脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

脳機能という物指しを通してみる

2006年02月27日 | 二段階方式って?

私事ですが、パソコンが即死してしまいました。全部電源を落とし
てプラグを差し替えただけなのに・・・ブログもそのためにお休み
状態。今復活しましたからひとこと、ご挨拶を。

20062_002寒いところの方に申し訳ないのです
が、私の住んでいる伊豆は、例年な
ら早咲桜が1月末には咲き始めます。
今年は少し遅く、2月もそろそろ半ば
で、三分咲きくらいだったでしょうか。

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しばらく留守にしていましたら、
なんと桜が満開になっていました。
桜に誘われてちょっとうれしかった話をします。

研修会に出席した方から、以前レポートが来ました。

  • 脳機能は正常だが、(MMSは計算のみー1)
  • 30項目小ボケのところに2個丸がつく
  • 毎日読書などしていて、どうもかくしゃくらしい

指導の内容は「これだけの成績をとりながら、なお小ボケの自覚
があるということは、ちょっと気になります。念のためにぜひ半年
くらい前に、生活上のターニングポイント(生き生きとした生活が
できなくなる)がなかったかどうかだけ確認をしておいてください」
でした。

その保健師さんから、弾んだ声で電話がありました。

「検査した方に会ってお話をしました。ほんとに半年前に、かわい
がっていたペットが死んだのだそうです。『寂しくて気が抜けた
ような暮らしを続けていて、これじゃあいけないと思っていたの
です。これから心を入れ替えて、前のような生活をしなくては、
いけませんね』と自分からすらすらと話されました!」
「マジックみたいでした。また他の人の検査もしてあげます!

20062_006_2 これは付録です。豊後竹田駅構内の竹雛

竹田城址から、あの有名な「荒城の月」が
うまれたのです。
すばらしい石垣に、深い山を抱いた勇壮な
城跡でした。

竹田市、直入町、荻町、久住町が合併して新竹田市になりました。新市の体制でも二段階方式でのボケ予防活動を進めていくことになっています。

もうひとつ。前回研修会のレポートが、ちょっと遅ればせに届きました。

  • MMSは2月はわかり、所5点、計算5点の24点(実質中ボケ)
  • 30項目は、嫁の評価で中ボケ
  • 4~5年前の体調不良に続く、家事からの引退で何もしなくなった

けっこう典型的な中ボケなのですが、計算5点からも感じられる
ように、一見立派に見えるところが曲者。以下は感想。
「でも二段階方式では、テストの解釈から中ボケなら中ボケと
判定できます。その正確さにビックリ!」

それ以上にうれしかったのは、
二段階方式を取り入れるということは、テストも大切、30項目も大切。でも生活歴を聞かなくてはいけません。(その通り!生活歴を聞いて、生活指導をするために検査をやるのです)その過程はラポールがとりやすく、今後の具体的生活改善指導につなげやすいことがわかりました。
普通ボケの相談は、後ろ向きの発言ばかりになりがちですが、これならば、前を見ることができます。これからも使いますから」という保健師さんの発言でした。

心の中を暖かい春風がかすめて行きました。
二段階方式は「脳の機能検査・生活実態・生活歴」の3本柱で解釈します。その生活歴聴取の大切さをわかってくださって、ほんとにうれしかったという話でした。


江刺市こぼれ話

2006年02月11日 | エイジングライフ研究所から

江刺には1月26日に行きました。
花巻温泉奥の台温泉に泊まりました。つららです!
江刺市役所の駐車場もスケートリンクみたいでした!

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「脳元気グループ」の「いきいき交流会」は市役所多目的ホールで1月28日(土)に開催されました。ホールの壁面を使って各グループの活動報告がされるのですが、今年はホール内では収まらずに、ホール入り口にも、展示が行われていました。

参会者達の話し声が聞こえました。
「こんな楽しいことをやってるんだって。お年寄りがねえ。」
「見て、見て。これいいね。私だってやりたい。」
「折角なんだから、しばらく展示して皆に見せればいいのにね。勿体ない!」

「ボケても安心」ではなく「ボケのない町」こそ、住民の希望です。
抽象的な言葉の世界ではなく、具体的に、高齢者だけでなく住民がどのように生きていくのかを示す必要があります。
江刺市の交流会はまさにその役割を担ったのです。

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エイジングライフ研究所が進めている「地域ぐるみのボケ予防活動」は、一方で脳機能の測定やそれに基づく生活改善指導という専門的な側面がありますが、一方では高齢者を中心にイキイキトした楽しい活動が、必ずあるのです。
ボケ予防活動を進めている皆さんは「ボケ予防教室の楽しい活動」を住民の皆さんに伝える工夫や努力もしましょうね。

江刺は「交流会」だけでなく「広報」の取材もありました。


江刺市「稲瀬としとらんと会」

2006年02月11日 | 認知症予防教室

江刺市の脳元気グループ「稲瀬・としとらんと会」の紹介です。
この会のスタートは、稲瀬地区センターの市職員の千葉さんが、市役所健康増進課長に栄転する所から始まります。
「いろいろお世話になった千葉さんに、餞はないだろうか」
「健康増進課の進めている脳元気グループを立ち上げてみようじゃないか」(千葉さんだらけですから要注意)

ここで登場するのが千葉謙さん。去年の交流会の勇姿です。
Dsc00378_1 稲瀬地区は26戸という小さなですが、どういうわけか男性が早世され未亡人が多いそうです。3年前大きい建築会社の副社長を退職したところ、恰好の人材ということで老人クラブの会長に 就任。70歳に見えますか?
去年からは、正:千葉謙さん。副:千葉きぬさんの最強コンビになっています。

