脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

劇的回復!と喜びすぎないで。正常圧水頭症

2011年08月24日 | これって認知症?特殊なタイプ

この記事は2011年8月にアップしたものです。(レイアウトのずれが直せません)
昨夜フェイスブックを読んでいたら、お母さんが正常圧水頭症からある程度回復した方の投稿がありました。関連していますので再投稿します。

N県T市のK池保健師さんから電話があったのは、夏の直前だったでしょうか。検査は6月16日実施でした。
「急激な変化なんです。娘さんもおかしいっていってます。MMSも変と言えば変だし・・・得点と30項目も合わないようだし・・・とにかく、変なんです」
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言いかえれば、いつも強調している

   A:脳機能検査
   B:生活実態
   C:生活歴

この三つの関係が
「Aもおかしいし、Bとも合わないみたいだし、とにかく急激な変化だって家族が言ってるんです!」

私の回答

「MMSの低下順がおかしいというけれど、たまたま間違ったんじゃなくて実力としても本当にできないのですか?その確認はしてありますか?」
私たちはAの低下順がおかしい時は、まず「検査上の不備があったのではないか」と考えます。再確認やその他の方法を駆使してもなおその項目が本当に能力的にできないのかどうか、確認しなくてはいけません。

→テストの再確認
「30項目と一致しないみたいというけれど、家族関係はチェックしてありますか?ご本人が難しくて関係性が悪いことだってありますね。そうするとより悪い結果になるんですよ」
生活実態とのずれがある時には、「本当に正しく申告されている」ことを確認しなくてはいけません。

→生活実態の再確認
「急に変になったと言うけれど、本当に急なんですか?K池さんがその人をよく知っていて、ほんとに直前まで普通に元気にしていらっしゃったことを知ってるんですか?」
とくに家族は「今までは大したことはなかったのですが、急に変になりました」といういい方をよくします。迷子や不潔行為などちょっとした大ボケに相当する事件が出来した時に、その前にはそれほどのことが起きてなかったという意味で、「急にこんなことになってしまって」というのです。

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→生活歴の再確認                                   
私たちが高齢者の方から相談を受ける時には、

   A:脳機能検査
   B:生活実態
   C:生活歴

この三つの意味するところがA=B=Cになるというつもりで事を運ばなくてはいけません。
当てはまる確率は95%くらいだと考えていいでしょう。                                                                                       

とにかくA=B=Cになるはずという姿勢が必要です。そのことを私は強調しました。ですから、K池さんの大きな疑問に対して水を差すような言い方を続けたのです。それでもK池さんは「やっぱり、変なんです」と強調します。そこで説明を促してみました。
ツバキの実

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K池さんの話です。
「家庭訪問しました。
まず、A脳機能検査ですが、前頭葉は全滅で、これはいいですよね。
MMSは15点。時の見当識は1点でした。でもカレンダーを見て答えようとしたりA4版白紙には6月って書けたり、実力がわかりませんでした。もっとおかしいと思うのは想起が1点。しかもヒントを出すと直ちに満点になるんです」

「様子を見ると、うまく歩けないみたいだし、失禁がひどいんです(これは後から聞きましたが、部屋中にパンツが干してある状態だったとか)。ボーとしてるし、春ごろお会いした人と同一人物とは思えませんでした」

「近所に住んでよく行き来のある娘さんとご主人から30項目をつけてもらいましたが、二人で話し合いながら付けてくださった結果は、1から18まですべて当てはまる。さらに25(食事をしたことをすぐに忘れる)27(家庭生活に会場が必要)30(大小便を失敗)に丸が付きます。30はわざわざ小を丸で囲んで小便だけの失敗であることを訴えていました。生活実態とかけ離れてはいないと思います」
「ほんとに急激な変化で娘さんは『何が起こったんだろう?』と泣いていました」
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「Aの低下順がおかしい。一応A≒Bとは言えるけど、良く検討すると、この点数では失禁は早すぎます。そのうえ、それを説明できるCがない。そうすると二段階方式では、次に何をすることになってますか?」と私が促すと

