脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

篠田節子著『介護のうしろから「がん」が来た!』を読んで

2022年06月28日 | エイジングライフ研究所から
今朝、ハスが開花しました(植え替えてないのに!)

ちょっと太陽の方向を変えるだけで印象が違います。印象は違いますが、同じハスの花ということに異論はないと思いますがどうですか?

さて、認知症ではどうなるでしょうか?
じつは視点を変えると印象が違うということは、よくあると思います。真実の姿からずれて理解してしまう場合は、ことばの力に屈してしまうときです。
「こんなに立派なことが言えるのだからボケていない。(に違いない)」それなのに、することなすこと首をかしげるようなことが続きます。そのような時、多くの皆さんは「ことばの力に屈してしまう」。そのときには「徘徊もしないし、夜中に騒いだりしないし、私のことだってわかるし。ボケてるわけじゃない」という世の中を席巻している「認知症の定義」がよりどころになっていますよね。
この本は、認知症のお母さんを介護している著者が「乳がん」の宣告を受け、どのように病気に対処して、ふつうの生活を取り戻していったかが赤裸々な言葉で語られています。乳がんと宣告された時の気持ち、対処を決めるまでの揺らぎ、オペ後の痛みやかゆみまで。
親しい友人が「私が経験したことだけど、大切な情報だから教えておいてあげるね」とさばさばとした口調で傍で語ってくれているような感じさえしました。

というわけで、この本は「乳がん」の克服記なのですが、認知症のお母さまを介護している状況だったので、認知症の予防を専門にしている私もとても興味深く読みました。
乳がん発見の時は、お母さまが認知症でちょうど老健に入所中。というか在宅介護中だったのに腸重積で緊急入院、その後在宅では無理という相談員の判断で、入院した病院の同じ敷地にある老人保健施設に入所できたために、精密検査を受けることができて乳がん発見。治療が始まるわけです。
老健に入所しても、一日しか持たなかった過去があるので、無理かと思ったものの相談員の「(老健に入所してもらって)あなたがゆっくりなさってください。そうでないと家庭崩壊までいきますよ」という親身で深刻な口調で語られたことばの底には、可能性として虐待や心中や介護殺人まで考えてくれていたのではと推察する作者。そう推察できるということは、具体的ではないにしても虐待や心中にまで追いつめられることも否定できないような「介護の大変さ」を、抱え込んでいたということに違いありません。

私は認知症の方のお話を聞くと、訴えられる症状からまず脳機能はどのレベルにあるか?と考えます。次にそのレベルになるために必要な「趣味なく生きがいなく交遊も楽しまず、運動もしない」というナイナイ尽くしの生活が「何年間」必要だったかを推理します。つまり「何年前の」どのようなできごとをきっかけにナイナイ尽くしの生活に入られたのかを確認するのです。
この本は、「介護のうしろからやってきた「がん」」がテーマです。お母さまの認知症のことを時系列に書いているのではないし、私が知りたい情報が書かれているわけでもありません。

そもそも、私たちが考える認知症と著者が考える認知症には、重なる部分もあれば、異なる部分もあることを話さなくてはいけません。

結論を言ってしまえば、認知症は私たちが生得的に持っている脳の老化(正常老化)が、何かのきっかけから、脳を使わない生活習慣(趣味なく、交遊なく、生きがいもない。その上に運動もしないナイナイ尽くしの生活)が継続したために、老化が加速されて起きてくるものなのです。そうである以上正常からある日突然にセルフケアもままならないいわゆる「ボケてしまった」状態になるわけではありません。小ボケ、中ボケ、そして大ボケと移り変わっていきます。世の中で「ボケた」といわれるのは、大ボケのセルフケアも満足にできなくなって、徘徊や粗暴行為や夜中に騒ぐ、家族の顔もわからない状態を指していますね。その前なら、改善は可能なのです!

