにそれに習い、何例かのFAX指導もしましたが、力をつけてくれています。

勉強会の席上「生活歴に踏み込めない」という話題のとき「ウーン、そんなに難しいかな?」とつぶやいたのがその証拠。「生活指導のための脳機能検査なんだから、生活実態も生活歴も聞くのが当然」という顔をしていました。

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期待の中能登町保健師さんたちです。脳機能検査を生活指導に役立てて、住民の皆さんに「脳の健康教育」をしてあげてください。


私の小さな挑戦

2007年11月27日 | 私の右脳ライフ

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携帯からの投稿に挑戦してみます。

新聞に「お芋の茶巾絞り」の作り方が載ったすぐ後に
サツマイモをいただきました。
これは作るしかない!と早速挑戦。

茶色はコーヒー。緑色は抹茶です。
おいしかったけど、夫と二人暮しではtoo much.
そこが困ります。
もちろん友人を呼んでお茶をしました。喜びが倍増。

小さな挑戦でも、挑戦は挑戦。
傍から見て難しいことでも、慣れた作業とするときとは違って、
前頭葉は、意欲を掻きたて、集中し、工夫もこらします。

こういうことは、小さなことですがボケ予防ですね。


風車の町伊方町に、新風を

2007年11月27日 | 各地の認知症予防活動

愛媛県伊方町といってもなじみがないかもわかりません。四国最西端、大分県に向かって細長く突き出ている半島が佐多岬半島で、そこが伊方町です。伊方の中でも先端に近い町三崎に行きました。松山から八幡浜へ予讃線。そこから車で1時間はかかるでしょう。
P1000003 朝家を出て、三崎港に到着したときには、見事な夕焼けが佐多岬を染めながら、空と海一面に広がっていました。
直後に、暮れなずむこの岸壁から、最後の大分行きのフェリーが出発して行きました。
陸路を使うととても遠いのですが、「海」もまた道だということが実感されました。
十日町市川西支所に行ったときにも感じたことですが(ひだまりプールor純金こけし、その土地土地によって、文化というか住民性には、やはり特徴があります。街道沿いとか、港とかはやはり、開放的であったり進取の気性に富んだところが多いように思います。
熱心に展示物を見ている人!
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それはさておき、三崎は高齢化率が40%にもなる町のうえに、いまだに「ボケても家で見るべし」というような考え方もあると聞きました。一方で、近隣関係は密で、一人暮らしや日中独居のお年寄りに対してはみんなで目を配りあって暮らしているというやさしい面も多分にあるそうです。

三崎保健センターの畑山保健師さんは「皆がどうにかボケないようにしなければ!」という思いで、「ふれあい広場」を立ち上げてきたのです。三崎中心部には、数年前からよきリーダーに恵まれて集いがあったそうですが、他4地区にも広場が増えてきている状況でした。
例によって、講演前に発表会。P1000026_2
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Madorosu Photo P1000022

飛び入りも出ました。一人舞台を踏まれたお二人はともに74歳。ひょうきんな和装の男性に扮した方の素顔が最後の写真です。

講演会は、いつものように大入り満員。
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講演会前の会場の様子です。楽しそうなおしゃべりの花が会場のあちらこちらで咲いています。
講演会で「ボケ予防の勉強をする=左脳を使う」ことも意味はありますが、「友達と楽しい一時をもつ=右脳を使う」ことのほうが、脳の健康には有効かもわかりません。
もちろん、自画自賛になりますが、エイジングライフ研究所の講演は、単に左脳の理解を促すだけでなく、前頭葉に深く入り込んで「生き方革命」につながるようにと考えられています。
三崎のみなさんは講演の趣旨をとてもよく理解してくださったみたいです。それだけでなく、港町の持つ柔軟性を発揮して、早速生活の見直しをしてくださったことを聞きました。

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畑山さんのお手紙です。
「ー略ー講演の翌日、「ふれあい広場」に行きました。11時から開始なのですが、1時間も前から皆さん集まって、自主的にいろいろと用意をして盛り上がっていました。集いや遊びの意味をわかってもらえたのですね。本当にイキイキと楽しんでいます。自分でボケ予防をやるんだという「ふれあい広場」の目的がこんなによく理解してもらえるなんて、何よりの喜びです。ー略ー」
風車の町伊方町に、少し新しい風が吹いてくれたでしょうか?この風が心地よく吹き続けてくれますように・・・


本田榮太朗さんin下川町

2007年11月18日 | かくしゃくヒント

先月、北海道下川町で講演をしました。
杉之下保健師さん経由でお手紙をいただきました。
Img_2 見事な毛筆のお手紙でしたが、その格調の高さの中に漂うユーモアにびっくりしました。

よく読んでください。
私の講演を「禿頭にとろろ」「油紙に火」と表現してくださったのです。
「禿頭にとろろ」すらすらよどみなく流れるさま
「油紙に火」燃えるようなエネルギーと
気分よく解釈して、それにしてもこのユーモアあふれる表現力!と舌を巻きました。

そこで、御礼かたがた「ブログで紹介してもいいですか?」とお尋ねしたら、分厚い封筒が届きました。

Img_3 本田榮太朗さん。「傘寿を無事終え・・・」とお手紙にありましたから80歳を超えていらっしゃることになりますね。ちなみにこの写真を撮られた日付は2007年11月4日。
お若いですね

私は、ボケ予防活動をもう20年ほどやっています。たくさんの小ボケの方にお会いしましたし、一方で高齢になられてもほんとにお元気な方々にもお会いしました。

小ボケになっていくきっかけは多様ですが(前頭葉の出番がなくなっていくということは共通)、お元気な方には共通な生き方があります。
それは、講演でお話しするように「生きがいがあって、趣味や交友を楽しんで、運動も欠かさない」ということなのですが、その生き方の根底には、どうもユーモアとか物事を楽天的にとらえる傾向とか積極性とかがあるようなのです。