「受診です」

「そうですね。もう一度ご家族に確認して急激な変化というのが本当に確実になったら、脳外科の受診を勧めてあげてください」

翌々日に脳外科を受診して「正常圧水頭症」との診断が下ったという報告がありました。さっそく入院、少しして髄液を抜くことになったそうです。

先日いただいたK池さんのメールです。
「さて、○○さんですが、今は、以前の生活に戻りつつ、夫も本人も笑顔が見られております。
7月7日 髄液を抜きました。主治医からすぐに効果はでないと言われたということでしたが、『帰りには、なんとなく足の上がりが良くなったように思った』と夫が言われていました。
デイの送りだしに行っているヘルパーさんからも日が過ぎるごと歩行・物忘れが改善されてきたと報告を頂きました。
7月21日、約一カ月ぶりに 訪問して驚きました。杖なく歩け、庭の草取りもしていました。顔の表情明るく、物忘れも感じないようになり感情コントロールもしっかり出来ていました。味付けも前に戻りました。失禁も少なくなりました。本人からも夫からも『脳外科に行って良かった。良い人達と出会えたことを感謝している』と喜ばれました。
現在、転倒防止からリハビリを取り入れたデイを利用しています。
先生には、感謝しております。
髄液を抜いた後、どんどん症状が消えていったので、私もびっくりしています。良い、勉強をさせて頂きました」


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最近マスコミでも、手術で治る認知症ということで、今回のような正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫が、センセーショナルに取り上げられていますが、知っておかなくてはいけないことが二つあります。

まず最初に知らなくてはいけないことは、その頻度は非常に低いことです。
考えても見てください。このT市で、もうすでに数百人の脳の健康チェックが行われていますが初めてのケースですよ!

もう一つ心しておかなければいけないのは、このように簡単に劇的に改善すると、「どうにかして、うちのおばあちゃんも劇的に改善させたい」と思ってしまう家族が出てくることです。

認知症の大部分を占めるアルツハイマー型認知症(脳の老化が加速されたもの)は、地道な脳リハビリしか改善の道はありませんからね。
それはそれとして、今回のケースは本当に良かったですね。
AもBもCも同じように大切な情報であることがわかっていただけたでしょうか?

 

 

宮城県はがんばっています

2011年08月18日 | 各地の認知症予防活動

私が今回の東日本大震災で被災された宮城県の多くの町を、ボケ予防の講演会や保健師さんたちの勉強会で訪れたことがあることは前の「岩手県田野畑村」にも書きましたね。
エイジングライフ研究所二段階方式の認知症予防活動のツールを導入し継続している市町村は、合併後でも17市町村あります。
月下美人(一夜花です)2011_0812_205100p1000219

もう15年くらい前の話です。当時宮城県知事をなさっていた浅野さんと面識がありました。浅野さんが「ボケ予防」に理解を示してくださって塩釜保健所、気仙沼保健所などが、市町村のボケ予防活動のバックアップをしてくれたのです。

もう一つは、国保中央会主催の「保健婦等老人性痴呆予防活動指導者養成事業」の委託を受けて平成10年から3年間実施しましたが、そこからスタートの町もあります。

一緒に活動したのはずいぶん前のことですし、それ以前に今回の震災の被害状況もはっきりしない中での電話でしたから、ほんとにドキドキしながら掛けたのです。

嬉しいことに電話の向こうの保健師さんの声は
「懐かしい。電話をありがとうございます」といった気持ちが伝わってくるものでした。
朝の月下美人2011_0813_063700p1000221

