

(プロローグ)私たち二段階方式は、『アルツハイマー型認知症(以下、「AD型認知症」と略記する)』の本態(真の正体)は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病』であることについて、北海道から九州に跨る全国的規模、452の市町村で実践指導した「住民参加型の地域予防活動」の顕著な成果に関わる『脳機能データ(人類最大の難問とされている「意識」が覚醒した/目的的な世界における/脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉機能」を含む/脳全体の機能レベルに厳密にリンクした/三段階に区分される「類型的症状」及び廃用性の異常な機能低下を進行させた元凶である「ナイナイ尽くしの単調な生活習慣」の継続』と言う根拠資料を提示し、『症状の回復及び/又は症状の進行の抑制』の効能を有する薬、治療薬が開発されることは、未来永劫有り得ないことの根拠を提示し、関連する『脳機能データ』を、菅官房長官のお計らいに因る、2019年の11月末の厚労省(認知症施策推進室)との協議時に提出しているのです。
様々な種類が有る認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めている『AD型認知症』は、「加齢」という要因に起因した『前頭葉機能』を含む/脳全体の機能について確認される正常で緩やかな機能低下の進行(正常老化の進行=基盤要因)が、発病の第一要因である為に、「第二の人生」を送っている「高齢者だけ』が発病の対象となる(老年発症)が特徴なのです。世に言う、『若年性AD型認知症』は、「側頭葉性健忘症」を誤診しているだけなのです。両者は共に、『重度の物忘れの症状』の発現が確認出来るものの、『①/「AD型認知症」は、前頭葉機能が異常なレベルに在る」のが特徴であるのに対し、②/「側頭葉性健忘症」は、前頭葉機能が正常なレベルに在る」のが、特徴』なのです。従い、『前頭葉機能』の機能レベルを精緻で客観的に判定出来る、「二段階方式」の手技を活用して、両者を評価すれば、鑑別は、極めて容易に出来るのです!!
どんな種類の仕事であれ、日々生活を繰り広げていく上で、特定の具体的な「仕事の遂行というテーマ」「目的と目標と具体的な役割り」があって、それを期限内に、しかるべき内容で、達成すべき状況に置かれていて、目標達成の為に、発想、企画、計画、創意、工夫、洞察、推理、憶測、忖度、検索、シミュレーション、比較、選択、決断や抑制や感動等、複合機能体としての『前頭葉機能』の構成要素機能である『評価の物差し(=意識の首座=自我)』の機能及び「実行機能」の出番が多い状況が確保されていて、『機能発揮上の二重構造の関係』にある、意欲や注意の集中力、就中、『注意の分配力』の機能の出番が多い「生活習慣」、『脳の使い方』としての「前頭葉機能が活性化」する/イキイキとした『生活習慣』が繰り返され、継続されている「高齢者」の場合には、(単なる肩書ではなくて)現役としての「第一の人生」を送っているので、『前頭葉機能についての/廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してこない』のです。加齢に因る/『前頭葉機能』の正常な機能低下(正常老化)の進行に因り、物忘れの症状の進行がある程度は確認されようとも、『前頭葉機能』自体が正常な機能レベルに保たれている為に、『AD型認知症』を発病する事態は、絶対に起きては来ないものなのです!!『その理由は、廃用症候群に属する/老化/廃用型の生活習慣病/が真の正体(本態)である「AD型認知症」の発病である場合には、必ず、「前頭葉の三本柱」の機能⇒「評価の物差し」の機能⇒「実行機能」⇒左脳の機能⇒右脳の機能⇒運動の脳の機能の厳密な順番に、廃用性の/加速度的で/異常な/機能低下が進行して行くものだから』なのです〔「小ボケ」/「中ボケ」/「大ボケ」の段階に在る「発病高齢者」、14689 例の、「前頭葉機能」を含む/脳全体の機能レベルの評価結果である「脳機能データ」の解析結果が、根拠だからなのです!!〕。
世界中の専門家と言われる人達が、この事実を見落としているだけなのです。その為、『単なる憶測の類い』でしかない「アミロイドβ仮説」が、未だに幅を利かせているという訳なのです。権威だけを傘に着て/審査の為の有識者として厚労省に選別されたとはいえ、(アミロイドβ仮説の諸問題について無知な輩)が、承認に賛成したというだけのものである新型の薬(レカネマブ)。「アミロイドβ仮説」の主張内容が正しいとの(大前提)に立脚して開発された薬であり、(「アミロイドβ仮説」がコケれば、一緒にコケル)程度の意味不明の薬なのです。
(2) 今回の「レカネマブ」に(症状の進行を遅らせる)一定の治療効果が有るか否かについては、客観的で、科学的で、論理的で、厳密な定義を有する『基準』に基づいて評価し、判定し、鑑別すべきと考えます。
治療薬の効能を歌い文句に登場してきながら、結局のところ、症状の発現の仕方を昂進させるだけの薬、興奮型の対症療法薬でしかなかった『アリセプト』の二の舞になってはならないのです(治療薬としての効能は皆無である「アリセプト」を治療薬として製造販売して、エーザイは、大儲けした)。
⇔(単なる「対症療法薬」でしかない)アリセプトを含む4種の薬は、開発会社も、効能の有無を判定した機関も、『脳の使い方としての生活習慣要因が、症状の進行に与える影響について無知である』為に、評価方法もいい加減で、評価自体が杜撰で、評価を誤っているだけ。
※(AD型認知症)が老化・廃用型の生活習慣病であることに無知な為/(AD型認知症)を「重度の物忘れ」が特徴の神経変性疾患だとの誤解から、「物忘れの症状」の程度や態様を外観的に観測する、曖昧で主観的な基準」に頼るのではなく、複合機能体である『前頭葉』機能に的を絞り、『前頭葉機能』を含む・脳全体の機能レベルの変化に影響を与える「第二の人生を送る上で日々展開される脳の使い方としての生活習慣の要因」との関係に焦点を当てているのは、世界中で私たち「二段階方式」だけなのです。
(3)『仕事』とは無縁の日々の暮らし方となる「第二の人生」を送る高齢者(60歳以上)が、何等かの状況の発生とその継続を契機に、『心が折れてしまい、意欲を喪失する』こととなった状況の発生と継続を「キッカケ」として、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」(自分なりに追求する特定の「テーマ」が無く;生き甲斐無く;趣味無く;交遊無く;運動する機会も無く;目標となるものも無い単調な日々の暮らし方=「脳の使い方」としての単調な「生活習慣」であり、「AD型認知症」の発病と食生活や糖尿病の発病とは無関係であることに注意)が継続して行くことに因り、『前頭葉機能』を含む/脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して行くことに因り、『AD型認知症』を発病することになるのです{発病の最初の段階が、私たち、「二段階方式」の区分で言う/「軽度認知症(小ボケ)」の段階}。
※1 「14689例に上る「AD型認知症」の発病者(小ボケ/中ボケ/大ボケの全てを含む)」の脳機能データが示す事象の事実は、『発病患者は、前頭葉機能⇒左脳⇒右脳⇒運動の脳の厳密な順番に従い』、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して行き、『前頭葉機能が異常なレベルとなったそのときが発病の時(小ボケ)』であり、以降、『前頭葉機能』の更なる機能低下が進行していく中で、左脳、右脳、運動の脳の厳密な順番に、異常なレベルに機能低下が進行して行くことにより、『(前頭葉機能)を含む/脳全体の機能レベルに厳密にリンクした、三段階に区分される類型的症状が発現して来る(改訂版30項目問診票)』のが特徴となるのです。
※2 即ち、『「AD型認知症」は、(前頭葉機能)が正常なレベルに保たれている限り、発病は絶対に起きて来ない』ということ ❣
(2) 「二段階方式」の予測数値とその意味:「二段階方式」が予測する発病者数は、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の「全ての段階の発病者」を含む予測数値ということになります。小ボケ及び中ボケは、『前頭葉機能』を含む/脳全体の機能についての/機能レベルという条件から、未だ「介護が必要な状態には無い」ので、政府もマスコミも、気にしていないのです。
(3) 私たち「二段階方式」が特定の地域の全数調査をもとに予測した「AD型認知症」の「年齢別の発症率」は、以下の通り。
『第二の人生』を送る「お年寄り」であることを条件/対象として、60歳代のお年寄りの12%、70歳代のお年寄りの30%、80歳代のお年寄りの50%、90歳代のお年寄りの75%、100歳代のお年寄りの97%が、「小ボケ」、「中ボケ」、又は「大ボケ」のいずれかの段階にあるのです。
&3「AD型認知症」の類型的症状の特徴
(1) 様々な程度及び態様に因る『AD型認知症』の症状は、私達人間だけに特有な『意識的/目的的な世界』が関るタイプの認知症なのであり、「意識的(目的的)な世界」における『脳全体の司令塔』の役割を担っている『前頭葉機能』を含む/脳全体の機能レベルに厳密にリンクした「三段階に区分」される『類型的症状(改訂版30項目問診票)」が発現して来るのが特徴。
(2) 発病の最初の段階が、(『前頭葉機能』の機能障害に起因した症状だけが、発現して来ることに注意)「社会生活面」での重大な支障が出てくることになる「小ボケ」(軽度認知症)の段階であり、次いで、「家庭生活面」でも重大な支障が出てくることになる「中ボケ」(中等度認知症)の段階があり、最後に、「セルフケア」の面でも重大な支障が出てきて「介護」が不可欠となる「大ボケ」(重度認知症)の段階があるのです。「DSM-Ⅳ」の第二要件が、失語や失認や失行(紛い)の症状が発病の初期段階であると憶測する重大な誤った規定内容であるとも知らずに、未だにその規定が、権威達に重宝がられている状況。
(3)権威には乏しいとはいえ、科学的で、客観的で、14689例にも上る極めて多数の受診者の脳機能データ及び北海道から九州に跨る全国的規模、452の市町村で実践展開し、主張内容が正しいことを疫学的方法により実証して来た私たち「二段階方式」が集積した事象事実としての脳機能データでは、『AD型認知症は、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」(脳の使い方としての意味)の継続に起因した『前頭葉機能(前頭前野の穹窿部に局在する「意欲、注意の集中力及び注意の分配力」の機能、「評価の物差しの機能」及び「実行機能」を構成機能とした複合機能体であり、単体機能ではない!!)』の機能障害に起因して発病することが示され、『「DSM-Ⅳ」の第一要件の規定内容は、誤りである』ことが示されているのです。
(4) 『AD型認知症』発病の最初の段階である「小ボケ(軽度認知症)」の段階では、意識的な世界を運行する三頭建ての馬車の「御者の役割」を担っている『前頭葉機能』だけが、異常なレベルに衰えて来ているのに対し、馬車を牽引するだけの役割りに過ぎない左脳も右脳も運動の脳も、未だ正常な機能レベルに在るのです。
※1「3つの仮説」の内で通説の地位にあるとされる『アミロイドβ仮説の主張に従ってみた場合、『前頭葉機能が、真っ先に障害される』という事象の事実を合理的に、客観的に、根拠となるデータを添えて、説明することが不可能な事』なのです。
※2 彼等は、この程度のことさえも知らないで、「物忘れの症状」を外観的に観察するだけの程度のものに過ぎない「CDR」(臨床的認知症尺度)や「MCI」(言葉の表現だけに因る軽度認知障害判定尺度)を持ち出してきて、「発病の有無及び症状の程度の判定の基準」更には、開発した薬の治療効果の有無の判定、或いは、投薬の対象者の選別にも、それらの(杜撰で/主観的な基準)を持ち出して来るのです。
(1) 「意識的な世界」と『AD型認知症』の発病原因との関係:DNAの99%が同じとされるチンパンジーにも無い世界、私たち人間だけに特有な世界であり、私たちの日々の暮らしの中核をなしているのが、『意識的/目的的な世界』なのです。「意識的な世界」は、目的的な世界であり、自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、何等かの実行テーマを発想して、それを実行に移す為に、実行内容を企画し、計画して、実行の結果を洞察し、推理し、検索し、シミュレーションして、シミュレーションによる比較結果に基づいて、最終的な実行内容並びに実行の程度及び態様を抑制し、選択し、実行の決断をして、脳の各部に実行の指令を発するという機能の発揮構造が存在するのです。上記に例示列挙した機能である分析、理解、判断、企画、計画、洞察、推理、検索、シミュレーション、比較、抑制、選択、決断、或いは、感動等の機能が、『実行機能』と総称されている個別認知機能群なのです。
意識が覚醒した/目的的な世界は、「評価の物差し」の機能に因る評価/注意/関心/観方に従い、「注意の分配力」の機能が、「実行機能」を駆使して、所期の目的を実行し、所定のもくひょうを達成して行く世界なのです。その場合に、『評価の物差しの機能』及び『実行機能(Executive Function)』の機能の発揮及び発揮度を左右し、下支えている機能が、意欲、注意の集中力及び注意の分配力(三者を総称して、『前頭葉の三本柱』の機能と呼称)という機能なのです。
中でも、『注意の分配力』の機能は、『3つ以上の異なる/複数のテーマを同時に並行して処理する上で不可欠の機能であり、加えて、あの人は頭の回転が速いという言葉で表現されるように、咄嗟の判断と処理を行う上でも不可欠の機能』なのです。『注意の分配力』の機能は、チンパンジーにも備わっていない、私たち人間だけに特有な機能であり、「注意の分配力」の機能が異常なレベルに衰えてきて、正常なレベルで機能しないことに因る様々な支障、直接のアウトプットそれ自体が、『AD型認知症』発病としての症状として発現して来るのです。
世界中の専門家達は、この重大な要因に気づいていなくて、「末期の段階」(大ボケ)にまで症状が進行して死を迎えたお年寄り達の死後の『脳の解剖所見』や「物忘れの症状」を外観的に観察して得ただけのものである憶測や推測だけを根拠に、『「第二の人生」を送る上で継続されるナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下が、「AD型認知症」の発病及び症状の重症化の進行を惹き起こす直接で、唯一の原因である』こと、即ち、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の単なる「生活習慣病」に過ぎないものである』ことに気づかないで、記憶障害が発病を惹き起こすと規定する「DSM-Ⅳ」の第一要件の確認要求内容に未だにしがみついている有様。
『アミロイドβ仮説、タウ蛋白仮説及びアセチルコリン仮説という「3つの仮説」』は、根拠となる客観的な脳機能データさえ無い、主張内容自体が誤りで、憶測の産物に過ぎないのです。
※「AD型認知症」の症状は、『廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行』に起因した『前頭葉機能についての機能障害』に起因して発現して来るものなのです。『記憶の障害に起因して症状が発現する』ことの確認を要求している『DSM-Ⅳ』の第一要件の確認要求内容が、単なる憶測、推測の類であり、『その規定内容は誤り』なのです。
「記憶の障害」に起因した症状、或いは、記憶の障害の症状は、症状の重症化が進行して行き、「中ボケ」の後半や「大ボケ」の段階に確認されることが多いのですが、『記憶の障害、或いは、記憶障害に起因した症状』自体が、小ボケの段階では「前頭葉機能」の機能障害(中ボケ以降の段階では、「前頭葉機能」を含む/脳全体の機能障害)に起因したものである』ことさえ、彼等は、未だに気づいていないことが大問題。
(2) 「意識的/目的的な世界」を脳の機能面から説明すると、言葉や計算や論理や場合分け等のデジタルな情報の処理に特化した機能が「左脳」であり、空間や形の認識や時間の経過の感覚、或いは、感情等のアナログな情報の処理に特化した機能が「右脳」であり、身体を動かす為の処理に特化した機能が「運動の脳」なのであり、「意識的な世界」を簡潔に表現すると、左脳、右脳及び運動の脳の三頭の馬が牽引する『三頭立ての馬車』が運行する世界なのであり、その運行を支配し、管理し、コントロールしているのが、御者の役割を担っている『前頭葉機能』という脳機能なのです。
(3) 私たち二段階方式は、『前頭葉』機能を含む/脳全体の機能レベルの客観的な判定を基礎とした『AD型認知症』の発病の有無及び症状の段階区分を設定し、判定/鑑別するに際して、『前頭葉機能』の機能レベルを「改訂版かなひろいテスト」で並びに『左脳及び右脳』の機能レベルを「MMSEテスト」で各々判定した上で、脳の使い方としての「生活習慣」(生活歴の聞き取り結果)及び三段階に区分される類型的な症状を示す指標である「改訂版30項目問診票」との照合結果並びに次の(4)の項目で説明する『MMSE下位項目の項目困難度』の指標との照合により、総合的に評価し、判定するのです。
(4) 14600人を超える受信者の殆ど全ての人達、発病者と判定された『高齢者』(「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の全ての段階が含まれる)の「脳機能データ」を根拠とした、発病者だけに確認される臨床的尺度『MMSE下位項目の項目困難度』の指標の内容とその意味は、以下の通り:
(ⅰ)「AD型認知症」の発病者である場合、且つ、その場合に限り、MMSEテストの結果について(小ボケ、中ボケ及び大ボケの何れかの段階と判定された14600人を超える人数の被験者の脳機能データが根拠)、以下に示す順番、出来なくなっていく順番(二段階方式の用語で言う「MMSE下位項目の項目困難度」)という指標が存在するのです。この指標は、事象の事実の指標なのであり、客観的で、論理的で、科学的な「脳機能データ」なのです。
困難度が高い順番で示すと、想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名の順番となり、➡この低下順の通りでない場合は、他の病気(他のタイプの認知症、又は、認知症と紛らわしい他の病気)ということになります。
(ⅱ)この脳機能データは、「事象の事実」なのであり、「アミロイドβ仮説」では、このデータの存在する理由を客観的及び合理的並びに論理的に説明できないのです。言い換えると、この脳機能データの存在の一事をもってしても、『アミロイドβの蓄積で生成される老人斑が、情報を連絡する役割を担っている「神経細胞の大量死」を惹起して、記憶障害の領域が惹き起こされ/拡大されることに因り、「AD型認知症」を発病/重症化が進行すると主張しているアミロイドβ仮説の主張内容は、重大な誤りの内容である』と言い切れるのです。
※1 発病者であれば必ず(神経細胞の大量死が起きて来る)と主張するのであれば、『MMSE下位項目の項目困難度』の指標が存在するという極めて多数例の脳機能データを根拠とした「事象事実」の存在を合理的に、論理的に、科学的に説明できないのです。
※2 エーザイは、本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の発病者についてのMMSEテストの実施データを持っていないので、『MMSE下位項目の項目困難度』の指標が存在することにも気付いていないのです。
&5『AD型認知症』の段階的な症状の「標準的な滞留期間」
(ⅰ)発病の最初の段階が「小ボケ」(軽度認知症)であり、次いで、「中ボケ」(中等度認知症)の段階があり、最後が、末期の段階である「大ボケ」(重度認知症)の「3つの段階に区分される」のです。
(ⅱ)私たち「二段階方式」は、『脳のリハビリ』の実施に因る症状の回復の可能性の有無及びその程度により「3つの段階」に区分。
〇 小ボケ 症状の回復及び/又は症状の進行を遅らせることが、可能
〇 中ボケ 症状の進行を遅らせることが、未だ可能
〇 大ボケ 症状の進行を遅らせることも、最早困難(精神科医は、この段階で初めて発現して来る重度の症状の外観的な観測により、発病と診断する『発病のレッテル貼り』をしているだけ。 介護する以外に、為す術が何も残されていないことに注意)
(ⅲ)標準的な滞留期間の存在
〇 小ボケの段階 発病してから3年間
〇 中ボケの段階 中ボケに進行してから2~3年間
※1 発病して5~6年が経過すると、末期の段階である「大ボケ」の段階に進行します。
大ボケについては、滞留期間自体が存在しません。老衰その他何らかの病気が原因で死を迎えることになる時迄、大ボケの枠の中で、症状が進行して行き、身体が持つお年寄りの場合は、植物人間状態になる場合もあります。
※2 標準的な滞留期間と差異があるケース(滞留期間が長い場合と短い場合の両方)については、被験者が何かを「キッカケ」として意欲を喪失し、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が継続してきた期間を対象とし、その期間中の脳の使い方としての生活習慣の具体的な中身を聞き取るのです。そのプラス要因(滞留期間を長くする生活習慣要因)とマイナス要因(滞留期間を短くする要因)を詳しく聞き取った結果をまとめて例示したのが、&6の「生活習慣要因」です。
&6 『 脳の老化のスピード差』をもたらす「生活習慣要因」
(1)「第二の人生」を送る60歳を超える年齢の「高齢者だけ」を対象に発病するのが特徴である『AD型認知症』は、発病自体を予防することが出来るのです。更には、本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で発病を見つければ、治すことも/更なる重症化の進行を抑制することも出来るのです。『脳のリハビリ』の実施により、症状の回復及び症状の進行の抑制が可能である段階、本当の意味での早期の段階であり、「二段階方式」の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階にあるお年寄りであれば、「脳の使い方」としての「生活習慣」の内容次第で、症状の更なる進行が抑制される/進行が更に加速されることになることが、事象の事実として示されているのです。
