脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

2月の右脳訓練ー三島スカイウォークと河津桜

2016年02月27日 | 私の右脳ライフ

寒かったり、春の暖かさだったり。天気が定まりませんが遊びには精を出しています。

三島スカイウォークは歩ける橋としたら日本最長。さらに富士山と駿河湾の眺望が売りです。三つの日本一と、威張っていました(笑)
橋が最長、富士山が日本一の高さ、駿河湾の深さも日本一。
富士山も手に取るようでした。橋は歩くと揺れる上に床に隙間が空いているので、怖がっているお母さんも、お父さんもいました。

橋を渡ったところにも、ちょっと足を止めたくなるスポットが用意されています。

駿河湾は肉眼ではよく見えましたが、写真ではちょっと。

出口には売店が。

お土産だけでなく、地場産品のお店が周りにあって、中央で食べられるフードコート風。天井には華やかなフラワーポットが吊り下げられていました。ガラスを効果的に使っていました。

河津桜というと河津町の屋台が乱立した喧騒が嫌で、南伊豆町の青野川土手の河津桜見物をここ何年か続けていました。今年は思い立って河津へ。とにかく大混雑していると聞いていますから、8:30出発。
スムーズに到着。土手の道は広くなっていて、露店は整然としています。

年間100万人が来るそうですから、整備は不可欠だし、また整備もできるというものです。

さくらは青空に映える花ですね。

アップも。

帰りに「舟戸の番屋」で温泉に入って太平洋を眺めてきました。


小布施便りー脳のリフレッシュ教室交流会3

2016年02月25日 | 各地の認知症予防活動

脳のリフレッシュ教室の報告が続きます。
「楽しく工夫する」精神が、しみわたってきたような気がします。
最初に登場した都住地区の質問ボードはちょっとずつオリジナリティが感じられます。素材が同じでも、出来上がりが違う。楽しいではないですか!


このくらいの工夫なら、すぐ毎日の生活に取り入れられそうですね。

交流会の最初から、楽しい寸劇をやり続けてくれている林・中扇地区の皆さん。
これはなかなか真似がしにくいところがありますが、観客にとっては楽しみの一つかもわかりません。特別の練習はしないそうですから、和気あいあいと劇がやれるというのは普段の付き合いも密であることも関与していると思います。去年伺ったときにお話を聞くことができてかくしゃくグループin小布施としてまとめてみましたからお読みください。今年の干支にちなんだのか「おさるのかごや」

扮装することも楽しそう。右端H間さん。70代とは思えない動きですね。

毎年、飛び入り参加させられます!今年は「おさるのかごや」の社長役でした。

今年は、寸劇がもう一つ舞台に上がりました。
(松川地区)「昔のコメ作り」
昔のコメ作りということなので、昔使った農具、稲束、早苗、田を鋤いた牛など、道具作りが大変だったことでしょう。

会場は「そうそう、知ってる。知ってる」というムードに包まれました。こういう形で舞台と客席が一体感を持つこともあるのですね。

むかしの話ばかりではありません。今風クライマックスも用意されていました。会場からも声が上がりましたから、会場の皆さんも今風。

帰りに、上松川地区のU澤さんにすれ違いましたから「準備が大変だったでしょう?」と伺ったら「いえいえ、すぐにまとまったんですよ。どうせやったことなので、練習も格別にはしてないし。それより来年ですね」と笑って話してくれました。
これはまさにアイディアの勝利。

アイディアといえば、(東部地区)「NRT 41×2」AKB48ほどのダイナミックなダンスはないけれど、かわいらしさと舞台装置とのマッチングは一番だったかも。よく手芸を楽しんでいる地区なので、ネームボードも東部地区らしいですね。

N:脳。R:リフ。T:東部。41×2:平均年齢

東部地区はいつも男性参加者募集中なのですが、伊勢町地区、中町・中央地区、山王島地区と北部地区は、その男性陣に恵まれています。今回の交流会でも演目紹介はすべて男性がやってくださいましたね。
実は北部地区のK沢さんは替え歌作りの名手です。こうして各地区にはそれぞれ特男女を問わず特技をお持ちの方たちが、教室のためにその力を発揮してくださってます。
教室のためではありますが、同時にご自分の前頭葉の喜びでもあることを確認しておきたいと思います。
(北部地区)輪唱「もみじ」うちわにはもみじが描かれています。合唱「脳リフ教室の歌」、合奏も。

会場からも歌声が聞こえます。青い山脈のメロディーで「~年に二度あるいきいきチェック。わたしのためと思えば うけられる」皆さんが歌っていらっしゃいました。北部地区のK沢さん、良い替歌をありがとうございました。

小道具をちょっと取り落としたりした時、出番を間違えた時に、そのご本人がまず笑います。その笑いはステージ上にも会場にも広がってゆきますね。
もしも、上手に、正しくという基準があると、失敗した人は交流会どころか教室にも出席したくなくなってしまう…
「皆と一緒に楽しく脳を使うため。」脳のリフレッシュ教室はあるのです。右脳や体を使いながら最終的には前頭葉を刺激する体験の場が、脳のリフレッシュ教室です。