著者はこう表現していました。
2004年「母の認知症が傍からわかりにくい形で生活上様々な影響を及ぼしてきた」当然、大ボケではない状態ですね。お母さまの年齢はちょうど80歳。
別のところでは、70代から兆しがあったのではないかということも言われていました。その時の状態は、トイレは自立。食事は危なっかしいけれども食べられるということで、セルフケアはできているからボケちゃったわけではないけれど、認知症の兆しはあると理解していたということでしょう。
実際に介護をした人でないといえないような、ことばによる表現も、実際の行動も詳細な症状の記述がたくさんありました。
ただ生活が変わる(脳の使い方が足りなくなる)きっかけは不明でした。認知症の正体が上図のような、廃用性のものだと思われていないから仕方ありませんが。
直径3センチくらいの花

介護を長く続けたからこそ言える提言にも、心動かされました。
1.廃用性の機能低下についての言及は実体験だからこその説得力がありました。
・著者自身が手術の約3か月後、水泳を始めたら右肩が飛び上がるように痛い。手術の影響ではなく、退院後右胸をかばうために右腕をぴったりつけた生活で、ほとんど左手を使ってしのいでいたための廃用症候群に間違いないと結論付けたこと。使って治すしかないと思ったが半年後もまだ痛みがあると。つまり回復には時間がかかると知ったこと。
・お母さまが慢性硬膜下血種の手術入院時、理学療法士の訓練を受けると、目が輝き機嫌がよくなったこと。
・さらにその退院後、スーパーで歩き、野菜を刻んでもらい、公園遊具で遊ぶうちに半身マヒがよくなったこと。何もさせなかったら寝たきり一直線であっただろうと。
・友人のお母さまが心筋梗塞の発作後、同居している未婚の娘から至れり尽くせりの介護を受けた結果、歩けないだけでなく着替や体位交換でも悲鳴を上げるほど関節が動かなくなってしまったこと。20年かけて見送った後も「褥瘡がトラウマ」と娘の思いは残っていると。
廃用性の機能低下について、身体面・運動面から正確に書かれています。
実は脳も同じこと、脳にも廃用症候群は起こるのです!

2.在宅医療や介護の流れは、本人の希望のようだが、国や自治体がコストに耐えられないからではないか。
その根本は「高齢になると命の火が突然消える」ということを否定する現代日本人の思考にある。
虐待や手術ミスは当然追及されるものだが、転倒や誤嚥の結果裁判沙汰になることを恐れ、とにかく保護的に対応する、つまり何もさせないことで、入所者の機能を摘んでいく。またその時高額な費用が生じてしまう。

この厚労省発表のグラフを見てください。

2021年は予算ベースですが12兆3千億円。一万円札を積み重ねて123キロメータの高さになるのですよ!ちょっと古い記事ですが 介護費用10兆円突破の記事を読んでみてください。
いかに生きるかを国民の皆さんが真剣に考えてほしいと思います。

3.アスリートの優れた運動能力と体力、からだの仕組みや生理の知識を、回復期の病人や高齢者のためにもっと使えるようにしてほしい。
「もう助からない病人や終末期を迎えた高齢者に対しての苦痛を伴う延命に使う金を、リハビリと寝たきり防止や機能訓練の方向にもう少し回してくれないものか」107頁。
これは認知症予防にもつながることです!
お母さまが理学療法士に訓練を受けた体験を踏まえて、著者も書いています。
「体の面だけではない。体のリハビリが心の状態まで変えてくれる」103頁。

4.薬のことも、歯に衣を着せない書き方でした。
アリセプトを二日飲んだら、妄想と怒りが爆発、不穏状態になったため、服用を中止したら落ち着いた事件。
アリセプトがいったん処方されたら、このようなことや肝臓障害が起きないと飲み続けることになり、もともと薬価が高いため薬剤費が上昇してしまうのです。ヨーロッパではアリセプトは認可されなかったし、日本でも「あまり使わないように」というお達しが出ました。
元来、認知症を治す薬はありません。
12,765円(2021.5)→5,266円(2022.5)先日書いた記事です。
向精神薬についても、「薬を使うな」はあくまでも一般論であり、必要なケースもあるという著者の考えはお母さまの介護から導き出されてものとして納得できます。
ピンクのノウゼンカズラ

