脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

絵本「そばにいるよ」

2012年09月17日 | 私の右脳ライフ

Img_new私の気仙沼の友人がこの絵本を上梓しました。

彼女の家があった、海のすぐそば階上地区は、気仙沼の中でも大きな被害にあったところです。
津波にやられた・・・ということは、ほんとに根こそぎ何もないということ・・・

家と、お父さんと、家族の一員だったレオと。
津波は全部持っていってしまいました。

友人は、仮設住宅に暮らしながら、表面的にはもう普通に暮らしてくれています。
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それでも訴えようのない悲しさや寂しさや憤りや。もちろん将来への不安も。

持て余すようなそんな思いをこめて書かれたこの絵本が、著者がさらに一歩前に踏み出すための力になってくれることを信じます。
そして、お父さんとレオの鎮魂のためだけでなく、書けない人たちの思いをも、形にしたような気がします。

今年の3.11の時に何度もテレビで放映されたので、ご存知の方もあるでしょう。

  「この悲劇を繰り返すな

  大地が揺れたらすぐ逃げろ

  より遠くへ・・・より高台へ・・・」

階上地区に建立された慰霊碑に刻まれているこの文章は、彼女が書きました。

私の友人たち(友人の友人まで!)が、気仙沼へ支援物資を送ってくださいました。
このような思いをした方々に、あの品物は届けられました。

ありがとうございました。


陸前高田「にじのライブラリー」荒木そうこさん

2012年09月12日 | 私の右脳ライフ

今回の被災地訪問。出発の直前にひらめいて、予定追加。大船渡の帰りにお邪魔したのが陸前高田市にある「にじのライブラリー」です。

にじのライブラリーの住所は今泉天満宮境内です。なぜ境内なのか、神社が避難所として適切という意味、津波の惨状などこのサイトからよくわかります。
荒木さんは宮司さんの娘さんです。

必然の流れはありました。
7月に私の友人の友人(まだお会いしたこともありませんが、心のこもった支援物資をご友人たちと送ってくださってます)から来たメールです。

2012_0906_152100p1000132S藤さんからのメール
私の友人がこの4月から陸前高田の仮設住宅の主に高齢者を訪問して傾聴ボランティアに定期的に行っています。
他の友人が自宅で行ったガレージセールの収益金をどこに託そうか思案中だったので、ちょうど6月末ボランティアに行った彼女に寄付を託すよい所をさがしてきてと頼みました

荒木さんという女性と知り合い「ふんばろう東日本」サイトに寄付したらどうかということになりました。荒木さんは町の女性たち、多分40代から60代、の布草履作りと販売をサポートしている40代の女性です。
活動はhttp://fumbaro.org/の中の「手に職 布ぞうりプロジェクト」の中にあります

その彼女から下記のようなメールがありました<o:p></o:p>

荒木さんの返信メール

2012_0906_143400p1000128略ー「さっそくメールをありがとうございます。布草履のお返事は改めていたしますね。<o:p></o:p>

 実は、バザーの収益金5万円のことでメールしました。下の子どもたちへの支援として送っていただけないでしょうか<o:p></o:p>

 陸前高田市ではありませんが、お隣の宮城県気仙沼市の離島「大島」の子どもたちへの支援ですよろしくお願いいたします。」

S藤さんのメール(続き)
いろいろな活動が支援を待っているのに、「やっぱり子供が先だからそちらを先に・・。」というやさしさになみだが出そうな私たちです。出来るだけ協力したいとおもい皆さまもよろしければ、どうぞ寄付のご協力お願いいたします。」

私は気仙沼大島中学校の文化祭に去年伺いました生徒さんたちのひたむきさに打たれて「緑の真珠ー気仙沼大島の希望」としてブログにも書きました。
私も、ですから他人事と思えずに、さっそく友人たちにも寄付を募りました。その話を聞いてS藤さんもびっくりされました。