次の立役者が千葉きぬさん。これも去年の作品です。
Dsc00390_2 「としとらんと会」が始まって、「こういう心境になりました。左←右」と説明してくれました。着物地から作るベストを皆さんに伝授したそうで、参加者全員が着用。更に「ほしい人のために」と型紙まで用意してありました。去年も今年もナレーターの大役で参加。声も姿も若々しく、年齢は千葉謙さんよりは上とだけ報告しておきます。

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去年は「チンドンやパレードと昔の遊び」さて今年の出し物は?集団就職したあの頃を思い出して「歌劇」ですよ。

P1000032_1 オープニングは「ああ上野駅」の合唱にのって「うえの、うえの、終着駅上野です・・・」のアナウンス。舞台には、ほほを高潮させた学生服・セーラー服の皆みなさん。中学卒業後、集団就職という設定です。

P1000028_1 歌の上手なすみちゃんは、退職後はじめたカラオケ教室の班長さん。きぬさんのよき協力者です。美声を生かして最高齢のおばあちゃんの手を引いて「東京だよ、おっかさん」を歌いながら舞台を進みます。

足の悪い人は、靴磨き。
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みさこさんも足が悪いので、モデル。画家は千葉謙さん
(汽車と二重橋も描かれました)
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2月13日には渡温泉に一泊で「お疲れ会」だそうです。これは地区恒例のものだそうですが、今年の6時から9時の宴会タイムは、さてどう盛り上がるでしょうか?世話役さんたちは、衣装をどうするか相談中とのことです。
今度の行政一区の総会では「またやる!」ことが決定済み。

江刺の花作りコンクールでは3年連続の優秀賞受賞、神社・会館の掃除や芋の子会その他まとまりのよい地区活動あってのことときぬさんは述懐されましたが、地域性はもとより、「ボケ予防」という大きな目的が認識され、皆さんを協力に引っ張るリーダーに恵まれれば、ここまでやれるのです。こういう「生き方」ができるのですね。

一方で、千葉謙さん私からのメッセージです。
稲瀬の皆さんのために始めた活動ですが、第二の人生が始まり「としとらんと会」のなかで千葉謙さんの持っている才能をいかんなく発揮することができて、私は何よりも千葉謙さんのために喜んでいます。
そして、来年を楽しみにしています。
それからもう一つ、これはお願いです。
「稲瀬の皆さんを引き連れて、あちらこちら公演してまわる」
実現できたらいいですね!

追伸。今度チャンスがあったら似顔絵を描いてください。


江刺市「脳元気グループ」交流会

2006年02月11日 | 認知症予防教室

今年の江刺市「脳元気グループ」交流会も素晴しいものでした。
プログラム構成、会場準備など自主的に運営されたそうです。
地区ごとの、文化や人材を生かした多様なステージ発表で盛り上がりました。

男性陣の謡と女性陣の甚句のコラボで幕開けでしたが
これは、遠野と江刺だけに伝わる郷土芸能!
ご当地ソング江刺甚句も、お囃子付、組甚句、まわり甚句と三者三様。

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踊りは「あきあじ音頭」「いきいき音頭」「花笠音頭」「外山節」etc.
花笠が手作りになるところが右脳刺激。

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更に、リーダー達の絶妙、当意即妙な解説が会場を盛り上げます。
参加されている方たちが、とにかく楽しそう。出を待つ時の緊張感がずいぶん薄まってきました。

「esashi001.pdf」をダウンロード

プログラムの多様さと一緒に、教室名も見てください。
このような一工夫が、「自分達の会」という意識を生んで、自主活動への道にもつながったのでしょう。

 

P1000014_4創作ダンス「涙そうそう」
去年の派手な衣装とは一変、黒でまとめた皆さんが指先にまで、神経を張り詰めて祈りを込めたダンスは涙を誘うほど訴えかけるものがありました。

P1000039_1 歌あり、踊りあり、体操もありましたが、「こんなことをやってます」ということで、風船バレーを興じて見せてくれたグループもあって、発表に幅が出ました。

P1000046_2 ステージでは、「十番組はつらつ会」の「北国の春」の合唱。会場では、「にこにこサークル」の皆さんが、歌にあわせて体操を自然に始める・・・
こういう「生き方」ができることが大切なんですよね。

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突然のインタビューにも、楽しげにノビノビと答えます。
司会者は健康増進サポーターさん。
去年にもまして、楽しく、お年寄りをのせていました。

江刺の「勝因」の一つがこの健康増進サポーター育成。
ボランティア養成を同時進行させ教室派遣したことです。

もう一つの「勝因」は「個別脳機能検査」です。
個別検査は、生活指導のために行われます。生活を良く聞き取って、より脳にとっての健康的な生活を指導するのです。この積み重ねが、「脳元気グループ」の意義を根付かせたのでしょう。

江刺市は、もうすぐ奥州市になります。
新しい町になっても、この活動は続いていくことでしょう。ここまでにした、国保中央会の研修に参加された及川保健師さんをはじめ、現在担当の佐藤保健師さん、皆さんのお顔が浮かびます。よき上司に恵まれ、思いを同じくする保健師さんたちがいてこの偉業は成し遂げられたのですね。去年も、今年も笑いながら涙をこぼしていた皆さん。私も、ちょっともらい泣きしましたよ。

 

 

 


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