私の電話の目的は、遅ればせですが何よりお見舞い、そしてもう一つが
「3.11の時、正常だった高齢者をボケさせないで」ということでした。

生活が大きく変わって、ナイナイ尽くしの状態が半年続くと、脳機能検査の結果にもはっきりとその低下が見えるようになってきます。
その時になっても、まだ大丈夫。
本人が納得できる能力はまだ十分に残っていますから、よくよく認知症になるメカニズムを説明して生活改善指導をしてあげれば回復は可能ですから。

保健師さんたちが忙しいのは承知の上ですが、一日でも早く高齢者の方々に手を打っていただきたいと思ったのです。震災後もう5カ月ですから、どうしても電話をしなくてはという思いで受話器をとることができました。
つぼみは上向き2011_0813_063700p1000222

役場が流されたところもありました。

海に面してないために、大きな被害をこうむることがなかった町もありました。そのようなところも、被災された方々を受け入れて訪問をしていると異口同音に言われました。

「仮設住宅に集会所があるけど、人の顔もわからなければ、近所の地理もわからない状態で、コミュニティができあがるかどうか…と悩んでいます」という声もありました。

ところが、沿岸部を抱えている七ヶ浜や塩釜や名取の保健師さんたちから、うれしい話を聞きました。
「ボケ予防教室をやっていてほんとによかったと思いました」

何と、ボケ予防教室をもう10年以上も続けてくれていたというのです。
ボケ予防教室が、一般的な介護予防教室や転倒予防をテーマに据えたものになっているところもありました。このようにそれぞれの町で違いもあるでしょうし、一つの町でも2011_0813_070500p1000224
「一応全地域に教室ができました」
「教室によって温度差はありますが、自主活動が原則で、保健師は手伝いや脳機能検査にいくだけのところもあるのです」
「活動が活発なところは、必ず活動を引っ張るリーダーがいます」

こういう町の震災後の動きは、そうです田野畑村と同じなのです。

大体3カ月目ごろになると、高齢者の方から
「こうして引っこんでるとボケてしまう」
「集まるだけでもいい」
「みんなの顔を見て話すだけでもいいから」と活動が始まったのだそうです。

「会長さんが熱心なところほど早く動き始めました」
「仮設住宅だったのですが、ボランティアさんたちの協力体制も早くに整いました」
「元々、活動が活発なところほど動き始めが早かったです」2011_0813_070900p1000228

10年以上も前にまいた種が、あの宮城県で実をつけています。

予防活動は、どうしてもあとまわしにされる活動です。多忙な保健師さんたちが、「ボケ予防活動」を続けてきてくださったことに、深い感銘を覚えました。

もし先行するこの活動がなかったら、保健師さんも驚くような住民パワーが発現されたでしょうか?

ほんとうにありがとうございました。身体に気をつけて、大変な中にも幸せや楽しさを見つけて頂きたいと思います。


岩手県田野畑村ーよみがえった認知症予防教室

2011年08月16日 | 各地の認知症予防活動

わたしは今回の東日本大震災の被害をこうむった多くの市町村に伺ったことがあります(岩手県と宮城県)。
震災の直後は、ご連絡するのもはばかられると思っていましたが、そのうちに「怖くて様子が聞けない・・・」という気持ちになっていきました。
朝の散歩の途中で

でも、もう5カ月。お盆も来るし。
そして何よりそれまでの生活が一変してナイナイ尽くしの生活に陥り、半年経つと、前頭葉機能の低下がはっきりと検査でもキャッチできるタイミングになるのです。
ナイナイ尽くしの生活は、生きがいもなく、趣味を楽しむこともなく、交友もなければ運動もしない何もやらない生活です。よく世間では「硬くて、まじめな仕事一筋の人が退職して3年たつとボケる」というでしょう。あの立派な方が、退職後家から出ずにどこへも顔を見せない、家では新聞読みながら居眠りしている、そのような生活ぶりを想像してくださればいいと思います。
今回は、「やらない」というよりは「やれない」状況が起きてしまったのですが。
そこはよくよくわかります。
家や仕事や家族を失った高齢者の方々の心中を思うとその過酷さは想像を絶するものがあると思います。「何も考えられない。何もできない」これであたりまえでしょう。
避難所、そして仮設住宅と環境が整うとかえって直後にもまして日ごとに暗澹たる思いが迫ってきたかもわかりません。