治すことが出来ないタイプの認知症であると誤解されている理由は、診察に従事する専門の医師達までもが、「DSMーⅣ」の第二要件の確認要求内容を微塵も疑うことなく、金科玉条として信望していて、極めて重度の症状である『失語や失認や失行(紛い)の症状が、発病の初期症状であると誤解して居る』為に、見つけている段階が遅すぎることにあるのです(「二段階方式」の区分で言う小ボケ及び中ボケの段階で発現してくる症状を見落としていて、未だに末期の段階である「大ボケ」の段階で発現してくる症状から、発病と診断しているのが原因)。
(2) 様々な種類が数有る認知症の内でも、その大多数、90%以上の割合を占めている『AD型認知症こそ、早期発見と早期治療が不可欠で、且つ、有効なタイプの認知症なのです」。私たち「二段階方式」の主張内容は正しいし、北海道から九州に跨る452の市町村での住民参加型の地域予防活動の実践の成果により(この活動は国が関与していなくて、高齢化が進行していて予防活動に関心があった先駆的な市町村との有償の契約に基づいて実施) 、主張内容が正しいことを疫学的方法により実証しているし、専門家達が驚くような顕著な成果もあげているのです。権威達の主張内容と「真反対のもの」である為に、脳機能データや実施結果の有効性の判定データ(管理ソフトも独自開発している)、更には、種々のマニュアルも提示して、会議の場で詳しく説明したのです。私たちは一日千秋の思いで、良い返事を心待ちにしているのですが、『二段階方式による住民参加型の地域予防活動を国策化する』との回答が、まだ来ていない。
(3)あの『単なる「対症療法薬」でしかない「アリセプトを含む4種の薬」』も、アデュカヌマブも、『今回のレカネマブ』も、その治療効果の有無の判定に際して、極めて重要な上記の要因を排除出来ていないのです。即ち、「重大な欠陥を有する判定及び評価方法が実施されている」と言い切れるのです。
※ 正しく、適切で、客観的で、論理的で、科学的な評価及び判定を実施するには、上記の要因を排除した上で、それらの薬が、治療効果を有するものなのか否かを判定評価すべきものなのです。
『事象の事実』としての脳機能データが示している要因、提示されている「脳の使い方としての生活習慣の要因の影響」の要因を排除出来ていない評価は、当該新薬と治療効果との間の因果関係の存在を証明したことにならないのです。『評価の基準及び評価方法に重大な欠陥がある』ことを指摘し、問題提起したいのです。
(4) 「脳の加速度的な老化」(ナイナイ尽くしの『単調な生活習慣』の継続に起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行)のスピード差をもたらす『生活習慣』の要因を例示的に挙げると、以下の通りとなります。但し、対象となるのは、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の高齢者だけであることに注意してください(加齢に起因した脳の老化の進行が基礎要因として有ることに対し、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の異常な機能低下の進行と言う加重要因が加わることになるからです=これが、「AD型認知症」の発病の真の原因(メカニズム)です。
(5)『前頭葉』機能を含む・脳全体の機能レベルについて、最初に前頭葉の機能が異常なレベルに衰えて行くことに端を発し、次いで、左脳、右脳、運動の脳の順番に波及していく、そのことを直接的に及び厳格に反映した『AD型認知症』の三段階に区分される類型的症状が発現してくるのです。
『記憶の障害の症状又は、記憶障害に起因した症状』と推測されている症状自体が、「小ボケ」の段階では、「前頭葉」の機能障害に起因して発現してくるものであり並びに中ボケ以降の段階では、「前頭葉」を含む脳全体の機能障害に起因して発現してくるものであること、このことを言い換えると、『AD型認知症を発病した結果として発現してくる様々な程度及び態様により発現してくる症状の一つの(一部をなす)ものに過ぎないのであり、「発病の原因である」と規定している『DSM-Ⅳ』の第一要件の確認要求内容は、誤りなのです。『その内容を前提』とした憶測や推測の類であるアミロイドβ仮説を含む『3種の仮説』の主張内容もまた、誤りということ(『屋上屋を重ねた誤りの内容』と言うべきもの)。
ⅰ)プラス要因(廃用性の機能低下の進行を妨げ、或いは、遅らせる要因)の例示
※「イキイキと変化にとんだ楽しい生活習慣」=右脳や運動の脳を生き生きと使う生活で、前頭葉機能の出番が増えて、『脳全体が活性化』する生活習慣(脳の老化を抑制する条件)を言います。
〇家族や仲間と談笑しながら、散歩や運動をすること;家族の優しい言葉かけや励まし、家族との団欒の時間;家族との楽しいイベント(外出、買い物、ドライブ、小旅行、ゲーム);離れて住む子や孫からの定期的な励ましの電話や手紙;趣味の教室や地域ボランティア活動への参加;家事にカムバック(自分なりの役割が認められ、喜びに繋がる家事への復帰);友人や仲間との触れ合いの場への参加(趣味の教室、ゲートボール、カラオケ、囲碁、将棋、お茶飲み会)等。
ⅱ)マイナス要因(廃用性の機能低下の進行を速める要因)の例示
※「ナイナイ尽くしの単調な生活習慣」=右脳、運動の脳を使う生活が極端に少なくて、前頭葉機能の出番が少なくて、脳全体の活性化が低い生活習慣(脳の老化を加速させる条件)を言います。
〇 定年退職;家族や友人との別離;他人に言えない家庭内の不和や心配事の継続;自身の病気や病人の介護;転倒骨折による長期入院;寡夫(寡婦のケースの割合は、寡夫のケースの場合よりは少ないが)になって独り暮らし、自然災害で家や家族や財産を失うこと等で、単調な生活が日々繰り返されるだけの暮らし方をせざるを得ない状況の発生と継続が「キッカケ」となり、『心が折れて』しまい、何事に対しても『意欲を喪失』し、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が開始され、継続されていくことになるのです。
※1 定年退職は、仕事一筋で遊びや交遊の機会が殆ど無かった生き方に疑問を持たなかった人で、第二の人生に入って、『時間は有り余るのに、することが無い毎日』を送る人の場合のこと。
※2 「独り暮らし」は、寡婦(夫)になっても、明るく、趣味や遊びや交遊を楽しめている場合は発病の対象ではありません。寡婦の場合は、配偶者の死後、立ち直る機会が早く来るようです。
&7 『AD型認知症』の発病のメカニズム
Ⅰ.「AD型認知症」は、発病自体の予防及び重症化の抑制が可能
(1)「AD型認知症」は、脳が壊れてもいないのに(器質的な原因病変が存在していないのに)、認知症の症状が発現して来る、私たち「二段階方式」の理解では、①一つには、『加齢』に起因した「前頭葉機能」の機能低下の進行(正常な老化の進行=60歳を超える年齢の高齢者であること)が基盤の要因にであって、②もう一つ別の要因であり、仕事とは無縁の日々となる「第二の人生」を送る上での、「日々の脳の使い方」としての単調な『生活習慣』、私たち独自の言葉で言う、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の異常な機能低下の進行(日々の使い方が不十分である為に、機能低下が進行して行く)が加重される(基礎要因に/加重要因が加わる)ことに因り、即ち、『異なる二つの要因が、同時に並行して存在し、重なり合うことに因る相剰効果』に因り、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が起きて来る先に、「AD型認知症」の発病及び症状の重症化の進行が待っているのです。
(2)『AD型認知症』の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の単なる「生活習慣病」に過ぎないのであり、『前頭葉機能』を含む/脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される類型的症状が発現して来るのが特徴であり、『前頭葉機能を含む/脳全体の機能が活性化する生活習慣の構築と継続的な実践の自助努力とにより、発病自体を予防することが可能』であり、早期診断(小ボケ及び中ボケの早期の段階で発病を見つけること)と早期治療(「脳のリハビリ」の実施)により、症状の回復及び/又は重症化の進行の抑制が可能なのです(「二段階方式」独自の見解であって、現在もなお、認知症研究が専門の世界中の権威達の主張内容とは、真反対の主張内容=正しい主張内容)。
(3)私達人間だけに特有な世界である『意識的/目的的な世界』に於ける脳全体の司令塔の役割りを担っている『前頭機能』が異常なレベルに衰えて来たことの直接の反映が、認知症発病としての症状となって発現して来るのです。その最初の段階が「小ボケ」(司令塔の役割を担っている『前頭葉機能』だけが/異常なレベルに衰えて来ていて、手足である左脳も右脳も運動の脳も未だ正常な機能レベルに在る段階)に端を発し(発病の最初の段階)、次いで、「中ボケ」(「前頭葉機能」が、小ボケの段階よりも更に衰えてきていて、左脳と右脳と運動の脳までもが異常な機能レベルに衰えてきている)の段階を経て、最後は、末期の段階である「大ボケ」の段階へと、徐々に、段階的に、何年もかけて進行して行くのが「AD型認知症」の特徴なのです。身体が持つお年寄りの場合に、最後に辿り着く末期の段階、二段階方式の区分で言う『大ボケ』の段階は、「前頭葉機能」、左脳、右脳及び運動の脳の機能の全てが、中ボケの段階よりも更に異常なレベルに衰えてきている段階であり、「意識」を構築し、コントロールしている核心的な機能である『注意の分配力の機能』が、「大ボケ」の初期の段階(MMSEの換算値が14点~10点)でさえ、最早ほとんど機能しえないレベルにまで衰えてきている結果、「実行機能」が殆ど働かない状態にあるのです。
(4)発病の末期の段階である『大ボケ』の段階の症状を観察すると、「記憶障害」の症状であるのかと推測させるものが多くみられるのですが、『前頭葉機能』を含む/脳全体の機能面と言う視点と脳機能データの変化内容とを詳細に分析すれば、『記憶障害に起因したように見える』ものも全てが、複合機能体としての『前頭葉機能』を含む脳全体の機能の機能障害、即ち、①『前頭葉の三本柱』の機能障害、就中、『注意の分配力の機能』の機能障害/②『評価の物差し』の機能の機能障害及び③『実行機能』の機能障害並びに、④左脳、右脳及び運動の脳の機能障害と言う要因が全て絡んだ結果としての、『前頭葉機能を含む脳全体の機能』の機能障害に起因したもの、且つ、その機能レベルの反映としての段階的な症状であることが、分かってくるし、理解出来るのです。
(5)「AD型認知症」研究及び診断の専門家達(学者や医師)から、発病の原因が不明であり、治すことも、症状の進行を抑制することも、更には、発病自体を予防することも出来ないものとされている「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する老化・廃用型の、単なる「生活習慣病」(但し、食生活や糖尿病の発病とは無関係のものであり、脳の使い方としての視点と意味で言う/生活習慣病を言うものとする)に過ぎないものであること並びに「AD型認知症」は、性質それ自体として、治すことが出来ないものではなくて、早期診断と早期治療により治すことが出来るものであるし(医師達が、発病を見つけている段階が遅すぎるせいで治せないだけ)、症状の進行を抑制することが出来るものであるし、更に言うと、脳の使い方としての「生活習慣」の在り方を自分なりに創意工夫し、「前頭葉」機能を含む脳全体の機能が活性化するその「生活習慣」を継続することに因り、発病自体を予防することが出来るタイプの認知症であるというのが、私たち「二段階方式」独自の世界に類例のない考え方であり、主張(疫学的方法により実証済み)のものなのです。
(6) 治すことが出来ないとか、症状の進行を抑制出来ないとか主張している彼等は、単に、『発病を見つけている段階が遅すぎるせいである』ことについて、問題を指摘しておきたいのです。
米国精神医学会が策定した「DSM-Ⅳ」の第二要件の規定が失語や失認や失行(紛い)の症状が初期症状であるとの規定内容自体が重大な誤りであることに気づかないでいて、大ボケの後期の段階になって初めて症状の発現が確認される「極めて重度の症状」であることを見逃していて、未だにその規定内容を信望しているのです。その結果、「脳のリハビリ」の実施により、正常なレベルへの症状の回復及び/又は症状の重症化の進行の抑制が可能である本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階が存在していることに気づいていないのです。
Ⅱ.世界中の専門家達は、『誤った場所を誤った方法で、掘っているだけ』
(1)「AD型認知症」の発病の有無の判定に際し、専門家とされる人達は、『意識的/目的的な世界』にも、『前頭葉機能』及び機能レベルというテーマにも関心を持たないのです。その結果、注意の分配力の機能も、前頭葉機能も備わっていない「マウス」(アミロイドβを注入したアルツハイマー・マウスを含む)を研究対象にしているのです。その上に、『注意の分配力』の機能の発揮の度合いが、『記憶』(記銘する際の記銘度の深さや想起する際の機能の発揮度)に極めて大きく/重要な影響を与えていることさえ知らないで、アミロイドβの蓄積/蓄積量が、「記憶の障害」にどの程度影響するか否かを、マウスの行動を基礎に研究している有様。
(2) 『AD型認知症』は、前頭葉の機能障害に起因して発病するものであり、『記憶の障害』自体も、『前頭葉機能』の機能障害に起因して発現する『一つの態様に過ぎない』のです。「二段階方式」が、「前頭葉の三本柱の機能」と呼称する意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能、取り分け、『注意の分配力』の機能の発揮度が、「記憶(記銘及び想起)」に与える直接的な影響並びに前頭葉の三本柱の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に起因した機能障害が、『実行機能』の発揮度に対して与える直接的な影響についてさえも、無知な儘。
(3)『意識的な世界』を構築し、統括し、管理し、コントロールしていて、意識の覚醒の度合いを支配している脳機能の要の機能である『注意の分配力』の機能についての知見に乏しいこと、就中、「注意の分配力」の機能の関与なしには、『実行機能=Executive Function 』の発揮も、発揮の度合いも顕現してこないこと、即ち、『実行機能の機能発揮上の二重構造の存在』についても無知な人達なのです。これ等のテーマについての深く十分な理解なしには、「AD型認知症」の発病及び症状の重症化が進行して行くメカも機序も解明できないことに気づいていないのです。
&8 『AD型認知症』の症状の進行を遅らせることが出来る「治療薬は、存在しえない」
(1) 高齢化とともに増え続ける認知症。治療には複数の薬が開発され、世界中の医療現場で投与されています。最近、フランス政府は、これら4種の薬を全て公的医療保険の対象から外したのです。
(2)薬の承認後に何年たっても、QOLなど患者にとって重要な効果があることの科学的根拠となるエビデンスが得られなかった為に、保険適用から外されたそうなのです。これらの薬は、ドネペジル(商品名アリセプト)、ガランタミン(同レミニール)、リバスチグミン(同イクセロン)、メマンチン(同エビクサ)の4種類で、日本でも『AD型認知症』の治療薬として現在も使われているものなのです。
&9 ㇾカネマブには、症状の進行を遅らせる治療薬の効能は、皆無
(1) 開発の基礎理論であるアミロイドβ仮説の問題点
『アミロイドβ・蛋白は、アミロイド前駆蛋白からペプチド分解されて生成され、アミロイドβ・オリゴマーとなって神経細胞毒性を生じる。細胞内及び細胞外に蓄積したアミロイドβの蓄積により神経細胞障害をきたす』。
前記内容は、ある論文の一節なのですが、先駆的なテーマに関する各種医学論文の問題点として、論理的で、客観的で、科学的な証拠データを基礎付けとした『因果関係の存在の実証』が、杜撰なのです。各種の前提がいつの間にか消し去られ、あたかも因果関係が存在するかのような記述が多過ぎるのです!
※ アミロイドβの蓄積(老人斑の沈着)と『認知機能の低下』との関係の有無をテーマにした論文でありながら、『前頭葉機能の機能レベルの低下』との関係を全く論じていないのです。『AD型認知症』は、『意識』が覚醒した状況下における目的的行為のアウトプットの異常性、症状の有無及びその程度を、『前頭葉機能』を含む/脳全体の機能面及び機能レベルと言う視点で考察しない限り、「認知機能」と言う表現を使うだけでは、まっとうなレベルの論文ではないことを自覚すべき❣
(2) 対象者を選別する基準とされる『MCI』及び「CDR」の問題点
この薬は、開発したエーザイ自身が、『アミロイドβが脳内に蓄積され始めた極く初期の段階で投与しないと効果が期待出来ない』としているものなのです。治験の過程でも、MCIの該当者が対象とされているのです。然も、効果の有無の判定では、以下に問題を提起する『CDR(臨床的認知症尺度)とは名ばかりで、主観的な記述基準に基づく、外観的で/主観的な観察結果を数値化する手法が特徴であり、客観性は担保されていないもの』により、効果の判定が行われているのです。
(3)1980年代になって考案された「CDR」の基準は、元々が、『AD型認知症の診断基準でもなければ、判定基準でもない』のです。(被験者の状態を観察)する為の「一つの観察方法」程度のものに過ぎないのです。評価方法は、全ての項目が外観的な観察、主観的な評価だけで構成されていて、『認知機能』の障害の有無及びその程度が主たる要件であるはずの『認知症の判定』については、「客観的な手技に因る認知機能検査が行われない」のです。
臨床的認知症尺度(Clinical Dementia Rating:CDR)とは、認知症の重症度を評価するためのスケールの一つ。このスケールの特徴は、「認知機能」や生活状況などに関する6つの項目を診察上の所見や家族など周囲の人からの情報に基づいて主観的に「観察評価」した結果を、主観的に数値化するもの。
各項目は「健康」な状態から「重度認知症」まで5段階に分類されています。評価表に基づいて分類することで「認知症の程度」だけでなく、特に、『障害されている機能』を把握し、予後の見通しを立てるのに役立つとされているのですが、真っ赤なウソなのです。何故なら、表にしてみると、如何にも様々な要因で構成されていて、レーティング(点数化)して区分けられているのですが、その全ての要因の判定が主観的な言葉だけのものであり、『客観性が全く担保されていない』のです。
従って、このスケールは『認知症の診断』自体に用いられることはなく、あくまで認知症によるそれぞれの機能障害の重症度を主観により判定し、『その後の生活支援等のプランを立てることを目的としている』ものなのです。そもそも、認知機能障害の判定基準ではないのです。
(5)Tadのブログでも、これまで度々取り上げてきたのですが、『MCI 』(軽度認知障害)の基準内容も、極めて主観的なものである外観から観測しただけの「物忘れの症状」の程度と態様が主であり、認知機能を気にする医師の場合でも、認知機能障害の有無の判定としてMMSE による判定が行われているだけと言うことなのです(=ナンセンスな基準と言うしかない)。MMSEは、御承知のように左脳と右脳の機能レベルを判定する為の神経心理機能テストであり、三頭立ての馬車の御者、意識的な世界における『脳全体の司令塔の役割』を担っている『前頭葉の機能レベル』の判定(正常なレベルなのか、異常なレベルに在るのか)が為されていない=精緻で客観的に判定できる手技を持たないために、無視されてor 脇に置かれた儘でいる)ことが大問題。
(6) 『軽度認知障害(MCI)』の考え方は、その名の通り「軽度の」認知障害が見られる状態を言うものとされています。『認知機能が正常なレベルに在るとはいえないものの、認知症と診断されるほどの日常生活への影響はまだないものを言う』とされている。意識的な世界の要であり、脳全体の「司令塔」の役割を担っている『前頭葉機能が、正常であるか、異常であるか』について、客観的で、精緻な判定が出来る手技の活用に因る評価及び判定(診断)を義務付けるべきと考えるのです。
本著作物「H-12」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。
&1『アルツハイマー型認知症』の発病/症状進行の原因について権威(機関)が提示する内容
Ⅰ.『DSM-Ⅳ』の「第一要件」も「第二要件」も、両者共に規定内容が重大な誤り/
1.『DSM-Ⅳ』の第一要件の規定内容は、『アルツハイマー型認知症(以下、「AD型認知症」と略記する)』を、「記憶障害」に起因して発病すると規定。この規定は、発病との間の因果関係の存在を客観的な証拠データで証明することが出来ていない上に、末期段階に在る「極めて重度の症状」の発現者の発言や行為や行動を、単に外観的に観察した/推測に基づいた憶測の類に過ぎないのです。「記憶の障害が発病を惹き起こしている」と主張する客観的な証拠データが、存在していない代物。
※私たち二段階方式が、独自に集積/解析/解明した脳機能データである、❶「AD型認知症」の発病者であれば、『必ず、前頭葉機能⇒左脳⇒右脳⇒運動の脳の順番に、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して行く/厳密な順番が確認される』こと、❷「AD型認知症」の発病者は、『MMSEの下位項目について、出来なくなる厳密な順番が確認される』こと、❸早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」の期間については、『標準的な滞留期間』の存在が確認されること及び「小ボケ」/「中ボケ」の早期の段階でのみ確認される、❹『脳の老化のスピード差をもたらす生活習慣要因の影響』のデータ等の解析結果【これらは事象の事実としての脳機能データなのであり、即ち、/❶『DSM-Ⅳ』の第一要件の規定内容が誤りであること、❷『DSM-Ⅳ』の第一要件の規定内容が正しいことを前提とした仮説である、「アミロイドβ仮説」の主張内容が誤りであること、❸「アミロイドβ仮説」を理論的な根拠に開発されたエーザイの「レカネマブ」には、「AD型認知症の症状の進行を遅らせる効能は、皆無であること」についての、『実証データ』でもあるのです】!!!