教室では、作品作り、音楽や体操等よく実施されていると思います。交流会でも合唱や合奏とともに歌謡健康体操もよく発表されます。
小布施といえば、栗と北斎の町。おなじみの歌謡健康体操でも一工夫するとなかなか舞台映えもするし、会場もわかせます。
(東町・上町地区)歌謡健康体操「きよしのズンドコ節」

おそろいの法被の背中には、北斎版画が貼り付けられています。もうこれだけで「わが町」の気持ちが湧き上がり会場からの拍手を誘います。
演目を決めて、衣装の相談、法被に決定。誰かの前頭葉がくるくる働いて「北斎版画を貼り付けよう!」と提案して、皆さんの賛同を得る。それならば法被の色は何色がいいのか、版画はどのようにして調達するか、他に飾りは付けるかどうするかと次の段階の話し合いになったことでしょう。
そして、練習に入りますね。大きなきれいな動きでしたね。

繰り返しますが下手でもいいし、失敗してもいいのです。でも一応公の前で発表するのですから、ご当人の前頭葉ががんばりたくなるものでしょう。

東町・上町の話のようですが、今回の交流会に参加された地区、参加者の皆さんは全部このような過程を経て交流会を迎えられたことと思います。
発表当日までよく脳を使いましたね!そして会場ではそれぞれの発表を楽しみ、よく笑いました。
あっという間の2時間半。
「あっという間に時間がたった時」あなたの脳はよく働いたということですから、かなり若返ったに違いありません。


小布施便りー脳のリフレッシュ教室交流会2

2016年02月24日 | 各地の認知症予防活動

今はやりのダイバーシティ(多様性)を目のあたりに見るような、小布施町各地区の脳のリフレッシュ教室交流会でした。
「足腰が悪くて、舞台に上がれないから交流会に出られない」という声を耳にしたことがあります。これはもしかしたら本心を言えば「足腰が悪くて、舞台に上がれないから交流会に出たくない」かもわかりませんね。
地域包括支援センターのスタッフはどのように工夫したでしょうか。
その対応は、「舞台への階段だけでなくそれに手すりを付ける」でした。手すりを紙花で飾ってあるのも楽しいですね。

(中町・中央地区)舞踊「真田丸」

導入もなかなか見事。引き込まれましたよ。お揃いのピンクも映えていました。踊りもお上手でしたねえ。

この決めポーズ。「いよっ」と大向こうから声がかかりそう。まじめさなお顔が魅力的でした。


ステージを飾る作品も去年とは違っていました。ちなみに去年の飾りはこれでした。今年の方が手が込んでいます。


舞台で立ち続けるが難しい人には、椅子が用意されていました。これは当初からやっていましたね。
(山王島地区)歌謡吟謡「風雲川中島」・合唱「ふるさと」(千曲合唱団のテーマソング)

皆さんのお顔が見えやすいという、舞台効果も考えていると思いますが、やはり足腰が不自由な方を優先的に椅子に座らせてあげていると思います。
前列左端は山王島の長老、久保田さん。今年もお元気で参加です。「96歳だよ」とおっしゃっていましたが、数えかな。
足腰と目のキラキラさ加減を比べたら、目のキラキラさ加減がはるかに勝ってました。
交流会が始まる前に「久保田さんが以前『ズボンはいたね』っておっしゃたから、今年もスカートできました」って挨拶したら「そりゃあ、スカートの方がいいよ。なんてったって足がかわいいから」
うれしい!
こんなやり取りができる久保田さんお元気で!来年もまたお会いしましょう。

交流会の舞台は立つか、動くか、椅子に腰かけるか、とばかり思っていましたが、今年はびっくりさせられました。舞台で寝るという発想の大転換。
(飯田地区)エアー琴「さくら変奏曲」合奏「オクラホマミキサー」

4人の方が舞台上で横になって、お琴に変身。そのお琴を弾かれるたびに足が上がったり手が上がったり。会場は大爆笑。北部地区の田中さんもお元気そうでした。

次は一転して合奏。体の状態に合わせて無理のない体制で参加されていました。


(大島地区)歌体操「高原列車はゆくよ」・合唱「ボケ防止の歌」
まずお揃いのシャツを準備。ユニフォームは舞台映えしますからカッコイイですよね。そこにスカーフを巻くのですが、それが全部違う。その統一感のなさがすばらしいのです。自由だし、自分らしさの表現ができるし。こういうふうな個性の出し方もあり!ですね。
お世話役のK林さんに、後で伺ったことですが「ユニフォームの話には皆さんすぐに乗ってくれたんですが、この色には『ちょっと派手~』という声もあったんです。でもどうせなら明るく派手な方がいいですもん」そのとおり!!