私は「でも・・・」というしかありません。この上にさらに「ボケてしまう」ということはさせたくありませんから。もう保健師さんたちの出番だと思って、重い腰を上げました。
一番最初に電話をかけたのが、岩手県田野畑村。K保保健師さんにつながるまでドキドキ。
耳に飛び込んできたのは、明るく元気な笑顔までが想像できるような声でした。そこから続いたうれしい話を報告します。

「実は教室がもう動いているんです!
介護予防教室の『はつらつ教室』があったんです。田野畑では介護予防は二本柱。寝たきり予防と認知症予防。寝たきり予防には体操で、認知症予防にはみんなで集まって、ゲームや歌や右脳を使ってということが皆さんに浸透していたみたいです」
「あの後しばらくしたら、浜(当然大きな被害が出たところです)の皆さんの方から『やりたい。やらねば』という声が出てきたんですよ。びっくりもしましたがうれしかったです。」                  
「さっそく再開のめどをつけて、皆さん楽しまれています。『話して笑うことが大切だねえ』とこちらの言いたいことを言ってくれます。
先日は、『そろそろみんなで手仕事をしたいね。でもみんな流されて、針一本ないんだもんね』と話されていましたが、みんながいるせいでしょうか、暗くないんです。(私送りますから待っていてください!)

続けて被災地でないところも教室が再開されました」                「その他にも、仮設住宅の中の集会所を使って、遊ばせ上手な幼稚園の先生をやった方が、ゲームやレクや体操もやってくれています。
二週間に一回ですが、皆さんが楽しみにしてくださってるのと、やはり生活に変化が出てくるので、脳にはとてもいいと思います」
どうしてこんなにうまくいってるのかという質問に対するK保さんの答えです。

「エイジングライフ研究所の言うとおりにしたんですよね。
小さい村なので、教室はまとめてやりたかったのですが
①地区ごとに。隣近所で顔がわかるほうがいい。できれば歩ける範囲で。
②かくしゃく高齢者のいるところで、その方によく理解してもらって。
③ボランティアさんを意図的に引き込む。
④子ども会との交流も図る。
そのようにしました」ちょっと笑っているみたいでしたね。

「5回は保健センターがかかわって、パワーポイントや小冊子を使って、認知症予防の理解を深め、右脳を使う体験をしてもらい、その後自主活動、というパタンだったのですが、続いていたのです。
①②③④ともに必須条件だったことがよ~くわかりました。認知症予防って地域活動なんですね!」

身体を大事にがんばってくださいね。一番最初の電話がこんない素晴らしい電話で本当にうれしかったです。        


小布施町「脳リフレシュ教室」テーマソング(又)

2011年08月13日 | かくしゃくヒント

小布施町北部地区脳リフレッシュ教室K沢さんからメールが届きました。

伊豆シャボテン公園2011_0502_113600p1000303

残暑お見舞い申し上げます。
長野県小布施町北部地区脳のリフレッシュ教室のK沢純雄です。
このたび、高槻先生のブログに、私の作品を載せていただき、ありがとうございました。
うれしさは「なでしこジャパン金メダル」のニュースを聞いた朝のようです。
たかが替え歌、されど替え歌・・・人の心をつなぐものには、いろいろな方法があるものだと感じた次第です。
高齢者の生きる環境の厳しいなかですが、今後とも脳リフ教室の仲間とともに、前頭葉がいきいきするよう努めてまいりたいと存じます。
先生には、ご自愛の上、一層のご活躍を祈念申し上げます。」2011_0502_113700p1000304

K沢さんのお歳を聞いていませんが、文章に瑞々しさを感じます。
いきいきと、生きていらっしゃる様子がこの短い文章の中にあふれています。

もちろん言葉を操る才能に恵まれていらっしゃるとも思うのですが、「脳リフレッシュ教室」がなかったら、さて発揮することができたでしょうか?
その前に、ご自分のこの才能に気付かれたでしょうか?