このたび送ってくださった資料を拝見すると、下川文化協会の顧問をはじめとして、町のためにいろいろと尽くされている様子に、「やっぱりね!」と納得。何もしないで、カクシャクでいることは、絶対にありえないのですから。
そこにプラスして、「本田榮太朗健康の訓」
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読んでると楽しくなりますね。
体も脳も健康でいるための工夫を、このように表現できるところが本田さんの真骨頂。
お手紙にも「上智大学アルフォンス・デーケン先生の著書に『ユーモアは老いと死の妙薬』『よく生き、よく笑い、よき死と出会う』とのこと、肝に銘じております」と書かれてありました。

どのように生きるかを決めるのは前頭葉。
白紙で生まれる前頭葉はどのように育られていくのでしょうか。
まず第一段階としては、両親の人生に対する価値観が、幼い前頭葉の基本を作ります。
その後、体験しては、納得して自分の物差しとしたり、反省して対応を変えたりを繰り返して、その人らしい前頭葉が育っていくのです。その人らしい生き方は、幼いときからの生き方の集大成ということになります。

本田さんをはじめ、かくしゃくとしていらっしゃる高齢者の育てられ方に、ボケ予防の真髄が隠されていると、私は見ています。

掲載のお許しを依頼しながら、実は「絶対大丈夫!」と確信していました。カクシャク高齢者の皆さん方はほんとに積極的ですから。
以前、加藤しずえさん(初の女性代議士)に脳機能テストをさせていただいたとき、「他にもっとないのですか?」とやる気満々に対応してくださったことを思い出します。

本田さんの積極性を、是非下川町の認知症予防活動にも発揮していただきたいと期待します。
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資料には、ご自宅の地図までありました。今度はいつ下川に伺えるでしょうか?


60年ぶりの金ブタ年

2007年11月10日 | 私の右脳ライフ

エイジングライフ研究所は、「前頭葉の使い方こそが豊かな人生を送ることのできるか否かの鍵ということを強調しています。これから私の生活ぶりをたまにブログにアップしていきたいと思います。(前頭葉の使い方をチェックしてください)

ところで、中国や韓国では、十二支の最後がイノシシではなくてブタになるということを知っていますか?今年のブタは、なんと60年ぶりの金ブタなんだそうです。
Goldenpig 何を隠そう、私は60年前の金ブタ年に生まれ、60年後の金ブタ年にめでたく還暦を迎えました。還暦を迎えたので、少しずつ生き方の軌道修正も必要かと思って、自省をこめて生活ぶりを書くことにしたのです。
還暦記念に、大学時代の友人と二人で中国旅行(旗に導かれるツアー)を楽しんできました。

西安:長安といったほうがピンときます。BC770年から都だって!春秋戦国時代→秦の始皇帝が統一したのがBC221年だって!前漢(中国では西漢)・後漢(中国では東漢)隋・唐ときて唐の滅亡907年!遣唐使や玄奘三蔵や玄宗皇帝・楊貴妃。ガイドさんの説明に時折混じる漢詩をきくと「あっ、知ってる」
確かに知的な刺激をうけました。

Heibayo でも、圧倒的に「見る」事のほうが心を動かします。
兵馬俑博物館は始皇帝死後の殉死をさせないために、兵士一人一人にそっくりな俑を作って墓を守らせているのですが、身長は180CMの俑がここだけで2000体復元されています。体育館のような建物の突き当たりの壁からさらに数キロ先に始皇帝廟があるのです。
人物だけでなく生活そのものができるように、馬や家畜も馬車も生活用品もあるのです。
そのものを見ると、初めて国を統一できた秦の国力と中国の大きさが、そのまま実感されました。

Yellow_2 桂林:水墨画の技法は桂林漓江(リコウ=揚子江最大の支流)の景色から生まれたそうです。
下手な私がとっても、どこでも「絵になる」景色が続きます。
この写真はサントリーウーロン茶のCMに使われた「黄布倒影」といわれるところです。
「見ること」は確かに簡単に心に到達しますが、「知っている」と興味はさらに深まります。
Cimg0632 桂林あたりでは、漓江だけでなく、町からも、田園地帯からも、とにかくどこからでも、奇岩・奇峰が見えます。市内の独秀峰の300段以上の階段を上ったところ の展望台。そこの柵や木にリボンがたくさんはためいていました。
Ribon 「健康長寿」体の健康だけを考えていないかしら?脳の健康あってこその「一生平安」なんですが。
「平安」には「平安」のよさがありますが、年をとってくると「平安」だけでは前頭葉は活躍の場を失いがちになります。「平安」を確保しつつ、その中で意識的に、かつ楽しく前頭葉を駆使するというのが、ボケ予防の必須条件です。

Shanghai

上海:市内黄浦江のナイトクルーズ。写真は失敗ですが雰囲気を汲み取ってください。
上海は、新旧が混じる町。写真は超高層ビル群の浦東地区。この手前は、アヘン戦争後に欧米列強がこぞって共同租界を作ったところで、クラシックな石造りの建物が並ぶ外灘地区。
上海は、貧富が混じる町。東京をしのぐ超高層ビルが立ち並ぶ一方、路上生活者もいるのです。
片側3車線もある道にほとんど横断歩道はなく、自由に横断する人々(小ボケになるとこれは難しい)。自動車道路を逆走してくるバイクや自転車(日本ならこれは小ボケ)に交通ルールはどうなってるの?と驚き、科学の粋を極めたリニアモーターカーにも驚かされる町。


お天気にも、楽しいお仲間にも恵まれ7日間の旅は終わりました。


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