打ち合わせは綿密に。

ステージは狭すぎるとステージを飛び出した「六川地区」太極扇。これは見事なものでした!上が白、下が黒のユニフォームで統一されている皆さんの演武が進んでいくとびっくりさせられる展開が待っていました。(3枚目の写真をお楽しみに)

感心したところは、もちろん演舞のレベルの高さですが、それ以上に演舞に加わらずに歌で参加した方たちがいらっしゃったことです。
身体的な事情があったのか、もしかしたら不得手で参加できないという事情があったのか、それはわかりません。とにかくいろいろな形で参加できるということが、大切だと思うのです。

私も太極拳を5年も習っていますが、ちっとも上達しません。ですから皆さんがここまで揃うのはどれほどの努力が必要だったかよくわかります。
努力賞にノミネート!
会場からの感嘆の声は届きましたか?あまりにもまじめに取り組んでいらっしゃったから、それどころではなかったかもわかりません。
練習の時はどうだったでしょうか?脳のリフレッシュ教室は、いつでも楽しく笑いが絶えないような教室であってほしいのです。
ただし、ここまで揃えるための努力を、皆さんひとりひとりが大きな目標として実感できたなら、このような努力も脳を鍛えることになります。呼吸法の訓練にも体のためにもなったでしょう。


努力にはこのようなものもありますね。
(伊勢町地区)ハモニカ演奏「キラキラ星」「ふるさと」「思い出」

ほとんど初心者の方が、去年の8月から練習を重ねて今日を迎えられたそうです。きれいな演奏でしたし、皆さんの満足そうな感じが伝わってきました。
高齢になっても、挑戦することそのものが脳への良い刺激になります。但し齢をとってひとりで未経験のことに挑戦することはなかなか難しいものですから、脳のリフレッシュ教室で気心が知れている仲間と一緒にやってみるというのは、結構よい方向かもわかりません。

脳のリフレッシュ教室には、高齢の方も右脳を使ったことがない方も参加されることが予想されます。みんなが楽しむために何が必要かがなんとなくわかるのも交流会のよいところでしょうね。

 


小布施便り―第10回脳のリフレッシュ教室交流会1

2016年02月23日 | 各地の認知症予防活動

小布施で認知症予防活動が始まってもう15年になります。
脳のリフレッシュ教室と名付けられ各地区で実施されている認知症予防教室も、一番最初に始まった山王島地区はもう13年経過しました!
年に一度の各教室が参加する交流会も、今年は早くも10回目。
交流会に先だって、皆勤賞授与式です。

今年はなんと47名もの方が、教室を一度も休まず出席なさいました。

「―略ー『十人十色』というように、十人いれば十人それぞれの個性があります。ひとりひとりが自分の興味をもち、やりたいことに挑戦し、いつまでも脳(前頭葉)がいきいきと働き続けるように、これからも頑張ってください。
心身ともに、脳も元気で笑顔の絶えない充実した毎日を過ごされることを心から願っています。小布施町長 市村良三」
町長さんはこのように読み上げた後、
「ありがとうございました」といって手渡されていらっしゃいました。
ふつう皆勤賞などの授与の時は
「おめでとうございます」といわれるものではないでしょうか?

市村町長さんは、症状を渡されるたびに「ありがとうございます」と繰り返されていました。
去年まで、どうおっしゃっていたのか記憶にないのですが、今年のこの「ありがとうございました」には、感動しました。
脳の老化がずんずん進んでいかないように、つまり認知症にならないように努力することは、まさに自分のため。ついで家族のためでもあるでしょう。そして、最も大切なことはこの認知症予防の努力は、町やひいては日本という国のためでもあることなのです。体だけでなく、脳も健康でいられることは、どれほど介護負担の軽減につながるでしょうか!経済的にもマンパワーの有効活用の面からも、大きな意味があります。
住民の幸せに直結させる予算の使い方ができるからです。
司会のH間保健師さんが「今も町長が言ったように『十人十色』は大切なことですから、賞品も『十人十色』でみんな違いますから…」と、解説。普通は公平に同じ賞品にしそうなものです。このようなやり方はあまり聞かないことではないでしょうか?(最初の写真の右端のI田さんが、種々の商品が入った紙バッグを抱えています)

会場入り口に北部教室の皆さんのレザーモザイク作品が飾られていました。

同じ材料を使いながら、出来上がりがみごとに『十人十色』
このように右脳主体の結果については「よい・悪い」や「上手・下手」の基準は難しいものです。基準は「好き・嫌い」でしょう。自分が作った作品は、ほかならぬ自分の右脳が色や形を中心にデザインしていますから、結果の作品は「気に入ってる」ものなのです。

ことしのサルで十二支一巡。北部教室も今年は13年目に入ります。本当にありがたいこと…
そして、のびのびとした作品たちを見ると「上手に作るというよりは、『十人十色』の個性を大切に作るという姿勢が、皆さんの中に育まれてきたなあ」という感慨が湧き上がります。
認知症予防教室は、脳をイキイキと使うことがその大きな目標ですから。

一番最初は都住地区の発表でした。
「これな~にゲーム」。一工夫した質問ボード(時事トピックスの質問)を提示し、会場から答えを募ります。回答は北陸新幹線、五郎丸歩選手、マイナンバー制度、御嶽海(私は知りませんでした)などなど。
そのボードは字もデザインも一つずつ違えてあるところに気づきましたよ。いいですねえ。

ちゃんと会場から手が上がるのです。(市村町長さんも私も手を挙げましたが、当ててもらえませんでした)

もちろん正答。すると商品が配られます。手作りのそれはすてきな折り紙箱。折り目もきちんとして色合いもすてきでしたよ。その中に飴が三つ!