これからも楽しく、面白いことはないかと眼をキョロキョロさせて生きてください。
面白いことがあったら、北部の皆さんにどうぞ教えてあげてくださいね。
北部の皆さんの笑顔が、ホラッ、はじけています。2011_0502_115500p1000307 2011_0502_115400p1000305


川西町講演会感想集(ちょっと大げさ?)

2011年08月09日 | 認知症予防講演会

川西町と言えば、もう一つ、国内最大級のダリヤガーデンがあります。丁度前日からオープンだったそうで、さっそく見せていただきました。さまざまな色や形のダリヤが咲き始めていました。
名前も素晴らしいのですが、やはり左脳の記憶は私は苦手だと身にしみました。花だけお見せします。
2011_0802_171100p1000181 教えていただいたこと
1.ダリヤには三つの見ごろがある。
  ・8月の咲き始め。一番立派な花をつける。
  ・9月の半ばを過ぎれば、花数がピークになって花の波のようになる。
  ・10月の末ともなれば、花色がさえて何とも言えないほどである。

2.ダリヤ園も、実は三つある。
   ・この見事な本園
  ・苗を育てる育成園
  ・町民が咲かせてる個人宅のダリヤ

2011_0802_170900p1000177 講演会でももちろんお話ししましたとも。
「三回はダリヤ園に足を運んでくださいね」
「一人でなく、お友達と一緒だともっと楽しいですね」
「認知症の予防教室で、自分たちの町の知ってるけど行ったことのない名所に行くこともよくあります」

皆さん、満足そうに聞いてくださいました。

さて講演会の感想集。
O野保健師さんが、アンケートのまとめですと送ってくださいましたので転記します。
皆さん、ありがとうございました。

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「行政への希望」
(初めて講演を聞いてくださったのに、川西町の認知症予防活動のあるべき姿を理解してくださってます)

・町長さんに参加してもらってよかった。
(ご出席くださって、そしてピリッとしたご挨拶もくださってありがとうございました。
とてもよく理解していただいたと感じました。お若い力で、新しい川西町の認知症予防を進めてください。

認知症予防は、行政と町民の共同参画事業のテーマとして最適です。
住民はボケたくない。行政はボケられたら経済的に支え切れない・・・

以下の感想のように町民の皆さんも「ボケて安心な町ではなくボケない町」を希望していらっしゃいますから)2011_0802_170600p1000170_2 2011_0802_173600p1000182_2

行政でどう取り組んでいくか。議員にも聞いてほしかった。
・各地区で脳教室を実施してほしい。
・若い人にも理解してもらうことが大切と思います。
 それにより地域の認知症対策に取り組めるのでは。
・町内で誰でも参加でき、会話できる機会がほしい。
・チェック教室など開催されると嬉しいです。                     

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「生き方を見直す」

・趣味と生きがいを持つことが大切と感じました。
・自分で自分の生き方を変えて楽しく生きたいです。
・認知症予防のため、馬車を動かし最後まで自分らしく生きたい。
・いきいきサロンに参加している。
 継続したい。
・講演会に参加できてよかった。
 先生の生き方が大切であるというお話が素晴らしいと思いました。
・今までより友人を誘い趣味をたくさん持つようにしたい。
・眠っていたものが、突然起きたような感覚を感じました。

なんと素敵な表現をしてくださったことでしょうか!)