2.第二要件の規定内容は、失語や失認や失行(紛い)の症状が、発病の初期症状であると規定しているが、これまた、重大な誤りの内容。私たち「二段階方式」の『脳機能データ』によると、失語や失認や失行(紛い)の症状が発現して来るのは、発病の末期の段階、前頭葉機能の判定テストである「改訂版かなひろいテスト」に不合格で、且つ、MMSEの換算後の総得点が10点未満となる「高齢者」、末期の段階である「重度認知症(大ボケ)」の後期の段階に在ると判定された高齢者だけに確認される症状、「極めて重度の症状」なのです。
Ⅱ.発病原因に関する「3つの仮説」の主張内容は、全てが誤り:
1.『AD型認知症』の発病原因(メカ)に関して提示されている「3つの仮説」は、主張内容が全て誤り:
「3つの仮説」の全てが、『「DSM-Ⅳ」の第一要件の規定内容が、正しい』との大前提で想定し/構想された主張内容なのです。発病との間の「因果関係の存在」についての実証が未だに出来ない為に、未だに、仮説の儘なのです。
2.「アミロイドβ仮説」は、『AD型認知症』の発症についての仮説であり、2006年に提唱されたもの。『AD型認知症』の発病の原因と考えられている仮説の中でも、世界的に現在も通説(支持する学者数が最多の意味)とされていて、悲しい哉、我が国では、東大/京大/理研(MIT研=利根川進)が、牙城。
(1) アミロイドβの蓄積により生成されてくる老人斑が持つ毒性により、神経細胞やシナプスが傷つけられていき、傷ついた神経細胞が大量死することにより、脳が委縮し、『記憶障害』が引き起こされることで、『AD型認知症』を発病するとの憶測に基づいての仮説。
(2)アミロイドβが蓄積して「老人斑」が出来、或いは、タウ蛋白が沈着して「神経原線維変化」が起きると、必ず、認知機能が異常なレベルに、低下してしまうのでしょうか。実は、そうではないのです。老人斑や神経原線維変化は、『AD型認知症』の人にも、一つの特徴的な変化として現れて来ますが、『AD型認知症の発病者ではない人』にも見られるのです。
3.三段階に区分される「段階的な症状」が存在することに関する誤解と無知/
我が国だけでなくて、未だに世界的に権威を保っている米国精神医学会が策定した「AD型認知症」の診断規定である「DSM-Ⅳ」の第二要件が、発症の初期症状であるとして確認を要求している「失語や失認や失行(紛い)の症状」は、上述したように、『AD型認知症』の発病患者の末期の段階である「大ボケ」の後期の段階で、初めて確認される『極めて重度の症状』なのです。
※もっと軽い段階であり、「脳のリハビリ」の実施により回復及び/又は症状の進行の抑制が可能である『本当の意味での早期の段階』、私たち「二段階方式」の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状が見落とされているのです。彼らは、「前頭葉機能」の機能レベルを精緻に判定出来る「手技」を持たないので、見落としているのです。
様々な程度及び態様での発現が確認される『AD型認知症』の症状は、『前頭葉』機能を含む/脳全体の機能レベルに厳密にリンクした、三段階に区分される段階的で/類型的な症状が発現して来るのが特徴(私たち「二段階方式」独自の区分で言う「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の順番に発現する)。
その症状は、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣(追及する特定のテーマが無く、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な生活習慣)』が継続されている条件下で、何年間もかけて、徐々に、段階的に、重症化が進行して行くのが特徴。世界中の権威達は、この程度のことさえ知らないのです。
廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行を特徴とする『AD型認知症』の発病の場合は、必ず、〔前頭葉機能⇒左脳⇒右脳⇒運動の脳の(厳密な順番)に、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して行くのが特徴なのです(14689例に上る、「小ボケ、中ボケ及び大ボケ)の段階の発病高齢者に「二段階方式」の手技を実施して、解析した結果(=「事象の事実!!」。
4.認知症全体に占める割合の誤解とその理由
(1) 杜撰な『脳血管性認知症』の診断の横行とその結果
ところで、「脳血管性認知症」は、「脳を養っている大小の血管の障害」である脳梗塞や脳出血に直接起因しておきる認知症を言うものと定義されています。実態面から言えば、脳を養っている大小の血管が閉塞して十分な量の血液を脳に送れなくなったために、脳の働きが全般的(左右の脳の両側性)に低下して、そのことを直接の原因として認知症の症状を起こしてくる「閉塞性血管障害」のものが最も多く、一部に「出血性」のものがあります。
どの種類の認知症であれ、「脳の器質的な障害を含む何らかの脳機能の障害によって、正常なレベルとされる程度にいったん完成された知的機能が、全般的(左右の脳の両側性)且つ継続的に機能低下した状態にあることにより、社会生活や家庭生活やセルフケアに支障が出てきている状態を認知症と言う」とするのが、一般的な認知症の定義の仕方なのです。
「何等かの脳機能の障害」という(原因)により「知的機能の全般的(左右の脳の両側性)且つ継続的な機能低下」という(結果)をきたして「認知症の症状」を呈しているという、「原因」と「結果」との間に直接の「因果関係」が確認されることが必要不可欠なのです。 「脳機能の障害」(原因)が認められると言う為には、脳のある領域に血流の低下が確認され、且つその血流低下を惹き起こしている原因血管が確認されることが必要。
次いで、その血流障害がもたらしている「脳機能の低下部位」と認知症の症状を発現させている「脳機能低下の範囲」とが合致(結果)していることの確認も必要。逆に言えば、脳機能の障害という直接の(原因)と認知症の症状という(結果)との間の「因果関係」を厳密に確認しないで、認知症と診断してはいけない(杜撰に過ぎる)ということなのです。
※「脳血管性認知症」については、「診断内容」自体にも、大きな問題があるのです。
実際の診察の現場では、「局部的な脳出血や脳梗塞」がある場合(或いは、脳梗塞や脳出血の既往さえあれば)、左脳又は右脳の片側の脳の機能障害による「後遺症」としての記憶障害、或いは言語の障害や手足の身体的な不具合を伴う症状、又は「後遺症」を基にした種々の生活上の不便が認められると、「脳機能の全般且つ継続的な低下」の確認及び原因と結果との間の「因果関係」の確認を行うこともなく、「脳血管性認知症」としんだんしているケースが極めて多いのです。その結果、「脳血管性認知症」の認知症全体に占める割合が25%もの大きな数値になっているのです(誤診の結果としての数値)。5%が正しい数値なのです)。
(2) 本当の意味での「早期の段階が存在する」ことへの無知の結果
我が国の実態で言うと、医療機関での診断では、「DSM-Ⅳ」の第二要件の規定の影響が未だに強くて、末期の段階の症状が初期症状であると誤解しているのです。
大病院になると、CTやらMRIやら、果てはPETまで繰り出して、末期の段階で発病を見つけているのです(機器を総動員することに因って、高額の診断費用を稼ぐことが出来るものの、早期診断とは無縁であって、単に『発病のレッテル貼り』をしているだけの診断なのです)。その上に、症状の進行を抑制する効能は有していなくて、症状の発現の仕方を抑制したり、昂進させる効能しか有していない『対症療法薬』を、「治療薬」と称して処方し、これまた、診断費用を膨らませているのです。
私たち「二段階方式」が、『AD型認知症』の症状を三段階に区分して判定していることには、実は、重大な意味があるのです。
「小ボケ」は、「脳のリハビリ」の継続的な実施に因り、脳全体の機能レベルを正常なレベルに回復させること/症状の進行を抑制することが、可能なのです。
「中ボケ」は、「脳のリハビリ」の継続的な実施に因り、症状の進行を抑制することが、未だ可能なのです。
「大ボケ」の段階で発病を見つけても、最早手遅れ。『為す術が何も残されていない』ので、「介護するだけの対象」となるのです。
『AD型認知症』というタイプの認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病(但し、「食生活」は無関係のものであり、「第二の人生」を送る上での、「脳の使い方」としての生活習慣病であることに留意する)』に過ぎないというのが、私たち二段階方式の主張なのです。
私たち「二段階方式」の主張内容が正しいことは、北海道から九州に跨る全国的規模、452の市町村での『「AD型認知症」の早期診断による回復、更には、発病自体の予防を明確な目的とした『住民参加型の地域予防活動』の実践指導の顕著な成果により、疫学的方法により、実証済みなのです。
(3) 皆さんが、日頃、耳にしたり、目にする認知症の大多数、90%以上が、『AD型認知症』なのです。その『AD型認知症』について、権威とされる人達が異口同音に、『発病の原因が分からないし、一旦発病すると治すことが出来ないし、発病自体を予防することが出来ないタイプの認知症である』と主張しているので、政府大綱では、「発病の予防と早期診断による回復」については、将来の研究課題という位置づけであり、何等の対策が打ち出されない儘に、放置されているのです。
当面は、『介護の予防』が、国策としてのテーマであり、マスコミも取り上げないし、野党も問題にしないでいて、単年度ベースで、『介護の費用に投入する血税の額だけで、13兆円』、『末期の段階で発病を見つける診断(「発病のレッテル貼り」)及び症状の進行を遅らせる治療薬としての効能は皆無であり、症状の発現の仕方を亢進/又は抑制するだけの「対症療法薬」でしかない薬の処方の費用などの医療費に投入する血税の額が、10兆円』を超えて来ているのです。
主張内容が根本的に誤ったものである「アミロイドβ仮説」が世界的に通説の地位に在り続けていて、米国では、ハーバード大学が、我が国では、東大、京大、理化学研究所(MIT研究室=利根川進)がその牙城であるという、権威とその権勢に気圧され、手も足も出ないということなのでしょうか。
Ⅲ.回復させることも、発病の予防も、困難とする権威達の主張は誤り/
(1) 『治すことが出来ない』との主張の誤りの核心的な原因
世界中の権威とされる機関や専門家達は、「DSM-Ⅳ」の第二要件の規定内容『失語や失認や失行(紛い)の症状が発病の初期症状であると規定していて、医学会では、未だに権威がある為に、その規定を鵜呑みにしているので、それよりも軽い段階の症状に関心が行かない儘なのです。
末期の段階であることに気づかないでいて、「DSM-Ⅳ」が確認を要求する基準に依拠した判定と診断がまかり通っているだけなのです。末期の段階、私たち二段階方式の区分で言う「大ボケ」の段階の症状が発現して来るまでに『前頭葉』を含む/脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきた高齢者達の脳は、症状の進行を抑制させることさえも、出来ないのです。その意味で言えば、治すことが出来ないということは間違ってはいないのですが、もっと軽い早期の段階、本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で発病を見つけて、「脳のリハビリ」を実行すれば、『治すことが出来る』/『症状の更なる進行を抑制出来る』ことを知らないし、その実体験も無いのです。
最近になって、MCI(Mild Cognitive,Impairment=軽度認知障害)という視点と基準が提起されて来て、もっと軽い段階に目が向けられたとは言うものの、「DSM-Ⅳ」の規定の『第一要件』の規定内容も、『第二要件』の規定内容も、(正しいものとの大前提)で提示されているに過ぎないのです。
MCIの判定基準は、外観から観察される記憶障害(重度の物忘れの症状)の症状の確認を基礎として、認知機能について、左脳と右脳の機能レベルの判定を目的とした手技であるMMSE(又は、長谷川式)による判定のみであり、肝心要の『前頭葉機能』の機能レベルについては、無関心なのです(「前頭葉機能」は、単体でなくて、複合機能体であること並びに人類最大の難問とされている「意識」の要の機能であることから、客観的に精緻に評価できる主義の開発が、極めて困難なことが原因なのです!!)。
「MCI」の判定基準を満たす場合は、〔『AD型認知症』の発病の前駆的状態である〕と説明しつつ、客観的な基準も、肝心の発病との因果関係を実証する何等の証拠データも提示されていない、意味不明の基準なのです。
(2) 『予防することが出来ない』とする主張の誤りの核心的な原因/
「アミロイドβ」が蓄積されることに因り、老人斑が生じて、その毒性に因り、脳内の情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死が引き起こされることが原因で、『AD型認知症』を発病するという仮説が正しいのであれば、発病の予防が困難という主張にもうなづけるのです。
真実はと言うと、『アミロイドβ仮説』は、発病の原因に関する主張内容が、100%間違っているもの』であり、『その仮説の主張者達は、未だに、発病の予防方法を考えつくことが出来ていない』というだけのことに過ぎないのです。
『発病の予防が可能であり、早期診断と脳のリハビリの実施により回復が可能である』と主張し、北海道から九州に跨る全国的規模、452の市町村で、住民参加型の地域予防活動の実践展開を指導し、顕著な成果の実績を残して来ているのは、私たち「二段階方式」だけなのです。
『発病の原因が、分からないし、一旦発病すると治すことが出来ないし、発病を予防することも出来ないタイプの認知症である』とする世界中の権威達の主張とは根本的に異なり、『AD型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」に過ぎないのであり、早期診断により治せるし、症状の進行の抑制が可能であるし、更には、発病自体の予防が可能である』と主張し、主張内容が正しいことを、疫学的な方法により実証しているのは、私たち「二段階方式」だけなのです。
&2 意識、認知の機能構造と「AD型認知症」の発病との相互関係
1.意識、認知と『実行機能』と「AD型認知症」との関係
「AD型認知症」の発病のメカニズム(原因)及び症状の重症化が進行するメカニズム(機序)の研究について、世界中で研究している機関や人達の数は、蟻の数ほどにもなると考えられるのです。それでいて、未だに、『発病の原因が分からないし、一旦発病すると治すことが出来ないし、発病自体を予防することも出来ないタイプの認知症である』とする誤った主張が幅を利かせ続けているのでしょうか。それは、「AD型認知症」だけが、私達人間だけに特有なものであり、人類最大の難問と言われている『意識』が関わるものだからなのです。意識の機能構造について古今東西、未だに誰一人として解明が出来ていないのです。
私たち「二段階方式」では、「前頭葉の三本柱」の機能(意欲、注意集中力及び注意分配力)が、複合機能体としての『前頭葉』機能の要である、『評価の物差し(=自我=意識の首座=脳の中のホムンクルス)』の機能及び『実行機能(Executive Function)』の機能の発揮及び発揮度を支配し、下支えしていること(「機能発揮上の二重構造」の問題)に早くから気付き、そのことが基礎に在って、『廃用性の異常な機能低下の進行』という加重要因(発病を惹き起こす引き金)の存在を解明することが、出来たのです(私たち「二段階方式」による世界初の解明/快挙!!!)。
(1)『意識(いしき、Consciousness)とは、「起きている状態にあること(覚醒)」又は、「自分の今ある状態や、周囲の状況などを認識出来ている状態のこと」を指す』と一般的には説明されています。『認知とは、理解・判断・論理などの知的機能を指し、精神医学的には知能に類似した意味であり、心理学では知覚を中心とした概念をいう』と定義されています。
(2)『実行機能』は、ある目標を達成させる為に/計画的に段取りをつけて行動する為に/不可欠の個別の認知機能の総称であって、人が社会的、自立的、創造的な活動を行うのに極めて重要とされている脳機能なのです。
(3) 私たち「二段階方式」の考えでは、DNAの98%が人間と同じであるとされているチンパンジーにさえも認められていない世界、私たち人間だけに特有な世界である『意識的/目的的な世界』とは、意識的/目的的に何等かの「テーマ」を発想し、目標を設定し、実行の仕方を計画して、実行の結果をシミュレーションして、実行の内容と仕方を比較し選択し、最終的な内容を決定し、実行を決断して、言うことになります。
その意識的/目的的な世界について、「AD型認知症」の発病者の場合は、意識的/目的的に何等かの「テーマ」を発想して、目標を設定し、実行の仕方を計画して、実行の結果をケース・シミュレーションして、実行の内容と仕方を比較し選択し、最終的な内容を決定し、実行を決断して、最終的に実行に移す場面、意識的/目的的な世界における様々な場面での、様々な程度態様による『重大な支障(AD型認知症の発病としての症状)が発現して来る』のです。
その核心的な原因が、権威が主張する「記憶の障害」という要因に起因して起きてくる訳のものではなく、『①/一つ』には、加齢の進行に因る機能低下(「正常な老化」の進行)という基盤の要因及び『②/もう一つ別の、要因が、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の異常な機能低下の進行という加重要因であると、私たち「二段階方式」は、主張し、『住民参加型の地域予防活動』の顕著な成果に因る、疫学的な方法で実証して来たのです(世界に類例のない考え方!!!)。
『①と②と言う、異なるこの二つの要因が、同時に並行して存在し、重なり合うことに因る『相剰効果』によって、『前頭葉』機能を含む/脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくその先に、「AD型認知症」の発病及び症状の重症化の進行が待っているのです。
加えて、『前頭葉』機能を含む/脳全体の機能レベルに厳密にリンクした「三段階」に区分される類型的な症状(私たち独自の区分で言うところの三つの段階、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の段階)が存在し、確認されることになると主張しているのです。その確認の対象となる、「意識」が覚醒した/目的的な世界における/脳全体の司令塔の役割を担っている複合機能体としての『前頭葉』機能の構成要素機能である「評価の物差し」の機能及び「実行機能(Executive Function )」の機能の発揮度及び「認知度」を左右し、下支えている機能が、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能(『前頭葉の三本柱』の機能と呼ぶことにします)なのです。この関係を私たち「二段階方式」は、「機能発揮上の二重構造」の関係と名付けています。
『前頭葉の三本柱』の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に因り異常なレベルに衰えて来ると、機能発揮上の二重構造の関係から、『評価の物差し』の機能及び『実行機能』の機能の発揮度及び認知度が異常なレベルのものとなる為に、「AD型認知症」の段階的な症状が発現して来ることになるのです。そこには、器質的な原因病変というものが存在していないのです。
様々な種類が数ある認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めて居ながら、発病の原因が不明であり、症状を治すことも、発病自体を予防することも出来ないタイプの認知症であるとされた儘で居るのは、『AD型認知症』の様々な症状が、「意識」のメカと密接不可分の関係に在る為に、解明することが極めて難しいものとなっているからなのです。
何故なら、「意識のメカ」については、『人類最大の難問』とされていて、未だに、誰一人として解明できていない代物だからなのです。私たち「二段階方式」は、活動開始の初期から、「意識」のメカとの関連という独自の視点から、「AD型認知症」の発病原因の解明について、挑戦して来た世界で唯一の研究機関でもあるのです(Kinukoが、「二段階方式」の手技を活用して、集積して来た、極めて精緻で/極めて多数の「脳機能データ」の解析結果及び当該「脳機能データ」を対象としての『Taの思考実験」が、基礎に在って、初めて為し得たことなのです!!!
この視点を持ったことが、次のテーマである(『機能発揮上の二重構造』の関係の存在)という「テーマ」に気づくことに繋がり、「第二の人生」を送る上での脳の使い方としての/ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した/廃用性の異常な機能低下の進行という要因の解明に繋がったのです。個別での『評価の物差し』の機能及び『実行機能』の機能レベル及び機能低下の進行を/直接に評価/判定することなく、「前頭葉の三本柱] の機能の機能レベル及び機能低下の進行を判定することに因り、『前頭葉』機能の機能レベルを、精緻に/客観的に、判定できる訳なのです!!!