会場は大盛り上がりでした。
このくらい毎日の生活を楽しむことができたら、認知症は道の向こうに隠れたまま出てくることもできません。
「歌」は右脳の担当ですから、交流会にはいつでもよく登場します。
北部教室、K沢さんの替え歌作品。認知症予防教室で「大切にすべきこと」を本当に理解して下さってます。

「見聞を広げよう」
「私の作品 いまいちだけど 一つしかない一番だ」
「歌ってる時ユートピア」
「笑いのつくもの大歓迎」
「いきいきチェック わたしの為と思えば受けられる」 
住民にここまで理解してもらえるということは、小布施町地域包括支援センターのスタッフの皆さんの生き方・考え方にも「右脳重視。前頭葉大切」の精神がしっかりしみ込んでいるということでしょう。
皆勤賞の賞状や賞品にも、その姿勢がよく表れていました。

交流会に先だって、小布施町保健福祉委員の方々との勉強会で配られたパンフレットです。勉強も大切ですが生活を楽しむことも同じように大切という精神がよくわかりますね。
よくぞここまで来ましたね。
「おめでとうございます」と書きながら、やはり「よくがんばってくれました。これからの日本のあり方のモデルができました。ありがとうございます」と言いたくなります。 

 


1月の右脳訓練ー計画は臨機応変に

2016年02月17日 | 前頭葉の働き
伊豆高原の冬は晴天に恵まれて、過ごしよい日が多いのです。珍しく「曇りでなおかつ寒い」という予報にもかかわらず、すばらしい1日が始まりました。(2月16日)
早速、散歩することにしました。
脳機能改善のための生活指導のスタートは、可能な限り「歩くこと」です。理由は歩いている時には必ず脳の運動領域というところが活動している、つまり脳が使われるからです。
もう少し詳しく説明してみましょう。
例えば、左脳。本を読みながら居眠ってしまうことがあるでしょう?又は内容が頭に入ってこないこともあるでしょう?このような時、左脳は形だけしか使われていません。
右脳だって同じようなもの。音楽を楽しんでいるふりもできますし、景色や芸術作品に感動しているふりもできますね。今、受け身の状態を説明しましたが、 もちろん自ら右脳を使っている時でも、イヤイヤだったり、うわの空だったりということもあります。
右脳が使われているかどうか判断するのは、左脳よりも難しい点があります。左脳の言葉の力で、あたかも 右脳を駆使しているかのように表現できるところが落とし穴なのです。すぐに騙されていまいます。
このように整理してみると「歩く」時には必ず脳を使っているという状態が理解しやすいと思うのですが、いかがでしょうか。
もう一言付け加えさせてください。
よく高齢の方が「歩いて、足や目からの情報で脳を刺激して認知症予防をしてる」と言われますが、そういうメリットがないとは言えないのですが、本末転倒ということはお分かりですね。脳が動かなければ、足は動けませんし、目からの情報も脳が処理して理解できるのですから。

散歩していると、運動領域だけ使っているのではないことも実感されます。青空に映えた植物たちをみてください。
近くの畑のブロッコリーに朝露が。すてきなアクセサリーのようでした。

ピンクのマーガレットは春の使者。

ビワの実も大きくなっていました。

マユミ?

車で通り過ぎるだけだったお寺も訪ねてみました。鐘楼がいい感じ。

予定を立てるのは前頭葉ですし、それを実行するのも前頭葉あってこそ。でも、お天気に誘われて急遽予定変更するのも、そう前頭葉です!
午後からの「オリーブオイルを使った料理教室」に参加するまでの当初の予定は、片付けと掃除(一週間滞在のお客さんがいましたから「大」が必要なほどの!)でしたけど、突然の予定変更は脳がスッキリするような時間をもたらしてくれました。
そしてこの教室を主宰されたNPO法人「笑顔のきずな」の方たちとの出会いまでも!オリーブが仲立ちしてくれる次の展開が楽しみです。

冠雪の三原山がクッキリと望める伊豆大島。料理教室会場の富戸コミセンからの眺望です。

オルゴールシンドローム

2016年02月12日 | 前頭葉の働き

2月5日にアップした「中ボケの人との会話」を読んでくれた友人からメールがきました。
「オルゴールシンドロームという言葉を初めて知りました」と言われて、笑ってしまいました。
だって私が勝手にそういってるだけですもの。
2月4日にJガーデンに行ってきましたので、早春の息吹をお届けします。