「その他」2011_0802_170800p1000175

・とてもわかりやすく、大変よかった。
・もっとたくさんの人に聞いて欲しいと
思います。
・また話を聞きたい。
もっとみんなを
誘いたい。
・言葉が明瞭、張りがあり、感銘深く聴講できた。
・夫が中ボケで介護施設利用中。
早く先生の話を聞きたかった。

話し手として、感謝申し上げます。皆さんがいい講演会にしてくださいました。
暑い時ですからどうぞ、お元気で。


アジアのアルカディア(理想郷)川西町

2011年08月09日 | 私の右脳ライフ

山形県東置賜郡川西町へ行ってきました。
先日の「なごみの部屋」の講演会にいらっしゃってた川西町のO野保健師さんからの依頼でした。
エイジングライフ研究所の講演は、二段階方式導入市町村の保健師さんの仕事がやりやすくなるためのお手伝いというスタンスですから、未導入の川西町へ伺うのは例外になります。

「自分のボケ予防だけでなく、地域での認知症予防のための活動はどういう形式で行われるべきかということを住民の皆さんにお話します」ので、「できるだけ多くの方に聞いていただきたいのです」とお伝えしました。

「山形新幹線米沢乗り換え、米坂線で羽前小松下車、何もないところです」と言われましたが、ちょっと調べただけでもずいぶんと魅力的な町でした。
これが米坂線の電車2011_0802_160300p1000163 のマーク

明治11年にイギリス人イザベラバードが、たったひとりの通訳を連れて東北地方を訪れました。

その時の旅行記「日本奥地紀行」は当時の日本の様子がよくわかると評価が高い本です。
その一つは日本がいかに安全な国であったかが納得されますし、もう一つは女性らしい細やかな観察が、文化や人々の暮らし、自然の様子まで行きとどいているので、あたかもそこに居合わせたような感じがします。そのイザベラバードが川西町に泊まり「ここはアジアのアルカディア」と絶賛しているのです。伺う前からワクワクしていましたよ。

アルカディアの塔2011_0803_085600p1000185(の前にO野保健師さん)

どうしても言いたいことがもう一つあります。井上ひさしの生まれたところなんです。
羽前小松下車。
だから、井上ひさしの劇団が「こまつ座」なのですね。

旅に出ると、大きな発見や小さな発見があり、そして小さな体験や出会いもあります。仕事も充実していますが、付録が何とも言えません。

遅筆堂文庫のある町立図書館2011_0803_141700p1000195 2011_0803_140700p1000194         

さて、講演会の報告をしましょう。
200人くらいの方々がいらっしゃいました。O野保健師さんも課長さんも町長さんも、皆さんお喜びでしたが人口17000人高齢化率が30%を超えているとしたら少ないと思います。もっともっと多くの方に聞いていただきたかったと思います。2011_0803_093400p1000189_2

特徴的なこととして、男性の割合が多かったことが上げられると思います。
「地域の認知症予防活動のリーダーになれるような方に参加を呼び掛けてください」とお願いはしてあったのですが、ご自分の問題としてきてくださったのでしょうか。
とてもよく聞いてくださいました。

講演終了後に珍しく質問もあったりして、聴衆の皆さんのおかげでとても活発ないい講演会でした。2011_0803_090100p1000188                                

「送迎希望があったのです」と保健師さんが耳打ちしてくれました。

丁度会場入りの時に二台の送迎車が到着。シャッターシャンスがずれてしまったのですが、このグループはわーわー、キャーキャー言いながら、なんとハグしていました。

そんな生き方ができる人はボケにくいいですね!

講演後、ホールで会った方々が、ニコニコしていらっしゃいます。
「今の生き方でいいと、自信がついたでしょ」とお尋ねすると
「私、踊りも楽しんでます」と握手を求められました。

普通の高齢者の皆さんがこんなにも納得してくださるのは、エイジングライフ研究所の主張「認知症は生き方の問題。脳の老化を加速させるような生活習慣から認知症は忍び寄る」が正しいことの証明ですよね。(種々のデータもありますが)

PCがご機嫌斜めなので、続く。
(次回は、講演会に参加してくださった方々の感想を紹介します。それと川西町が誇る日本一のダリヤ園。オープンしたばかりでした)


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