2.『機能発揮上の二重構造』の関係の存在
意識的/目的的な世界では、「意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が、全ての基礎に在るのです。意欲の機能が発揮されない限り、事は起きてこないのです。注意の集中力が発揮されない限り、全てが中途半端な結果となるのです。注意の分配力の機能が発揮されない限り、テーマの発想も、目標の設定も、創意や工夫をする努力も期待不可能となるのです。
意識的/目的的な世界において、実行機能を発揮させるには、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の関与が不可欠となるのです。この二重構造、実行機能の発揮度を左右し、下支えているのが、『前頭葉の三本柱」の機能=意欲、注意の集中力及び注意の分配力』であることを理解しない限り、真の原因解明は、前に進まないのです。
3.複数の意識の同時存在と『意識の覚醒度』との関係
私たち人間には、チンパンジーにさえも備わっていない、『注意の分配力』という機能が備わっています。『注意の分配力』という機能こそ、『意識』の存在にとって不可欠の機能なのです。
『注意の分配力』の機能とは、『内容が異なる(3つ以上の)複数の「テーマ」を同時に並行して処理する上で不可欠の機能』であり、並びに、『内容及び覚醒の度合い(覚醒度)が異なる複数の意識』を、同時に並行して、構築し、管理し、支配し、統合し、分離し、その覚醒度の変化を統括し、管理し、コントロールし、追及する機能を担っているのが、『注意の分配力』の機能なのです。『注意の分配力』の機能の働きがあって初めて、内容及び覚醒度が異なる(多重で、多層の)『複数の意識』の同時並存という世界が、同時に並行して管理されることに因って、構築され、存続し、維持されているのです(By Tad及び「二段階方式」による、世界で初の提示/問題提起なのです)!!!
※1例示的に説明すると、『様々な対象や内容に対する認知の度合いもまた、「前頭葉の三本柱」の機能、就中、『注意の分配力』の機能に左右され、下支えられているのです。古希を迎えた私達が、お友達を運転席の脇に乗せて、BGMを流してそれを楽しみながら、同時に並行して、お友達との会話を楽しみながら、且つ、行き交う車の状況や道路の状況や信号の変化等にも注意を配分しながら、その上、通り過ぎる景色の変化も楽しみながら、事故を起こすことも無く、側溝に脱輪させることも無く、安全に車を運転することが出来るのは、この『注意の分配力』の機能が正常なレベルで機能しているおかげなのです(複数の意識の同時存在とそのコントロールの事象事例)。
※2 車を運転していて、信号無視や歩道に乗り入れて、人身事故や車の損傷事故を起こす「お年寄り」が多いのは、注意の分配力の機能が異常なレベルに衰えてきている(小ボケや中ボケの段階に在る)お年寄りだからなのです。運動能力の衰えの問題以前に、『注意の分配力』の機能の衰えが主たる原因なのです。「AD型認知症」を発病して末期の段階にあるお年寄りが、ズボンを頭から被ったり、歯ブラシの使い方が分からなくなるのは、記憶の障害が原因ではなくて、注意の分配力の機能が異常なレベルに衰えてきていることが原因で起きてきていることに、専門家達が、早く気付いて欲しいのです。
注)「脳の活性化」とは、『前頭葉機能の活性化』ということになる訳なのです。
私たち人間だけに特有な意識的/目的的な世界は、「三頭立ての馬車」(左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引)の運行に例えると分かり易いと思うのです。三頭立ての馬車の「御者」の役割、意識的な世界における脳全体の「司令塔」の役割を担っているのが、「前頭葉」機能なのです。
意識的/目的的な世界では、何か単一のテーマに意識が集中される状態を作り出すことは極めて困難(特別の鍛錬が不可欠となる)なのであって、一般的にはと言うか常に、複数の多層で多重の意識が混在している状態にあるのです。その多重で多層の「意識」を構築し、統合し、統括し、管理し、コントロールする上で必要不可欠の機能が、「前頭葉の三本柱」の機能の核心をなす機能である『注意の分配力』という機能なのです。従い、『脳が活性化する』ことは、『前頭葉機能が活性化する』ことであり、機能構造的には、『注意の分配力の機能の出番が多くなるようなテーマの実行と処理』が、盛んに行われている状況のことを言うことになるのです。
4.脳の中の『ホムンクルス』の正体
(1)「ホムンクルス」というのは、もとは古代ヨーロッパの錬金術で作れられるという、小人のことを言いました。カナダの脳神経外科医ペンフィールドによると、私たちの脳の中には、グロテスクな小人―「ホムンクルス」が住んでいるということなのだそうです(私の脳の中に居る;もう一人の私のイメージ)。
人間だけに特有な世界、私たちが意識的/目的的に何等かのテーマを発想し、実行に移す世界では、『評価の物差し』の機能及び『実行機能』が働くことが不可欠となります。
自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿った「テーマ」を発想し、テーマを実現する際の目標を設定し並びに実行の内容と実行の程度や態様と方法を計画し、創意・工夫し、実行結果を洞察し、推理し、ケース・シミュレーションして、シミュレーションの結果を比較し、最終的な内容を選択し、実行の決断をして、左脳、右脳、運動の脳の各部に実行の指令を出すということになるのです。
『実行機能』が発揮されることになる場面では、常に、必ず、その前提条件であり、前段階の機能である『評価の物差し』の機能と『記憶の倉庫』の働き並びに「前頭葉の三本柱」の機能が構造上関わる機能発揮上の二重構造の理解が、意識の機能構造の理解において不可欠の条件となるのです。
その意識的/目的的な世界の顕現の過程で、「前頭葉」機能を含む/脳全体の機能レベルという問題が存在していて、そのこととの関係で、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行という視点を持つことが、『AD型認知症』の発病のメカ(原因)及び症状が重症化するメカ(機序)を解明する上で、必要不可欠の条件となるのです。
このことに気付かないで、「記憶障害に起因して発病する」という「DSM-Ⅳ」の第一要件の規定の誤りにも気付かないで、今猶その要件に拘泥し、『器質的な原因病変』ばかりを追求して、アミロイドβの蓄積とか、早い段階でのその除去というテーマを追い求めていて、更には、マウス(アルツ・ハイマーマウスを含む)の尻を追いかけ続けていたのでは、何時まで経っても、発病の原因及び症状の重症化が進行する原因の解明には行き着かないのです。
※1 意識的な世界においては、状況や対象の認知に際して、その前段階の機能としてのⅰ)評価の物差しとⅱ)実行機能とⅲ)記憶の倉庫の関わりが必要不可欠となります。この三者の関わりがないと、そもそも「認知」自体が機能してこないと、Tadは考えるのです。意識的/目的的な世界における認知に際しては、常に、必ず、「評価の物差し」と「実行機能」と「記憶の倉庫」の三者が関わることが、機能構造的に要求されていると考えるのです。
『評価の物差し』が第一段階として働く(制御している)機能構造下で、『記憶の倉庫』との照合を経由した後、『実行機能』の働きを介して、自分独自の『認知』が生じてくると考えるのです。加えて、認知の度合い及び機能の発揮の度合いは、『前頭葉の三本柱』の機能の発揮の度合いが左右し、下支えている『機能発揮上の二重構造』という問題が関係し、存在していると考えるのです。
様々な程度及び態様の下で発現して来ることになる/『評価の物差しの機能及び実行機能』の機能の発揮の度合いも、両者共に、『前頭葉の三本柱』の機能の関わり具合に左右され、下支えられている関係に在ると考えるのです(「二段階方式」独自の考え方)。この機能発揮上の二重構造の存在及び「第二の人生」を送る上で展開されるナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続(自分なりに追及する特定のテーマが無く、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動する機会もなく、目標となるものが無い、単調な日々の暮らし方、『脳の使い方』としての「生活習慣」を言うことに留意する)に起因して/惹き起こされる廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行こそが、「AD型認知症」を発病及び症状の重症化が進行する/唯一無二の、真の原因要因であると考えているのです(私たち「二段階方式」独自の考え方!!)。
※2 権威ある人たちから、無意識の作用と誤解されている殆どの作用が、実は『評価の物差し』が常に関わる意識的な作用なのであり、『注意の分配量の差異に因る』/意識の覚醒の度合いの差のアウト・プットに過ぎないことが、(無知/無関心に因り、単に誤解されているに過ぎない)と考えるのです。
『意識』の覚醒の度合いが極めて低い状態下に在っては、認知自体とその結果である意識の存在とが、自覚されていないだけであり(関わる血流量も少ないので現行の機器では検知されない)、所謂「無意識が働く結果としてのアウト・プット」ではないと考えるのです。
(2) ホムンクルスの小人は、「評価の物差し」及び「記憶の倉庫」が関わる全ての認知並びに『実行機能』の発揮により、何等かのテーマが発想され、実行されていく『意識的/目的的な世界』を構築し、統合し、統括し、管理し、コントロールしている「注意の分配力」の機能と「評価の物差し」の機能の共同体を核とする『前頭葉』機能全体の働きなのであり、『前頭葉』という機能が、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の『御者の役割』を担っていると考えるのです。
&3「AD型認知症」の正体と正しい知識
(1)「AD型認知症」の症状の特徴
「AD型認知症」の症状は、「前頭葉」機能を含む/脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される「段階的な症状」が発現して来るのが特徴。
①「軽度認知症(小ボケ)の段階とその特徴
ⅰ)「AD型認知症」の発病としての最初の段階である「小ボケ」の段階の症状が発現して来ている高齢者の脳の何処にも、「器質的な原因病変」はその欠片も見当たらないのです。加えて、「記憶障害」に起因したと考えられそうな症状は全く確認出来なくて、それら全てが、『前頭葉の機能障害に起因した症状』ばかりなのです。
ⅱ)「小ボケ」の症状は全て「前頭葉」の機能の中で最も基礎的で且つ重要な働きであり、意識の構成要素に対する「認知度」及び実行機能の発揮度を左右し/下支えている機能である「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能が的確且つ十分には働かなくなって来ていることが直接の原因なのです。
ⅲ)私たち人間だけに特有な意識的/目的的な世界、私たちが意識的/目的的に何等かのテーマを発想し、実行に移す際に不可欠の機能である「評価の物差し」の機能及び「実行機能」の発揮は、「前頭葉の三本柱」の機能により左右され/下支えられているという『機能発揮上の二重構造』の問題が存在しているので、「前頭葉の三本柱」の機能、就中、『注意の分配力』の機能が、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因して、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことが「直接の原因」で、『評価の物差し』の機能及び『実行機能』の発揮度が、そのことにリンクして、機能が低下していくことを厳密に反映しているのが、『小ボケ』の段階の症状の特徴なのです。
②『中ボケ』(中等度認知症)の段階とその特徴
ⅰ)「中ボケ」の段階は、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因で、『前頭葉』の機能が更に異常なレベルに衰えて来ている上に、「小ボケ」の段階では未だ正常な機能レベルにあった左脳、右脳及び運動の脳までもが、異常な機能レベルに衰えて来ているのです。『中ボケ』の段階では、『前頭葉』機能を含む脳全体の機能が、異常なレベルに在ることに注意が必要。
ⅱ)「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えて来ているとはいえ、「小ボケ」には、自覚があります。「意欲も湧かないし、根気が続かないし、てきぱき出来ないし、発想も湧かないし、物事に感動することもないし、抑制が効かない」と感じていて、『以前の自分と比較して、自分のどこかがおかしい』という自覚を明確に持っていて、自分の状態に「不安」を感じているのです。
それが、「中ボケ」の段階になると、「『前頭葉』を含む/脳全体の機能が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続してきたことに起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、そうした自覚を持つこと自体が出来なくなります(「中ボケ」の特徴)。
⇒働き盛りの若い年齢者で(30~50歳代での発症例が多い)、「重度の記憶障害」の症状の発現が顕著となっていても(この場合、重度の「記銘力障害」であることが特徴)、自分が置かれている状況に対する正しい及び適切な認識と理解が出来ていて、自分が困っていることを的確に言葉で表現できる等と言うのは、『AD型認知症』の発病患者には、絶対に起きてこないことなのです。
『側頭葉性健忘症』(海馬の萎縮が確認されるのもこの病気の特徴)が、正しい診断であるものを、『AD型認知症』についても無知であり、「側頭葉性健忘症」についても無知でありながら、権威が有るだけの医師が、誤診し、『誤った情報』を社会に発信し、垂れ流しているのです。
ⅲ)『末期の段階』である「大ボケ」の段階でなくて、認知症研究の専門家達が未だ発病してはいないと誤解している段階、私たちの区分で言う「中ボケ」の段階で「前頭葉」機能を含む/脳全体の機能レベルが原因で(就中、「注意の分配力」の機能の低下が原因で)、上記例示したような症状が自分に起きていることさえも理解できない為に、自覚出来なくなるのです。『発病者本人の考えを尊重した対応や応対が重要』と主張する人達は、脳の機能レベルという視点が欠けていて、この事実を知らない/理解していないのです。
③「重度認知症」(『大ボケ』)の段階とその特徴
ⅰ)「中等度認知症」(中ボケ)になっても「老化現象」と勘違いしたりして、気付かないまま手をこまねいて居て、「脳のリハビリ」に励むことなく、相変わらずナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていると、「前頭葉」機能を含む/脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下が更に進んでいく為に(中ボケの期間が 2~3年間続いた後は)、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階に入っていきます(猶、「DSM-Ⅳ」の規定が、「AD型認知症」の発病と診断する上での十分条件として確認を要求している失語、失認又は失行(紛い)の症状は、「大ボケの段階の後期」になって初めて、発現が確認される症状、「MMSEの得点が一桁になって初めて発現が確認される」ことになる、『極めて重度の症状』であることに注意。「第二の要件」に従って、「AD型認知症」発病の有無を診断している限り、せっかく見つけても手遅れ、最早治すことはできないのです。
ⅱ)『大ボケ』になると、「前頭葉」機能を含む/脳全体の働きが「中等度認知症」の段階よりも,更に異常なレベルに衰えて来ているのです。
左脳と右脳と運動の脳の働きも、幼稚なレベルの機能が僅かに残っている程度である上に、脳の司令塔の役割を担っている「前頭葉」機能は殆ど機能しなくなって来ているのです。挨拶程度の日常会話を交わすにも、ハサミとか歯ブラシ等、手に持っているものの用途を理解するにも、ズボンをはくにも、『注意の分配力』の機能が一定レベル以上の機能レベルに在ることが、『不可欠の条件』なのです。「注意の分配力」の機能が、殆ど働くことが出来ない程に、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して来ていることが原因で、簡単な日常会話も交わせないし、歯ブラシの使い方も分からないし、ズボンを頭からかぶったりするようになる訳であり、(記憶障害が原因で起きているのではなくて)/メタ認知が困難となることに起因して起きてくるものであることに、専門家とされる人達が早く気付いて欲しいのです。
ⅲ)『大ボケ』の段階の症状が発現してくるまでに『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してくると、最早治すことは出来なくなるのです(アルツハイマー型認知症は、性質それ自体として治すことが出来ない訳ではない。極めて重度の症状である「失語や失認や失行の症状」が初期症状だと誤解していて、医師達が見つけて居る段階が遅すぎる為に治せないだけなのです。
※ 脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』(左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する「三頭立ての馬車」の『御者』)が、殆ど働かなくなっている(寝たきり状態に在る)上に、左脳や右脳や運動の脳も極めて不十分にしか働かない『大ボケ』の段階では、自分の身の回りのことをする『セルフ・ケア』にも支障が出る。食事をしたり、服を着たり脱いだり、お風呂に入ったり、トイレの後始末をしたりといった、身の回りのことも自分で出来なくなり、日常生活面での「介助」や『介護』が不可欠の状態となるのです。
ⅳ)失語や失認や失行(紛い)の症状は、記憶障害に起因し発現する訳ではない/
私達が服を着るとき、ズボンであるか、上着であるかを判断し、上着であれば裏表がどちらか、ボタンをかけるタイプかどうか、どのような手順で着ればいいか等を的確に見極め、必要な動作を、適切な手順で的確に行っているのです。上掲の『服を正しく着られず、ズボンを頭から被ったり、上着に足を通したり』と言った症状、「AD型認知症」としての症状は、「記憶の障害」が原因で服を正しく着ることが出来ない訳ではないのです。
上着とはどういうものであり、どのようにして、どのような手順で着るものなのかを忘れた為に着ることが出来ない訳でもないのです。「前頭葉の三本柱」の機能の中でも最も高度な機能であり最も早くから衰えて行く機能である『注意の分配力の機能』(異なる複数の「テーマ」を、同時に並行して処理する為に不可欠の機能)が、殆ど機能しないまでに機能低下が進行して来ていることが直接及び核心的な原因で、加えて、左脳、右脳及び運動の脳までもが廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させて来たことが原因で、『服を正しく着ることが出来ない』だけなのです。
『家族の名前を間違えたり、配偶者を我が子と間違えたりする』という症状も同じことなのです。「配偶者を我が子と間違える」のは、「記憶障害」に起因している症状ではなくて、「前頭葉」機能を含む/脳全体の機能レベルを反映しただけのもの、就中、『注意の分配力の機能が、殆ど働かないレベルにまで廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により機能が低下してきている』為。
※上記の三段階区分は、14689例に上る「AD型認知症」発病患者の脳機能データの解析結果なのです(発病者の認知機能検査において、前頭葉の機能レベルの精緻で客観的な判定が行われているのは、世界中で、「二段階方式」だけなのです。三頭立ての馬車の御者の役割を担っている「前頭葉」の機能レベルを『改訂版かなひろいテスト』で判定し、牽引する馬の役割を担っている左脳と右脳の機能レベルを『MMSE』で判定するので、Tadが「二段階の判定」という意味で、「二段階方式」と命名したのです。
(2)「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズム
① 新型コロナの感染拡大が止まらない中で、感染予防策としての『3密の回避』が叫ばれています。
一方で、第二の人生を送っているお年寄りが、『3密の回避』に徹した生活習慣を継続していると、「AD型認知症」の発病者(私たちの区分で言う「小ボケ」の段階のお年寄り)が、顕著な増加を見せてきていて、更には、症状の重症化が進行するお年寄り(小ボケ➡中ボケ。中ボケ➡大ボケ)が、顕著な増加を見せてきているのです。
『3密の回避』に徹した「生活習慣」が継続されていると、アミロイドβの蓄積やタウ蛋白の沈着が、加速的に進行するとでもいうのでしょうか。「仮説」の支持者達に聞いてみたいのです。
『仮説の主張内容が誤りである』ことを示す事象の事実、客観的な証拠資料と言えるのです。この事象事実を正しく、且つ、的確に説明できるのは、私たち「二段階方式」の主張だけなのです。私たち「二段階方式」は、『AD型認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病であり(但し、脳の使い方としての意味で言う生活習慣なのであって、食生活とは無関係であることに留意する)、早期発見と「脳のリハビリ」の実施により治すことが出来るし、「前頭葉」を含む脳全体の機能が活性化する「生活習慣」の実践とその継続により、発病自体を予防することが出来る』と主張しているのです。
② 基盤の要因は、「加齢に因る機能低下=正常老化の進行」
「AD型認知症」の発病の基盤にある要因は、『加齢による正常な機能低下の進行』という要因なのです。そうであるが故に、『発病の対象となる人達は、第二の人生を送っている60歳を超えた年齢の高齢者だけに限られる』/老年発症が特徴となるのです。我が国で定年退職し、「第二の人生」に入る年齢である時期の『前頭葉の機能レベル』についての脳機能データでは(正常老化の性質と名付けている)、最盛期である20歳前後の機能レベルのほぼ半分くらいの機能レベルに低下して来ているのです。
その意味で、『若年性アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症は存在していない架空のものなのです。記憶障害に起因して発病するとの誤った内容である「DSM-Ⅳ」の第一要件の規定内容を鵜呑みにしていて、「重度の物忘れの症状」の確認と海馬の萎縮の確認だけから、「AD型認知症」の発病であると誤診しているだけなのです。