1980年代の後半だったと思いますから、もう30年近く前のことです。
以前勤めていた病院の「早期痴呆外来」でのできごとです。ここまで書いただけでも懐かしさが湧き上がってきます。しばらくはあの頃のままに「痴呆」という言葉でお話しさせてください。
当時は「ボケは治らないから介護を手厚く」という考えがまかり通っていた時代です。だからその後2000年4月に介護保険がスタートしたのです。
そしてまた2005年からは、国の施策として「痴呆に対しては予防しかない」ということで、「痴呆」を「認知症」に呼び替えることまでしました。さて現状はどこまで進展したでしょうか?予防は声高に言われるようになりましたが、「認知症の本体」についてはまだまだ課題が山積みです。
詳しくはもう一つのブログ「認知症の早期診断、介護並びに回復と予防のシステム」をどうぞ。

お話を戻しましょう。
当時、脳外科医が痴呆の診察をする例は皆無でしたから、地元だけでなく、文字通り全国から患者さんが来られました。北海道から沖縄まで!
もう一つ特徴的なことがありました。それは正常な方たちやごく軽い人たちが受診されたことです。
もともと痴呆の専門分野は精神科です。受診するのに特有の抵抗感がある精神科ではなく脳外科ですから、敷居が高くなかったのでしょう。
診断基準まで含めて、どこにも、お手本はありませんでした。

「脳機能から痴呆を理解する」という立場が私たちの武器でした。
学会に参加しても、専門書を読んでも「症状から痴呆を理解する」主張ばかりでしたから、逆に自由に仕事に取り組めた面があったかもしれません。学会発表でも「引用」や「研究」はしませんでした。全部が「実践」でした。
年間2000人を超える受診者の全員に脳機能テストを実施します。教科書がありませんから、患者さん(重度になると訴えそのものを具体的に正しく理解することが難しくなるので軽度の場合)や家族の方の訴えに真剣に耳を傾けます。この分野は主に私の担当でした。
このような訴えをする人の脳機能の状態はどのようなものか?が始まりだったのです。その症例がたくさん集まってくると、この脳機能ならば、このような日常生活や社会生活上の問題が出てくるだろうと類推することができるようになってきます。
そしてある日。

身なりのいい、言葉遣いも丁寧な70代後半くらいの女性が私の前に座りました。脳機能テスト結果を見ながら、お話を伺うことになりました。
世の中でよく使われるMMS(大脳後半領域の簡易な知能検査)は5分後の想起が難しくなっていること、計算もややおぼつかなくなっていること、そして時の見当識(日付や季節や時刻などの認識力)が持ちこたえきれなくなって今あいまいになりかけるかどうかといった状態でした。かろうじて合格ライン到達といったところでしょうか。
一般的には、このMMSに相当する検査しかしませんから、どこで検査してもらっても「少し低下はあるようですが、まだまだ大丈夫でしょう。様子を見ましょうね」と言われるくらいの数値です。
ところが 前頭葉機能は、ほとんど動いていない状態でした。この脳機能の状態を小ボケから中ボケに移行する直前のレベルと考えます。
そしてこのレベルは、自分が生活していくうえで「何か変。何だか以前の私と違うみたいに感じる。以前の私はこんな風ではなかった。何かが起こっているのではないだろうか」と自覚しているのが常です。

「以前の私に比べて、あまりにも。それにしても」という前置きがつきつつ、現在の自分をこのように感じています。
「テキパキ仕事が片付けない」
「発想がわかない」
「自分で企画を立てて何かをすることがない」
「生きがいがない」
「感動しなくなった」
「動作がモタモタする」
「根気が続かない」などなど
この方もこの小ボケの症状と重なることを自覚していました。
この後は、生活改善の方法を探って、方策を見つけ生活改善指導をするのです。そのためには日常生活を詳しく聞かなくてはいけません。家族構成(小ボケの段階で孫の説明にはトラブルが出ますが)、一日の流れ、趣味。場合によっては過去の話にも耳を傾けます。その流れを、思いがけない形で中断されてしまいました。

旧家に嫁いで舅姑に仕えたこの方の「言いたいこと」は、以下のような内容で、以下のような表現で話されました。
「あの~、わたくし女学校を出ましてから少しして嫁いでまいりました。それはそれは厳しい家でございましたから掃除一つとっても、お姑さんから一つ一つチェックされますの…。廊下が長うございまして、当時は着物でなかなかに大変なことでございましたが、いつもやり直しばかり。でもそのお姑さんを、わたくしが見送りましたのよ」
過去の話をあまりのめりこんで聞くと、30分足らずという時間制限の中で先に進めませんから「理解する」ベースという位置づけで聞くのです。
「それは、大変でしたねえ。でも、お見送りなさって、お姑さまもお喜びでしょうが○○さんも」と言いかけたら、私の言葉が聞こえないかのように
「あの~、わたくし女学校を出ましてから少しして嫁いでまいりました。それはそれは厳しい家でございましたから掃除一つとっても、お姑さんから一つ一つチェックされますの…。廊下が長うございまして、当時は着物でなかなかに大変なことでございましたが、いつもやり直しばかり。でもそのお姑さんを、わたくしが見送りましたのよ」
私にとって初めての体験でした。
びっくりしました。流暢に、ほとんど一言一句違えずに繰り返すのですから。表情も全く変わりません。
もし書く動作に例えるなら、いったん書き終わって筆をおいたかと思うとすぐにまた取り上げて書き始める。このような状態でした。
音に例えるなら、まさに「オルゴール」そのものではないですか!そこで私は「オルゴールシンドローム」と名付けたのです。
今回、さっそくGoogle検索してみました。探してみた範囲ではこのような症状に対して「オルゴールシンドローム」という表現を使っている例はありませんでしたから、もしかしたら私が一番に使い始めたのかもしれません。残念ながら、広く使われるところまでには至ってないようですけれども。