この話には後日談があります。ここまでだと荒木さんと私、接点がありません。
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にじのライブラリーは「子どもたちの居場所作り」がおもな目標です。でもお母さんたちが来るようになって「時間つぶしではないきちんとした布草履つくりで自立を支援しよう」という動きが出てきました。

558399_487840477892936_154075790_nその材料のTシャツを少しですがお送りしたのです。
←こんなに素敵な布草履です。

話は変わりますが、この夏、銅版画家になっている高校時代の友人、笠井きみよさんが、絵本を上梓したことを知りさっそく入手しました。

「トコトワ」
少年が悲しみの中ら立ちあがろうとするお話ですから、「お土産に持っていこう!」というのが、にじのライブラリーに行く目的でした。
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それにプラスして、南相馬の農家民宿「翠の里」で出会った「でんでんむしのかなしみ」も絶対連れて行かなくては!と思っていました。

にじのライブラリーを支えている方々はたくさんいらっしゃいますが、本の寄贈に関してその筆頭に挙げられていたのが、IBBY!

「でんでんむしのかなしみ」はここになくてはならない本ですよね?!

その後、翠の里の小倉さんからも連絡があって、どうしてもこの本を贈りたいと言われたそうです。
そして、翠の里の小倉さんからも「この経過を聞かれた『でんでんむしのかなしみ』を描かれた鈴木靖将画伯が、とても喜んでくださった」という連絡をいただきました。

381068_456382354384910_690256074_nあの、何もなくなってしまった陸前高田で、私は人の輪が次々にくっついていくという経験をしました。
人は一人では生きていない・・・心が温かくなる体験でした。

荒木さんが言われました。
「いくらお約束をしても会えない方もいれば、今回のように本来お休みの日にたまたま私がいてお会いできるなんて。会うべき運命だったのでしょうか」

多分そうでしょう。

疲れないように頑張ってくださいね。


号外ー南相馬和みサロン『眞こころ』からのメール

2012年09月12日 | 認知症予防教室

前回お知らせした南相馬市の やっぺ南相馬 和みサロン『眞こころ』の松野美紀子さんからメールをいただきました。ありがとうございました。
支援をしてくださっている方々のご紹介がありましたから、訂正も含めてここに転載させていただきます。

2012_0607_135300p1000050「高槻さま。おはようございます。

先日は少しの間でしたが、お話伺えて嬉しかったです。

元気なお声、集会所のお年寄りの方に分けて欲しいです。

ブログですが、直接の支援は現在、海外の団体IMCから人件費を頂いております。

合わせて、お菓子支援は、チームやっぺ南相馬大阪南支部西千葉教会様や、鎌倉在住の(CTVU)の方、平和を願う草の根グループ「えんどうまめ」様など多くの方々に支えられての活動です。2012_0615_104800p1000006

サイド・バイ・サイドからは、立ち上げの家具を全面的に支援頂きました。

額に飾られたジョンソン、ウィンターズティー様からも、高額なハーブティーを。

この活動に賛同頂いている皆様のおかげで、運営できております。

やっと秋の風が吹き始めました。これからしばらくは過ごしやすい日が続くと思います。」

多くの方の善意が仮設の高齢者を支えています。
松野さん。地域の高齢者の皆さんとどうぞお楽しみくださいね!


再会ー熊谷和子さん(「うさぎのしっぽ」代表in大船渡)

2012年09月11日 | かくしゃくヒント

今回の被災地への旅は、熊谷さんとの再会も計画に入っていました。
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大船渡への道は、割合高台なので惨状を直接的に目にすることはありませんでした。津波の被害を大きく受けた中心地を過ぎ、そのままさらに山中に入っていく道は郊外型の店舗がたくさん並んだ新しい街並みです。そこから少し入ったところに、熊谷さんのおたくはありました。