「前頭葉」の機能レベルを「改訂版かなひろいテスト」を活用して、精緻に判定してみれば、誤診であることが容易に判明するのです。「AD型認知症」の発病者であれば、どの段階であろうと(小ボケ、中ボケ、大ボケの三段階の区分)、『前頭葉』の機能レベルが異常なレベルに在ることを必ず確認できるのです。
他方で、側頭葉性健忘症」(30~50歳代の若年で発症するケースが通常)は、『海馬の萎縮が確認され、極めて重度の物忘れの症状(脳の変性により、極めて重度の記銘力障害に起因した、極めて重度の物忘れの症状が確認されるが、『前頭葉』機能が正常なレベルに在るのが、特徴なのです。
③ 「相剰効果」による加速度的で異常な機能低下の進行
一つの基盤要因が、①「加齢」に起因した正常な機能低下の進行(正常な老化の進行)という要因であり及びもう一つ別の要因が、②ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の異常な機能低下の進行(異常な老化の進行)と言う要因の同時存在、『①と②と言う、異なる二つの要因が、同時に並行して存在し、重なり合うことの「相剰効果」により、③「前頭葉機能を含む/脳全体の機能について、④廃用性の/加速度的で/異常な機能低下が進行して行く先に、⑤「発病が待っている」のです。
本著作物「E-05」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。
様々な種類が数ある認知症の内で、その90%以上の割合を占めているのが、『アルツハイマー型認知症(以下、「AD型認知症」と略記する)』と言うタイプの認知症なのです(前記数値は、小ボケ/中ボケ/大ボケの全ての段階の発病者を含んだ数値です)。うものとする
アルツハイマー病は生まれつき特定の遺伝子(現在は、原因遺伝子として4つが確認されている)に異常が存在する人達だけを対象にして、若年で発症するのが特徴であるのに対して、『AD型認知症』は、仕事とは無縁の日々となる「第二の人生」を送っている(60歳を超える年齢の高齢者だけ)を対象とした『老年発症』が特徴であり、ナイナイ尽くしの単調な日々の「暮らし方」、『脳の使い方』としての視点と意味で言う単調な生活習慣(自分なりに追求する特定の「テーマ」が無く、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものが無い『単調な日々の暮らし方』を言うものとする)の継続に/起因した/『①廃用性の/②加速度的で/③異常な機能低下の進行』の要因問題が、『意欲』の機能に端を発し、「注意の集中力」の機能に及び、更には、「注意の分配力」の機能の/機能の発揮及び発揮度に重なり、影響して行くことが、(機能発揮上の二重構造の関係=By Tadにあり)/複合機能体である『前頭葉機能』の構成要素機能でもある、『評価の物差し(=意識の首座=自我=脳の中のホムンクルス)』の機能及び『実行機能(Executive Function)』の機能の発揮度を/異常なレベルにまで低下させ、その結果として、日々の暮らし方の場面で、『意識的/目的的な世界』における脳全体の『司令塔の役割り』を担っている『前頭葉機能(前頭前野の穹窿部に局在する/①「前頭葉の三本柱」の機能、②「評価の物差し」の機能及び③『実行機能」の三者により構成されている複合機能体を言うものとする)』が(機能から真っ先に!)、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して行くことが、発病及び症状の重症化を進行させていく『真犯人なのである』こと並びに『AD型認知症』の本態(正体)は、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』に過ぎないものであり、早期発見と早期治療により治せる及び/又は症状の重症化の進行を抑制出来る性質のものであるし、更に言うと、発病自体を予防することが出来るものであることを、世界中の専門家達に先駆けて、解明し、北海道から九州に跨る全国的規模、452の市町村で、主張内容が正しいことを疫学的方法により実証してきた(有)エイジングライフ研究所の活動が、意味不明の理由で、「闇に葬り去られる」ことが無いよう、主張内容の概要をブログに公開して来ているのです。
(1)このブログのメインテーマである「AD型認知症」については、『世界中の認知症研究の専門家達から治すことも、発病自体を予防することも出来ないタイプの認知症であるとされていて、その誤った情報が、超高齢社会を達成した国々の先頭をひた走る我が国/日本の小さな島々の隅々にまでも浸透してしまっている』のです。
(2)「AD型認知症」は、脳が壊れてもいないのに(器質的な原因病変が存在していないのに)、認知症の症状が発現して来る、私たち「二段階方式」の理解では、一つには、『加齢』に起因した「前頭葉機能」の正常な老化/機能低下の進行(正常老化の進行=60歳を超える年齢の高齢者であること)が発病の基盤の要因に在って、もう一つ別の要因であり、仕事とは無縁の日々の暮らし方となる「第二の人生」を送る上での、「脳の使い方」としての単調な『生活習慣』、私たち「二段階方式」独自の言葉で言う、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の異常な機能低下の進行(日々の使い方が不十分である為に、機能の低下が進行して行くこと)が加重されることに因り、即ち、異なるこの二つの要因が同時に並行して存在し、重なり合うことに因る『相剰効果』に因り、『「意識」が覚醒した/目的的な世界に於ける(脳全体の司令塔の役割を担っている)「前頭葉機能」を含む/脳全体の機能』について、①廃用性の/②加速度的で/③異常な機能低下が進行して行く先に、(発病及び症状の重症化の進行)が待っているのです。
(3)私達人間だけに特有な世界である『意識的/目的的な世界』に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉機能』が異常なレベルに衰えて来たことの直接の反映が、「AD型認知症」発病としての症状となって発現して来るのです。その最初の段階が「軽度認知症(小ボケ)」(司令塔の役割を担っている『前頭葉機能』だけが、異常なレベルに衰えて来ていて、手足である左脳も右脳も運動の脳も未だ正常な機能レベルに在る段階)に端を発し(発病の最初の段階)、次いで、「中等度認知症(中ボケ)」(前頭葉機能が、小ボケの段階よりも更に衰えて来ていて、左脳と右脳と運動の脳までもが異常な機能レベルに衰えてきている)の段階を経て、最後は、末期の段階である「重度認知症(大ボケ)」(前頭葉機能、左脳、右脳及び運動の脳の機能が、中ボケの段階よりも/更に異常なレベルに衰えて来ている段階であり、「意識」を構築し、コントロールしている核心的な機能である『注意の分配力の機能』が、大ボケの初期段階でさえ、殆ど機能しえないレベルにまで衰えて来ている結果として、『評価の物差し』の機能及び「実行機能」が、殆ど働かない機能レベルとなる段階)へと徐々に、段階的に、何年もかけて進行して行くのが、「AD型認知症」の特徴(『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに/厳密にリンクした/三段階に区分される「類型的な症状」が発現して来るのが特徴‼)。猶、「意識」が覚醒した/目的的な世界は、『評価の物差しの機能』
(4)「AD型認知症」研究及び診断の専門家達(学者や医師)から、発病の原因が不明であり、治すことも、症状の進行を抑制することも、更には、発病自体を予防することも出来ないものとされている「AD型認知症」は、廃用症候群に属する老化・廃用型の、単なる「生活習慣病」(但し、食生活や糖尿病の発病とは無関係のものであり、脳の使い方としての生活習慣病)に過ぎないのです。猶、「AD型認知症」は、性質それ自体として、治すことが出来ないものではなくて、早期診断と早期治療により治すことが出来るものであるし(医師達が、発病を見つけている段階が遅すぎるせいで治せないだけ)、症状の進行を抑制することが出来るものであるし、更に言うと、脳の使い方としての「生活習慣」の在り方を自分なりに創意工夫し、『前頭葉が活性化』する「生活習慣」を構築し/継続して実践することに因り、『発病自体を予防することが出来るタイプの認知症である』というのが、私たち二段階方式独自の、更には、世界に類例のない考え方であり、主張なのです(疫学的方法により、実証済みのもの)。
治すことが出来ないとか、症状の進行を抑制できないとか主張している彼等は、単に、発病を見つけている段階が遅すぎるせいである(米国精神医学会が策定した「DSM-Ⅳ」の第二要件の規定が失語や失認や失行の症状が初期症状であるとの規定内容自体が重大な誤りであることに気付かないで、大ボケの後半の段階になって初めて確認される「極めて重度の症状」であることを見逃していて、未だにその規定内容を盲信している)ことについて、問題を提起しておきたいのです。
(5)「AD型認知症」の発病の有無の判定に際し、専門家とされる人達は、「前頭葉」の機能レベルというテーマに関心を持たないのです。
『AD型認知症』は、『前頭葉の機能障害』に起因して発病するものであり、例え「重度の記憶障害の症状」が確認されようとも、『前頭葉』の機能が正常な場合は、他の病気なのであり、その典型が、認知症と混同され、屡々誤診されている『側頭葉性健忘症』(重度の「記銘力障害」に起因した/極めて重度の「物忘れの症状」が特徴)なのです。
『意識的/目的的な世界』を構築し、統括し、管理し、コントロールしていて、意識の覚醒の度合いを支配している要の機能である『注意の分配力』の機能についての知見に乏しいこと、就中、「注意の分配力」の機能の関与無しには、『評価の物差し』の機能及び『実行機能 』の機能の発揮も、発揮度も顕現してこないこと、即ち、『評価の物差しの機能及び実行機能の機能発揮上の二重構造の存在』についても、無知なのです。これ等のテーマについての深く十分な理解なしには、「AD型認知症」の発病及び症状の重症化が進行して行くメカニズムも機序も解明できないことに気づいていないのです。その結果、世界的に通説の地位にあるとはいえ、アミロイドβ仮説を主導し、或いは、追随する研究者達は、未だに、注意の分配力の機能も、実行機能も、前頭葉の機能も備わってもいない、マウスを研究対象にしていて、相変わらず憶測ばかりしている有様。
1つには、「前頭葉」機能が備わっていない「マウス」を研究対象にしての憶測ばかりを行っているせいで、2つには、「記憶障害」に起因して症状が発現するとの重大な誤りの前提条件の下で、研究を続けているせいで、3つには、「認知機能の障害」を症状が発現する核心的な要因としつつも、肝心かなめの機能である『前頭葉機能』の機能レベルを客観的な手法で精緻に判定することが出来る手技を有しない為に「意識的な世界」における手足の働きをしているに過ぎない脳の後半領域の機能である左脳と右脳の働き具合をMMSE (我が国では、長谷川式を使用しているケースもある)という手技で判定するだけで、「脳のリハビリ」の実施により症状を回復させる(治す)ことが可能である本当の意味での早期の段階である小ボケ及び中ボケの段階を見落としていて(小ボケ及び中ボケの段階が、存在していることにさえ気づいていない)、末期の段階であり、最早回復させることが困難である「大ボケ」の段階しか知らないで居て、自分達が無知であることにも気付かないでいて、『AD型認知症は、一旦発病したら、最早治すことが出来ないタイプの認知症である』とする極めて重大な誤りの内容の情報を、発信し続けているのです。
(6)その結果として我が国では、「介護の予防」を当面の政策課題と決定した政府大綱の第一条は、『AD型認知症の発病原因、発病のメカについて、世界中の権威とされる人達が、未だに解明出来ていない現状に鑑み、発病自体の予防というテーマについては、当面、研究課題として位置づけ、国内の活動も含めて、関連する情報の収集に努める』と規定しているのです。『発病自体の予防並びに早期診断と早期治療による症状の回復』が、脇に置かれたままで居るせいで、単年度ベースで、【一般会計及び特別会計の総計で言うと】、『介護の費用』だけで、投入する血税の規模が総額10兆円を超えてきているのです。更には、(このことは余り公にされていないのですが)、『脳のリハビリ』の実施により回復させることが可能である本当の意味での『早期の段階』、「二段階方式」の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階が見落とされたままで居て、最早治すことが困難である末期の段階、「大ボケ」の段階で初めて発病と診断する不条理極まりない診断がまかり通っていて、治療の効能を有していない、単なる「対症療法薬」(治療の効能は有していなくて、症状の発現の仕方を【抑制し、或いは昂進させるだけ】の薬)の処方が、医療現場では実行されているのです。
※『AD型認知症』は、『前頭葉機能の機能障害』に起因して/発病する認知症なのであり(最初の段階である「小ボケ」の段階では、左脳も右脳も運動の脳も全てが正常な機能レベルに在る中で、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能だけが異常なレベルに在る)及び「3つの仮説」が発病の前提条件として想定している「記憶の障害」自体が、『前頭葉の機能障害』(廃用性の機能低下の進行が原因)の進行が原因であることは、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状である『三段階に区分される類型的な症状=14689例に及ぶ、小ボケ、中ボケ及び大ボケの発病患者の脳機能データが根拠』を確認すれば、容易に判別できることなのに!
(7)「AD型認知症」については、発病のメカ、症状が重症化するメカ、症状の回復(治療)の可能性の有無及びその程度により、『三段階』に区分する症状の類型、症状を治し又は、進行を抑制する方法、更には、発病自体を予防する方法、「前頭葉」、実行機能と意識の機能構造、前頭葉が活性化するメカニズム、更には、『MMSE下位項目の項目困難度に関わる「脳機能データ」=「AD型認知症」の発病者だけに確認されるものであり、下位項目が出来なくなっていく厳密な順番の存在のデータ』、『小ボケ及び中ボケの期間に関わる標準的な滞留期間の存在のデータ』、更には、前頭葉を含む脳全体の機能の老化の進行を左右する「生活習慣」要因の存在に関わる脳機能データ(脳の老化を加速させる生活習慣要因及び脳の老化の進行を抑制し、又は、回復させる生活習慣要因の存在に関わる「脳機能データ」)は、世界中を検索してみても、私たち「二段階方式」だけが、存在を主張し、独自のものとして、「事象の事実としての証拠データ」を有するもの❣
(8)新型コロナに対する「感染回避策」としての『3密の回避』が全国的な規模で強く求められている生活状況(脳の使い方としての生活習慣)が、未だに継続している中で、実は、「AD型認知症」の発病者(小ボケの段階)、症状の重症化の進行者(「小ボケ」の「お年寄り」は中ボケの前期に、「中ボケ」の前期の「お年寄り」は、中ボケの後期に、「中ボケ」の後期のお年寄りは、「大ボケ」の前期に、「大ボケ」の前期のお年寄りは、大ボケの後期に、症状の重症化が進行してきている)が驚くほど増加してきていることに、専門家とされる人達(学者や医師達)が、気づいていないのです。ワクチンの接種が行き渡ることにより、新型コロナ対策問題が、マスコミや野党からも取り上げられなくなる一方で、リーマンショック時を超えると予測されている我が国の景気の大減速に加えて、「AD型認知症」の発病者及び介護が不可欠のものとなる末期の段階、二段階方式の区分で言う「大ボケ」の後半のお年寄りの数の激増という実態が明るみに出てくることとなり、「超高齢社会」を維持する上で不可欠のものである「介護保険制度」について、財政面からの「破綻の危機」が取りざたされるようになることを危惧し、問題提起しておきたいのです。それに対する対策は、介護保険料の値上げではないのです。『発病自体の予防』という極めて有効な対策方法が、実証により、示されているからです。
(9)ところで、認知症、特に『AD型認知症』の発病者数は、我が国や米国などのような『超高齢社会』に到達している国々では、星の数ほどにも増えてきていて、介護に要する費用が天文学的な規模に上ってきているのを、御存じでしょうか。その「AD型認知症」の発病/症状の重症化が進行するメカについては、世界的には、「3つの仮説」が提示されていて、未だに、発病との間の因果関係の存在を実証出来ない儘で居るのです。あのハーバード大学やMITでさえも、我が国で言うと、東大や京大や理化学研究所までもが、『アミロイドβ仮説という学説(「3つの仮説」の中では、支持する学者の数が一番多いという意味で、世界的に「通説」)』の信望者なのです。厚労省も、この「アミロイドβ仮説」を支持する立場に立っていて、「政府大綱」で決定された介護の予防(「介護」が不可欠となるまでに症状が重くなるお年寄りの数を出来るだけ減らすことを目的とした市町村による活動)を目的とした市町村の取組の基本的な考え方として通達が出されているのが現状。
※アミロイドβ仮説やタウ蛋白仮説が根拠にしている『記憶の障害』自体が、『前頭葉機能の機能障害』が原因で起きてくるものなのです。二つの仮説は、『因果関係に杜撰なだけでなくて、木を見て森を見ていない』憶測の類なのです。
私たち「二段階方式」が提案しているのは、認知症全体の90%以上の割合を占めている「AD型認知症」に特化した対策、『発病自体の予防と「小ボケ」からの回復』を第一義的な対策目標とし、『中ボケの前期、中ボケの後期については、介護の予防』を現行の制度下での対策目標とすることなのです。『発病自体の予防』というテーマは、市町村の健康づくり課等が、一次予防を担う主体となり、『介護の予防』という二次予防のテーマは、市町村の高齢支援課及び在宅介護支援センターが担うのが、最も望ましいものと考えるのです。
(1) 最も有効なのは、発病自体の予防(一次予防)なのです。
「AD型認知症」こそ、一次予防に最も適切/典型的なタイプの認知症なのです。①その本態が、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」であること、②発病の有無及び重症化区分の判定が、二段階方式という「神経心理機能テスト」の活用により、且つそれだけで、医行為が関わらなくて、何等の機器の使用が必要なくて、客観的で精緻なレベルで判定できるものであること、③「注意の分配力」の機能の出番が多くて、「前頭葉」が活性化する「脳の使い方」を予防教室(脳のイキイキ教室)で体験し、そこでの体験を日々の生活に取り込み、自分なりのテーマを選択し、目標を設定して、自分なりの楽しみや喜びや生き甲斐が得られる『生活習慣』を創意工夫して構築し、継続して実践し、生活習慣化することに因り、『前頭葉の機能を正常なレベルに保ち続けること』の直接の効果として、発病自体を予防することが出来、④万一発病しても、「早期発見」と「脳のリハビリ」の実践により、回復させることが可能であるし、⑤重症化の進行を抑制して、進行のスピードを緩やかなものにすることに因り、介護が不可欠となる末期の段階、「大ボケ」の段階にまで症状が進行していく時期を先送りすることが出来るのです(一次予防である「発病自体の予防」の制度化により、「介護の予防」も、より効果的に達成することが出来ることになる)。
(2) 予防教室(脳のイキイキ教室)の参加者に対しては、当該年度の予防教室の開始月と閉じる月の二回、予防教室に継続して参加者した個々の『お年寄り』の「脳のイキイキ度チェック」を「二段階方式」の手技による『前頭葉機能を含を/脳全体の機能レベル』を判定することに因り、当該期間中における『経時変化』の『脳機能データ』を集積していくのです。二段階方式の基準に基づいた判定結果は、「改善、維持、低下」の3種類に判定区分されることになる。
(3) 参加しているのは全員『高齢者』なので、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、『加齢』に起因した機能低下が必ず進行していることになります。加えて、何かを「キッカケ」にして、心が折れてしまい、『意欲を喪失』したことで開始されることになるナイナイ尽くしの単調な生活習慣に陥っていた場合は、『廃用性の加速度的で異常な機能低下』が進行してきている「お年寄り」もいる筈なのです。当該年度の教室の開催の1年間という経過期間中に起きてきた変化、経時変化を判定するとき、①前頭葉機能を含む/脳全体の機能レベルが改善しているケース、②維持されているケース及び③低下してきているケースの3種類に区分して判定することが出来るのです。当該判定については、「前頭葉」機能の機能レベル自体の変化及び左脳と右脳の機能レベルの変化を各々判定した上で、その総合的な評価が行われるのです。
厳密で客観的な要素に基づく定義に因る『判定基準』が設定されているのが、二段階方式の特徴なのです。「物忘れ」の程度や態様の変化を外観から観察するだけと言った、「記憶障害」の指標を基礎とする判定基準とは、判定基準の要素自体が異なるのです(その意味で、「MCI=軽度認知障害」なる判定基準の内容は余りにも曖昧であり、恣意的な結論が横行することになると危惧するのです)。
加えて、二段階方式の活用によれば、「前頭葉機能」の機能レベルの客観的で的確な判定が可能となるのであり、「AD型認知症」の発病の有無及び回復させることが可能である本当の意味での早期の段階、「小ボケ」と「中ボケ」の段階にあるお年寄りを的確に判定することが出来るのです。「前頭葉機能」の機能レベルを客観的で、的確に、且つ、精緻なレベルで判定出来る手技は、世界中の専門機関を対象としてみても、現時点では、私たち「二段階方式」の手技の他には、何等の手技も開発されていない。
&3 『DSM』の規定内容の変遷と現状及び「MCIの基準」の問題点
1. 「AD型認知症」の捉え方について、以下の変遷をたどってきた米国精神医学会が策定した『AD型認知症』の診断基準である『DSM』における「診断基準の考え方」の概要は、以下の通り:
(1) 『DSM-ⅢR 』
①記憶障害;②抽象的思考の障害、判断の障害、高次皮質機能障害、性格変化のうち1項目以上;③脳の器質的変化の存在が推測できること
(2) 『DSM-ⅣR 』
①記憶障害;②失語、失行、失認、実行機能障害のうち1項目以上
(3) 『DSM-Ⅴ 』
複雑性注意、実行機能、学習および記憶、言語、知覚‐運動、社会的認知における低下のうち1項目以上
2.上記全ての版において、「認知機能低下」が日常生活に影響していることが含まれることが注記されていることに注意。
