脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

「今日は何日だったっけ?」

2022年08月30日 | 正常から認知症への移り変わり
「日付をしっかり認識している、今日が何日かがよくわかっている」ということは、多分皆さんが考えている以上に、毎日をきちんと生活していくうえで大切なことです。
生活していくうえで基盤になることですから。
「今はいつ」「ここはどこ」が盤石なとき、「あなたは誰。私は誰」も揺らぐことはありません。
大きいので2センチほどの和三盆(秋)

ところで、認知症のなりはじめを私たちは小ボケといいます。このレベルは、いわゆるボケたといわれるような行動、徘徊や不潔行為や粗暴行為などは何一つありませんからまだまだみなさんは気が付いていません。もし気が付いていても
「あれ?同じことをままた言ってる。言ってることは至極まともなんだけど…今日だけで10回は聞いたなあ…歳のせいかな?」「整理ができてない!以前のお母さんならこんなことにはならないけど…歳のせいかな?」と加齢に原因を求めてしまいます。
脳の機能で言えば、小ボケは前頭葉が年齢の許容範囲を超えて能力低下を起こしているものの、普通に言われる認知機能はまだまだ正常範囲なのです。今話したようなことは「忘れた」ではなくその場の状況判断ができないとか注意を集中したり分配したりすることが苦手になってしまっている、前頭葉機能低下の症状です。

さて、テーマの日付です。
小ボケの時にはどんなことが起きるでしょうか?
「決められた日を間違えて、会場に着いたら一人だった」
「あれ!一日勘違いしてしまってた」
「ふと考えてみると、今日は何日だったっけ」
というようなことが起きるのですが、まだ立て直すことができることが小ボケのレベル。
10kgはあったスイカ

歳を取ったことも無関係とは言いませんが、それ以上にコロナ禍で圧倒的に外出が減った昨今、「ふと考えてみると、今日は何日だったっけ」という状況は、「脳機能が正常な」私でも起きることがあります!その時どうするでしょうか?
傍にいる人に聞いたりカレンダーや新聞に頼ることもあるかもしれませんが、だいたいは携帯を見てすぐに疑問氷解。
もし、手助けがない状況だったら?
どこか基準になる日を思い出して、そこから今日の曜日(日付に比べて曜日は7種類しかないので簡単)を考えて、正解にたどり着く。という手間を取ると思いますがどうですか?
脳機能が正常から小ボケレベルでも、このように日付があいまいになることはあるのです。でもそのレベルなら自力で正確な日付にたどり着くことができます。ちょうど底なし沼のように見えるけれども、そこに竿を差したら、しっかりした手ごたえがあった。基盤がつかめた!というような感じといえば近いでしょうか。

「どこか基準になる日」というのは自分にとって「インパクトがあった/ある日」。まあ中には月一度の通院日というようなこともあるでしょうが、それは多くの場合「楽しみな日」であることが多いでしょう。
楽しいことは、はっきりくっきりと記憶に刻み込まれます。実はこの時も前頭葉が関係してるのです!

記憶が鮮明に刻み込まれるには条件があります。
その状況をきちんと判断しておくというのが大前提です。それから「起きた/起きること」に上の空でなく意識的に注意を振り向けること。自分にとって大切なことや楽しいと思われることの方が注意を集中しやすいでしょう?だから、大切なことや楽しいことのほうが深く印象的に刻み込まれます。
コロナ禍での三密回避の生活の推奨は、認知症予防には大きな悪影響を与えるということは何度も主張しています。
習慣化していた散歩にもいかないということは、運動の脳の出番を失くしてしまいます。
趣味のサークルの自主規制は、楽しみがなくなるという単純なことだけでなく、サークルの主題である活動(作品制作、歌、運動などなど)に関する場所だけでなく、対人的な場面で働く脳機能が動かなくなります。対人場面というのは、「話を聞かなくてはいけない」同時に「言葉以外に付け加えられている感情的な情報をキャッチしなくてはいけない」もちろんそのうえで「自分の話すことを考えておかなくてはいけない」実に脳全体の機能を要求されることでもあります。そのとき、一連のこの活動を滞りなく進めるために、中核を務めるのは前頭葉機能です。
このように大切な前頭葉の出番がなくなる状況は、そのまま廃用性の機能低下につながることになります。前頭葉が元気をなくしてしまうのですね。
手作りチョコアイス