敷地の中に花に囲まれたかわいいログハウスが「うさぎのしっぽ」
「縫い物とお花が好き」という熊谷さんの生き方が、形になったログハウスです。

P1000118夢にあふれた室内。思わず手に取ってみたくなるような作品たち。

その作品もパッチワークの作品から人形たち、リボン手芸などなど多岐にわたっていて、右脳の豊かな人たちの素晴らしさを、改めて認識しました。
うらやましい限りです。

すべてがお弟子さんたちのための見本で、
「売り物は一点もありません。もちろん私が死んだら売るといいかも。全部で、さぁ700点はあるでしょうか」と笑っていました。

「仮設住宅で、みんなで手芸を楽しむ」ということは、いわば認知症予防教室の定番ともいえるカリキュラムです。

現状では、ありあわせの材料で、時間つぶしのようなことがまかり通っていると思われます。南相馬市で多くの仮設住宅を見学してきた後ですから、それすらできるところのほうが少ないだろうということも想像できます。

P1000119_3でも、「こういうものを作りたい」という気持ちを目覚めさせてあげたい。

目覚めている人には、提供してあげたい。

出来上がった作品が自慢できるようなものを作らせてあげたい。

布の色や材質の組み合わせそのものが楽しめるものを作らせてあげたい。etc.

そういう作品の材料は費用が発生するでしょう。
熊谷さんはプロですから、仮設に行って教えてあげるとなると報酬が必要になります。
ところが、仮設ではお金のやり取りはできないことになっているそうです。(もちろん、その趣旨も理解できます)

世話人の立場の人たちは、眼前の問題解決すらままならないかもしれません。
認知症に限らず、予防活動はどうしても後回し・・・

P1000120でも、認知症の予防は、正常者に対して行うのが最も効果的です。

正常であるほど、かわいいとかおしゃれとかシックとかを求めるものです。
正常な方にも脳を生き生きと使う時間は不可欠なのですよ。

熊谷さんのような指導者を必要とする人たちがいることと、その方たちに働きかけることの有用性に早く気付いてほしいと思います。

金銭の授受が認められないなら、熊谷さんを派遣できるようなNPOはないのでしょうか?

「ボケてどうする!」

ボケる前に何をなすべきかを高齢者に納得させて、その状況を用意してあげる方法は、どこに見つけることができるのでしょうか?


南相馬市便りー農家民宿翠の里(みどりのさと)

2012年09月10日 | かくしゃくヒント

南相馬市のビジネスホテルは満員状態。その理由は復興支援の方々がたくさん集まっているから。
観光協会のサイトから、農家民宿という言葉を見つけ「ここ、ここ」とすぐに決めました。
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私は北九州市の出身ですが、オーナーご夫妻は九州出身。何というご縁、出会いでしょう。

ご主人は大手スーパーの魚仕入を担当されていたそうですが、少し早目の退職、そして南相馬移住。

移住後、奥さんは農家レストラン、ご主人は中堅のスーパーに勤務されたそうですが、震災後、若者に職を譲るという意味で完全退職。

築百年ほどもたつような大きな農家(地震の時、揺れはあったそうですが、食器は一個も壊れなかった由)を買った時には
「人が集まってほしい。来た人みんなが楽しくなるような場所を作りたいと思った」とこれはご夫婦別々に同じことを言われました。

P1000065予約の時に
「ボランティアでいらっしゃるのでしょ。ありがとうございます」という挨拶をされた時には
「なんと魅力的な方。うかがうのが楽しみ」と思いましたよ。

たくさんお話を伺いましたが
「元気な手作り野菜と、おいしい魚でもてなしたい」

「家で暮らすように泊まってほしい」

「出会いそのものを大切にしたい」

「自分だけでなく、みんながしあわせなように」

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P1000068震災後の、避難所の方々(病気の方を含めて)を受け入れて総勢9人でサバイバル生活を「楽しんだ」話も面白くききました。