3.米国精神医学会が策定したものであり、世界的に権威があるとされている上記診断基準に依拠して、「AD型認知症」を捉えていることに注意。
4.世界中の専門家達が、「DSM」の規程、特に、「DSM-Ⅳ」の規程内容に、未だに強く影響されていることに注意して下さい。記憶障害に起因して発病し、「失語や失認や失行の症状」が「初期症状」であると誤解した儘❣
➡厚労省が掲げてきた「新オレンジプラン」の内容も、その後に発表された『政府大綱』が掲げる「介護の予防」の実施も、『記憶障害』を惹き起こす要因についての世界的な通説である「アミロイドベータ仮説」の主張内容が正しいものとして、想定されているものなのです。「AD型認知症」の症状が、記憶障害に起因して発現するとの「3つの仮説」も、失語や失認や失行(紛い)の症状が初期症状であるとの憶測に基づいただけの規定も、更には、「AD型認知症」の前駆的状態の判定基準であるとして提示されている『MCI』(軽度認知障害)の考え方と基準も、「全てが重大な誤りの内容」なのであり、客観的で、的確で、有効な判定の為の指標とはなり得ないことに、注意が必要。
&4 「二段階方式」が解明し、実証した「AD型認知症」の真の正体と特徴
(1) 『AD型認知症』は、第二の人生を送る60歳を超えた年齢の「高齢者」だけが対象となり発病するものであり、『老年発症』が大きな特徴なのです。その根拠については次項で示しますが、我が国だけでなく、世界中の専門家とされる機関や人達が、未だに、この『重要な特徴』に気づいていないのです。
(2)発現する症状は、『前頭葉機能』を含む/脳全体の機能レベルに厳密にリンクして、回復の可能性の有無及び程度により三段階に区分されるのです(「二段階方式」独自の区分である「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の三段階)。
(3)私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』が活性化する「生活習慣」の創意工夫と改善と継続的な実践により(早期診断と「脳のリハビリ」の継続的な実践)治すことが出来るし(症状からの回復)、「介護の予防」が可能であるし(「介護」が必要可欠となる末期の段階、「大ボケ」の段階に症状が進行する年数の抑制効果)、更には、『前頭葉」が活性化する生活習慣』(「注意の分配力」の機能の出番が多くて「前頭葉機能」が活性化することになる「脳の使い方」としての生活習慣であり、食生活や糖尿病とは無関係)の創意工夫、構築と継続的な実践に因り「発病自体の予防」が出来るのです(疫学的方法により「二段階方式」が実証済み)。
&5 発病及び症状の重症化が進行するメカ(原因と機序)
(1)発病の「第一の要件」は、『加齢』に起因した脳機能の低下という要因の存在が基盤要因なのです。加齢に起因して、「前頭葉機能」が機能低下を進行させていくことについては、「正常老化の性質」と命名して、脳機能データを公開しています(NHKの人気番組である『チコちゃんに叱られる』にも取り上げられて、2018年9月に登場しました=「前頭葉機能の正常老化の曲線」の図として登場)。
(2)発病の「第二の要件」は、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した、廃用性の異常な機能低下の進行という加重要因なのです。
なお、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」とは、左脳が専管する「仕事」とは無縁の日々を送ることになる「第二の人生」を送る上で繰り返される単調な暮らし方、『生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない』日々の生活、「脳の使い方」としての単調な「生活習慣」のことを言います。
(3)加齢に起因した正常な機能低下という基盤の要因とナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の異常な機能低下という加重要因の同時存在、即ち、「異なる二つの要因が、同時に並行して存在し、重なり合うこと」に因る『相剰効果』に因り、『前頭葉機能』を含む/脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことに因り(「前頭葉機能」が異常なレベルに衰えて来たことに因り)発病し(小ボケ)、次いで、左脳、右脳、運動の脳が異常なレベルに衰えて来ることに因り/重症化が進行して行く(中ボケ、大ボケ)ことになるのです。
『AD型認知症』の発病については、小ボケ及び中ボケの段階の存在について、気が付いていなくて、末期の段階である「大ボケ」の段階、セルフケアにも支障が出てきて、日常の生活面での「介護が不可欠」となる段階で初めて発病と誤解しているのが、専門家とされる人達なのです。
(4)これが、「発病及び重症化」が進行して行くメカ(原因と機序)であり、「前頭葉機能」を含む/脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状が発現して来るものなのです(私たち「二段階方式」独自の主張であり、北海道から九州に跨る全国的な展開、累計総数452の市町村において実践指導した「AD型認知症」の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした「住民参加型の地域予防活動」により、主張内容が正しいことを疫学的方法により実証し、発病の有無及び症状の段階区分の判定及び発病の予防、回復及び介護の予防を目的とした客観的で具体的な指導内容及び対応の核となる二段階方式の手技が極めて有効であることを実証)。
⇔現在その実態が消えてしまっているのは、①二段階方式の手技の活用を10年の経過で無償としたこと;②平成の大合併により導入していた小さな町や村が大きな市や町に吸収合併されて、業務の見直しと配置転換により消えていったこと;③高齢化率の進行に伴う「AD型認知症」の発病者の増加対策として、オレンジプラン、新オレンジプランが、相次いで実施されていく状況の中で、新規導入先が出てこなくなったことが主たる理由なのです。
&6 発病と重症化が進行するメカの簡単なチェック・ポイント
(1) 「AD型認知症」は、『器質的な原因病変は存在していない』のです。
(2) 正常老化の性質により、加齢に起因した機能低下が進行してきていること、言い換えると、60歳を超える年齢の高齢者であることが、「基盤の要因」に在るのです。
(3)「第二の人生」を送る上での「脳の使い方」としての『生活習慣』という要因だけが、発病するか/しないか、重症化が進行するか/しないかを区分けている、「唯一の要因」(=「加重の要因」)なのです。
①「左脳」が専管するテーマである「仕事」とは無縁の日々を送ることになる生活状況の下で、日々どのような「脳の使い方」が継続されているのかが問題。
②『実行機能』の発揮度を支配し、左右し、下支えている機能であり、「前頭葉」の三本柱と私たちが名づけている意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能(3つ以上の異なる複数の「テーマ」を、同時に並行して処理する上で不可欠の機能)の活用が少なくなるような脳の使い方、就中、注意の分配力の機能の出番が少ないと、「前頭葉機能」が活性化する場面が少なくなるのです。その結果として廃用性の異常な機能低下が進行して行くことになるのです。
(4)仕事とは無縁の「第二の人生」を送る中で、自分なりの「テーマ」も、達成すべき「目標」もない生活、楽しみがない生活、喜びや生き甲斐とは無縁の日々を送るだけの暮らし方、『創意、工夫、シミュレーションの機能』の出番が極端に少ない「脳の使い方」としての生活習慣、即ち、意識的な世界の要であり、最も高度で不可欠の『注意の分配力』の機能の出番が少ないと、廃用性の機能低下が進行していくのです。『日々、時間は有り余るのに、することが無い毎日、ボケーッとした「暮らし方」をしていると、惚ける(『AD型認知症』を発病する)』ことになるのです(発病のメカニズムは、極めて簡単なもの)。
➡ 食事をしたばかりなのにそのことさえも忘れる「重度の記憶障害の症状」にばかり目が行き、そのことから、器質的な原因病変を追い求め、アミロイドベータの蓄積に因る老人斑とか、タウタンパクの蓄積による神経原線維変化が、情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死を惹き起こし、記憶障害が惹起されることに因り発病するとの単なる憶測の類がまかり通っているのです。
(5) 発想、企画、計画、創意、工夫、検索、シミュレーション、比較、評価、決断、感動、抑制等の『評価の物差しの機能及び実行機能』の出番が出来るだけ多くなるような、自分なりの実行『テーマ』の設定と達成すべき『目標』がある「暮らし方」(脳の使い方としての生活習慣)を構築し継続することが、症状の回復にも、介護の予防にも、発病自体の予防にも必要不可欠となる性質の認知症ということなのです。
➡ これを纏めて言うと、『前頭葉機能の機能障害』に起因して発病するのです。前頭葉の機能障害を惹き起こす要因は、記憶障害ではなくて、廃用性の機能低下なのであり、廃用性の機能低下を惹き起こす要因は、「第二の人生」を送る上で営まれる単調な「生活習慣」の継続なのです(それだけのこと!)。
➡ 加齢に起因した脳機能低下の進行が基盤要因である為に、「第二の人生」を送っている「お年寄り」だけが「発病の対象」となるのであり、「若年性アルツハイマー型認知症」は実在しない、架空のものであり、側頭葉性健忘症(重度の記銘力障害と海馬の萎縮が特徴であり、脳の変性により発病する)や緩徐進行性失語症と混同し、誤診しているだけなのです。猶、若年発症が特徴である「アルツハイマー病」は、生まれつき特定の遺伝子に異常が存在する人だけを対象として発病するものであり、「AD型認知症」とは全く異なる、性質の認知症なのであり、認知症全体に占める割合は、僅か1%程度に過ぎないのです!
(6) 症状の回復にも、重症化の進行の抑制にも(正常➡正常下限➡「小ボケ」➡中ボケの前期➡中ボケの後期➡大ボケの前期➡大ボケの後期)、『脳のリハビリ』という方法が、唯一の有効な対策となることを知っておいて頂きたいのです(「地中海料理」の摂取であれ、何であれ、「食生活」は、発病の予防とは、無関係なのです)。この場合、「脳のリハビリ」の効果が期待できるのは、中ボケの後期までのことであり、大ボケの段階になると、介護の途しかないのです。
※発病の最初の段階である『小ボケ』の段階で既に社会生活面に重大な支障が出てくるのです。発病を予防し及び小ボケを治すことは、『自分なりの追及すべきテーマと目標をもって、自分なりに社会生活を楽しみつつ、「第二の人生」を送ることが出来ること』を意味します。そのことで、行動の内容が深くなり、範囲が広がる為に、経済活動も含めて、『社会全体の活性化』、特に、高齢化が顕著に進行している「地方の地域の活性化」にも直結するのです。
⇔ 厚労省が発表している「AD型認知症」の発病者700万人と言うのは、発病の末期の段階である「大ボケ」の症状が発現して来ているお年寄りの数なのです。発病者には、「重度の記憶障害の症状」が確認されるべきとの誤った基準から『それらの症状が極めて重度の症状である』ことも知らないで、失語や失認や失行の症状の発現の確認を発病と判定する基準にしているせいで、「小ボケ」と「中ボケ」は発病とは考えられていないのです(その段階の存在さえ視野には無い)。我が国の「65歳以上の年齢のお年寄り」は、3600万人も居るのです。(介護の対象にはならない為に、専門家達にも知られないでいる)小ボケと中ボケとを併せた数が(介護保険の対象となるお年寄りで、介護の対象となっている)大ボケとほぼ同じ数と想定すると、3600万人の高齢者の内の3割相当は、惚けている、「AD型認知症」を発病している(小ボケ、中ボケ、大ボケの全てを含めた人数)ということになるのです。
&7 世界的に通説の地位にある「アミロイドβ仮説」は破綻している
(1) 以前に公開したこのブログで言及したように、2021年1月19日発行のNewsweek日本版の署名入りの記事の内容では、これまでに、世界中の製薬会社が、「アミロイドβ仮説」の考え方に依拠して、『AD型認知症』の治療薬の開発に投与した金額の総計額は、約6000億ドル(日本円に換算すると90兆円)もの金額に上るとされているのです。然も、治療薬の開発(症状を治したり、症状の進行を遅らせたり、症状の発病自体を予防する効能を有すると認められる薬)が、ことごとく失敗に帰したというものなのです。ついでに問題を提起すると、本態が、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎないものである「AD型認知症」については、治療薬(症状を回復させ、症状の進行を抑制し、或いは発病自体を予防する効能を有する薬のこと)が開発されることは、未来永劫、有り得ない事❣
現在使用されている4種の薬は、治療の効能は有しないのであり、「対症療法薬」に過ぎないのです。今回FDA/厚労省が、エーザイの新薬『レカネマブ』について承認したとはいえ、『レカネマブ服用の効果によって、蓄積した「アミロイドβの量を減らす効果は認められる』としても、そのことは、「AD型認知症」の症状の進行を遅らせる効能(治療効果)が有ることを意味してはいない」のです。
我が国のマスコミが、『治療薬の開発』に成功したかのような見出しを付けて報道していることに惑わされないで頂きたいのです。「この薬に、治療効果が有る筈が無い」のです。開発のコンセプト自体が根本的に誤りの仮説(アミロイドβ仮説)なのであり、加えて言うと、アミロイドβの蓄積(老人斑)と「AD型認知症」の症状の進行との間には、肝心要の要因である、因果関係自体が存在していないのです。即ち、アミロイドβの蓄積量を減らし、又は、蓄積を阻害しようとも、症状の進行を遅らせたり、或いは、症状を治す効果が認められる筈が無いのです。⇔廃用性の異常な機能低下の進行に起因した『前頭葉機能の機能障害』が、発病を惹き起こす真の原因なのですから。
※1 この薬が治療効果(症状の進行を抑制する効能)を有するか否かを正しく判定するには、この薬を投与した後の、その人『前頭葉』機能の機能レベルがどのような刑事変化を辿るのかについて精緻に判定すべきなのです(『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの悪化と症状の重症化の進行とは厳密にリンクしているのが、「AD型認知症」の特徴なのであり、症状の進行を抑制する効能(治療効果)を有するのであれば、発病者が服用した後に、『前頭葉機能』を含む/脳全体の機能レベルの悪化が抑制される筈なのです)。
製薬会社自身が、この薬の効果を判定する上で、MCIの基準(物忘れの症状の程度と態様を外観的に評価するだけの、極めて曖昧でいい加減な評価基準であり、前頭葉機能の機能レベルの判定が含まれていない)を持ち出しているのです。『MCI=軽度認知障害』なる基準の適用では、『AD型認知症』の発病者であるか否か、更に言うと、症状の進行を抑制することが可能である早期の段階、二段階方式の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階であるのか否かを判定出来ないのです。それらの判定には、前頭葉機能の機能レベル、『前頭葉機能』を含む/脳全体の機能レベルの精緻な判定が不可欠となるからなのです。
※2『認知機能障害』の判定を要件とするとしながら、MMSEや長谷川式の活用による判定では、肝心の『前頭葉機能』の機能レベルの判定が不可能なのです。
我が国で健康保険適用の対象にするに際しては、厚労省が、この点をキチンと評価し、決定すべきものなのです(対症療法薬でしかなかったアリセプトの二の舞にならない為にも)。未だに、『AD型認知症』の発病及び症状の重症化が進行するメカニズム自体が不明であるとしながらも(この薬は、単なる仮説であり、未だに仮説でしかない=アミロイドβの蓄積と「AD型認知症」の発病との間の因果関係を立証できていないアミロイドβ仮説を開発の根拠コンセプトにしている)、この薬に、症状の進行の抑制という治療効果が有ると主張する製薬会社エーザイに、根拠を聞いてみたいのです。
(2) 「AD型認知症」研究の専門家の数はと言うと、世界中で言うと、星の数ほどいると考えられるのです。それでいて、未だに仮説の類が提唱されるだけで、『発病のメカ(原因)については、全く分からない、不明のものである』とされている理由は、どこに有るのでしょうか。『AD型認知症というタイプの認知症は、私たち人間だけに特有なものである、意識的な世界が関わる認知症である』ことに、世界中の専門家達の内の誰一人として、このTadを除いては、全く気付いていないからなのです。『AD型認知症の本態、発病のメカニズムに照らして、治療の効能を有する薬が開発されることは、未来永劫有り得ない事なのですから。
(3)「アミロイドβ仮説」は、器質的な原因病変に因る「記憶障害」という要素が発病を惹き起こす原因であるとの想定(仮説)に基づいた考えであり、マウス(アミロイドβを注入したアルツハイマーマウスを含む)の行動を研究する仮説なのですが、マウスには、「注意の分配力」の機能が備わっていなくて、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」機能という脳機能が備わっていないのです。言い換えると、『AD型認知症は、記憶障害に起因して発病するものではなくて、意識の世界が関わる認知症なのであり、『前頭葉の三本柱』の機能の核心的な機能である『注意の分配力』の機能の①廃用性の②加速度的で③異常な機能低下の進行及びそのことに起因した実行機能、就中、複合機能体である『前頭葉機能』を含む/脳全体の機能についての、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に因り、その機能が異常なレベルにまで衰えて(来た/来ている)ことが、発病及び症状の重症化が進行して行く「真の原因である」ことに、未だに気づいていない』ことが、致命傷 ❣
&8 「意識的な世界」と「AD型認知症」の発病との関わり方
(1)自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、為すべき「テーマ」を発想し、「テーマ」の実行内容及び実行の仕方を検索し、企画し、計画して、その実行結果について、洞察し、推理し、ケース・シミュレーションして、評価し、比較して、最終的な実行内容及び実行の仕方を抑制し、或いは選択して、その実行を決断し、実行の指令を脳の各部に発することになる、これが、意識的な世界における『実行機能』と総称される「個別認知機能」の発揮の工程表なのです。その各種テーマは、「意識的な世界」では、基本的に「常に複数存在」していて、異なる複数の意識(意識的な世界=覚醒の度合いがそれぞれに異なる意識状態)を構築し、管理し、コントロールしている脳機能が「注意の分配力」の機能なのです。「意欲」が下支えているのが、「注意の集中力」であり、「注意の集中力」が下支えているのが「注意の分配力」の機能と言う機能発揮上の視点で言うと、「階層的な機能構造の関係」にあるとTadは考えるのです。
(2)私たち人間だけに特有なものである「意識的な世界」では、実行機能と総称される個別認知機能の各発揮度を構築し、統合し、支配し、下支えて、管理し、コントロールしている脳機能が、私たち人間だけに特有な機能である「注意の分配力」という機能なのです。このことを言い換えると、個別認知機能(実行機能)の機能の発揮度と注意の分配力の機能との間には、機能発揮上の二重構造の関係が存在しているということなのです。即ち、「注意の分配力」の機能の発揮の度合いが、個別認知機能(=「実行機能」)の機能の発揮の度合いを左右し、管理し、コントロールし、下支えているということなのです。
(3)私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界(意識状態)」は、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能(以下、「前頭葉の三本柱の機能」と呼ぶことにします)を基礎機能としつつ、「評価の物差しの」機能並びに「実行機能」及び「前頭葉の三本柱」の機能が有機的な関係下で協働して働くことに因り構築され、統合され、維持され、管理されている世界なのです。興味や関心の度合いの変化、前頭葉の三本柱の機能の発揮度の変化、更には新たなテーマの発想により、「評価の物差し」が別のテーマを選択させることになる、この働きの変化を含む機能構造体が、所謂、ホムンクルスの小人の正体ではないかとTadは考えているのです。「評価の物差し」の機能こそ、実行機能が働く上での最初の関門となることに、未だに誰一人として気づいていないのです。このことが、意識の機能構造解明の出発点となる要因であるにも拘わらず。
(4)私たち人間には、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉機能(①「前頭葉の三本柱」の機能、②評価の物差しの機能及び③実行機能の三者により構成』が局在している脳機能部位=前頭前野の穹窿部)に加えて、デジタル情報の処理に特化した機能部位である「左脳」、アナログ情報の処理に特化した機能部位である「右脳」及び身体を動かす処理に特化した機能部位である「運動の脳」という『手足の機能』があります。『意識的/目的的な世界』は、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の御者である『前頭葉機能』が運行を支配し、管理し、コントロールする世界と考えているのです。
猶、覚醒された『意識』については、基本的には、異なる複数の意識が構築されていて、並存しているものであり、加えて、それら各意識には、時間軸(時間の経過という変化)及び空間軸(空間の拡大及び縮小という変化)の両要素が含まれているので、「意識状態」と考えるのがより適切であるというのが、Tad自身の考え方なのです。意識は一つしか存在していないとする主張が多くみられるのですが、たった1つの意識(意識状態)のみが存在するという状態は、実は、作り出すこと自体が極めて困難なものなのであり、相当の鍛錬が不可欠となるものなのです。複数の異なる意識の同時並存を可能ならしめている脳機能こそが、『注意の分配力』の機能なのです。