5.こういう結論も、実際に真剣にできうる限りの最善を尽くそうと思って介護にあたった人でないといえないと思います。
老健から退所を伝えられてから、次の施設を探すその努力は、重くならないように書かれていますが、お母さまのために可能な範囲で何が一番いいのかと誠実に対応されたと思います。そして結論。
「もともとの性格と症状の出方によって、どこで過ごすのが幸せかは千差万別」
限りなく家庭的で、そのうえユマニチュード技法を使って高齢者をできるだけ尊重する方式をもってしても、安定できない事実がありました。
もう一つ付け加えるとしたら、お母さまは対応に苦慮させられるタイプといわざるを得ません。脳の機能レベルが重度認知症であっても、穏やかに世話をしてあげられるタイプの方もたくさんいます。施設の職員でもなければ、いろいろな認知症の方を知ることはできません。いろんなタイプの方がいるのです。
家庭で介護するときには、目の前の認知症の人に対応します。だからそのタイプ以外を知る可能性はずっと小さくなってしまいます。
ついでに。
認知症の専門家といわれればいわれるほど、重度認知症の方ばかりを診ることになってしまうことにも触れておかなければいけません。認知症の定義は「いったん完成した脳機能が、何らかの理由で機能低下を起こして、社会生活や家庭生活に支障が起きる状態」とされていますから、「いったん完成した脳機能が」といわれる以上、振り返れば振り返るほど、普通に社会生活を営んでいた実態が見えてくるのです。そして徐々に小ボケ、中ボケと進んでセルフケアもできない大ボケの状態にまで進行するのに、最終段階ばかり診ると、認知症は回復は望めず対応が難しくなってしまうと主張することも、妙に納得できますね。
篠田節子さま 本当にお疲れさまと申し上げたいです。

付録
嵐山光三郎の本にハマっています。
何冊目かで、今読んでいるのが2020年発行の『生きる!』

博覧強記。多くの文化人との交流やジェットコースターのような変化に富む体験から生まれたものなのでしょうか、人や物事に対する理解が深く複雑。独自の視点を感じながら読んでいるのです。この本は深く付き合った人たちへの追悼文でありながら、生き方を問うものでもあります。たまたま今日読んだところに、こんな一節が。
「父が認知症となって徘徊をはじめたのは〜」188頁
あ、やっぱり大ボケの症状が出て、初めて認知症になったと思われている…こういう一節もありました。市の課題は老人と若い世代の共存という言葉に続いて
「「市報くにたち」には認知症の人がそとでまようことを「徘徊」とは言わず「いいあるき」(安心できる心地よい歩き)と書いてある」190頁
この一節を、津村節子さんが読まれたら、と想像します。「何を勝手に物語を作っているの!本当の徘徊を知らない人が…」と笑うか嘆くか怒るか。いずれにしても賛成してはくださらないと、私は思いました。


コエビソウ

認知症に関して理論的に詳しく知りたい方は、以下のブログもお読みください。





続 久しぶりの東京国立博物館

2022年06月17日 | 私の右脳ライフ
今回の上京は、半年に一度の歯科検診が第一目的でした。
今までも、歯科検診のたびにたくさん楽しんでいます。こういう生き方もあることをおしらせしたいと思いますので、お時間がある方は目を通してみてください。
たまたま今日FBからお知らせが来ました。東京に行くと「ついでに」よく遊んでいます(笑)

今回も楽しみました!
東京国立博物館は創立150周年を迎えるということで、今年は記念企画がいくつもあるようです。もちろんネットでたくさん情報を得ることができますから、今回はトーハクでの時間をたくさん用意しました。