「新しいものは、役に立ちませんでした。
お米は羽釜でしょ。井戸から水をくむのはポリバケツではダメ、ブリキでなくっちゃ」

震災後すぐに駆けつけてくれたボランティアさんたちの受け入れをしたところから、農家民宿がむしろ軌道に乗ったというお話も興味深かったです。

「生活するためにいくらかのお金はいりますが、それよりもっと大切にしたいものがあります」という言葉がそのまま胸に飛び込んでくるようなご夫妻でした。

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鈴木靖将画伯との運命的な出会いと、画伯のヒューマンな支援(作品展とともにおばあさんたちの似顔絵を描いてあげる)のお話も感動的でしたね。

万葉集に題材を得た春夏秋の襖絵を寄贈してくださったことも、ちょっと現実離れしているかも。

このお部屋で寝させていただいて、朝の目覚めは万葉人と野原で穏やかに楽しんでいるという居心地のいい錯覚を楽しみました。

51jupncha8l__sl500_aa300_ところで、鈴木画伯が震災後、インスピレーションを得て描かれた「でんでんむしのかなしみ」が翠の里に置いてありました。

数年前に、美智子さまがIBBY(国際児童図書協議会)の大会で、ビデオで基調講演されました。その時にこの「でんでんむしのかなしみ」が取り上げられたことを覚えている人もあるかと思います。

せっかくのご縁だからと、一冊買い求めました。一冊はプレゼントしてくださいました。

この「でんでんむしのかなしみ」がまた次の出会いにつながっていくのです。
お楽しみに!!


南相馬市便りー仮設住宅

2012年09月10日 | 認知症予防教室

翌日は仮設住宅の見学です。

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携帯ではその規模を写し取るのはとても無理なほど広いスペースに、さまざまなタイプの仮設住宅がありました。その集合仮設住宅が何か所も、何か所もあるのです。

仮設住宅は当初「2年間だけ住む住宅」というように聞きましたが、すぐにに3年、いや4年といわれるようになり、もしかしたら仮設住宅から出ることができない高齢者のことだって考えなくてはいけないのでは・・・ということすら耳にするようになりました。

仮設住宅には、集会所は必ず設置される決まりができたそうで、どこにでもあり、また管理する人も市が用意していると聞きました。ただし、集会所の運営はさまざまなようです。

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この集会所は社会福祉協議会がお世話をしていました。またボランティアさんの協力体制も整っているそうでした。また市からも担当職員さんが派遣され、健康相談に応じているているという、恵まれた条件で仮設住宅の皆さんに開かれています。

この日は、救急隊員の方を迎えてのAED講習会が行われていました。
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集会所はきれいに整えられ、冷房も効いていて、飲料水も用意されていても、ひっそりしているところもありました。

たまたま今日のこの時だけ使われていないのならいいのですが、もちろんそういうこともあるとは思いますが、
「認知症予防教室のように、右脳主体の楽しい体験の場であってくれたらベストだけど、そこまでは求めない。
でも、集会所に行けば、いつも人が集まって談笑しているような状態が必要なのよね」と、U田保健師さんに話しました。

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P1000102かわいい風車が飾られている集会所を見つけました。
風車の写真を撮るつもりで、車を止めて降りたら、玄関に靴がたくさん!

その靴に惹かれて、集会所の中に入っていきました。

寺内第一仮設住宅集会所コミニティセンター和みサロン「真こころ」 いい感じ!!!