(5)Tadは、意識に関する世界的に著名な学者の最新版著書「脳の大統一理論:カール・フリストン」、「意識はいつ生まれるのか:マルチェッロ・マッシイミーニ;ジュリオ・トノーニ」、「意識と脳:スタニスラス・ドウアンヌ」及び「予測する心:ヤコブ・ホーヴィー」を読み込んでみたのですが、残念なことに、どの著作も、最も肝心な脳機能である「評価の物差し」の機能の存在とその役割についての記述が無いのです。彼等の誰一人として、その存在に気づいてもいないのです。「意識的な世界」における「実行機能」の働きが起きてくるためには、まずもって、「評価の物差し」の機能が関わることが不可欠のものとなることにさえ、誰一人として気づいてもいないのです。更には、評価の物差しが働くにも、実行機能が機能を発揮する上でも、記憶の倉庫との照合が不可欠となることについても、もっと根源的な問題である『評価のもの先の機能及び実行機能』の機能の発揮に関わる、前頭葉の三本柱の機能の関わり方(Tadが問題提起する機能発揮上の二重構造の問題の存在)』についても、何等の説明が為されていないのです。
「意識」の覚醒の度合いが一定レベル以上に在る状態下で、何らかの「認知」が惹起される為には、「評価の物差しの機能及び実行機能」が起動されることが前提条件となること及び認知の内容が同期し、同定される(=メタ認知)には、「記憶の倉庫」の機能との照合が不可欠となること等、「意識」を語る上で、或いは、「意識の機能構造」を説明する上で不可欠となるこれらの機能要素についての言及が全くないことに、Tadはただ驚くばかりなのです。
&9 現時点でも、世界的に独自の主張内容である「二段階方式」の概要
Ⅰ.意識的な行為の世界と実行機能によるその認知度及び機能の発揮度
意識的に何かの「テーマ」を実行する場面では、自発性、観察、分析、考察、洞察、推理、憶測、忖度、批判、想像、理解、了解、興味、関心、発想、連想、妄想、企画、計画、創意、工夫、予測、具象化、抽象化、シミュレー・ション、予見、比較、修正、整理、機転、抑制、忍耐、感動及び判断等、「前頭葉機能」の構成要素機能である『実行機能(Executive Function)』を構成している各種の高度な認知機能を正常に発揮する上で、一定レベル以上での「認知度」が確保されていることが不可欠となるのです。
認知度が一定レベル以下だと、例示した「実行機能」の各種個別の認知機能自体が必要なレベルで発揮されなくなるのです。そうした個別の認知機能によるその「認知度」の高さ或いは低さを左右しているのが、意欲、注意の集中力及び注意の分配力という「前頭葉の三本柱」の機能なのです(「認知度」と「発揮度」とがともに、「三本柱」の機能レベルと「リンク」している)。
Ⅱ.「前頭葉機能」を中核の機能として、『①「評価の物差しの機能」に因る/評価/注意/関心/観方に従い、②(意欲、注意の集中力の機能に下支えられた)/「注意の分配力の機能」が、③「実行機能」を駆使して、有機的な連携のもとに左脳や右脳や運動の脳も参加して、脳全体で何をどのように実行するのかを組み立てるには(実行すべきテーマをいくつか発想し、その中から1つを選択し、その実行内容を組み立てるには)、先立って且つ常に、必要な機能レベルでの「意欲」の継続的な発揮が不可欠になるのです。自分が現在置かれている状況と環境の判断をベースとして、様々な状況の変化を予測して考慮し、いく通りかのケース・シミュレーションを経た上で最終的な内容を決定し、実行に移すには、「注意の集中力」と「注意の分配力」の機能の継続的な発揮も必要になるのです。
Ⅲ.上述のようにその「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能は、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉機能」の構成要素である『評価の物差しの機能及び実行機能』によるその認知度及び機能の発揮度を左右し、下支えする働きを担っていて、個別の「評価及び実行」機能を十分に発揮するに際しての「機能発揮上の二重構造」の関係(私たちのネーミング)が存在しているのです。
&10 『前頭葉の3本柱の機能』に内在する「正常老化の性質」
(1) 私たちが意識的に何かのテーマを思いつき実行しようとするときに、必要とされる各種の認知機能を発揮する上で、必要不可欠の機能である「前頭葉の三本柱」とも言うべき、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能には、『加齢』と共にその働きが衰えていくという「正常老化の性質」(私たちのネーミングです)が内在されているのです。
(2) 私たちが世の中の専門家達に先駆けて発見したそのカーブの存在は、私たちが「二段階方式」に基づく「かなひろいテスト」と「MMSE」テストの実施結果及び廃用性の機能低下を進行させてきた原因であり、「キッカケ」を契機に心が折れてしまい、意欲を喪失することによって開始され継続されてきた『ナイナイ尽くしの単調な生活習慣』を内容とする『生活歴』の聞き取りの実施により集積した年齢別の脳機能レベルの推移を示す膨大な量の脳機能データにより証明されているのです(20歳代の内にピークを迎えて、その後は、緩やかではあるものの下向きのカーブとなり、「第二の人生」の入り口ともなる60歳を超えた高齢者と呼ばれる年齢になると急速に下降するカーブを描いていくもの)。
(3) 私達人間だけに特有な世界であり、DNAの99%が人間と同じとされるチンパンジーにも無い世界、「意識的/目的的な世界」における脳の司令塔は「前頭葉機能」であり、『加齢』の進行と共に、「前頭葉の三本柱」の機能(意欲、注意の集中力及び注意の分配力)」、評価の物差しの機能及び実行機能の働きが衰えて行くという性質、「正常老化の性質」が、「前頭前野」に局在する脳機能全体に内在していることが、「AD型認知症」の発病及び症状の重症化が進行して行く「メカニズム」及び「機序」を解明する上で、不可欠の視点となるのです。
(4) 加齢による機能低下が基礎要因として存在していて及び仕事とは無縁の日々となる「第二の人生」を送る上で繰り返され、継続されるナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」に起因したものであり、加重要因である廃用性の異常な機能低下の同時進行に起因した、「前頭葉の三本柱」の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が、「評価の物差し」の機能及び「実行機能」の異常な機能低下の進行に波及する結果として、「総体/複合機能体」としての『前頭葉機能』についての廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が惹き起こされて、その直接的な反映が、『AD型認知症』の発病及び三段階に区分される(小ボケ、中ボケ及び大ボケの三段階)症状の重症化の進行として発現して来るだけのものなのです ❣
(5) 猶、この「前頭葉機能」についての(正常老化曲線のカーブ)の傾きの度合いは、60歳を過ぎた高齢者と呼ばれる年齢になると、脳の使い方という視点からの「生活習慣」に大きく左右されるようになります。脳の後半領域の働きであり、「前頭葉機能」と協働して意識的な世界でのテーマを実行するための下部機構として機能している左脳、右脳及び運動の脳とのやり取りの中で処理される情報の質と量次第で、「前頭葉」機能の老化の曲線は、「緩やかに低下するカーブ」(正常な老化)を描き、或いは、「加速度的に低下するカーブ」(異常な老化)を描くことになるのです。
(6) 実態面に目を向けた時、「AD型認知症」を発病するその対象が60歳を超える年齢の「高齢者」に限られていて、然も、70歳代、80歳代、90歳代、100歳代と高齢になるほど発症率が高くなっていく原因は、基盤の要因としての「正常老化のカーブ」の存在にあるのです。
(7)『働き盛りの50歳代で、「若年性AD型認知症」を発症する人達が増えて来ている』などとマスコミが取り上げ騒ぐことがあるのですが、「AD型認知症」を50歳代という「若い年齢で発症」するケースは皆無なのです。
「AD型認知症で」はなくて、側頭葉性健忘症とか緩徐進行性失語とか緩徐進行性失行などの、「認知症と紛らわしい病気」であることを知らない(見抜く為の手技を持たない)医師達が誤診している結果に過ぎないのです。
本著作物「F-06」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。
追記すると、末期の段階である「大ボケ」レベルの人は、為す術が何も残されていなくて、介護が不可欠となるだけなのです(この段階で発病を見つける診断が横行していて、『周りからの支援があれば、自分らしく生きていけると主張されている』のは、『側頭葉性健忘症を誤診』した重大な誤りの主張に過ぎないのです。
&1 『アルツハイマー型認知症(以下、「AD型認知症」と略記する)』と「意識との関わり」を避ける権威
(1) アルツハイマー病、脳血管性認知症、二次性認知症、『AD型認知症』等、様々な種類が数ある認知症全体の90%以上を占めていて、皆さんが、よく耳にし目にしている認知症である『AD型認知症』の発病/症状が進行するメカについて、世界中の権威(機関)が、生きた人間の『意識』並びに「意識が覚醒した目的的な世界に於ける脳全体の司令塔の役割り」を担っている機能であり/複合機能体である『前頭葉機能』の機能の発揮度及び機能レベルとの関わりについて、無知で無関心な状況が継続されている中、種々の『問題提起』を行いつつ、私たち「二段階方式」が、独自に世界で初めて、解明した『AD型認知症の発病/症状の重症化が進行する真のメカ』について、能登半島地震の被災高齢者及びその家族の為に『このテーマを取り上げることにした』のです。
(2)『AD型認知症』を発病することになるか/ならないか及び症状の重症化が進行するか/しないかを決定づけ/区分けている真の原因要因は、『仕事というテーマとは無縁の日々」を生きることとなる『第二の人生』での「日々の生き方」、『脳の使い方』としての意味で言う『生活習慣』の在り方なのであり、『意識が覚醒した目的的な世界」における脳全体の司令塔の役割りを担っている『前頭葉機能が活性化する』/『前頭葉機能の機能レベルを正常なレベルに保ち続ける』ことが、出来るか/出来ないかなのであり、『仕事』というテーマとは無縁の日々となる『第二の人生』の最中、或る日降って湧いた出来事や状況、即ち、『キッカケ』となる出来事/状況の発生と継続に対し、それまで維持出来ていた自分なりの『生活習慣』、今日も明日も明後日も継続されて行くことに/自身が納得出来ていた『脳の使い方としての生活習慣』の維持/継続が阻害され、取り戻せる道筋が見えて来ない状況が継続し、(心が折れて)、『意欲』を喪失してしまい、「注意の集中力」が続かなくなり、その結果である『注意の分配力』の機能が、(機能を発揮し活性化する為に不可欠である)為の条件、即ち、『出番を失くして行く』単調な生き方が継続する『生活習慣』、換言すると、(自分なりに追及する「特定のテーマ」が無く、生き甲斐なく、趣味なく、交遊の機会なく、運動する機会もなく、目標となるものが無い単調な暮らし方、『ナイナイ尽くしの単調な生活習慣』)が半年間も継続すると、そのことに起因して、「複合機能体」である『前頭葉』の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して行くことに因り、『前頭葉の機能が/から、真っ先に異常なレベルに機能低下が進行がして来て、(AD型認知症の発病=発病の最初の段階である「小ボケ」の段階)の症状が発現し、次いで、『前頭を含む/脳全体のについての/廃用性の加速度的で異常な機能低下が更に進行して行きつつ、同時に平行して、左脳/右脳/運動の脳の順番に、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して行くことにより、「中ボケ」を経由して、末期の段階である「大ボケ」へと進行して行くことになるのです。
脳の機能面から、意識的/目的的に何等かの「テーマ」を実行する世界に於ける「脳全体の司令塔」の役割を担っているのが、『前頭葉機能』と言う複合機能体なのです【=前頭前野の穹窿部に局在する、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能から構成される「前頭葉の三本柱」の機能、「評価の物差し(=自我=意識の首座=脳の中のホムンクルス)」の機能及び「実行機能(Executive Function)」により構成されている複合機能体を言う}ものとする】。
&3 意識的/目的的な世界で核心的な働きをしている「注意の分配力」の機能
(1) 私は今、遅い朝食を一人でいただいているところ、ダイニングに居るのです。8人掛けの特注したイタリア製の大理石の丸いテーブルで、椅子は、インドネシアからのお取り寄せの手造りで紫檀製の豪華なもの。目の前は、一枚板の大きなガラスのWindow。その窓から、音楽を聴きながら、外の景色を眺めているというのが、今のTadの状況という訳なのです。その眼前には、巨大なブーゲンビリアの樹が天高く迄繁って、太い枝を四方八方に伸ばしていて、その向こうには、お隣との境界を構成しているサンゴ樹の生け垣が連なっている。
※ 1 「注意の分配力」の機能とは、(内容及び覚醒度が異なる)複数の『意識』を同時に並行して構築し、統合し、分離し、管理し、コントロールする為に不可欠の機能であり、並びに(3つ以上の、内容が異なる)複数の『テーマ』を同時に並行して、且つ、重層的に処理する上で不可欠の機能であり、更には、『(あの人は、頭の回転がとても速い人)という風に、咄嗟の判断/処理』に不可欠の機能でもあるのです。
(3) 私たち「二段階方式」が「前頭葉の三本柱」の機能と名付けている、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の中で、最も高度な機能であり、「加齢」に起因して(私たち人間の誰にでも生来的に内在する性質であり、私たちが「正常老化の性質」と名付けているもの)、或いは、「廃用性の異常な機能低下の進行」に起因して(日々の生活面で、自分なりに追及する特定の「テーマ」が無く、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」の継続により、言い換えると、「使われる機会が極端に少ない」ことが原因となり、廃用性の異常な機能低下が進行して行くいくこと)、最も早くから(真っ先に)、その機能が衰えて行く性質を有するものが、『注意の分配力』の機能なのです。
※『AD型認知症』発病のメカを解明する上で、上述の「正常老化の性質」(老年発症が特徴のAD型認知症を発病する基盤要因)の存在に気付くことが、極めて重要な手掛かり、発病のメカ解明の一里塚となるのです。
(4) そこで、『3つ以上の異なる複数の「テーマ」を同時に並行して、且つ、重層理する』とはどのようなことを言うのか、目の前の具体的な事象で説明します。
今私Tadは、ダイニングでテーブルの椅子に深く腰を落として掛け、窓の方を向いて座っていて、窓越しに庭の景色を楽しんでいる状態、且つ、遅い朝食を摂っているところだと言いました。
① 朝食のオカズに今食べている紅サケの昆布巻きの味に舌つづみを打ちながら、②花水木の木の下で餌をついばんでいる可愛い四十雀の親子連れの姿を、私の感情を豊かにしてくれる刺激を伴った情景として、目で追いつつ、記憶の倉庫に貯蔵していきながら、更には、③You Tube から流れてくるMriah Careyの歌に合わせてその歌詞を鼻歌で追いかけながら、楽しんでいるという、(3つ以上の異なった)複数の「テーマ」を同時に並行、且つ、重層的に処理してくれているのが、私の「前頭葉機能」、就中、「前頭葉の三本柱」の核心をなす『注意の分配力』の機能なのです。
(5) 猶、世界中の権威(機関)が、(無知な為に未だに説明していない)のが、『意識が覚醒した目的的な世界に於ける、複合機能体としての「前頭葉機能の働き方」の問題』について、Tadの考えを提示し、説明し、問題提起したいと考えるのです。
(7) 『注意の分配力』の機能は、私たちが意識的/目的的に何等かの「テーマ」を実行しようとする際に、なくてはならない機能であり、私たち人間の脳機能の働きは、基本的には、何か一点に「集中する」目的下で、「注意の集中力」の機能を発揮する際にはそれなりの困難が伴い、「注意の分配力」の機能の発揮、異なる複数のテーマを同時に並行して実行することの方が、容易に出来るものなのです。
日常の生活面での、どんな時であれ、ふと気が付いてみれば、(3つ以上の)異なった複数のテーマを同時に並行して、且つ、重層的に処理できている貴方の『前頭葉機能』(単体ではなくて、上述の構成要素に因る複合機能体であることに留意する)と言う機能の存在に気付く筈なのです。私たち人間だけに具有されているこの機能は、か弱い動物としての存在に過ぎなかった私たち人間の祖先が、困難な生存環境の中で我が種の生存と存続とを確保するために必要不可欠の機能として、進化の過程で獲得したものに違いないと思うのです。眼前の様々な対象をそれと認知して、その形象に感動さえ覚えながら、同時に、今日の「テーマ」をあれこれと考える等、不思議でもなんでもなく、当たり前のように出来ている貴方の日常がある筈なのです。
但し、大前提として、「前頭葉の三本柱」の機能、就中、『注意の分配力』の機能、ひいては、それらの複合機能体としての『前頭葉機能』が、「正常なレベルに在る」/維持出来ていることが要求されることになるのです。
(8) 別の面から私たちの日常生活面での(意欲⇒注意の集中力の機能の発揮及び発揮度に下支えられた)『注意の分配力』の機能の働き方を説明すると、例えば、TadとKinukoとの会話は、「注意の分配力」の働き無しには成り立たないことなのです(介護施設で働いている方であれば、日常的に経験することなのですが、日常会話レベルでも、「大ボケ」の段階に在るお年寄りとの会話に重大な支障があるのは、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、「注意の分配力(注意の集中力も意欲も)」の働きが極めて異常なレベルに機能低下していて、働き難くなってきているせいなのです。「記憶の障害」が原因で、そうした症状が発現してきている訳ではないことを理解して頂きたいのです)。
Kinukoが、お友達に対して説明している古希の祝いの旅行の案、オーストラリアのケアンズに10日間行って楽しんでくるその案を様々な資料を手渡しながら、成田空港での出発から、ケアンズ空港を発つまでの間の日々の旅やイベントを楽しむその日程について、言葉で説明する内容をとりあえず聞き取り、理解し、その概要を保持しつつ、同時に平行して、提示されるイベントにする私なりの想像力を働かせて、(自身の脳の中だけの世界で洞察推理シミュレーションする認知)である『メタ認知』することに因り、具体的な場面を(あれこれシミュレーションして、頭に描き乍ら、且つ、私なりの理解に立っての質問や、案の一部の修正を唱えるには、この『注意の分配力』の機能が、正常な機能レベルで働いていることが、必要不可欠の条件となるのです。「脳の機能面」からのアプローチとしては、正しく、『3つ以上の異なる複数の「テーマ」を、同時に平行して処理している』状態に在るからです。
(9) 然も上述したように、「前頭葉の三本柱」の機能、即ち、『意欲⇒注意の集中力⇒注意の分配力』の(三層の機能発揮構造)を背景/反映している『注意の分配力』の機能が「正常なレベル」に在ることが要求されることになるのです(このことを更に、言い換えれば、それら機能の複合機能体である『前頭葉機能』が、「正常な機能レベルに在る」ことが要求されることになるのです)。
(10) 左脳が専管する仕事というテーマとは無縁の日々を送ることになる『第二の人生』を生きる上で、追求することが自分なりに納得がいくテーマが無く、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない『ナイナイ尽くしの単調な生活習慣』が継続される状況下で、この「前頭葉の三本柱」の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていき、且つ、異常なレベルに衰えが進行したアウトプットそれ自体が、『AD型認知症』の発病としての最初の段階である『小ボケ』の段階の症状なのであり、「前頭葉機能」の更なる機能低下の進行と左脳、右脳及び運動の脳の機能が異常な機能レベルにまで衰えたことの直接のアウト・プットそれ自体が、『中ボケ』の段階の症状であり、そして、「前頭葉」機能の更なる機能低下の進行(この段階になると、「注意の分配力」の機能が、殆ど働かなくなっている機能レベルに在ることに注意)と左脳、右脳及び運動の脳の機能が更に異常な機能レベルにまで衰えたことのアウト・プットそれ自体が、発病の「末期の段階」である『大ボケ』の段階の症状となるのです(以降は、身体がもつ限り、大河の川幅のように広い「大ボケの枠」の中で、症状が更に重いものになって行く)。
(11)『アルツハイマー型認知症』の発病/症状の進行を惹き起こす原因(メカ)については、世界中の専門家達から不明とされていて、一部の学者達が主張している、アミロイドβの蓄積(老人斑)が原因である(アミロイドβ仮説)とか、タウ蛋白の沈着(神経原線維変化)が原因である(タウ蛋白仮説)とか、或いは、アセチルコリンの不足が原因である(アセチルコリン仮説)とか言った「仮説」(「発病/症状の進行」の原因要因として主張されているものと発病/症状の進行との間の『原因と結果の関係である因果関係が、未だに実証出来ていない』為に、仮説とされている)が主張されているだけ。
&4『DSM-Ⅳ』の規定内容も、「アミロイドβ仮説の主張内容も、「主張する内容と発病との間の(因果関係)の不存在に無知で、無頓着」
(1)「AD型認知症」について、重度の物忘れを特徴とする神経変性疾患だと見誤り、勘違いし、誤解して、発病の有無の診断に際し、失語や失認や失行(紛い)の症状の確認を要求している『DSM-Ⅳ』が確認を要求する「第二の要件」だけでなくて、「記憶の障害」の要因の確認を要求している「第一の要件」も、重大な誤りであることに早く気づいて欲しいのです。
(2) 私たち「二段階方式」(KinukoとTadの二人が主催するエイジングライフ研究所)は、「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例にも及ぶ「AD型認知症」発病高齢者(被検者の99%が発病者で、1%は発病前で正常下限)の『前頭葉機能を含む/脳全体の機能の機能レベル』に関わる精緻な「脳機能データ」の集積/解析と、北海道から九州に跨る全国的規模、452の市町村での、各地域で実践してきた住民参加型の「地域予防活動」の実践の顕著な成果を根拠として、『「第二の人生」を生きる、60歳を超えた年齢の「高齢者」だけが、発病の対象となる(老年発症が特徴)である『AD型認知症』と言うタイプの認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」に過ぎず、『発病自体の予防』が出来る認知症の典型』であると主張し、主張内容が正しいことを、「疫学的方法」に因り実証済みなのです。