私たちだって、同じことをお話してしまうことはありますが、繰り返しまでの「期間」というものがあります。そして途中で「あれ?この話、したかも?」と気づくこともよくありますね。
小ボケの方の家族は「一日に同じ話を、何度も、表情も変えずに話すのを聞くと最初はびっくりさせられましたが、まあ歳のせいかと思いました。でもそれが毎日続くとイライラしたり、悲しくなったりするのです」と言われます。
「一日に、同じ話を何度もする」という程度が小ボケの人たちの「繰り返し度」ですが、時にこの方のように、「話し終えたらすぐにまた繰り返す」という重度の方もいます。
もちろん「一時間に何度か同じ話をする」レベルの方もいます。全部「オルゴールシンドローム

オルゴールシンドローム」にどのように対応するかというと、お話を「もう聞きましたよ」とか「また同じことを!」などと制止しないで全部言ってもらいます。そして一回目と同じように答えます。
「あの~、わたくし女学校を出ましてから少しして嫁いでまいりました。それはそれは厳しい家でございましたから掃除一つとっても、お姑さんから一つ一つチェックされますの…。廊下が長うございまして、当時は着物でなかなかに大変なことでございましたが、いつもやり直しばかり。でもそのお姑さんを、わたくしが見送りましたのよ」
「それは、大変でしたねえ。でも、お見送りなさって、お姑さまもお喜びでしょうが、○○さんもご気分はいいのではないですか?」私は続けて「勝負だとしたら、勝たれたのは○○さんですよね」と二回目は言いました。ここで「オルゴールシンドローム」と確信できれば、すぐに話を変えてしまうという対応をすればいいのです。慣れない間は「あれ?」と思いながらも聞いてしまうことになると思います…
聞いてしまうと、すぐに、またはちょっと間をおいて話し始めます。
「あの~、わたくし女学校を出ましてから少しして嫁いでまいりました。それはそれは厳しい家でございましたから掃除一つとっても、お姑さんから一つ一つチェックされますの…。廊下が長うございまして、当時は着物でなかなかに大変なことでございましたが、いつもやり直しばかり。でもそのお姑さんを、わたくしが見送りましたのよ」
ここで「オルゴールシンドローム」と確信しても、今までと同様に「それは、大変でしたねえ。でも、お見送りなさって、お姑さまもお喜びでしょうが、○○さんもご気分はいいのではないですか?勝負だとしたら、勝たれたのは○○さんですよね」と答えます。そして続けて
「ところで、ご趣味の話も聞かせてください。ご趣味は?」というように答えがある質問に変えてしまうのです。家族の話でも、今日の服装の話でも、食べ物の話でも、トピックス(前頭葉機能が低下していますから、追及すると、あいまいになることが多いので注意が必要です)でも。
オルゴールシンドローム」だとわかったら、繰り返し聞く必要はなく一回聞いたら同じように答えて、続けて質問をこちらからするのです。必ず繰り返しの話にこちらが答えてから後にです。もちろん「質問」に限りません。
「まず、お茶にしませんか?」とか「寒くならないうちにちょっとお散歩へ行きましょう」とか「ごめんなさい。急ぎの用を済ませてきます」とか、「あなたがはまり込んでいる状況を理解しましたよ。でもちょっと状況を変えてみましょうね」ということです。対応する側の前頭葉を駆使しましょう。

こんなに立派な言語表現ができるのに、話したことを「忘れた」というだけのことではなく、もっと根本的な問題があるから「オルゴールシンドローム」は起きるのです。それは「状況の理解」ができてないということです。
「状況の理解」は前頭葉の機能です。
だから、前頭葉機能が合格ラインに達してないときには、「オルゴールシンドローム」は十分に考えられる症状です。
それにしても、最初はびっくりさせられますよ。
そうそう、もう一言。
オルゴールシンドローム」を起こすのは今日の例のように、学歴があったり社会的地位が高かったりという方のほうが多い印象があります。つまり言語能力が高いので、さらにそのギャップに驚かされることになりますね。
そして、訴えが真実(ご本人にとっては、まさに真実ですが)でないこともあります。その時にも言語能力が高ければ高いほど、だまされることになり、真実とのギャップにまたまた驚かされます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