三々五々お年寄りが集まっておしゃべりに花が咲いているという自然さがあります。

届けられた手芸用品の支援物資のうち「家でやりたいものがあれば持って行ってね」と係の方が声掛けをしていました。

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「ここで皆さんで一緒にはなさらないのですか?」

「はい。お茶を飲んだりお話したり。自由に過ごしていただいてます。ここにいらっしゃる方たちは、みなさん、元気で生き生きしていますよ」説明してくださったのは、
やっぺ南相馬」の松野美紀子さん。
(お邪魔しました。ありがとうございました)

他の集会所と、雰囲気が違いますからいろいろ尋ねてみました。

「利用時間を半日と考えると、一か月で500人はいらっしゃいます」

P1000104「ぶしつけですが、お茶やおやつ代として一か月どのくらいかかりますか?」

この答にはびっくりしましたよ!
なんと20,000円。

NPO法人Side by Side Internationalから人件費などの援助を受けてるそうですが、これだけの高齢者が楽しみに集うことから、対費用効果としては素晴らしいですね。

どうすれば、このような集会所が増やせるのか、費用の分担も含めてみんなで検討していく必要があると思います。


南相馬市便り

2012年09月10日 | 各地の認知症予防活動

南相馬市へ行きました。今、静岡県牧之原市のU田保健師さんが災害派遣ということで、南相馬市にいるのです。メールのやり取りののち
「それでは保健師さんたちの勉強会をやりましよう」ということになって伺いました。

福島駅前
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「現在も県外、市外に避難している方、市内外の仮設住宅・借り上げ住宅など、自宅で生活できないで1年以上が経過している方が約3万人(人口7万人中)もいる現状です。

私は幸いにも仮設住宅や借り上げ住宅に訪問して健康調査などを実施していますが、先生も依然、ブログで書いていらしたように、やはり今後の高齢者増加がとても心配されます。

避難所を転々とし、つらい思いをされ、急激に認知症状が悪化してしまったというお話も聞きます。

もちろん、仮設だけではありません。そこここに気になるお年寄りがいます。でも、何もしてあげられません・・・

今なんですよね、認知症の予防って。

もちろん周りの保健師さんたちが、忙しいということは十分にわかるんですけど。自殺予防は避けて通れないし。検診、相談、ほんとに忙しいのです」

U田さんが言ってきたことを反芻しながら、2時間の道を南相馬市へ行きました。
バスは一見平穏な山道を進みます。

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残暑厳しい日でしたが、山を越えると急に天気が変わりました。

雨がさぁーと窓ガラスをたたきます。

山には霧が立ち込めて、この柔らかい湿り気が木々を癒すだろうと、酷暑のことをひと時忘れてしまいました。

木々や家畜や人々にやさしいこの地形が、あの原発から吹き上げられた空気を呼び込んでしまうことになったとは。

全村避難の飯舘村でした。
山を下ってしまうと明るい日射しが輝いていましたが、その中で家々は雨戸を閉め郵便局もしまっていました・・・
家畜たちを置いて避難した住民の方々の思いはいかがだったでしょうか・・・

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さて勉強会ですが、「(症状からではなく)脳機能から認知症を知る」という方法があって、その考え方だけが「認知症の早期対応や予防が可能になる」ことをどのくらい伝えられたのかと思います。
それでもたくさんの保健師さんが、興味深く聞いてくださったことで、伺った甲斐はあったと思いました。

南相馬市役所 

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認知症の一番早い段階では、前頭葉機能の低下が起きるのですが、その状態の方々をイメージされた保健師さんが何人もいましたね。

ただ、一般的な普通の「小ボケ」というよりは、元来の性格の影響もあって、ちょっと困った症状を出す人たちのほうが話題に上りました。

どうしても認知症=困った症状を示すという図式があるのです。
勉強会でも繰り返したように本当の「小ボケ」は、「困った症状」というよりは「なんだかちょっと変」ということを起こします。つまり年のせいなのかどうかが明言しにくいところがあります。だから脳機能検査の数値がないと指導につなげることができないのです。

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血糖値を使えば、正常者にも健康教育ができます。糖尿病の症状が出ていなくても血糖値が高いというだけで強い生活改善指導をしますね。

同じような考え方を取り入れて、認知症の一次予防、二次予防に取り掛からないと、2~3年先が気がかりです。

本当に大変な毎日を過ごされていると思いますが、認知症の予防は保健師さんの独壇場なのです。生活ぶりと認知症が見事に一致するということについては、皆さん納得されましたよね。