そしてまた日付に戻りますが、楽しみのない変化のない生活をしていると
「今日が何日か揺らいだ時に、基準になるべき日がない」
「今日が何日かどうでもよくなる」
日付がわからなくなったとき、どんな方法であっても自分で正答にたどり着くことができれば、それは小ボケにとどまっている状態を意味します。
中ボケになると、自力で解決しようとしなくなります。そして何度も何度も周りの人に尋ねます。それなのに、どうしても今日の日付がわからなくなっていくのです。
ついでにお話しすると、まず今日の日付がわからなくって、その次には何月かわからなくなって、さらに季節までもがわからなくなります。ここまでが中ボケ。
そのあとに、夜中に騒ぐという大ボケの症状に至るのです。

今日の結論です。
今日の日付がわかるというところから始まる「時の見当識」をゆるがせにしないためには、変化のある楽しい暮らしが不可欠であるということでした。
楽しみのある暮らしは積極的に求めないと、手に入りません。

ピーチネクター

認知症に関して理論的に詳しく知りたい方は、以下のブログもお読みください。


かくしゃくヒント38-同期会名簿確認から発見した〇本早〇さん

2022年08月22日 | かくしゃくヒント
ブーゲンビリア

戸畑高校同期会の幹事というのもおこがましいのですが、関東地区在住の女子の連絡係をやっています。
今回、これからは郵送をやめてネットを利用して連絡することは可能かどうかのお伺いを兼ねて名簿の整理をすることになりました。事務局から届いた名簿を見ると計17名。その中に初めての人が3人!今までは長いこと会ってないにしても、とにかくその人が誰かを納得したうえで手紙を出していました。もちろん誰かわからないままに事務的に手紙を出しても構わないのですが、少人数ですしちょっと私のポリシーに合いません。
私たちの高校は旧制中学が前身なので、女子は100人ほど。初めての人たちの「名」を手掛かりに卒業アルバムで確認していきました。幸いなことに重なる名前がなかったので、結婚して姓が変わったという前提でお手紙を出しました。「〇尾早〇さんですよね?」というふうに、旧姓を併記して出しました。

お返事がきました!しかも写真も添付してくれてます。
「私は、こどもさんへの読み聞かせやおもちゃの広場等々、なにかと野暮用ばかり、忙しくしています。
先日帰省した際も夫の仲間と会いましたが、一瞬誰が誰か、わかりませんでした。
私、わかりますか?すっかり、おばあさんになりました。-略‐
静岡でしたら、是非、焼津おもちゃ美術館へ足を運んでください。
私は東京おもちゃ美術館で学芸員活動もしていますので!」

さあ困りました。だって女性が二人です。でもあきらめずにジィーと眺め続けました。そうしたら手前の人の向こうになんだかお顔が見えるのです。
お願いしたデータは全部そろっていましたが、やはりうれしくて電話を掛けてしまいました。
「ごめんなさい。今からオンラインが始まるので」というお返事だったので慌てて切りました。そして社会とつながった活動的な生活を垣間見た思いがしました。
その日の夜、電話が通じました。正直に言うと、卒業後57年も会ってない。何もわからない状態で大丈夫かしらという危惧はあったと思います。まったくの杞憂!
「私はね、卒業したら家を出て、父の戦友がやっている神戸の養護施設で働きながら、保育の勉強をしてとった幼稚園教諭と保育士の資格でずっと働いたんです。
末っ子がまだ小学生の時から始まった夫の両親のお世話。介護生活は20数年かやったのよ。やりつくしたと思ってて、心残りはない。やり抜きました。もちろんその間同窓会なんか行けないでしょう?
今は自分の好きなことを楽しんでやってるの。特に退職してからは、ほんとに楽しい。けどちょっと外へ行く時間がないのね。
地元ではおもちゃの広場や子育て関係のボランティアをしてるし。(9月にも開催予定)

とにかく毎日が充実しててね。コロナがあったけれどそのせいでオンラインの講習会や相談なども増えたし、難病ネットのボランティアではロボットのオリヒメを使っての活動もしてます。 
東京おもちゃ美術館では読み聞かせとかボランティアの学芸員をしているの。しかも夫婦でやってるから、知らない人はいないのよ。
(この本は『三匹のヤギのガラガラドン』でしょ?私は我が子に読み聞かせしました)