観光船がクジラと衝突

2016年02月07日 | 前頭葉の働き

昨日(2月6日)「東海汽船の熱海―伊東―初島行の高速ジェット船がクジラと衝突」のニュースが大きく報道されました。
衝突にもびっくり、クジラがこの海域まで来ていることにもびっくり。
数年前ですが、熱海―初島航路の高速船に乗っていた時に、船の両舷にカマイルカの群れが並走してくれたことがあります。でも、クジラですからねえ…
2月1~3日、学生時代の友人が遊びに来てくれました。50年来の大切な友人です。おもてなしする間もなくおしゃべりメインで、あっという間に時がたちます。それでもせっかくの機会ですから、近所をあちらこちら遊びました。
2月3日、伊豆高原の河津桜はこんなに咲いていました。

伊東市なぎさ公園です。

重岡健治さんの彫刻公園なのです。

きれいな青空に、房総半島まで臨めましたよ。

さあこの写真…

これは衝突した船ではありませんが、伊東港発初島行。
クジラに出会った高速船もこの航路をとっていたという訳です。まさか数日後クジラと衝突のニュースが全国放送されるとは思いもせず「グッドタイミング」と慌ててシャッターを切りました。
思いがけないことに出会うとうれしく感じられる前頭葉に感謝してます。
ところで、船のスピードは思った以上に速かった!
その状況や物事にテキパキと対応する能力は、もちろん前頭葉が担いますが、残念ながら加齢とともにドンドン低下していきます。
その結果の写真です。

でも、一応初島も写し込み、船尾の波も見えていて、「これはこれで、悪くはないかも」と自己評価。
自己評価する力も、もちろん前頭葉です!
自己満足しながらも「この程度で『可』と評価するので、撮影技術がなかなか上達しないのかも」と、反省するのも、私の前頭葉。
付録。「これは何だろう」と想像するのは皆さんの前頭葉です。しつこくてすみません(笑)。


中ボケの人との会話

2016年02月05日 | 正常から認知症への移り変わり

去年11月にお会いした中ボケの方に、3か月ぶりに会いました。(その方の発言を青字で書きました)
私「こんにちは。その後いかがですか?」
「おかげさまで」
私「この前の旅は、どうでしたか?何が一番印象的でしたか?」(年末年始にかけて、2週間近く沖縄に行った情報を受け取っていました)
「そうですねえ…まあ、いろいろあったんですけど……そうそう、なんといっても海ですね。あの青い海。
何だか、頭の中にモワッとしたものがあるんですけど、すっきりしたというか」
私「そうですか。それはよかった」
「おかげさまで」
岡山空港 備前焼の馬

あまりにも普通ですね。
ちょっと、間が空く感じ、言葉がなかなか思いつかない感じがありました。そして無表情というよりはむしろやや緊張感が伝わってきました。
続けての話は
私「ディサービスはどうですか?ちゃんと行っていますか?」
「行ってるんですけど。それが…。行っても、いつも大きなテーブルについて座ってるだけなんですよ。私はジーとしてるのが苦手なんです。何かしてるほうが好き、というか何かしたいんですけど」
私「『少し体を動かしたいのですが』とか『何かお手伝いはありませんか』って言ってみたらいいと思いますよ」
「あらぁ。そんな自分勝手な。そんなわがままみたいなこと言わない方がいいと思ってがまんしてました」
どうでしょうか?このやり取りもまだまだ普通の大人の会話のようだと思うでしょう。

でもこの返事は次のように続いて行きました。
「いつも大きなテーブルについて座っているだけなんですよ。私はジーとしてるのが苦手なんです。何かしてるほうが好き、というか何かしたいんですけど」
オルゴールシンドローム!
私は初回と同じことを繰り返します。勿論ふつうの口調で、初めてのやり取りのようにです。
1時間くらいご一緒しましたが、少なく見積もっても5~6回は繰り返しました。
家族の方は、このような時に生活上の援助や失敗の後始末以上に、疲れてしまうのです。
友人M田さんの個展作品

実は、デイサービスの担当者からは「いらしゃると、とても楽しそうによく活動してくださいます。体操はお得意のようですし、歌を歌うときも結構リーダーシップをとられますよ。それから適宜お手伝いもお願いしています」という報告を受けているのです!
確かに運動は得意だし、4年前まではフラダンスを楽しんでいたのです。合唱も三味線も長く続いた趣味だったそうです。
それなのに、ディサービスの様子を聞くと必ず上記のように答えるのです。
それどころかディサービスに行く日の朝になると
「今日は行きたくない」
「頭が痛い。熱があるかもしれない」
「おなかの調子が悪いから迷惑をかけたらいけないから」などと、すったもんだの騒ぎになることもしばしばだそうです。
私「ディサービスは、○○さんにぴったりのようですよ。とにかく必ず行くこと!。何かしたくなったら遠慮せずいうこと」とお話ししましたが、もちろん記憶には残りません。
紙に書いてお渡ししました。