だいたい特別展が開催される平成館(左上)だけで時間切れということが多いのですが、本館の常設展にもさすがの展示物が揃っていますし、東洋館(右下)も仏像から織物まで興味惹かれるもののオンパレード。法隆寺宝物館(左下)は小規模ながら、落ち着いて見学できます。おしゃれなレストランもあります。
平成館の本館側にも興味深い企画がありました。

考古展示室もあって、旧石器時代からの展示物がありますが、まずは縄文時代の土偶や古墳時代の埴輪が出迎えてくれます。「あっ!知ってる」ものに出会うことはちょっと興奮を呼び起こします。
重要文化財「埴輪盛装女子」群馬県古墳時代6世紀
女性埴輪の代表的なもので絶妙なバランスと細部への心配り、そのうえ保存状態が良いので、たしかに重文と納得です。入口にありました。

続けて、かわいい「遮光器土偶」
たまたまFBの友人が遮光器土偶の記事を掲載したばかりだったので「なんというタイミングの良さ」と一人で悦に入ってしまいました。
これは国宝でした。

たくさんの埴輪がまとめて展示されている中を歩くと、そこここから物語が語られてくるようでした。

大学で教育学の先生をしている友人が、いつも言うのです。
「いつの間にか子どもと移動するときには抱っこになってしまったけど、どう考えてもおんぶの方が優れている。安定して移動できる。両手が自由に動かせる。荷物を持つことも容易。母子の視線が同一方向。密着性が高い。特に非常時の移動に関しては、おんぶに勝るものはないことをもっと啓蒙しなくては!持ち運べる簡便なおんぶ紐の開発も必要ね」
おんぶ姿の埴輪を見つけましたよ!
「埴輪 子を背負う女子」栃木県鶏塚古墳6世紀

歴史を振り返ると、母が子をおんぶした時間の長さに比べて、抱っこした時間はほんの一瞬ということですね。

国宝「扁平紐式銅鐸」弥生時代
これは結構大きいもので、1メートルはあったと思います。文様が見事に残っていて当時の生活を垣間見るようでした。祭祀に用いられたそうです。あとで調べた範囲では国宝の銅鐸は、これだけでした。

本館は文字通り宝の山ですが、今回はいくら何でも時間切れ。国宝一点だけが展示されていて、静謐の中で鑑賞できる国宝室だけ行きました。
10月から特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」が予定されていて、トーハク所蔵の国宝89件すべて展示されます。そのため今年の国宝室の企画は、重文指定も受けていないものの、学芸員一押しの作品を「未来の国宝」として展示するのですって。
春日宮曼荼羅

さあ、いくらなんでもおなかがすきました。東洋館の横にレストランがあります。

ゆりの木膳

「ゆりの木」という名前の由来も今回知りました。本館の前に巨木があって、博物館の雰囲気を高めるのに一役買っているのですが、初めて近寄ってしげしげと眺めました。この木がゆりの木でした。花が咲いたときに来たことがなかったので、ゆりの木と気が付かなかったのです。

お庭を散策して、もう一つの目的ミュージアムシアターへ。
「トーハクのミイラ デジタル解剖室へようこそ」一度は行ってみたかったところです。

バーチャルリアリティによるデジタルならではの新しい鑑賞方式といわれています。超高精細4K映像の説明を、係の人が実際に登場して肉声で行なうというアナログな解説方法を取り入れていることに、ちょっと心動かされました。
ミイラは明治37年にエジプトから寄贈された「パシェリエンプタハ」MRIなど駆使して解説をしてくれました。
東洋館の地下にシアターはありますが、そのミイラは同じ東洋館の2階にありました。

東洋館へはあまり行ったことはないのですが、行くたびに修学旅行生と出会うことが多いです。今回もたくさんの生徒さんが居ました。

東洋館にも心惹かれるものはたくさんあるのです。でも、ここで時間切れ。東京駅まで戻って歯科検診へ。特別の異常はなく(これが一番の目的だったので、一安心)お台場のホテルに孫娘とチェックイン。