(3) 『AD型認知症』は、『第二の人生』を生きる上で日々展開される、『脳の使い方』としての「生活習慣」要因が、発病の原因要因なのです。私たちの意識的/目的的な世界を構築し、支配し、コントロールしている『前頭葉機能』と呼称されている複合機能体(就中、「前頭葉の三本柱」の機能)の出番が極端に少ない『生活習慣』の継続、言い換えると、「自分なりに追及する特定のテーマが無く、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない」ナイナイ尽くしの『単調な生活習慣』が継続されている状況下で、「前頭葉機能」を含む/脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させて行くこととなり、その先に、『AD型認知症』の発病/症状の進行が待っているのです。
※1 『AD型認知症』は、『前頭葉機能』を含む/脳全体の機能についての/機能レベルに厳密にリンクした「三段階に区分される類型的症状」が発現して来るのが特徴であり、その『最初の段階』が、私たちの区分で言う「軽度認知症(小ボケ:社会生活面だけに重大な支障)」の段階であり、次いで、「中等度認知症(中ボケ:家庭生活面にも重大な支障)」の段階があり、最後に末期の段階である「重度認知症(大ボケ:日常生活面でのセルフ・ケアにも重大な支障で、介護の対象)」となるのです。
私たち二段階方式が、『AD型認知症』の症状を「三つの段階」に区分する理由は、『脳のリハビリ』(その人の日常生活を、「前頭葉機能」の出番が多い生活、『前頭葉機能が活性化』する生活習慣へと改善すること)を実践することにより、本当の意味での早期の段階である「小ボケ」の段階で見つければ、正常な機能レベルに改善させる及び/又は、症状の更なる進行を抑制することが可能であり、「中ボケ」の段階で見つければ、症状の更なる進行の抑制が未だ可能であり、末期の段階である「大ボケ」の段階で見つけたのでは、症状の更なる進行を抑制することも最早困難となる(為す術が何も残されていなくて、「介護」するだけとなる)からなのです。
※2 認知症の専門家とされる精神科医から『AD型認知症は、治らない』とされている本当の理由は、『発病を見つけている段階が遅すぎる』だけ、発病の末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が確認出来ないと、『AD型認知症』の発病とは診断しない「診断基準の誤り」にあるのです。その上、効きもしない「薬」(興奮型の単なる対症療法薬に過ぎないエーザイのアリセプトに代表される薬であり、症状の進行を遅らせる意味での治療の効能は有していなくて、単なる『対症療法薬』でしかない薬を処方して、平気で金儲けだけに走っているのが、医療現場の実態なのです)。
※3『AD型認知症』が発現してくるそのメカニズムからして、飲むだけで(貼るだけで)、症状の進行(重症化)を抑制したり、症状を改善させたり、更には、発病自体を予防できる効能がある「薬」が開発されることは、未来永劫有り得ないことと断言出来るのです。
(コーヒーブレイク)st-medicaには、「着衣失行」について次のような説明が載っています。『運動麻痺や観念性失行を認めず、半側空間無視や半側身体失認構成障害によらない着衣障害を着衣失行といいます。着衣の方法を口頭で説明することはできますが、上着やシャツを着る際にその裏表、上下、左右を逆にしてしまい、上手く着ることができなかったり、ボタンを掛け違えたりします。
ところが、これはあくまで、「器質的な病変」の存在が原因で起きる後遺症としての着衣失行の場合についての説明に過ぎないのです。『AD型認知症』と言うタイプの認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の単なる『生活習慣病』に過ぎないのであり、器質的な病変が発病の原因ではなくて、「前頭葉機能を含む/脳全体の機能について生じてくる廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行」が発病の原因に過ぎないのです。私たち二段階方式の区分で言う『大ボケ』の段階の症状が発現してくるまでに「前頭葉機能を含む/脳全体の機能が衰えて来ていること、「前頭葉の三本柱」の機能が衰えてきていること、就中、『前頭葉の三本柱』の機能の中でも核心的な機能であり最も高度な機能である『注意の分配力』の機能が衰えて来て殆ど働かない機能レベルに在ることが唯一の原因で、『メタ認知』が困難となる為に、僅かに遅れて連動し、随伴する『実体験認知』に因り、「上着の袖に頭を突っ込んでみたり、ズボンに腕を突っ込んでみたりする」と言った症状が発現して来るのです。
器質的な病変が原因で単なる後遺症としての着衣失行の症状が発現している場合は、肝心の「前頭葉機能」が正常なレベルで働いているので、着衣の仕方の説明をすることが出来るのですが、「大ボケ」の症状としての着衣失行の症状が発現しているお年寄りの場合は、「前頭葉機能」(就中、注意の分配力の機能)が、殆ど機能しないレベルに在る為に、上掲のst-medicaの説明に見られるような、「着衣の方法を口頭で説明することは出来ますが・・・」のようなことは不可能なことになるのです。
『AD型認知症』発病の真の原因は、器質的な病変による記憶障害が原因要因ではなくて、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因だということに専門家達が気付いていないだけのこと。器質的な病変が発病の原因で/重度の物忘れの症状の発現が特徴の神経変性疾患に違いないとの過度の思い込み/誤りから視野が狭くなってしまっていて、アミロイドβの蓄積であるとか、タウ蛋白の沈着であるとか言った『器質的な病変及び記憶障害を惹き起こす犯人捜し』の深い森に迷い込んでしまっているのです。
&5 「 脳の機能面」から見た『注意の分配力』の機能の働き方
(1) 窓越しに、視野の対象範囲内に在る目に入ってくる対象を全体としてとらえた時、認知の対象となる各々の対象物(範囲)が、どのように認知されているのかを詳細に分析していくと、面白いことが分かってくるのです。丁度、カメラの焦点を拡大したり収縮させて自分が写したい景色を、あれこれとシミュレーションしている時と似た状態が、貴方の脳でも起きていることに気がつくことでしょう。
眼前の窓とその枠、花水木の木と紅葉色に色づいた葉、満々と水をたたえて表面が風に揺れているプールの水面、天高く伸びた枝々を覆うように紅色の花を樹上一杯に折り重なってつけているブーゲンビリアの樹、真っ赤な小粒の実を鈴なり状態に枝先につけて重そうに垂れている枝を風に揺らしている鼠モチノキの大木、その向こうに隣家との境界を形作る垣根として植えられているサンゴ樹の樹海、更には、その遥か向こうに在る雲一つなく晴れ渡った晩秋の空の色。
これらの情景を全体として一度に認識している状態と特定の物に注意を集中しつつ全体を認識している状態、更にはその中間の状態という風に、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の各々の発揮度をカメラの焦点を絞るように様々に変え、対象の認知度の差異を観測してみるのです。
(2) 眼前の景色を全体として意識して認知し、認識し、意識しようとすると様々なレベルでの「意欲」と言う脳機能の発揮が要求されていることに気づくのです。花水木の木と紅葉色に色づいた葉に注意を向けてみると、それ以外の周りの対象物に対する認知度が下がるのです。花水木の木と紅葉色に色づいた葉の濃淡だけでなく、葉脈までもがはっきりと認識出来るほどに注意を集中すると(「注意の集中力」の発揮度を上げてみると)、鼠モチノキも、ブーゲンビリアの樹も、輪郭はそれなりに認知できてはいるものの細部の認知が出来ていないことに気づくのです。
(3) そして、花水木の樹に対する注意の集中の程度を次第に下げていくと、それに反比例するかのように、鼠モチノキも、ブーゲンビリアの樹も認知の度合いが上がってきて、例えば、ブーゲンビリアの花の色が浮かび上がってくる、次第にはっきりとしたものになってくることに気づく自分が居るのです。三者の関係はと言うと、「意欲」が湧いてこない状態下では「注意の集中力」が高まってこないのです。「注意の集中力」が高まってこないと、「注意の分配力」の機能の発揮度が上がってこないのです。言い換えると、「意欲」を源として「注意の集中力」の機能の発揮が亢進され及び「注意の集中力」の機能を源として「注意の分配力」の機能の発揮が亢進されると言う『三層の機能発揮構造』が存在するということなのです。
(4) 「注意の分配力」の機能の発揮度は、『注意の集中力の機能の発揮の度合いに下支えられ/左右されていて、更には、「注意の集中力」の機能の発揮度は、意欲の機能の発揮の度合いに下支えられ/左右されているという機能構造が存在しているのです。言い換えると、『意欲の発揮度が小さいと注意の集中力の発揮度も下がる』のです。『注意の集中力の発揮度が小さいと注意の分配力の発揮度も下がる』のです。
(5) 脳の機能構造面から説明すると、「キッカケ」となりそうな状況の変化や出来事の発生に遭遇して、そこから這い上がって行くことが出来なくて、キッカケ前の状況が回復される道筋が見えてこなくて、そのことに心が折れてしまい、『意欲』自体を喪失してしまうと、『注意の集中力』の機能も、果ては、『注意の分配力』の機能も、『連鎖的に発揮度が下がってしまう』という、機能発揮上の連鎖構造になっているのです。その結果、『注意の分配力』の機能が、『実行機能』を駆使する「メタ認知」も、「実体験認知」も、正常な機能レベルでは出来なくなってしまうのです。
更に重要なことは複合機能体としての、「前頭葉機能」の個別の認知機能である『評価の物差し』の機能及び『実行機能』の働き具合自体が、『前頭葉の三本柱』の働き具合にリンクしているという構造問題、『機能発揮上の二重構造」の問題が存在しているのです。『機能発揮上の二重構造』と言う問題に気付いたのも、私Tad自身の体験である『思考実験』が基礎になっているのです。
&6 『機能発揮上の二重構造』の存在
(1) 皆さんは気が付いていないことだと思うのですが、「加齢」による機能の低下、私たち「二段階方式」が「正常老化の性質」と呼ぶその性質に起因して「前頭葉の三本柱」の機能の潜在的な機能発揮能力のレベルが低下していくにつれて、認知できる「対象範囲」が狭くなっていき、認知の度合いも低くなっていくのです。自動車を運転されているお年寄りなら体験的にお分かりだと思うのですが、年を取るにつれて、自分では十分気を付けている筈なのに、ガムテープ等を張って対応しようとする程度の小さなかすり傷や、小さなへこみを付ける程度の、小さな自損事故が増えてくるのです。
「加齢」による正常老化の進行に加えて、「脳の使い方」としてのナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」に起因した「廃用性の異常な機能低下」が加わることにより、「前頭葉機能」を含む/脳全体の機能について、加速度的で異常な機能低下が進行して行く先に「AD型認知症」の発病が待っているのです。
(2) 医療の現場では私たちの区分で言う末期の段階であり「大ボケ」の段階の症状が確認できないと「AD型認知症」の発病とは考えないので、「小ボケ」又は「中ボケ」の前半の段階に在るお年寄りは、それとは知らないで車の運転をしているのです。免許の更新時には、私たちの「二段階方式」のような、「前頭葉機能」を含む/脳全体の機能レベル(就中、『注意の分配力』の機能レベル)を精緻に判定できる「客観的な物差し」を使って判定し、不合格者には免許を更新させないことが必要不可欠のこととなるのです。
従って、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」が本態である「AD型認知症」の発病を予防するには、『意識』が覚醒した目的的な世界に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』機能が活性化する生活習慣、就中、「前頭葉の三本柱」の機能が活性化する生活習慣、すなわち、「前頭葉の三本柱」の機能の出番が出来るだけ多い「生活習慣」の構築と継続的な実践とが不可欠になるということなのです。
(3) 老婆心ながら、読書好きのお年寄りに一言注意を喚起しておきたいと思うのですが、読書と言う作業も当然のことながら、意識的(目的的)な世界のことなのです。従って、読書するという作業環境下では、「前頭葉の三本柱」の機能が関与していて、且つ、その内容を理解し、課題となっているテーマの筋を把握し、感動し、記憶するという脳機能の働きの度合いは、その時の貴方の「前頭葉の三本柱」の機能の働きの度合いに左右されているということなのです。「前頭葉の三本柱」の機能の機能レベルをそれなりの高さに維持するには、一人で本を読むのではなくて、出来れば、気心の合うお友達の輪の中で一緒に読んで議論し、或いは、感想を述べあって頂きたいのです。
(自分のそれとは異なる)お友達の読後感を聞いて理解するにも、自分なりの考えを披露し、或いは、自説を展開するにも、一人で読書する場合に比べて、「前頭葉の三本柱」の機能の出番がはるかに増え、更には、それらの機能の発揮レベルが要求される度合いもはるかに上がることになるので、所謂、脳の活性化、「前頭葉機能」の活性化に対して、より貢献することになるからなのです。気心が知れたお友達の輪の中で、色々な「テーマ」について、自分なりの意見を生々しく表明し、或いは相手の異なった考えの表明を受け入れる場を持つことは、「前頭葉の三本柱」の出番が増えるので、「前頭葉機能」を含む/脳全体の機能が活性化することになるのです。
「お友達と交わる機会」を出来るだけ多く持って、おしゃべり程度でもいいので、楽しく語り合う場を出来るだけ多く持つようにして頂きたいのです。「前頭葉」機能が活性化される場面が多い生活程、貴方の「前頭葉機能」の機能レベルを正常で且つ、高いレベルで維持するのに貢献してくれることになる筈なのです。
(4) 更には、家に籠って/或いは図書館で、一人で読書するのではなくて、気心が知れた仲間たちと読書すれば、読書以外の話題について、貴方の「前頭葉機能」の出番が増えることにもなるのです。トランプが大統領になった先のアメリカの政治および経済界の変革による変動が、場合によっては激震が、我が国や中国に対してどのような政治的及び経済的な変革を呼びおこすことになるかの議論は、一人で家に籠って読書していたのでは、到底得ることが出来ない程の極めて大きく且つ大量の脳への刺激を貴方に与えてくれることになる筈なのです。
何事につけ、老若男女を問わず、他人と交わり語り合う機会が出来るだけ多い生活習慣、出来れば気心が知れた仲間と交わる機会が多い生活習慣が貴方の「前頭葉」機能が活性化し/活躍する出番を多くなり、その必然の結果として、貴方の「前頭葉機能」を正常なレベルに保ち続ける効果を生み、言い換えると、『AD型認知症』の発病とは無縁で、「第二の人生」を完走することにも繋がるのです。
(5) 更に重要なことであり、世界中の脳科学者達の誰もが及び世界中の認知症の専門家達の誰もが、未だに気付いていないテーマ、それが、『評価の物差しの機能及び実行機能』の機能の発揮と「前頭葉の三本柱」の機能との関係として私たちが発見した、『機能発揮上の二重構造』という問題の存在なのです。
状況の理解と判断、判断に沿ったテーマの発想、発想テーマに沿った発言、行為或いは行動内容の企画と計画、実行結果についての洞察、推理及びシミュレーション、シミュレーション結果に基づく修正、実行内容並びにその程度及び態様の選択、実行の決定と脳の各部に対する実行の指示その他抑制や感動や共感等の『前頭葉』機能の個別認知機能群である「実行機能」は、「前頭葉の三本柱」の機能の発揮度にリンクして、当該個別認知機能の発揮度が構築されるというメカニズムが存在しているのです。
(6) そのことに加えて、この「前頭葉の三本柱」の機能には、「正常老化の性質」と私たちが名付けている『生来的な性質』があるのです。
「前頭葉」が生き生きと働くような「テーマ」を日々追求して生活していようとも、「加齢」とともに働き具合が次第に低下していくという(生まれながらに備わっている)生来的な性質が誰にでも備わっているということなのです。
私たちが、「60歳を超える年齢の高齢者」という条件を、「AD型認知症」発病の「第一の要件」として定義している根拠がここに在るのです。我が国で「第二の人生」が始まる65歳くらいの年齢になると、「前頭葉の三本柱」の機能の働き具合が、最盛期である20歳代の前半の頃のそれに比べて半分くらいに衰えてきていることを「脳機能データ」が示しているのです。
(7) 「脳の使い方」としての視点と意味で言う『生活習慣』とは無関係に、20歳代の前半をピークとして、その後は、100歳に向かって緩やかに直線的に衰えていくという性質、「正常老化の性質」に起因して「前頭葉の三本柱」の機能が、或る一定のレベル以下に低下してきて居り、且つ『第二の人生』を生きている60歳を超える年齢の「高齢者」が(私たちが定義する発病の基盤となる条件であり、「第一の要件」)、「キッカケ」の発生と継続とで、「心が折れて」しまい、その人がその時遭遇した精神的、肉体的及び/又は経済的な逆境に対して、立ち上がり、這い上がって行こうとする『意欲を喪失』してしまった結果、「生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない」、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」が始まり継続されていくとき(私たちが定義する発病の「第二の要件」)、第一の要件と第二の要件とが同時に並存する『相剰効果』により、「前頭葉機能」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させて行く、その先に『AD型認知症』の発病が待っているのです。
(8) 『AD型認知症』の発病のメカニズムを理解し、解明する上で不可欠の「テーマ」である、状況の理解と判断、状況の判断に沿ったテーマの発想、テーマを実行する上で必要となる実行内容の企画と計画、実行内容の実施結果を予測するための推理、洞察、シミュ・レーション、シミュ・レーションに従った実行内容の修正、最終的な実行の内容、その程度及び態様の選択、実行の意思決定、左脳や右脳や運動の脳と言った脳の各部に対する実行の指令、更には、抑制や感動や共感等、複合機能体としての『前頭葉機能』の「個別の認知機能」の発揮度を左右しているのが、私たち二段階方式が「前頭葉の三本柱」の機能と名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能なのだということに気付いたのです。
(9) この理解を出発点にして、私たちが「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例にも及ぶ精緻な「脳機能データ」の解析により、『「AD型認知症」の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病である』との結論に達したのです。私たちが意識的に何かを行おうとするときは、状況を判断し、状況の判断に沿った行為や行動や発言をするものなのです。その要となるのが、「前頭葉機能」であり、就中、「前頭葉の三本柱」の機能であり、更に言うと、『注意の分配力』の機能なのです。
(10) これらの脳機能が、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」が継続する下で、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させて行くこととなるのですが、『AD型認知症』と言うタイプの認知症は、そうした『前頭葉機能』を含む/脳全体の機能レベルの直接のアウトプットそれ自体が、認知症の症状として発現して来るところに特徴があるのです。
&7 『AD型認知症』の発病の予防とは
(1)「前頭葉機能」の出番が多い「生活習慣」を打ち立て、継続して実践の自助努力をすること:
『AD型認知症の発病とは無縁』で、第二の人生を完走するには、どうしたら良いのか。
様々な種類が数ある「認知症」という病気の大半、90%以上は「AD型認知症」なのです。その「AD型認知症」の発病を予防(発病時期を先送り)するには、どうすれば良いのか。その答えは、神の恵みと言うべきなのか、誰もが同一の条件として要求される絶対的な要件ではなくて、貴方なりの条件として要求される相対的な要件と言うことなのです。
(2) 私たちの意識的な世界を構築し、支配し、コントロールしていて、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉機能」の出番が多い生活、就中、機能発揮上の二重構造の視点からは、「前頭葉の三本柱」の機能の出番が多い生活習慣、さらに言うと、「注意の分配力」の機能が働く機会が出来るだけ多い、あなたなりの「テーマ」を継続的に実践する生活習慣が、発病の引き金となる要因、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の異常な機能低下の進行の問題を回避することに因り、「加齢」という要因(「正常老化」の進行の性質)だけにより、緩やかなカーブを描きつつも、正常な機能レベルを維持させてくれることになるのです。
(3) 私たち「二段階方式」の14689例にも上る被験者の極めて精緻な「脳機能データ」が示唆し、証明しているように、「AD型認知症」というタイプの認知症は、脳全体の機能の中で『前頭葉機能』だけが(から真っ先に)、異常なレベルに衰えて来ることから発症する(「小ボケ」の段階)という厳然たる機序が存在するものであり、言い換えると、『「前頭葉機能」が正常なレベルに保たれている限りは、「AD型認知症」の発病という事態は、絶対に起きて来ない性質のもの』だということなのです。
注)(「小ボケ」の段階では、「前頭葉機能」だけが異常なレベルに在って、左脳も右脳も運動の脳も未だ正常な機能レベルに在るのです)。
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2.各段階に特有で、類型的な症状の例示(14689例の発病患者の症状を基礎)
(1) 「小ボケ」の類型的症状の10項目(推定される順番に並べ替え)