孫守りもしてますよ。水泳もやってるし、ケーキ作りやおもちゃつくりも楽しんで、とにかく忙しくて、でかけられないの。
(同期の幕田さんの熱海起雲閣での展覧会のお誘いをしていたので)
今は自分の好きなことを楽しんでやってるの。特に退職してからは、ほんとに楽しい。けどちょっと外へ行く時間がないのね。(この話は何度も楽しそうに話してくれました)
そうそう私のハンドルネームはしゃいまま。ほんとは明るくおしゃべりだから、せめて名前はシャイに」
カヒリジンジャー蕾

私は、ワクワクしながらお話を聞きました。だって〇本早〇さんのお話からは「人生を肯定する。自分も肯定する。過去も現在も肯定する。(多分他の人も肯定する)」という通奏低音が流れていることがビシビシ伝わってくるのです。
こういう生き方ができる人は、第二の人生も、場合によっては繰り広げられることになる第三の人生すら、まずは肯定的に受け止めることができるはずです。その精神こそが認知症を防ぐ生き方に直結します。
花穂は30センチくらい。

二人ともFBをしているのですが、なかなかつなげられなくてもどかしい思いをしましたが、今朝めでたくつながりました。
「備忘録よ」といっていましたが、〇本早〇さんの記事は楽しい。子どもたちとの触れ合いがほとんどですから、頬が緩むこともしばしば。時折出てくる先輩やお仲間たちもみなさん楽し気に好きなことをやっていらっしゃる。そしてその方らしい生き方の筋が通っていらっしゃいます。
九州帰省のお話もちょうど小倉祇園の時だったとか。お囃子の音色が聞こえるようでした。国立九州博物館・太宰府、興味が似通っている。
〇本早〇さんからも、私のブログに目を通してくれた後
「貴女のブログ、少し読ませていただきました。私の求めている分野に近いところにいらっしゃる!
不思議です。きっと、すれ違っても、わからない二人があなたが旧姓をちょっと書いて下さった事で、広がったご縁。不思議です」私もそう思います!
サンゴバナ

お話を聞いてもFBの記事を読んでも、〇本早〇さんの生き方がはっきりと伝わってきます。もしかしたらけっこう大変だったかもしれない義両親のお世話すら「やり抜きました」の一言で済ませることができる強さ。
なんと肯定的な生き方でしょうか。

「昨日、おはなししてて、自分が今、ほんとに自分らしく生きていられるんだ!と、実感いたしました。時間はかかりましたが、好きな事を見つけられている今を、貴女のおかげで気付かされました」
そうですね。今幸せといえることはとっても素晴らしいことですね。
もう一つよいことがあります。このような生き方は認知症予防の王道なのです。

人が生きるということは、三頭立ての馬車を動かすようなものです。デジタルな情報処理をして仕事や勉強の時活発に働く左脳、色・形・音楽などのアナログ情報の処理、つまり趣味や遊びや人付き合いの時に欠かせない右脳、体を動かす運動の脳という働きの異なる三頭の馬がつながれた三頭立ての馬車。その馬車を動かすには、御者が不可欠です。目的を考え、見通しを立て、判断したり抑制を掛けたり。意欲を持って三頭の馬を使いこなし続ける前頭葉が必要です。前頭葉があってこそ馬車は動き続けることができるのです。前頭葉は脳の司令塔、その人らしさの源です。
ここを読んだら、〇本早〇さんはニヤッと笑うでしょう。「私大丈夫だ!」

実は私もニヤッと笑っています。この短いやり取りの中で「私のブログの『かくしゃくヒント』に書かせてくれませんか?」と申し出る自分自身の大胆さに。
エイジングライフ研究所の二段階方式では、認知症というものは誰でも持っている正常老化に加えて、脳の使い方が足りない(三頭立ての馬車が動かない)廃用性の機能低下が引き起こすものと考えています。具体的に言えば「趣味なく生きがいなく交遊も楽しまず運動もしない」生活が認知症を次第に重症化させていくのです。
生活ぶりを聞くと、脳の使い方が見えてきます。〇本早〇さんは認知症への道をたどる人と正反対の生き方、脳の使い方をしています。すばらしいことです!
久しぶりの電話の後、ラインをつなげ、FBもようやくつながりました。と書くと一行ですが、ほんとは次々と疑問のオンパレードで大変でしたよね(笑)お互いにちっともイラつかずに、つながった後いろいろわかることを期待して凌いだその過程も楽しかった。でしょう?
ブログ掲載依頼のお返事は「別にいいです。まだ、バタバタしてて、貴女のブログに辿り着いてませんが」こういう生き方も幅があってすてき。



