私の人生で、三日間続けて演劇や音楽鑑賞したことはなかったように思います。
たまたまNet検索していたら、国立小劇場での文楽公演のニュースを発見。幸いなことに歯科検診の日と重なっています。早速、チケットをWeb予約したのは4月初めでした。なんと予約開始日でした。
文楽はなかなか見るチャンスがなくて、数回しか見たことがありません。
今回は「妹背山婦女庭訓」の上演だったのですが、演目を選ぶ余裕はありませんからチケット購入後に予習(笑)
いつもは新幹線で東京駅、乗り換えて有楽町へ。有楽町線で永田町まで行って、後は徒歩。
前回、友人と一緒に歌舞伎を見た時に「半蔵門からだとすぐよ」と聞いたことを思い出し、行き方を検索。品川乗り換え渋谷。渋谷で半蔵門線に乗り換えて4つ目まではすぐに判明しましたが、問題は渋谷での乗り換えです。私が東京に住んでいた時には半蔵門線はなかったのです!
ところが案ずるより産むがやすしで、最近はほんとに便利になっていて、検索をかけると乗り換え改札口から、写真入りで行き方が丁寧に解説されていました。
文楽は小劇場です。
去年歌舞伎座で50年ぶりくらいに一幕見をしました。その時定式幕のことを調べました。歌舞伎座は黒-柿色-萌黄。国立劇場は黒-萌黄-柿色ということでしたが、たしかに。
今回のように通しでの上演は、とても珍しいとのことでした。ただ前段だけでも10:30から15:00過ぎ。お尻が痛くなりました。後段も興味はあるんですけど…
翌日は、伊東祐親まつり。
日本で唯一の川上能舞台での薪能がもう20年も続いているのです。能の演目は伊東ゆかりの「小袖曽我」。正直に言うとそれよりも野村萬斎の「樋の酒」にひかれてネット予約しました。
狂言は面白いですね。軽妙なセリフと動きを楽しむのですが、次を予告するような微妙な間や動きがあることに改めて気が付きました。すべてを計算しつくしている・・・それを表現するには厳しい鍛錬が不可欠だろうと、そんなことまで思いをはせてしまいました
そして今日。去年新しくできたギャラリー「森の小屋」を舞台にネイティブアメリカンフルートの演奏会を楽しみました。チケットから遊び心あふれています。羽は紙製ですが「コンドルの羽のつもりで」と渡してくださいました。
ギャラリーですから、こんなおしゃれな空間が迎えてくれました。
会場はまるで林間劇場です。ギャラリー主の友田さんのご挨拶。
演奏はMark Akixaさん(日本人です)演奏の間も、アメリカでの体験、エピソードを話してくださるので興味深く聞かせていただきました。
男性が女性にプロポーズするときに吹くことからラブフルートといわれること、豊穣への祈りや雨ごいなど、神羅万象への祈りのための演奏であること。(彼らは、日本人の八百万の神信仰に似たような自然観を持っているので)
演奏とは無関係の話題も。日本では「インディアン」というのは放送禁止用語ではないのですが、自粛すべき単語で「ネイティブ・アメリカン」というのが慣例になっています。ところがアメリカでは「『インディアン』といわれて気分を害する人はいないが『ネイティブ・アメリカン』といわれると怒り出す人がいる」ということも話してくださり、これは初耳でした。
リコーダーのような構造で、尺八やケーナのように音を出すことそのものが難しい楽器とは違うそうですが、問題は音域が狭いこと。
何より私が感じたことは、メロディがはっきりしない方が、直接的に心に響く楽器だということでした。昨日の能舞台で、「火入れ式」の後「神降しと散華」が行われましたが、その時に「神降し」のために石笛が吹かれました。あのシーンと、今のこの時間は深いところで共通していると、納得しながら聞きました。
アリゾナ州ホピ族は西洋化が最も進んでないといわれる部族だそうです。そのホピ族の主食がトウモロコシ。収穫が多いと神様に祈りが届いたと信じ、収穫が少ないと祈りが足りなかったと信ずるその民族性にも驚かされましたが、トウモロコシを育てるためには不可欠なのが「雨」です。そのホピ族の雨ごいの曲を演奏してくださったのです。短いものでしたが力強い感じを私は受けました。
コンサートが終わって外に出たら、なんと大粒の雨が。
これを単なる偶然と思うか、不思議なことに遭遇したと思うかはその人の前頭葉が決めることです。