前回、11月2日にお会いした時の時の見当識は
「11月にはなってると思うのですが…11月10日くらい?」
私「残念!まだ10日にはなってません。11月3日は文化の日。今日はその前日、11月2日です」
このやり取りを何度繰り返したことでしょう。
それは、当日同席してくれた別居している兄弟に、脳機能の低下をわかってほしい目的もありました。
検査の場にいた兄弟や保健師さんは
「脳ってこういう状態だったのですか?…『○○さんがいろいろいっても、ことばどおりに受け取ってはいけない』ことがよく納得できました。通帳のお金を家族が自由にしているというのは勝手な思い込みだったんですね。ほんとにふつうに話してくれるんですもの、だまされちゃう」

私が脳機能検査を行う場合は、その部屋に、ご家族の同席を認めることがほとんどですが、このように周りの理解が進むことは、当人にとってよりよい環境にチェンジできる可能性が開けたということになりますから、やっぱり意味があります。
さて今回。
私「今日の日付を教えてください」
「今日は1月か2月か」
私「さあ、どちらでしょうか?」
「そうですねえ。2月になったでしょうか…あっ2月ですね。何日かと言われたらそろそろ10日になったでしょうか」
私「ざんねん!明日が節分なので、今日は普通の日、2月2日です!」
このやり取りも10日が5日になったりしながら10回近く繰り返したと思います。最後から2番目のやり取りの時だけ、ためらいを見せずに「2月2日」という答えがでました。
この「時の見当識」に対する一連の回答から、11月とほとんど同じレベルを維持していることがわかりました。
「がんばって、ディケアも続けてください」と心からお話ししました。

 

 

 


かなひろいテスト―興味深い前頭葉機能テスト

2016年02月01日 | 前頭葉の働き

慢性疲労症候群が子供にも見られるそうですね。
理化学研究所や大阪私立大学の研究チームが患者の脳の働きを調べたそうです。(日経新聞、1月24日の記事)
「ひらがなの文章を見せ、文中に含まれる母音を探すとともに内容を理解するテスト」を行い、fMRIで脳の働きを観察したそうです。

「まあ、かなひろいテスト!」このテストは、エイジングライフ研究所が二段階方式で用いている前頭葉テストです。
認知症にかかわっている方たちにとっては「かなひろいテスト」は「認知症」のテストと思っている人も多いでしょう。
そうではないのです。
「かなひろいテスト」は前頭葉の働きのうち、意欲や注意集中・分配力にターゲットを絞った、あくまでも前頭葉のテストです。
今回、小児を対象に「かなひろいテスト」が使われた記事を読んで、懐かしいことが次々に浮かんできました。

もう30年も前のことです。
懸案事項だった小・中・高校生へのかなひろいテスト を実施することになりました。
それぞれ1校全員に対して実施します。
小学校1年生には、どのくらいやさしく丁寧に説明すべきか迷った記憶があります。思いがけず、説明に対してはスムーズに理解してくれました。

1年生から6年生。
どういう成績になったと思いますか?

正答数で比較してみます。
1年生12。6年生24。きれいに2倍。それだけでなく、まったく直線的にスコアが増えていくのです。
中学生もそのまま増加し、高校3年生で44。
今度の6年間は約2倍ですね。もちろん直線的に増加することは同じです。

20歳代はその能力を維持し、その後は、正答数は直線的に低下していきます。
60歳代になると24が平均値。6年生(12歳)と同じです。
さらに年齢を重ねるごとに、正答数は低下していくのです。
「かなひろいテスト」は、本当に興味深いテスト!
「人が生きる」ということを脳機能的に表現しているように思いませんか?

肺活量も、筋肉量も、骨塩量も、免疫力も、運動能力や内臓機能と言ってもいいでしょう。成長に従ってそのスコアを伸ばし、ピークを迎えたところ(これが、結構若い年代)からなだらかに低下していく。その先には人生のゴールが待ち受けていますよね。
命に限りがある以上、能力が低下していくことを恐れることはない、ともいえるのです。
「この能力変化もかなひろいテストのカーブと同じ!」と驚くことがたびたびあります。
逆ですね。
脳機能に関しても、かなひろいテストがターゲットにしている注意集中・分配力が、体の他器官と同じようなカーブを持つことの方が当然なのでしょう。
体が限界を迎えたときに、脳機能も限界ならば、こんな幸せなことはありません。そこまでは脳機能を持たさなくてはいけないのです。

体がまだまだ健康を維持しているのに、脳機能が老化を加速させてしまうのが認知症。
老化の加速は、脳機能の場合まず前頭葉に起こります。社会生活だけが困難になる小ボケ。
小ボケの段階は自覚もありますし回復が容易ですから、この段階で見つけることこそ大切なことなのです。具体的に言えば、それは「かなひろいテスト」を用いて、正常な老化の状態にあるかどうかチェックすることです。認知症は前頭葉テストである「かなひろいテスト」を使うことで、簡単に早期発見を図ることができるのです。
「かなひろいテスト」を用いなくては、認知症の早期発見はできません。CTやMRIで脳の形を調べても、前頭葉の働きはわかりませんから。

 


ブログ村

http://health.blogmura.com/bokeboshi/ranking_out.html