ダリア

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8月の右脳訓練

2022年08月18日 | 私の右脳ライフ

コロナ禍という理由よりも単に暑いので、家にこもっています。今年の暑さはその到来も早かったうえに、友人たちと話すたび「天気が荒々しくなったね」と言いあうほど。暑さを表すにも猛暑や酷暑を超える言葉が必要かと言われてるそうですね。
お客さんが来るとお菓子を作ります。
今日はシフォンケーキとバタフライピー茶。

レモンを絞って。

チョコレート入りアイスクリーム。ここで残った卵白がシフォンケーキに変身しました。
今年は、寒天をよく使いました。友人が「昭和レトロっぽい」と評してくれた泡雪羮。

抹茶をまぶしてみました。
たまには上京も。被曝ピアノコンサート。
会場は自由学園明日館。登録有形文化財のこの建物にも興味がありました。

講堂。

コンサート終了後に記念撮影をしている、合唱や朗読で力を漲らせたクラーク高校の生徒さんたち。制服あり、一転してカラフルで自由な衣装もあり。衣装だけでないその伸びやかさが素晴らしかった。
ホテルが新宿西口だったので、巨大になった新宿駅でお上りさんをした挙句到着。昔とは様変わりしていました。
ホテル30階からの夜景。

朝の眺望。

37階からは富士山も、
東京では早稲田にも行き、初めて大隈講堂を身近にみました。
大隈庭園前のおしゃれなカフェ。私が学生だった頃の早稲田のイメージとはかけ離れてました。

大隈重信公像。

友人がチェックしてくれていた、菊池寛美記念智美術館の篠田桃紅展。
107歳で去年亡くなったのですが、旺盛な創作意欲は最晩年まで保持されていたようで、これは結構珍しいことかと思いました。

篠田桃紅は書というよりも抽象的な現代アートを表現する人ですから、そこに鍵があるのかもわかりません。アメリカが活動の中心だったことも関係があるのでしょう。
友人とは1泊2日の東京を楽しんだのです。
もう少しおしゃべりをしたくて、一緒に帰ってきました。
おしゃべりもしましたが、ちょっとは伊豆観光もしました。

左の断層の先に、吉田松陰がペリー艦隊に密航を企てた場所があります。ここは弁天島と言われるところです。
アメリカへの思いを込めて松陰が眺めた下田湾。


下田には上原美術館というひっそりとした魅力的な美術館があります。
特別展は「きん ぎん すみいろ」と、ここも「墨」に関わるものでした。
神護寺経。1149年。端正な字が書き込まれていました。

中尊寺経。1126年

白隠禅師
チャーミングな仏像です。


熱川の山の上にある伊豆ホテルリゾートアンドスパのハワイアンフェステバル。

「写真を撮ります」というお店を発見。

スティールパンの演奏。

暑い日でしたが、汗だくになりながらも楽しそうに演奏してくれました。

フラダンスも。
「3年ぶりの発表の場です」と挨拶されました。
「家にこもっています」と書きましたが、私、遊んでいますね!






































一関高専・10億円・認知症早期発見

2022年08月11日 | 正常から認知症への移り変わり
「高専DCON」という言葉を知っていますか?
高専生が技術とディープラーニング(深層学習)を組み合わせた作品と事業計画を競う「ディープラーニングコンテト」のことを指します。
今年は3回目、参加校は41校。
勝ち上がった10チームがプレゼンして、ベンチャーキャピタリストが、作品の技術的評価と企業評価額を決めるという興味深い企画です。
今年の優勝校が、一関高専。その企業評価額が10億円!
(保険会社を介在させるというアイデアが高評価だったようですが、この面はまた専門の方の評価にお任せすることにします)
企業評価額から感動してしまいましたが、実は作品のテーマこそが感動されるべきものです。
ニューヨークランプミュージアムのひまわり畑