夜は銀座の毛利バーに孫娘がデビューしました。毛利さんは中学高校の同窓生で世界的なバーテンダー。元気そうでよかったです。



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久しぶりの東京国立博物館

2022年06月14日 | 私の右脳ライフ
東京国立博物館の沖縄復帰50年記念特別展「琉球」に行ってきました。

前回は2017年の「運慶展」。コロナ禍もあり、本当に久しぶりの「トーハク」を楽しみました。
トーハクに行く時は「開場時刻前に到着しておく」「チケットは事前に入手しておく」のが私の決まり。最近はネット経由で簡単に手に入るので便利になりました。
今回は新幹線車中でゲット。
10分ほど前につきました。チケットを持っている人と買う人で待つ列が分けられています。私の前で待っている人たちは10 人ちょっと。チケットを買う人の列は何倍か。公平に言ってチケットを持っているグループの方が平均年齢は若かったと思います。前売り券というよりも携帯を見せて入場する人が主でした。
先日できあがった改訂版「アルツハイマー型認知症は防げる・治せる」でも、高齢期にはネットを使えるようになっておくことと強調しましたが、やはり便利です。
(トーハクの庭園は最近ちょっと有名になってきました)



博物館にしても美術館にしても、事前情報を持たずにその時の出会いを楽しむ方法もありますね。時間と機会がたくさんあるならばそれも楽しいものですが、トーハクにはなかなか行かれません。
(吉宗時代の五重塔。何度か行っているのに初めてしみじみ見ました)
去年11月に10日間ほど沖縄に行き、沖縄の自然、文化、歴史、食べ物など一つずつ感動しました。ブログにたくさんまとめておきましたから興味ある方はどうぞ。沖縄日記-学んだこと
長男と一緒だったので充実した沖縄の旅を楽しむことができました。事前情報なしではありましたが、沖縄県立博物館・美術館(おきみゅう)はなかなか見応えのあるもので、たっぷりと時間をかけて巡りました。

NHKの朝のドラマの舞台が沖縄ということもモチベーションを上げた一助ということも正直に言っておきましょう。
もう一つのモチベーション。この展覧会は沖縄の本土復帰50年を記念して開催されたものです。
私は高校3年生の時、四国の松山市か徳島市かはっきりしないのですが、全国高等学校家庭クラブ研究発表大会に参加しました。その時沖縄の高校生が、費用として「円」ではなく「ドル」で発表した時大きな衝撃を受けました。特に何も考えることもなくボンヤリと高校生活を送っていた私には「沖縄は日本とはいえない!」ことを初めて身近に知った出来事でした。
私は1965年に参加し、それから7年後の1972年に沖縄は日本復帰を果たしたのです。
「家庭クラブ」は継続しているのかどうか、検索してみました。


なんとなんと、今年も全国大会が行われるそうです。しかも70周年記念大会ですって。
全国高校研究発表大会の詳細https://kateikurabu-renmei.jp/meeting/
展覧会に話を戻しましょう。
琉球尚家宝物コーナーだけしか撮影できません。

歴代国王の図から尚家コーナーは始まります。(以下は備忘録です)
国宝 金装宝剣拵(号 千代金丸)

このような日本刀の拵えは見たことがありません。綺麗でした。

見事な衣装の数々。全部国宝です。
紅色地龍宝珠瑞雲紋様紅型綾袷衣装


黄色地鳳凰牡丹扇面文様紅型


紫地桜紅葉蝶流水青海波紋様紅型木綿袷衣装


白地流水蛇籠鶴菖蒲文苧麻衣装

黄色地経縞枡形文様絣芭蕉衣装

工芸品。これらも全て国宝でした。
黒漆葡萄螺鈿箱
色絵紅葉文風呂

緑釉四方燭台
王族の祝宴用調度
御玉貫(うたまぬち)錫製瓶子ガラス玉飾り

金銀酒器 国王が金杯を用いるのです。
朱漆牡丹七宝御籠飯(うくふぁん)