生活改善指導だけが(早期の)認知症を改善させられる方法です。

ロビー(2)

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小布施町ボケ防止推進委員会 第1号

2012年09月08日 | 認知症予防教室

小布施町在宅介護支援センター(小布施町の認知症予防はここが担当しています)からお手紙がきました。
先日「小布施便り」として紹介した、小布施町山王島地区の教室開設10周年記念会の折に撮影した写真を送ってくださったのです。

ありがとうございました。嬉しい発見がいくつかありました。

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・どの人の顔も輝いているところに注目

・皆さんが笑顔の点に注目

・どの人もおしゃれをしているところに注目

・顔が見えなくなってしまっている人がいないことに注目
 (写す人も気をつけますが、写される人だって気をつけてます)

・枠外の文字に注目
「小布施町ボケ防止推進委員会」
これは自主的に名乗ってくださっているのです。
在宅介護支援センター長さんも感動していました。私も!

小布施町の認知症予防活動は、住民が主導するここまで来ました。
さすが、小布施町の認知症予防教室(脳のリフレッシュ教室)皮きりの山王島地区。
これからも胸を張って、小布施町のボケ防止を推進していく気概で、お楽しみください。
(「がんばってください」ではなく、「笑顔を忘れず楽しんでください」ですからね)

ごめんなさい。これは8月24日に書いた原稿なのですが。
どういう訳か下書きになってしまっていました・・・


夏の挽歌

2012年09月02日 | 私の右脳ライフ

9月になりました。

暑い夏でしたが、昨夜のまとまった雨のせいか今朝は季節の移ろいをはっきり感じ取れるくらいの涼しさでした。

夏真っ盛りの時に、東京新宿に行きました。
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その日は何と34度!

緑もほとんど目に入らないうえ、道路はアスファルトだし、行き交う人も足早でいかにもあつそう・・・

はるかな昔、北九州から上京して東京で大学生活を始めた時、渋谷から池袋まで山手線に乗って通学したのですが、「東京ってなんて緑が多いんだろう」と明治神宮の森を見ながら感動していました。
普通の家のお庭にも、丹精込めた花々が咲いていて、上京してすぐは沈丁花の甘い香りにも魅かれたものでした。

新宿東口といえばアルタでしょう。タモリの「笑っていいとも」はギネス記録でしたね。
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考えてみたら、私が育ったのは北九州工業地帯の真ん中。
周り中が工場という特殊な地域でしたから特別に緑がなかったということなのです。

何しろ、土筆やヨモギを摘みに「車」で1時間も行くというのですから。いま思い出すとこのようにしてまで自然を味あわせてくれた両親にほんとに感謝しています。

ただ父の田舎には夏休みになると行っていましたから、夏の草いきれや、草を燃すにおいや、田んぼの水草すくいなど「私の夏」は田舎の情景の中にあります。
非日常ではあったのですが、トンボやチョウ、セミなどの虫たちも夏休みのシーンの中から始まります。

我が家に飛び込んできたクワガタ 2012_0619_084200p1000009私たちは、その時々にいろいろなことを感じたり考えたりしながら生活していくのです。

生きてきた事実が「今の自分の感じ方や考え方」を決めているという当たり前のことに思い至りました。

確かに前頭葉は体験の中から自分なりの色をつけていくのですね。

                              セミの抜け殻
Img_0305私は、本当に緑のないところで育ったのですが、両親が自然を体験させることに心を砕いてくれていたからこそ、東京の緑を見つけて喜ぶことができました。

その後は、自然豊かなところでの生活が長くなりましたから、
「東京って緑がない!」と気の毒になり、同じ34度でも、東京の方がもっと暑いような気がしました(笑)

昔の新宿東口は若者の街。今は高野の隣にグッチが。こんな古い馬水槽も
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