まだ10代の若者たちが選んだテーマが「認知症の早期発見」よくぞ若者が「認知症」に目を向けたものです。
このブログでたびたび主張しているように認知症を早期発見して重症化を防ぐことは、将来の日本のために必須、喫緊のテーマです。
将来の日本で、この若者たちがイキイキと生きていくためには不可欠のテーマによく目が向いてくれたものと思います。

作品の説明です。朝日新聞記事より
認知症を予防、早期発見する機器だ。認知症の特徴である、すり足歩行や、歩行時のふらつきに着目。足の裏にかかる圧力を測るインソール型センサーを靴に入れ、動きを感知できる加速度センサーをのせたスマホも持ち歩く。二つのセンサーから得られるデータを深層学習で解析。認知症かどうかを割り出すしくみ」

着眼点も素晴らしいし、最新技術でそれを企業化まで持っていったことも素晴らしい。
と感嘆しながら、一抹の違和感に襲われました。
エイジングライフ研究所がいう認知症の真の初期は、前頭葉機能のみが年齢相応にきちんと機能できない状態です。前頭葉機能も体の他の器官と同様に、加齢と共にその能力を落としていきます(正常老化)が、加齢だけでは説明できないような能力低下が見られる時こそ、認知症への扉が開かれたと解釈すべき状態です。
この時、いわゆる認知機能検査(脳の後半領域の検査で世界で最も権威あると言われているWAISをはじめ長谷川式、MMSEなどすべて)は正常範囲内!
つまり認知症の初期段階は、脳機能から見ると前頭葉機能障害というべきものですが、研究レベルや専門家の間では前頭葉機能に対する理解はまだまだ深まっていません。

ところが世の中の人たちは、この段階の高齢者を注意深く観察すれば「ちょっとだけど何か変」とか「今までのお母さんではないみたい」という感想を持つことができます。
いくつか例を挙げてみましょう。
・意欲がなく居眠りが目立つ。
・言われなければ何もしない。
・同時に三つ以上のことが処理できない。
・同じことを繰り返しいう。
・感動がない。
・発想が湧かず計画が立たない。

「えっ!認知症って、徘徊したり夜中に騒いだり、家族もわからなくなるんじゃあないの」
「認知症になったら、日常生活は介護されないと無理でしょう」と思った人もたくさんいるでしょう。
現状では、このような認知症が進んだ重度の段階が「認知症」と言われることがほとんどですから、仕方ありませんね。でもこの段階で判明しても手遅れ…だからこそ早期発見が大切なのです!

「ここに挙げられた症状は歳を取ったら誰にでもあること」と思った人も一面正しいです。なぜならこの生活実態は前頭葉が関与して起きているので、前述したように前頭葉には正常老化という性質がありますから、誰にでも起きてくることではあります。
実は、認知症の最早期、前頭葉が正常老化を超えて機能低下が起きていると決めるには、機能検査が必須です。観察だけでなく働きを調べたうえで、決めるのです。

そのほかにも訴えられます。
・動作がモタモタする。
・姿勢が前屈み。
・歩くときに小股、すり足。
(ただし「足を上げて」「大きく」など声かけをすれば、腿も上がるし歩幅も大きくなるところが気質的な病気と違うところです)
これらの症状は前頭葉機能低下が正常範囲内であれば訴えられることはありませんから、世の中の人が前頭葉の機能低下を、具体的にキャッチしやすい症状と言えますね。

この辺りが私の感じた違和感の正体だったと思います。
歩行から認知症の初期段階を見つけることは可能です。それを簡便な方法でチェックできるとしたら、これは光明。
ここからが問題点。
そもそも「認知症の初期」をどう捉えているのでしょうか?
「歩行から認知症初期の兆候がはっきりしました」と専門医を受診したとしましょう。
いわゆる認知症と言われる症状が一つもない。訴えられる症状は加齢で説明のつくものばかり。いくら早期とは言え、…とドクターの困惑される顔が目に浮かびます。
念のために行った脳の後半領域を測るだけの認知症のテストでも合格してしまう…

認知症の早期ということでMCI(軽度認知障害)
をターゲットにしているのではないかと思うのですが、このMCIも曲者です。
厚労省のサイトです。ご参考までに。


いわゆる認知症と言われるような症状をきたす前の段階。確かにありそうで納得できる気になりますが、記憶の障害を主にしていることをはじめ、その他の症状に関しても客観的な指標は示されていないのです。