沖縄県立博物館では民俗分野の展示に驚かされました。少し方向性が違っていたので余計楽しむことができたと思います。

アンテナを立てましょう。
「トーハクで琉球展」という情報に接した時、去年の沖縄での体験から始まって、もともと関心ある分野、高校時代の思い出まで興味が湧き上がり、準備段階からワクワク感に浸れました。
東京国立博物館は創立150年ということで、さまざまな記念事業も計画されていることも知りました。
9:30から15:00。滞在時間はなんと5時間以上!もちろん平成館の琉球展以外にもトーハクには面白いところがたくさんあるからですが。
(庭園から見た本館)


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小冊子改訂版ができました。

2022年06月07日 | エイジングライフ研究所から

30年近く前に、二段階方式を導入した市町村の保健師さんたちの活動がしやすくなるようにという目的で「ボケは防げる治せる」という小冊子を作りました。
B5版28ページの小さなものでしたが、市販はせず市町村に収める方式でなんと30万部も出ました。
散歩道で見かけた花たち。シモツケ

「ボケ」を「認知症」に改めなくてはいけないと思いながら、先延ばしにしていた改訂作業に入ったのが、昨年末。Wordでコツコツと作業を進めていくうち、このまま印刷に回せば完成できるかもという素人考えを持ちましたが、何人かの方が「プロに任せるべき」と教えてくださって、プロの方につながることができました。Wordとは異次元の編集作業ができるといわれました。
そして、いくつかのやり取りの後に初ゲラが送られてきました。それをたたき台にして最終的には5稿までやり取りを重ね、出稿!
ホタルブクロ

6月になると、白い花が目立ちます。ヒメウツギ

作業を進めていくと、私たちの主張の根本的な点は変化していないのですが、もう少し説明した方がわかりやすい点などが次々に明らかになってきました。加筆したので最終的にはA 4版32ページになりました。

小ボケ・中ボケ・大ボケは、お断りしたうえで使っています。
症状の推移をこのようにまとめたものに出会ったことはありません。
巻末にはQ&Aをつけました。アバターはラインのページで自作しました。

認知症を理解するために脳の働きという物差しを持てば、客観的であり、共通理解もできるのです。
シロツリガネヤナギ

さらに重要なことがあります。
誰にでもある正常な脳の老化を超えて老化が進むと小ボケになります。その時なら本人は自覚しています。つまり改善が容易なのです。
脳機能検査の中でも大切な前頭葉機能。実は脳の老化が早まるときには、前頭葉機能から不合格になっていきます。つまり回復可能な早期認知症を見つけるとしたら、前頭葉機能検査が必須。そしてその時なら改善につながりやすいのです。
中伊豆でポピー畑発見

いつからこのポピー畑はできたのでしょうか?見つけた時はうれしかったですよ。

この新しい小冊子が、皆さんのお役に立ちますように。
「認知症になるくらいなら死んだ方がいい」と思っている人。突然認知症にはなりません。徐々に進んでいくものです。認知症の正体を知れば、脳の使い方に認知症予防のカギがあることがわかるでしょう。
「物忘れやちょっとした失敗が続くのは認知症になっているのかもしれない」と内心では心配している人。根本的な解決には脳機能検査が必要ですが、脳が持っている正常老化を理解すると、霧が晴れると思いますよ。
あまり知られてないようですが、アミロイドベータ仮説が否定された今、完成したというのも何か意味があるのではと思っています。この小冊子で認知症の正体を理解していただけたらと思います。



この新芽は植物判定ソフトによれば榎らしいです。

理論的に詳しく知りたい方は、以下のブログもお読みください。

ブログ村

http://health.blogmura.com/bokeboshi/ranking_out.html