せっかくの一関高専が挙げることが期待されているこの成果を、具体的に認知症の早期発見に結び付けるためには、認知症を脳機能から見るという視点が不可欠だと思います。
この快挙をきっかけに、議論が高まることを期待します。




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酷暑でも料理は楽しい

2022年08月06日 | 私の右脳ライフ
ここ伊豆高原は食材に恵まれています。そのうえ友人がおいしいものを届けてくれるというありがたい環境でもあります。
最近の台所仕事を少しまとめておきましょう。

サクラマスをいただきました。このまな板は50センチ大なので大きなサクラマスではありましたが、捌き始めてびっくり。見事な卵を持っていました!前に何度かやった薄皮剥き。1時間以上かかって醤油漬け完成。
大好評につき、あっという間にこれだけになってしまいました。
もっと大きなお魚も到着。
シンクの幅は90センチですから、「はい!ワラサ」と言われましたが、もうほとんどブリですね。
iPhone13proに機種が変わったら、写真が綺麗に撮れます。余さず、美味しくいただきました🙇

帰省中の長男が「1時間ほど魚釣りしてくるね」と出かけました。たいした釣果は期待していなかったのに、ジンタ(10センチほどの小アジ)を19匹釣り上げて帰宅。ちょっと酢で締めてあります。

夏らしくBBQも。火おこしは夫担当ですが、毎回大変そうです。
焼き手も夫。

焼いているのは、磐田時代の友人が送ってくれた、(どうしても一息入れたくなります)天然ウナギ!です。

熟成豚肉をいただきました。厚揚げと厚さを比べてみました。
こんなことにも初挑戦。
ご馳走のオンパレードですね。でも本当のもてなしはこのお野菜たちかもしれません。
大室山のそばで、土日だけ開かれる地元農家の皆さんの産直市。自家用なので健康野菜たちです。



当日のお買い物。ぜ~んぶで1600円!


ゴーヤチャンプルーもしましたが、極薄く切って塩揉みしたシンプル料理は最高でした。
「私は料理が好きなんだなあ」とよく思います。
その時、手近な材料でできるということが一番の条件かもわかりません。
その1
遊びに来た友人が「NHK あさイチでやってたきゅうりワンタン。早速作ってみたら美味しかった!」レシピがメールで到着。次の日に作りました。
https://www1.nhk.or.jp/asaichi/archive/220726/recipe_1.html
きゅうりに火を通したら美味しくなることは知っていましたが、おいしい。そしてきれい。
透明感があるのは、ワンタン皮と間違えて、シュウマイ皮を買ってしまったからです。よりきれいなのでこれもよしとしました。



氷にとって冷たくしてというのがレシピでした。冷房がそこそこ効いているので温かいままいただきました。
友人に報告したら「さすがぁ!すぐやるぅ〜」と褒めてくれ、嬉しさ倍増。
その2
テレビ情報続きです。青シソ農家の取材番組で、「青シソの大量消費」という言葉に惹かれてよくみてみました。「青シソを細く切って小麦粉まぶしたうえで、ちりめんじゃことかき揚げにする」
「あら。すぐにできるじゃない」庭に青シソが群生してます。冷蔵庫にはしらす干しがあります。
「空炒りしてちりめんじゃこにするのも面倒だから」この辺りの臨機応変さが、長い主婦体験から生まれた前頭葉の機能でしょう。



その3
たまたまスーパーで見かけた韓国冷麺。二つだけ買ってみました。
せっかくだから、ちょっと韓国冷麺風に、冷蔵庫にあるもので飾りました。
韓国では梨を加えるのですが、なかったのでリンゴ。これも経験から導き出された臨機応変さですね。写真はリンゴもなかった時でトマトをたくさんトッピングしてあります。

韓国の親子同様の付き合いをしてる子に、写真を送ったら、「美味しそうに作りましたね!このメーカーはいいメーカーなんです。むかし辛ラーメンをお土産に持って行ったことがあったでしょう?あのメーカ―です。タカツキさんがおいしいと言ってくれて、僕たちもとっても嬉しくニコニコしてます」
たった10分ほどの調理時間をかけただけで、温かい交流が生まれました。料理って思いがけない力を持ってます。

















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